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トライアンフ スピットファイアー MK I イギリス 1962年
当時の安価なスポーツカーであったBMCのスプリジェット(オースチンヒーレー スプライトとMG ミジェットのことを意味します)に対抗して、トライアンフが開発したのがスピットファイアーで1962年に登場しました。ヘラルドのエンジンとシャーシを流用した2座のオープンカーで、ツイン キャブレターで強化した4気筒1.2L(63HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速151km/hの性能でした。ボディはヘラルドと同じミケロッティのデザインで、ヘラルド同様にフロントボンネット部分が大きく開きます。また最初から巻上げ式のサイドウインドウが装備されていて、居住性はスプリジェットより優れていたようです。
1965年にエンジンを67HPにパワーアップしたMK II、1967年にアメリカの安全基準に対応したバンパーに変更しエンジンを1.3L(75HP)に変更したMK IIIに発展しました。その1967年にはレイランド(トライアンフの親会社)とBMCが合併しBL(ブリティッシュ レイランド)となったことで、ライバルだったBMCのスプリジェットが同じBL グループとなりました。1971年にはノーズ部分のデザインを変更しリアサスペンションを改良したMK IVとなり、1975年に1.5L(71HP)エンジンに変更した最終型の1500に改名されました。1980年まで生産され、総生産台数は約30万台でした。
ミニカーは1963年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえでした。実車同様フロント部分が大きく開き、モールドされたエンジンを見ることが出来ます。付属している女性ドライバーのフィギュアがちゃんと着脱できるシートベルトをしているのはずいぶん凝った作りでした。当時はシートベルトが目新しい装備だったのでこのようなギミックを付けたのでしょう。なおこのサイズでシートベルトが着脱できるミニカーはこれぐらいしかありません。スピットファイアーの当時物ミニカーは何故かこれしかなく、8年間も生産されていたので、スピットファイアーのミニカーとしては一番知られていると思います。当時物以外のミニカーではビテスのMK IV、ミニチャンプスのMK IVと1500、スパーク(レジン製)のレース仕様と1500などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スプライト マスケティア キャンピングトレーラー イギリス 1962年
日本でキャンピングカーといえば、ワゴン車などに居住できる設備を備えた自走式が一般的です。しかし欧米ではキャラバンやキャンピングトレーラー(トラベルトレーラー)と呼ばれる、乗用車で牽引するトレーラー式のほうが一般的で、バカンス旅行などによく使われているようです。日本でトレーラー式がほとんど使われない理由は、車両総重量が750kgを越えるトレーラーを牽引する場合には牽引免許が必要でさらにトレーラーを登録する必要があるなど、交通法規上の制限があるからです。また使用しない時は駐車場が必要なので、その点でも日本には不向きだと言えます。
キャンピング トレーラーには、ベッド、テーブル、キッチン、トイレ、電源など生活に必要な設備が備わっています。自走する為のエンジンなどが不要なので、キャンピングカーより広いスペースがあります。欧米にはキャンピング トレーラーの専門メーカーがたくさんあります。一番良く知られているのは、アメリカのエアストリーム社のトレーラーです。エアストリーム社は1930年代に起業した業界最古のメーカーです。同社のトレーラーは銀色に輝くアルミニウム製の流線形ボディが特徴で、これは創業当時から変わらないデザインのようです。(実車画像→ エアストリーム 流線形ボディ キャンピング トレーラー 1987)
キャンピングカー/キャンピングトレーラーのミニカーはたくさんあります。画像はテクノ製の当時物で、1969年頃に発売されました。イギリスのスイフト レジャー(SWIFT LEISURE)社が1960年代に生産していたスプライト マスケティアをモデル化しています。このキャンピングトレーラーは単なる箱型ではなく、曲面的な屋根や屋根上の明かり窓などしゃれたデザインになっています。ミニカーはダイヤカットガラス製のリアライト、ハンドルで高さを調整できるアンカー金具、コイルスプリングを内蔵したサスペンションなど凝った作りになっていました。ボディは金属製でカラーリングもきれいで、ドアが開閉しテーブルやキッチンなど内装が再現されています。(内部が見えるようボディを外した画像を載せています) 牽引する車と接続する為の接続金具が付属していて、この金具は車側の底の穴に取り付けます。同時期に発売されたテクノ製の乗用車のミニカーの底板のほとんどには接続用の穴がありました。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード コンサル コルチナ (コーティナ) MK I イギリス 1962年
大ヒットしたBMCのミニに対抗してフォードが送り出したのが、1962年に登場したコルチナ(CORTINA)でした。革新的な技術を使ったBMC ミニとは異なり、コルチナはオーソドックスな構成の小型車でした。アングリア用を拡大した4気筒1.2L(48HP)エンジンを搭載する3ボックスセダンの後輪駆動車で、4段変速で最高速124km/hの性能でした。コルチナの当初の正式名称はコンサル コルチナでしたが、1964年のマイナーチェンジ後にコルチナに変わりました。なおCORTINAは最近はコーティナと表記するようですが、私は昔流のコルチナがしっくりきますので、当サイトではコルチナで統一しています。当初は2ドアだけでしたが、4ドアやエステート(ワゴン)が追加され、エンジンも1.5L(58HP)やそれを76HPにチューンした高性能版のGTが追加されました。
