ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

 

RENAULT TYPE AG BUS 1910 FRANCE

RENAULT TYPE AG BUS 画像をクリック/タップすると画像が変わります
MATCHBOX Y44 1/38 108mm

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.1m 全幅約1.4m
エンジン 変速機: 4気筒 1.2L? 3段変速
性能: 最高速 不詳
データーベースでルノー 初期モデルのミニカー検索

 

ルノー タイプ AG バス フランス 1910

 

 ガソリン エンジンを搭載した最初のバスは1894年のベンツ バスとされていて、これは馬車にエンジンを追加したものでした。自動車は辻馬車(タクシー)や乗合い馬車を代替する公共交通手段として発展してきました。乗合い馬車は路線バスに発展し、有名なロンドン 2階建てバスの最初のモデルは1904年頃に登場しています。(参照画像→ディムラー 2階建てバス 1904)

 ただ最初からこのような大型バスが一般化したわけではなく、その前段階としてタクシーを大型化したような小型バスがありました。このような小型バスは鉄道の駅から最寄りのホテルまでお客を送迎する送迎バスとして始まったようです。この送迎バスが発展して、大都市から近郊の町(駅)まで定期運行するローカル線が登場するようになりました。また観光地などへの道路が整備されたことで、バカンス旅行にもバスが使われるようになり、豪華な観光バスも登場するようになりました。

 

 ルノー タイプ AGのタクシーは「タクシー ド ラ マルヌ」として有名で、当時のフランスの代表的なタクシーでした。当時のバス事業者は小型バスのベースとしてもタイプ AGを使っていたようです。多人数を乗せるタクシーは1906年頃に登場し、様々なサイズのバスが作れられ、フランスでもルノーの2階建てバス 1927年があったようです。なおタイプ AGはバスだけではなく救急車や商用バン/トラックにも使われました。

 

 

 ミニカーはマッチボックス製で、1991年頃に発売されました。ルノー タイプ AGの路線バスをモデル化しています。 側面の「WESSERLING BUSSANG」の表示は、フランスの東端にあるウェセルランとその近郊のビュッサンとの間を運行する路線のことで、「Vincent Fontaine」は地名でしょうか? 客室はリアに昇降口があり、室内は中央が通路で対面式のベンチシートがあります。(実車画像には乗車定員が15人と記されていますが、そんなに乗れるのかやや疑問?) 縮尺1/38と中途半端なサイズで最近のミニカーほど精密ではありませんが、マッチボックスのクラシックカーにはノスタルジックで素朴な味わいがあります。(時代考証もある程度きちんとされています) マッチボックスはタイプ AG 商用バンもモデル化しています。以下はフロント/リアの拡大画像とキャビン/運転席部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT TYPE AG BUS 1
RENAULT TYPE AG BUS 2

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GREGOIRE TRIPLE BERLINE (14/24HP) 1910 FRANCE

GREGOIRE TRIPLE BERLINE (14/24HP) 画像をクリック/タップすると画像が変わります
SAFIR 101 1/43 132㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.6m 全幅約1.9m
エンジン 変速機: 4気筒 3.2L 24HP? 
性能: 

 

グレゴアール トリプル ベルリーヌ (14/24HP) フランス 1910

 

 フランスの自動車/航空機用エンジンメーカーであったグレゴアール社はP.J.グレゴアール(Pierre Joseph Gr?goire)が1902年に設立しました。グレゴアール社は1904年から自動車製造に乗りだし単気筒/2気筒/4気筒/6気筒エンジンを搭載したモデルを製造しました。アルミ合金ピストンをいち早く採用した4気筒エンジン、6気筒スリーブバルブエンジン、第1次大戦後にOHV(オーバーヘッドバルブ)を採用した高性能な4気筒エンジンを開発するなど、エンジン技術には優れていたようです。ただいずれもあまり売れなかったようで、結局1924年に倒産しました。なお同じグレゴアールという名前で1947年設立で1962年まで存在したフランスの自動車会社もありましたが、上記とは関係のない別会社でした。

 

