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ロールス ロイス ファントム V リムジン イギリス 1959年
王族や国家元首の公用車としてロールス ロイス シルバー レイスよりも大きな車の要望があり、生産中止となった戦前のファントム IIIの後継車としてファントム IVが1950年に登場しました。ファントム IVは18台(16台ともいわれる)だけ製作された特別な車でした。シルバー レイスより大きく重厚なリムジーン ボディ(車重2.5t)に、ロールス ロイス初の直列8気筒エンジン(5.7L 約170HP)を搭載し、最高速度160km/hの性能でした。ファントム IVの1号車はイギリス王室御料車で、それ以外も王侯などの公用車として使われ一般向けには販売されませんでした。
ロールス ロイス ファントム IVの後継車として1959年に一般向けのファントム Vが登場しました。シャーシの基本設計はシルバー クラウド IIと同じでしたが、ホイールベースとトレッドが拡大されていました。エンジンもシルバー クラウド IIと同じ新設計のV型8気筒6.2Lエンジンが搭載され、4段自動変速機とパワステが標準装備されていました。なおボディはまだ専門のコーチビルダーが架装していましたが、この頃には基本的なデザインはほぼ決まっていて、かつてのような自由度は無くなっていました。1962年のマイナーチェンジで4灯式ヘッドライトが採用されたことでフロント周りの雰囲気が一新された改良型に変わりました。
ミニカーは1962年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。ファントム Vのリムジンをモデル化しています。縮尺1/43では大きくなりすぎるので1/48でモデル化したのだと思いますが、それでも結構大きくて全長127㎜の堂々としたサイズのミニカーに仕上がっていました。品の良いツートンカラー、赤いシート、青い制服の運転手さんと、どこかの富豪の私有車といった雰囲気で、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。 (ロールス ロイスのミニカーはどのミニカーメーカーでも特別な対応をするようで、出来の悪い物はほとんどありませんが) 当時はドア開閉などのギミックがまだなかったのですが、これにはサイドウィンドーを上下させることができるギミックが付いていました。これ以外のファントム Vの当時物ミニカーはディンキー(英)の4灯式ヘッドライトとなった1962年式のリムジン、スポットオンのイギリス王室パレード用特別仕様御料車がありました。最近のものでは、オックスフォードの1/43と1/76、トゥルースケール(レジン製)などがあります。ファントム IVのミニカーはフランスのレックストイ(REXTOYS)がイギリス王室御料車など数種類と、ノレブがイギリス王室御料車をモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー クラウド III イギリス 1962年
1955年にロールス ロイス シルバー ドーンはシルバー クラウド Iに、ベントレー R タイプはS1 タイプに発展しました。これ以前のロールス ロイスとベントレーはホイールベースが異なるなどの明確な違いがありましたが、この時点で両車はグリルとエンブレムだけが異なるだけのほとんど同じ車になってしまいました。1959年に新設計のV型8気筒6.2Lエンジンが搭載され、シルバー クラウドはII型となりました。
昔のロールス ロイスのエンジン出力は「Enough(必要十分)」と表現され数値は公表されないのが伝統でした。(現在は公表してますが) シルバー クラウド IIに搭載された6.2Lエンジンのパワーは推定で200HP程だったそうで、4段オートマティック変速機を介して車重約2tの車体を最高速180km/hで走らせました。
またシルバー クラウド IIから国内仕様でもパワステが標準装備となり、標準ではないもののエアコンが装着できるようになりました。1962年にシルバークラウドとベントレー SタイプはIII型となりました。III型の主たる改良点はエンジンのパワーアップ(214HP)とパワステの強化で、外観ではヘッドライトが4灯式となり顔付が変わりました。
ミニカーは1978年に発売されたポリスティル(旧ポリトーイ)製の当時物です。シルバー クラウド IIIのリムジンを縮尺1/43より大き目のサイズの縮尺1/30でモデル化しています。キャビン部分が小さめにできているのでプロポーション的にはいまひとつで、キャビンが小さいので実車よりも大きな車に見えます。縮尺1/30なのでフロントグリル上のマスコット、フェンダーミラー、ラジオ用アンテナ、室内などの細部がそこそこリアルに再現されていました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。以下はフロント(マスコット拡大)の画像とリア/トランク開閉の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー クラウド III クーペ イギリス 1962年
前述したように1962年にロールス ロイス シルバー クラウドとベントレー Sタイプは4灯式ヘッドライトを採用したIII型となりました。ロールス ロイスとベントレーにはパーソナルなスポーティ仕様として2ドア クーペとそのオープン仕様のドロップヘッド クーペがありました。ベントレー S3にはマリナー パークウォードが架装した独特のデザインで知られた2ドア クーペ/ドロップヘッド クーペがありました。この車はつり上がった4灯式ヘッドライトの印象から「チャイニーズ アイ(吊り目)」の名前で知られていました。同じデザインがロールス ロイス シルバー クラウド IIIの2ドア クーペ/ドロップヘッド クーペにも採用されました。
この変わったヘッドライトのデザインは、同時期のトライアンフ ビテス(1962)やプリンス スカイライン スポーツ (1962)などのスポーティな車にみられたデザインでした。(実車画像→ プリンス スカイライン スポーツ) リアにはアメリカ車風のテールフィンが付いていますが、これは同時期のイギリス車(モーリス オックスフォードなど)にみられたデザインでした。今見ると変わったフロントの造形だと思いますが、このデザインのシルバー クラウド III クーペ/ドロップヘッド クーペは約100台が生産されていますので、当時は人気があったようです。
