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フォード シエラ XR4i イギリス 1983年
イギリス フォードのコルチナとドイツ フォードのタウヌスの両車を後継する車としてシエラが1982年に登場しました。従来のコルチナ/タウヌスの3ボックスセダンとは全く異なるフロントグリルのない空力的なハッチバックスタイルは、1981年に公開されたスタイリング実験車プローブ IIIがベースとなっていました。(実車画像→ フォード プローブ III) 先進的な外観ながら中身は旧来通りの後輪駆動車で、当初は5ドアハッチバックとエステートワゴンの2タイプでした。当時のアメリカ フォードはこのデザインをエアロルックと称して好んで採用しており、シエラとよく似たデザインのフォード トーラス 初代(1986年)はヒットしました。しかしヨーロッパ(特に保守的なイギリス)ではセダンが設定されないこのハッチバックデザインは不評でした。(実車画像→ フォード トーラス 1986)
エンジンは4気筒1.3L/1.6L/2L(105HP)、V型6気筒2.3L(114HP)、4気筒2.3Lディーゼル(67HP プジョー製)があり、5段変速で最高速187km/h(2L)の性能でした。1983年に3ドアハッチバックが追加され、それにV型6気筒2.8L(150HP)エンジンを搭載し特徴的な2枚のリアスポイラーを付けた高性能版のXR4iが登場しました。XR4iは1985年にフルタイム4WDを採用した5ドアハッチバック XR4x4に発展しました。1986年にグループA ツーリングカーレース用にDOHC 4気筒2L(204HP)ターボエンジンを搭載した3ドアハッチバックのRS コスワースが限定生産され、これをさらに225HPにパワーアップしたRS500も開発されました。これらはラリーやレースで活躍しました。シエラは後輪駆動車でしたので、その特性を生かせる高性能版は人気がありました。
1987年のマイナーチェンジで中期型となり、ヘッドライトの横にウインカーが付いたデザインに変更され、セダンを要望するニーズに対応して4ドアノッチバックセダンのサファイアが追加されました。1987年に5ドアワゴン(ターニア)が追加されました。1988年からRS コスワースはサファイアがベースとなり、1990年にはフルタイム4WDが採用され サファイア RS コスワース 4x4に変わりました。1989年のマイナーチェンジで後期型となりウインカーなどがスモークレンズに変わりました。1993年に後継車モンデオが登場し、シエラの名前は一代限りとなりました。(実車画像→ フォード シエラ サファイア)
ミニカーは2011年に発売されたバンガーズ製です。初期の高性能版XR4i(右ハンドル イギリス仕様)をモデル化しています。コーギー系列のバンガーズのミニカーは1970年代のコーギーを思わせるややレトロな作風に最近のリアルな細部再現を追加して丁寧に仕上げられていました。このシエラもプロポーションが正確で、実車がうまく再現されていました。灯火類や室内、エッチングメタル製のワイパー、リアスポイラーやウィンドー周りの黒いモールなどの細部も良く出来ています。バンガーズはRS コスワースとそのレース仕様や4ドアのサファイアなどバリエーションを20種類ほどモデル化しています。これ以外のシエラのミニカーはソリドの当時物 XR4i、ポリスティルの当時物 XR4i、コーギーの当時物 1/36、トロフューの当時物 レース仕様、シャバックの当時物 サファイア、ビテスの当時物 サファイア レース仕様、ミニチャンプスのRS コスワース、オックスフォードの1/76などたくさんあります。実車の人気を反映しているのだと思いますが、モデル化されているのはほとんどが高性能版で、大人しい5ドアハッチバックは人気がなくコーギーの1/36と最近のネオ(レジン製)ぐらいしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アストン マーチン V8 クーペ イギリス 1987年
1972年にアストン マーチン DBS V8は名前をV8に変えました。DBS V8で評判の良くなかった4灯式ヘッドライトを2灯式(6気筒版DBSの最終型ヴァンテージとほとんど同じ)に変更し、AM V8と呼ばれるシリーズ 2に変わりました。エンジンはDBS V8と同じボッシュの燃料噴射を採用したV型8気筒5.3L(320HP)でした。ただしこのエンジンは北米の排ガス規制に対応できなかったようで、1973年には燃料噴射をキャブレターに変更して、シリーズ 3に変わりました。この変更でシリーズ 3はボンネット上に大きな開口部を持つパワーバルジが追加されました。