 画像のトリプル ベルリーヌと称するモデルは、その変わったスタイルで有名でした。現在のキャンピングカーの元祖のような6人乗りの乗用車で、3台の馬車を連結したようなボディの為トリプル ベルリーヌと呼ばれています。この長いボディは自動車で快適に旅行ができるように設計されたもので、内装はレースでトリミングされたベルベット張りの豪華なもので、窓にはカーテンがついていました。広い室内を生かした軍用救急車仕様もあったようです。(実車画像→ グレゴアール 軍用救急車 )

 

 

 ミニカーはフランスのサフィール製で1960年代に発売されました。ボディの材質はプラスチック製で実車のユニークなボディを忠実に再現しています。赤/黒のカラーリングがきれいで、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえのサフィールの傑作ミニカーです。屋根の上には長距離旅行に必要な荷物がたくさん積める収納箱が載っています。その屋根は室内を見る為に簡単に外せるようになっていて、屋根を外すと豪華な室内を見ることができます。なおグレゴアールのミニカーはこのサフィール製しかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GREGOIRE TRIPLE BERLINE 1
GREGOIRE TRIPLE BERLINE 2

 以下はキャビンの拡大画像と屋根を取り外した室内の画像です。後部にはソファーのようなラウンジシートがあり、その前方にはクラシックな洋風箪笥(チェスト)が備えられています。画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GREGOIRE TRIPLE BERLINE 1

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BERLIET 1910 FRANCE

BERLIET 画像をクリック/タップすると画像が変わります
RAMI 33 1/43 96㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.3m 全幅約1.8m
エンジン 変速機: 4気筒 2.4L 21HP 4段変速
性能: 最高速80km/h
データーベースでベルリエ のミニカー検索

 

ベルリエ フランス 1910

 

 モーリス ベルリエ(Marius Berliet)は1894年に自動車の製作をはじめて単気筒/2気筒エンジン搭載車を完成させ1899年にベルリエ自動車会社を設立し、廃業した自動車メーカーの工場を引き継いで生産を始めました。1903年に登場した4気筒エンジン搭載車20CVは同時期のドイツのメルセデスとよく似ていました。この車は1906年にアメリカのアメリカン ロコモーティブ社がライセンスを買い取ってALCOという名前で販売したとのことで、当時としては優秀な車だったようです。(実車画像→ ベルリエ 20CV 1903)

 

 1910年代にはベルリエは4気筒/6気筒エンジンを搭載する乗用車とバス/トラックを生産していました。第1次大戦の勃発でフランス軍向けの軍用トラックの需要が急増し、ベルリエは工場を増設して対応しました。またルノーのライセンスによる戦車の生産も行うようになりました。戦後も乗用車の生産を行いましたが経営不振となり、1930年代後半に乗用車生産からトラックなどの産業用車両生産に転換しました。その後1974年にルノーに買収され、1978年にサビエムと合併してルノー トラックス社となり、1980年にベルリエ ブランドは消えました。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたラミー(RAMI)製です。モデル化している実車がはっきりとは分からないのですが、年式からおそらくタイプ Cと呼ばれる4気筒2.4Lエンジンを搭載した中型車をモデル化していると考えます。密閉されたキャビンを持つセダンですので当時としては高級車であったと思われます。実車のキャビンがこのような緑と白に塗り分けられていたとは思えませんので、このカラーリングはラミーの創作だと思います。ラミーのミニカーとしては後期のものなので、フロントグリル/ヘッドライト/ホイールにメッキしたプラスチックが採用されています。またカラフルなカラーリングと側面の木目模様のライン(デカール)など凝った仕上げで、当時としては良い出来ばえのミニカーになっていました。第2次大戦後のベルリエはトラック専門メーカーになりましたので、ベルリエのミニカーはほとんどがトラックです。(トラックのミニカー→ ベルリエ ストラデール トラック) トラック以外のベルリエのミニカーとしては、これと2015年に発売されたイクソ製のベルリエ 11CV ドーフィン 1939年式(ベルリエの最後の乗用車)ぐらいしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BERLIET 1
BERLIET 2

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LORRAINE DIETRICH 1911 FRANCE

LORRAINE DIETRICH 画像をクリック/タップすると画像が変わります
RAMI 24 1/43 93㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m
エンジン 変速機: 4気筒 2.2L 28HP 4段変速
性能: 最高速 不詳
データーベースでロレーヌ ディートリッヒのミニカー検索