コルチナの売りは大柄なボディ、ミニに比べて低価格なこと、エンジンやボディの多彩なバリエーションでした。ミニにもワゴン仕様(トラベラーなど)がありましたが、ミニのワゴンの全長は約3.3mで、4ドアで全長約4.28mのコルチナ エステートとは室内の広さで勝負になりませんでした。エステートの豪華仕様であるスーパー エステートにはオプションでサイドとリアゲートに木目調パネル(本物の木材ではない)が付きました。ボディに本物の木材を使用したウッディ ワゴンは、アメリカでは高級車として人気がありましたが、当時のイギリスでもこの手の飾りが同じように人気があったようです。コルチナの戦略は当たり、4年間で100万台を生産する大ヒット車となりました。(大衆車では良くあるパターンの勝ち方ですが) 1966年にコルチナ MK IIにモデルチェンジしました。
コルチナには高性能なロータス コルチナがありました。コルチナをベースにしてレース用モデルの開発から生産までロータスが担当しました。ロータスがチューンした4気筒1.6L(106HP)DOHCエンジンを搭載し、最高速178km/hと高性能でした。ロータス コルチナはフォードの思惑どうりレースやラリーで活躍し、コルチナのスポーツイメージを高めました。ロータス コルチナは3年間で2800台ほどが生産されました。
ミニカーは1965年に発売されたポリトーイ製 Mシリーズの当時物です。人気の高いスポーツカーを揃えていたMシリーズでモデル化されていたので、実車人気が高かったことがうかがえます。左ハンドルなので輸出仕様をモデル化しています。ポリトーイ流のかっこよく見えるデフォルメをせず素直にモデル化されていて、良い出来ばえでした。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーとしてはディンキー(英)、コーギーのエステート、ノレブ、エリゴールなどがありました。当時物以外ではディテールカー、ソリド、ミニチャンプス、バンガーズ、オックスフォードなどたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード ゼファー 6 MK III イギリス 1962年
フォード UKの6気筒エンジンを搭載する高級車ゼファー/ゾディアック MK IIは1962年にモデルチェンジしてMK IIIとなりました。MK IIIから4気筒1.7L(68HP)エンジンを搭載するゼファー 4が追加され、この車はコンサル MK IIの後継車となりました。6気筒エンジンを搭載するゼファー 6は先代のMK IIの6気筒2.55Lエンジンを98HPまでパワーアップして、最高速は150km/hに向上していました。ボディは大型のフロントグリルやテールフィンなど、アメリカ車的なデザインを取り入れていました。
ゼファーの上級車のゾディアック MK IIIもゼファー MK IIIとほぼ同じデザインでしたが、4灯式ヘッドライトを採用して外観を差別化し、全長を少しだけ長くしてCピラーにウィンドーが追加されていました。ゾディアックはフォード UKの最上級車でしたので内装は豪華に仕立てられ、エンジンは109HPまでパワーアップされ最高速は160km/hでした。1966年にゼファー/ゾディアック MK IIIは新型のV型6気筒エンジンを搭載したMK IVにモデルチェンジしました。(実車画像→ ゾディアック MK III 1962)
ミニカーは1964年に発売されたスポットオン製の当時物です。6気筒エンジンを搭載したゼファー 6 MK IIIをモデル化しています。イギリスのスポットオンはバスなどの大型車もすべて縮尺1/42で統一していたことで知られるミニカーブランドで、当時としてはレベルの高いミニカーを作っていました。このゼファーも特徴的なフロントグリルの造形がリアルで実車の雰囲気がうまく再現され、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きです。スポットオンのミニカーにはドライバーのフィギュアが付いている物が多いのですが、これにも女性ドライバーと犬(プードル?)のフィギュアが付いていました。当時のミニカーに付いてくるフィギュアは結構よく出来ていて楽しいおまけでした。これ以外のゼファー/ゾディアック MK IIIのミニカーはマッチボックスの当時物 ゼファー 6、オックスフォードのゼファー 6、バンガード(VANGUARDS)のゼファー 6、ネオ(レジン製)のゾディアック ワゴンなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。リアバンパーの左端が欠損しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロータス スーパー セブン S2 イギリス 1962年
1957年にロータス エリートと当時に登場したセブンは、レースカーのマーク VIをベースとした安価な2シーター オープン仕様のスポーツカーでした。フォード製の4気筒1.2L(36HP)エンジンを搭載した標準モデルは最高速130km/hの性能でした。エンジンはBMCのAタイプなども選択できました。チューンしたエンジンを搭載した高性能版はスーパーセブンと呼ばれ、スーパーセブン シリーズ 1(S1)は4気筒1.1L(70HP)エンジン搭載で最高速167km/hの性能でした。
当時イギリスでは自動車の物品税が高かったので、この車をキットで購入し自分で組み立てることで税金を安く済ませることが出来ました。また中古エンジンを流用することも可能で、財布の軽い若者の入門用の車として人気を呼びました。セブンは1960年にシリーズ 2(S2)となり、その後シリーズ 4(S4)まで発展しました。イギリスのキットカー優遇税制廃止やアメリカの安全基準の強化などで、1973年に生産中止となりました。 その後セブンの製造販売権と生産設備はロータスの代理店であったケーターハム社へ売却され、ケーターハムのブランドで現在も生産されています。またそれ以外にも、多くの国でセブンのレプリカが作られています。
セブンは当時物のミニカーが無く、これは2003年に発売されたビテス製です。高性能版のスーパーセブンのモデル化で、テールライトの形状などから、シリーズ2をモデル化しているようです。灯火類、樹脂製サイドパネル、ロールバー、室内などがリアルに再現されていて非常に良い出来ばえでした。ボンネットを外すとエンジンも再現されています。これ以外のセブンのミニカーはミニチャンプス、イクソ、ソリド、スパーク(レジン製)、ノレブのケーターハム、京商のケーターハム 1/18、国産名車コレクションなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)