1974年にV8をベースにした4ドアサルーンのラゴンダが登場しました。1978年にオスカー インディア(OSCAR INDIA)と呼ばれるシリーズ 4が登場し、コンバーチブルのボランテが設定されました。バンパー下にエアダクトを設けたことで、ボンネット上の開口部は閉じられ、リアにスポイラー的処理が追加されました。この頃には排ガス規制でエンジンは240HPほどにパワーダウンしていました。1986年に最終型のシリーズ 5が登場し、エンジンは燃料噴射方式に戻りましたので、ボンネットのパワーバルジがなくなりました。1989年に後継車のヴィラージュにモデルチェンジしました。(実車画像→ アストン マーチン ヴィラージュ)
ミニカーは2012年に発売されたミニチャンプス製です。前述したミニチャンプス製のDBS同様に実車の雰囲気がうまく再現されていて、とても良い出来ばえでした。底板に1987年式と銘記されていますので最終型シリーズ 5のモデル化のはずですが、ボンネット上のパワーバルジがわずかに残っていてバンパー下周りの造形もシリーズ 5とは少し違うような気がします。ただ手作りのような車ですから色々とバリエーションがあったのでしょう。ミニチャンプスはボランテもモデル化しています。これ以外のアストン マーチン V8のミニカーは、ポリスティルの1/25 ボランテ、コーギーの1/36で映画'007 リビング デイライツ'(1987年)のボンドカー仕様、オートアートの1/18、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー XJS イギリス 1991年
ジャガー E タイプの後継として1975年にXJ-Sが登場しました。E タイプのようなコアなスポーツカーではなく、名前からも分かるようにXJシリーズのスポーティなGTという位置づけでした。XJ シリーズのホイールベースを短縮したシャーシに、E タイプのV型12気筒5.3L(295HP)エンジンを搭載し、最高速245km/hの性能でした。ロングノーズのE タイプのイメージを継承していて、リアフェンダー上のフィンのような造形が特徴のユニークなデザインでした。当初はクーペしかありませんでしたが、1983年にタルガトップ形式のカブリオレ、1988年にフルオープンのコンバーチブルが追加されました。(実車画像→ ジャガー XJ-S 1975)
1981年のマイナーチェンジでエンジンが高効率(High Efficiency)化され車名にHEが追加され、1983年に6気筒3.6L(220HP)エンジンが追加されました。1991年のマイナーチェンジで6気筒が4L(223HP)に変更され、名前がXJS(-が付かない)に変わりました。その際にキャビン後部のデザインが変更され、特徴的だった3角形のテールライトが横長の大型の物に変わりました。1993年には12気筒が6L(318HP)に拡大され、1994年には6気筒エンジンが新型に変わり、1996年に生産中止となりました。XJ-S/XJSシリーズの総生産台数は約11万台で、後継車はXK8でした。
ミニカーは1993年に発売されたディテールカー製です。横長のテールライトとなった1991年式のXJS(左ハンドル)をモデル化しています。ディテールカーは主にこの類のスポーツカーをモデル化していて、当時としてはいずれも良い出来ばえでした。このXJSもプロポーションが良く、ロングノーズのデザインがうまく再現されていました。灯火類や室内などの細部の仕上げも結構リアルで良く出来ていました。ディテールカーはバリエーションでXJS コンバーチブルもモデル化していました。これ以外のXJ-S/XJSのミニカーは、コーギーのXJ-S 1/36、ポリスティルのXJ-S1/25、トミカのXJ-S 1/67、アートアートのXJ-S 1/18、ミニチャンプスのXJ-S、オックスフォードのXJS 1/76などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー XJ220 イギリス 1992年