 

ロレーヌ ディートリッヒ フランス 1911

 

 ディートリッヒ社はフランスのロレーヌ地方(ドイツとの国境地帯)で蒸気機関車を作っていた会社で、1896年に自動車製造に進出しました。後にブガッティ社を設立したことで有名な技術者エットーレ ブガッティを採用し、彼が設計した4気筒5.4Lエンジン搭載車24HPはこの会社の名前を上げました。1907年にはイソッタ フラスキーニ社と一時的に合併し、イソッタ フラスキーニの設計した高級車も製造しました。この頃から車の名前をロレーヌ ディートリッヒに改名し、高性能な車として評価されるようになりました。

 

 1919年に高性能なOHC(オーバーヘッドバルブ)、アルミ製ピストンを採用した高性能な6気筒3.5Lエンジンを搭載した新型車15CVが登場しました。15CVのレース仕様車B3-6は1925年と1926年のルマンで連続優勝したことで有名です。15CVはエンジンを4Lに拡大した20CVに変更されて生産されましたが、その頃から自動車部門は採算が悪化しました。ディートリッヒ社は1930年にフランスの航空機メーカーに吸収されて航空機エンジンと軍用車両の生産を行うようになり、1935年に自動車生産から撤退しました。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたラミー(RAMI)製です。ラミーのミニカーを解説しているWEBサイト(参照リンク→ ラミーのWEBサイトの該当ページ)には実車画像が掲載されているので、どこかの自動車博物館に保管されている車をモデル化しているのでしょうが、モデル化している実車が良くわかりません。年式から判断して4気筒2.2Lエンジンを搭載した中型車(タイプ FHF4?)をモデル化していると思われますが、確証はありません。独特の形状をしたフロントグリル形状(グリルが網目なのは時代を感じさせます)やボンネットとボディの接合部形状など当時の技術で実車をそれなりにうまく再現しています。セダンボディも実車に忠実な造形で当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。これ以外のロレーヌ ディートリッヒのミニカーはMINIALUE(ミニオール)、イクソのB3-6、ミニチャンプスのB3-6などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LORRAINE DIETRICH 1911 1
LORRAINE DIETRICH 1911 2

 以下は1960-1970年代に発売されたMINIALUE(ミニオール)製のロレーヌ ディートリッヒ 1905 (1/43 型番32)の画像です。これもモデルとなった実車が良くわからないのですが、年式から考えるとブガッティが設計した4気筒エンジン搭載車24HPをモデル化しているのではないかと考えますが、これも確証はありません。MINIALUEのミニカーはプラスチック製で、クラシックカーに付き物の灯火類や操作レバーがきちんと別パーツで取付けられているなど、当時のミニカーとしてはリアルに作ってありました。このロレーヌ ディートリッヒも独特の形状をしたフロントグリルがうまく再現されていて、サイクルフェンダーを持った当時の軽快なツーリングカーがうまく再現されていると思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LORRAINE DIETRICH 1905 1
LORRAINE DIETRICH 1905 2

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LEON BOLLEE TYPE G DOUBLE BERLINE 1911 FRANCE

LEON BOLLEE TYPE G DOUBLE BERLINE 画像をクリック/タップすると画像が変わります
RAMI 28 1/43 95mm

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m 全幅約1.6m
エンジン 変速機: 4気筒 2.4L 30HP 4段変速
性能: 最高速80km/h  

 

レオン ボレー タイプ G ダブル ベルリーヌ フランス 1911

 

 フランスのレオン ボレー自動車会社はレオン ボレー(Leon Bollee)が1895年に設立しました。レオン ボレーは1878年にアメ デ ボレー蒸気車を開発したアメデ ボレー(Amedee Bollee)の息子でした。1895年にレオン ボレーが最初に製造した自動車は単気筒エンジンを搭載した3輪の小型車で、この車は数百台が売れたそうです。その後1899年に単気筒エンジン搭載の4輪車、1903年には4気筒4.6L/8Lエンジンを搭載した大型車、1907年に6気筒エンジンを搭載した大型車が登場し、1910年頃には9種類のモデルがあり年間600台の車を製造していました。