ミニカーは1964年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。プロポーションが良く、特徴的なフロントの造形がリアルで、実車の雰囲気がうまく再現されていました。ディンキー(英)は自国の誇りであるロールス ロイスのモデル化には力が入るようで、このシルバー クラウド III クーペも細部まで良く仕上げられていてディンキー(英)の傑作ミニカーの一つでした。ボンネットとドアが開閉するギミックが付いています。これ以外のシルバー クラウド III クーペは、ポリトーイの当時物のクーペ、ネオ(レジン製)のクーペとドロップヘッド クーペ、マトリックス(レジン製)のドロップヘッド クーペ(チャイニーズ アイではない) などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス ファントム V リムジーン イギリス 1962年
1959年に登場したロールス ロイス ファントム Vの標準的なボディは全長6mを越える大型のリムジーンでした。V型8気筒エンジンはコンパクトでしたので、室内は十分に広く油圧ダンパーのサスペンションで揺れの少ない乗り心地だったそうです。車重は2.5tを越えていましたが、それでも最高速は160km/hを越え加速も並みの乗用車以上に速く、しかも室内はほとんど無音でした。1960年にはファントム Vをベースにしたパレード用の特別仕様の王室御料車も作られました。 (実車画像→ ロールス ロイス ファントム V 御料車 1960)
1962年から4灯式ヘッドライトが採用されたことで、フロントグリルがより近代的になりました。このファントム Vのフロントグリルは高級車の象徴として世界的によく知られることとなったので、このフロントのイメージを他社の高級車がコピーしていました。1968年にはエンジン出力を向上し、エアコンを前後キャビン独立式としたファントム VIに変わりました。ファントム V/VIは1991年までロールス ロイスの最上級車として長く生産されました。ファントム V/VIの総生産台数は890台(Vが516台 VIが374台)でした。1998年にロールス ロイスのブランド使用権をBMWが取得し、2003年にファントム VIの後継車ファントム(VII)が登場しました。
ミニカーは1965年に発売されたディンキー(英)製の当時物ミニカーです。ヘッドライトが4灯式となったファントム Vをモデル化しています。プロポーションが良く特徴的なフロントグリルがリアルに再現され、実車の威厳ある雰囲気がうまく再現されていました。またドア、ボンネット、トランクが開閉するギミック付きながら、可動部の立て付けもしっかりしていました。室内も結構良く再現されていて、運転手のフィギュアが付いています。このミニカーは1960年代のミニカーとは思えないほど良く出来たディンキー(英)の傑作で、1965年から1976年の11年間販売されたロングセラーのミニカーでもありました。 これ以外のファントム V/VIのミニカーはトミカ ダンディの1/43、トミカの1/78、京商の1/18、オックスフォードの1/43と1/76、パラゴンの1/18、トゥルースケール(レジン製)の1/43などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー シャドウ イギリス 1965年
1955年から登場したロールス ロイス シルバー クラウドは、1960年代には技術的に時代遅れで旧態化していきました。ライバルであったメルセデス ベンツからハイテクを駆使した超高級車のメルセデス ベンツ 600が1963年に発表されました。この車に対抗する意味もあって新型のロールス ロイス シルバー シャドウが1965年に登場しました。シルバー シャドウは前後フェンダーがボディサイドに一体化された近代的なデザインとなり、モノコックボディ、全輪独立懸架、油圧式車高調整、全輪ディスクブレーキなど先進的な技術を採用していました。
車体のサイズはシルバー クラウドより小さくなりましたが、近代的なモノコックボディの採用で室内は広くなっていました。モノコックボディ故にボディを大きく変えることができず、コーチビルダーが独自にデザインしたボディを架装することは難しくなりました。ロールス ロイスといえども時代の流れには逆らえないということでした。エンジンは改良され出力が向上し、4段自動変速機仕様で最高速度は180km/hの性能でした。1969年にロングホイールベース版が標準ボディ化されました。1977年にサスペンションの改良、室内のデザイン変更、バンパーの大型化、オートエアコン標準装備などの改良が行われ、シルバー シャドウ IIにモデルチェンジしました。1980年に後継車のシルバー スピリットにモデルチェンジしました。(実車画像→ ロールス ロイス シルバー スピリット)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。フロントグリルやバンパーに金属製パーツを使ったディンキーらしいがっちりとした造形で、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。 (ただ少しごつすぎる感じになっていますが) ボンネット/4ドア/トランクが開閉するギミック付きです。ドアは内張が付きウィンドーが半開状態となっているなど凝った作りとなっていました。なおこの個体は左リアドアに塗装のむくれが発生しています。(塗装前の下処理がまずかったようです) ロールス ロイスのミニカーをまとめてみると、ディンキー(英)がロールス ロイスの主要な車種をまめにモデル化していたことが分かります。 これ以外のシルバー シャドウのミニカーはエリゴール、ダイヤペット、Bブラーゴの1/24、マッチボックス、ネオ(レジン製)、トゥルースケール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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