ジャガー XJ220のプロトタイプはジャガーの技術者やデザイナーの余暇の趣味として製作され、1988年のバーミンガム モーターショーで発表されました。市販予定はなかったのですが、注文が殺到しジャガーとレーシングチーム TWR(トム ウォーキンショー レーシング)が連携して市販されました。エンジンやシャーシは当時のグループCカー XJR-10をベースにしていました。DOHC 6気筒3.5Lツインターボ(550HP)エンジンをアルミハニカム構造のシャーシにミドシップ搭載し、サスペンションはダブルウィツシュボーン式とレースカーそのままの構造でした。(実車画像→ ジャガー XJR-10)
ただし内装はコノリーレザーを使ったジャガー伝統の豪華な仕様となっていました。(さすがにウッドパネルは使っていなかったですが) 名前が示すように最高速220マイル/h(352km/h)が目標でしたが、実際には216マイル/h(346km/h)で、それでも当時世界最速でした。市販化に時間がかかり、実際に販売されたのは1992年でした。その間に市場は不況になり、さらに前述のTWRが1990年に開発したレースカーの公道仕様車 XJR-15(V型12気筒6L(450HP)エンジン)と競合することになりました。その為、販売台数は約280台と当初の予想ほどは売れませんでした。(実車画像→ ジャガー XJR-15)
ミニカーは1994年に発売されたミニチャンプス製です。実車のイメージが実にうまく再現されていて、良く出来ていました。リアライト周りや室内などの細部もリアルに出来ていました。リアカウルの透明なフードの下に見えるエンジンもそこそこ良く再現されています。これ以外のXJ220のミニカーはレース仕様も含めてディテールカー、デルプラドの世界の名車シリーズ、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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マクラーレン F1 イギリス 1994年
1960年代後半のカンナムで一世を風靡したマクラーレンは、グループ4スポーツカーへの参入を目指していました。グループ4の認証には50台を生産する必要があり、公道走行仕様も計画されていました。カンナム用のM6Bをベースにしたクーペボディの試作車 M6 GTが1969年に完成しました。しかし市販車としての完成度を高めていた開発途中の1970年に、B.マクラーレンが事故死しこの車の開発計画は頓挫してしまいました。(実車画像→ マクラーレン M6 GT)
その後1990年にマクラーレンの市販車部門としてマクラーレン カーズが設立され、高性能スポーツカー開発が再開されました。1994年にマクラーレン初の市販車 F1が登場しました。前方跳ね上げ式のドアでレースカーそのものの精悍なデザインのボディは、カーボン複合材のモノコックで非常に軽量でした。ミドシップ搭載するエンジンはBMW製のV型12気筒6.1L(627HP)で、当時の市販車では世界最高出力でした。最高速390km/h、お値段約1億円もほぼ世界一でした。
マクラーレン F1はこのような高性能車でしたが、従来のスパルタンな高性能車(フェラーリ F40など)とは違い市販スポーツカーとしての快適性や操縦性に重きを置いていました。ケンウッドのオーディオやエアコンが標準装備され、ドライバーシートが中央にある3人乗りシート配置は一人乗車時の重量バランスを考慮したものでした。またスペアタイヤを廃してトランクスペースをホイールベース内に収め、重量バランスを最適化し操縦性を高めていました。レース仕様のGTRは1995年ルマンで総合優勝し、1997年ルマンで総合2位になるなど活躍しています。1997年に生産中止となりました。
その後のマクラーレンの市販車としては、開発と生産を行った2003年のメルセデス ベンツ SLR マクラーレンがありました。2009年にはマクラーレン オートモーティブが設立され、2011年にMP4/12C、2012年にP1などが登場しています。
ミニカーは1995年に発売されたミニチャンプス製の当時物です。ミニチャンプスとしては初期の物でしたが、ダイナミックなボディが良く再現されていてなかなかの良い出来ばえでした。室内も良く再現されていて、ドライバーシートが中央にありバックミラーが2つあることがわかります。ミニチャンプスにはレース仕様など約50種類ほどのバリエーションがあります。マクラーレン F1は人気があり、オートアート、イクソ、hpi レーシングなど多くのミニカーがあります。なお試作で終わったM6 GTをスパークとプレミアムXがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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