 

 レオン ボレーは1913年に亡くなりましたが、彼の未亡人が会社運営を続けました。1914年に勃発した第1次大戦中は機関銃などの武器を製造しました。第1次大戦後も自動車生産を行いましたが、1924年にイギリスのモーリス社に買収され、名前がモーリス レオン ボレー社に変更されました。その後同社はモーリス カウリー/オックスフォードのフランス版を生産するようになりました。フランス市場でのモーリス車の販売が芳しくなくフランス工場は閉鎖されることになり、1931年にレオン ボレー社の歴史は終わりました。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたラミー(RAMI)製です。1911年に登場したタイプ Gと呼ばれる車をモデル化しています。馬車を2台分連結したようなボディなのでダブル ベルリーヌと呼ばれています。実車はフランスのリヨンにある自動車美術館に保存されているようで、ラミーはその実車をモデル化しているようです。(この車をWEBで検索するとこのボディの実車画像が見つかりますので良く知られた車なのでしょう) 50年以上も昔に作られたビンテージミニカーですが、特徴的なボディが良く再現されていて当時の技術で実車を忠実にモデル化しています。フロントグリルのLEON BOLLEEのロゴとボディー側面の木目パネルを再現した部分はデカールを貼ってあり、当時のミニカーとしては凝った仕上げでした。なおカラーリングが実車に比べて派手なのは、カラフルな外観のほうが売れるからでしょう。レオン ボレーの量産ミニカーはこれしかありません。このような珍しい初期の自動車をモデル化しているラミーは、クラシックカーのミニカーが好きな方(あまり日本にはいませんが)には現在でも人気があるブランドです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LEON BOLLEE DOUBLE BERLINE 1
LEON BOLLEE DOUBLE BERLINE 2

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DE DION BOUTON (TYPE DN) 1912 FRANCE

DE DION BOUTON (TYPE DN) 画像をクリック/タップすると画像が変わります
MINIALUXE 31 1/43 116mm

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.7m
エンジン 変速機: V型8気筒 7.8L 74HP 4段変速
性能: 最高速85km/h
データーベースでド ディオン ブートンのミニカー検索

 

ド ディオン ブートン (タイプ DN) フランス 1912

 

 前述したようにド ディオン ブートン社は自社の高性能ガソリンエンジンを搭載した3輪車と4輪車を発売しこのエンジンを他社にも供給していたので、1900年頃には当時最大の自動車メーカーになっていました。その後エンジンは2気筒、4気筒と大型化し、1910年にはV型8気筒まで開発していました。ただその後はエンジンの優位性がなくなりこれといった新規性のない車となり、だんだん人気がなくなっていきました。ただ堅実な設計で丁寧な仕上げがされていたので、1920年代の初めまではよく売れていたようです。

 

 1912年に登場したド ディオン ブートン タイプ DNは世界初のV型8気筒7.8L(74HP)エンジンを搭載した大型高級車でした。4速ギアボックスからプロペラシャフトを介して後輪を駆動し最高速85km/hの性能でした。リアアクスルは同社お得意のド ディオン アクスルでした。主にツーリングカーやセダンボディが架装されたようです。ド ディオン ブートン社は1932年に乗用車生産を止めてトラックや鉄道車両の生産に主力を移して1953年まで存続しました。

 

 

 ミニカーはクラシックカーを多く手がけていたフランスのMINIALUXE(ミニオール)製で1960-1970年代に発売されました。1912年式のタイプ DNをモデル化しているようです。MINIALUXEのミニカーはプラスチック製でクラシックカーに付き物の灯火類や操作レバーがきちんと別パーツで取付けられているなど、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。このタイプ DNはモデルとなった実車の画像が見当たらないので出来ばえを正しく評価できませんが、当時の高級車の雰囲気はよく再現されていると思います。なおMINIALUXEのミニカーはプラスチック製ですので、経年変化でボディが変形するものが多く、これもボディが少し弓なりに変形しています。1910年以降のド ディオン ブートン乗用車のミニカーは2020年現在でもこれしかないようです。(デルプラド製で1923年式の消防車がありますが) 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周辺の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DE DION BOUTON (TYPE DN) 1
DE DION BOUTON (TYPE DN) 2

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BEDELIA SPORT  1913 FRANCE

BEDELIA  SPORT 画像をクリック/タップすると画像が変わります
BRUMM R006 1/43 103㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m
エンジン 変速機: V型2気筒 1L 9HP 2段変速(ベルト架替え)
性能: 最高速80km/h
データーベースでサイクルカーのミニカー検索

 

ベデリア スポーツ フランス 1913

 

 1910-1920年代に2輪車の部品を使って小型軽量で安価な自動車が製作されていました。単気筒/2気筒エンジンを搭載した3輪/4輪車で2輪車の延長のような車でしたのでサイクルカーと呼ばれています。サイクルカーは安価だったので簡便な自動車としてブームになり、ヨーロッパやアメリカに製作メーカーが非常にたくさんありましたが、ほとんどが弱小メーカーでした。それらの中でもフランスのベデリアやアミルカー、イギリスのモーガンやGNが良く知られたブランドでした。 しかし1920年代後半になると、イギリスのオースチン セブンやフランスのシトロエン 5CVなどの安価ながら本格的な自動車が登場したことで、サイクルカーは瞬く間に淘汰されました。

 

 ベデリアはフランス初のサイクルカーで、1910年から1925年まで製造されました。バイクのような2人乗りで、後席にステアリングホイールがありますので後席が運転席です。(前輪の操作はケーブルを介して行う) 車体前部にV型2気筒1056cc(9HP)エンジンを搭載し、後輪をベルト駆動しています。2段変速なのですが、変速はサイズの異なる2つのプーリーのベルト架替えで行うので、変速するにはまずベルト張りを緩める操作(クラッチがないのでベルト張りを緩めてクラッチ代わりとしていたのです)をしてからベルトを架替えるというやり方だったそうです。走行中でもやれたそうですが、ベルト架替えは前席の同乗者が操作するそうです。先端に付いている金色の円筒は燃料タンクです。なお1922年頃の改良型はボディが変更されて前席2座の2人乗りになり、通常の3段変速機が付くなどかなり一般的な仕様になっていました。

 

 

 ミニカーは1977年に発売されたイタリアのブルム製です。ブルム初期に作られた数種類のサイクルカーの1つです。ベデリアには様々なバリエーションがあったのですが、これは1913年にフランスで開催されたサイクルカーグランプリで優勝したレースカーにサイクルフェンダーと幌を追加した公道仕様をモデル化しているようです。(実車画像→ ベデリア 1913) レースカーなので変速プーリーなしでエンジン出力軸から直接後輪をベルト駆動しているようです。V型エンジン、ベルト駆動部などがそこそこリアルに再現され、前輪が操舵できるなど当時のミニカーとしてはなかなか良い出来ばえです。ベデリアの量産ミニカーはこれしかないようなので車種的に貴重な面白いミニカーです。 以下はフロント(前輪操舵)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BEDELIA 1
BEDELIA 2

 以下はエンジン部の拡大画像と俯瞰/床下の画像です。後輪をエンジンからベルト駆動している構造が良く分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BEDELIA 3
BEDELIA 4

 以下は1977年に発売されたブルム製のベデリア スポーツ 1913 (1/43 型番R005)の画像です。これは上記の公道仕様からサイクルフェンダーなどを外したレースカー仕様をモデル化していますので、こちらのほうが上述した実車画像に近いです。当時のレースカーはヘッドライトが不要でしたから、ヘッドライトも取り外すのが正しいはずです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BEDELIA 5
BEDELIA 6

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HISPANO-SUIZA ALFONSO XIII 1913 SPAIN

HISPANO-SUIZA ALFONSO XIII 画像をクリック/タップすると画像が変わります
EKO 6005 1/43 105㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m
エンジン 変速機: 4気筒 3620cc 64HP 3段変速
性能: 最高速120km/h
データーベースでイスパノ スイザのミニカー検索

 

イスパノ スイザ アルフォンゾ XIII スペイン/フランス 1913

 

 スペインの自動車会社がスイス人の技術者マルク ビルキヒト(Marc Birkigt)をチーフエンジニアに採用し、1904年にスペインのバルセロナに設立したのがイスパノ スイザ社でした。「イスパノ スイザ(Hispano-Suiza)」とは「スペインとスイス」という意味で、設立した経営者がスペイン人、チーフエンジニアがスイス人という意味で命名されました。(フランス語ではHを発音しないのでイスパノ スイザと発音します)イスパノ スイザ社は一般乗用車/トラックに加えて高級車やレーシングカーも生産しました。

 

 イスパノ スイザ社はスペイン王室の援助を受けて王室御料車になったことで、高級車メーカーとして知られることになりました。初期の名車としては、スペイン国王のアルフォンゾ 13世の名前を冠したアルフォンゾ XIIIがありました。この車はスペイン国王が開催したレースに1911年に優勝したレーシングカーをベースにしたスポーツカーでした。トランスミッションと一体化した高性能な4気筒3620cc(64HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速120km/hの性能で、当時としては高性能で軽快なスポーツカーでした。約500台が1914年までに生産されました。

 

 

 ミニカーは1960年代に発売されたスペインのエコー(EKO)製です。エコーのミニカーの材質はプラスチックで、1/87サイズの乗用車/商用車や1/43サイズのクラシックカーをモデル化していました。このアルフォンゾ XIIIは自国の名車であることから気合が入っているようで、1960年代のクラシックカーのミニカーとしては細部までリアルでレベルの高い出来ばえとなっています。これ以外のアルフォンゾ XIIIのミニカーはミニチャンプスのレジン製があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HISPANO-SUIZA ALFONSO 1
HISPANO-SUIZA ALFONSO 2

 以下は1960年代に発売された同じエコー製のイスパノ スイザ 1906 (1/43 型番6009)の画像です。モデルとなった実車の詳細は分かりませんが、4気筒3.8Lエンジンを搭載した20/30HPをモデル化していると考えます。イスパノ スイザ 20/30HPは同社初期の中型車でした。これも1960年代のクラシックカーのミニカーとしては良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HISPANO-SUIZA 1908 1
HISPANO-SUIZA 1908 2

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PANHARD LEVASSOR SKIFF 1914 FRANCE

PANHARD LEVASSOR SKIFF 画像をクリック/タップすると画像が変わります
MINIALUXE 19 1/43 110㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m
エンジン 変速機: 4気筒 2.6L 22HP 4段変速
性能: 最高速50km/h
データーベースでパナールのミニカー検索

 

パナール ルヴァッソール スキッフ フランス 1914

 

 この車はパナール ルヴァッソールのシャーシに架装されたカスタムデザイン車で、今日で言うところのショーカーのようなものでした。スキッフとは細長い小船のことでボディの形が似ているだけではなく木骨に板張りという構造も同じになっていました。この個性的なボディを架装したのは、フランスのコーチビルダー HENRI-LABOURDETTE(アンリ ラブールデット)社で、同社は1910-1920年代にスキッフという名前で同じようなデザインのボディをロールス ロイスやイスパノ スイザなどに架装していましたが、その名前をつけた最初のモデルは1912年に登場しました。

 

 最初のスキッフは4気筒2.6L(22HP)エンジンを搭載したパナール ルヴァッソール タイプ X19に架装されました。この車は「軽くて快適な小船のようなデザイン」というパナール ルヴァッソール社の重役の要望に沿って製作されました。小船をイメージしたこの車にはドアがなく、木製フレームにマホガニーの板をリベット留めした構造で非常に軽量でした。フランスのコーチビルダーが架装するカスタムデザイン車は船をモチーフにした耽美なものが多いですが、この車はその先駆けとなったもので、他のコーチビルダーがこのデザインを模倣しました。

 

 

 ミニカーは1960年代に発売されたフランスのMINIALUXE製です。(MINIALUXEは正しい読み方ではないかもしれませんが、ミニオールと呼んでいます) ミニオールは1964年から「Tacots」シリーズとして1/43サイズのプラスチック製で出来の良いクラシックカーを約30種類ほど発売していました。このスキッフも実車の魅力的なデザインをうまく再現していて良く出来ています。フロントのパネルに1914と表示しているのと実用的な幌が付いていますので、1912年のスキッフの市販仕様かもしれません。プラスチック製で色を変えるのが簡単なので様々な色を組み合わせた色違いがありましたが、この茶色のボディが一番リアルです。パナール ルヴァッソール スキッフのミニカーは現時点(2020年)でもこれしかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席部分の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PANHARD LEVASSOR SKIFF 1
PANHARD LEVASSOR SKIFF 2

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REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 1914 FRANCE

REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 画像をクリック/タップすると画像が変わります
IXO ALTAYA  1/43 90㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.6m
エンジン 変速機: 2気筒 1.2L 8HP 3段変速
性能: 最高速45km/h
データーベースで戦前のルノーのミニカー検索

 

ルノー タイプ AG タクシー ド ラ マルヌ フランス 1914

 

 前述したようにルノー タイプ AGはタクシーとして使われました。タイプ AG タクシーは画像のようなランドレー形式のボディが一般的でしたが、密閉式キャビンのセダンやフルオープンのフェートン、商用バンなどもあったそうです。ルノーは1905年にタクシー会社を設立し自社のタクシーを大量に採用しました。この会社以外にパリにはタクシー会社が2つあり、1914年には約10000台のタクシーがあったそうで、その80%以上がタイプ AGのタクシーだったとのことです。

 

 第1次大戦初期の1914年9月にドイツ軍がパリの間近に迫ったとき、パリのタクシー 1300台がフランス軍6000人を一夜にしてパリから50km離れたマルヌの前線に送り込み、フランス軍の勝利に寄与したのでした。この大活躍でタイプ AG タクシーは「タクシー ド ラ マルヌ」(マルヌのタクシー)と呼ばれるようになりました。当時のタクシーはライトを装備していませんでしたので、夜間移動の際にはライト(石油ランプ式?)を追加したのだと思います。ちなみにタクシー料金は会社が運転手に支払ったそうです。

 

 

 ミニカーはミニカー付雑誌「TAXI DEL MONDO (世界のタクシー)」(→参照WEBサイト)のフランス版用として作られたものです。メーカーはイクソ(アルタヤ)で、雑誌付きの安価なミニカーですが、そこそこ良く出来ています。幌の下に見える黒い四角い箱がタクシーメータです。どのような料金表示をするのか興味があったので色々と調べたのですが分かりませんでした。(当方の想像ですがアナログ式スピードメータのように指針で料金を示すものだと思います。この件をご存じのかたがいらっしゃれば掲示板で教えて下さい) 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席部分の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 1
REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 2

 以下は1960-1970年代に発売されたフランスのサフィール製のタイプ AG タクシー ド ラ マルヌ 1907 (1/43 型番7)の画像です。前述したサフィール製のタイプ AG (型番5)のバリエーションです。ライトやキャビン横のランタンなどが外され、スペアタイヤを追加してタクシー仕様になっています。当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。プラスチック製なので経年変化でボディ全体が少し弓なりに変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 3
REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 4

 以下は1960-1970年代に発売されたフランスのサフィール製のルノー グランド レミス(GRANDE REMIS) 1906 (1/43 型番21)の画像です。グランド レミスとは元々は「豪華な貸し馬車」のことで、パリを訪れた王侯貴族などが利用した馬車で、現在でいうところのタクシーより上等で格式の高いハイヤー(運転手付きの貸し切り乗用車)にあたります。タクシーはライトが付いていないのですが、これは片方だけ付いているので、タクシーではないことが分かります。したがってこの車はタイプ AGではなくもっと高級なタイプ Xやタイプ Vなのかもしれません。プラスチック製なので経年変化でボディ全体が弓なりに変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
REAULT GRANDE REMIS 1
REAULT GRANDE REMIS 2

 以下は1960-1970年代に発売されたフランスのラミー製のAG タクシー ド ラ マルヌ 1907 (1/43 型番1)の画像です。型番1なのでラミーの最初のモデルです。したがって上の3台より製作時期的にはかなり古いので素朴な作りですが、当時のミニカーとしてはまずまずの出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 5
REAULT TYPE AG TAXI DE LA MARNE 6

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