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シトロエン GS カマルグ ベルトーネ フランス 1972年
シトロエン カマルグは1972年のジュネーブショーで公開されたコンセプトカーでした。シトロエン GSをベースにした2+2座のクーペで、デザインはベルトーネです。深く傾斜したフロントウインドウ、大きなガラス製のリアウインドウ、ロールバーの機能を持つBピラーが特徴で、ベースのGSより車高が200㎜低くなっていました。ロールバーを設けて小さなルーフで広いウインドウを確保する手法は、ランチア ストラトス HFのデザインと同じです。
バンパー下に小さなグリルを持つフロントの造形は、シトロエン DSのフロントを意識したものだと思います。ベルトーネのシトロエンに対する最初のアプローチはこのカマルグで、1982年に登場したシトロエン BXはベルトーネのデザインとなりました。その後もベルトーネは1986年にもBXをベースにしたコンセプトカー ザブルス(ZABRUS)を公開し、1989年に登場したシトロエン XMもベルトーネがデザインしていました。BXもXMもフロントの造形や直線的なボディラインなどに、カマルグのデザインが反映されてます。(実車画像→ シトロエン ザブルス(ZABRUS) 1986)
ミニカーは1972年に発売されたノレブ製 JET CARシリーズの当時物でプラスチック製です。ボディやウインドウが経年変化で少し変形していますが、基本的な部分は結構良い出来です。(この写真を撮った12年後の2023年には変形が進んでとてもひどい状態になりました) 当時のノレブはプラスチック製からダイキャスト製に移行していた時期で、このカマルグも後期型ではダイキャスト製になりました。プラスチック素材は経年劣化で変形していきます。レジン製ミニカーもたぶん同じようなことが起こりますので、同じモデルならダイキャスト製を買うべきです。このミニカーは2005年頃に細部をリファインした新作が発売されました。カマルグの量産ミニカーはこのノレブとマジョレーの1/55ぐらいしかないようです。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン CX フランス 1974年
シトロエン DSの後継車として1974年に登場したのがCXでした。名前は空気抵抗係数を示す記号CXに因んだ物で、その名の通り空力に優れた滑らかなボディにDS譲りのハイドロニューマチックシステムを継承していました。CXは一見ハッチバックに見えますが、後席背後はハッチではなく独立したトランクでした。またリアウインドーが凹面ガラスになっているのもCXの特徴で、空気抵抗を軽減する効果があったそうです。当初のエンジンは4気筒2L(102HP)/2.2L(115HP)で、DSとは異なり横置きされており、5段変速で最高速186km/h(2.2L)の性能でした。1975年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。
1975年にホイールベースを延長した高級仕様セダンのプレステージ、ホイールベースを延長したワゴンのブレークと7人乗りのファミリアーレが追加され、1979年にはセダンにリムジーンが追加されました。エンジンは1978年に2.5Lディーゼル、1983年に2.5L、1984年に2.5Lターボ(168HP)が追加されました。(全て4気筒エンジン) 1985年のマイナーチェンジで後期型となり、金属製の前後バンパーが樹脂製に代わり、フロントのデザインや内装が変更されました。1989年に後継車のXMにモデルチェンジしました。総生産台数は約110万台でした。なおシトロエンは経営不振で1974年にプジョーに吸収合併されたので、CXはシトロエン独自設計の最後のモデルでした。
ミニカーは1975年に発売されたソリド製の当時物です。ソリド最盛期のミニカーなので非常に良い出来ばえで、CXの特徴的なフロント周りの雰囲気や滑らかなボディをうまく再現しています。ソリドはブレークもモデル化していて、別ブランドのベレムでもセダンとブレークを数種類モデル化していました。これ以外の当時物ミニカーとしては、スペイン ディンキー、そのスペイン ディンキーと同じ型を使っているオートピレン、ノレブ、マッチボックス、ガマ、ポリスティル(ポリトーイ)の1/25などがありました。当時物以外ではイクソ、ノレブの1/43と1/18、ミニチャンプス、レジン製ではネオ、マトリックスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン LN フランス 1976年
シトロエン DSと2CVは優れた車でしたが、その間を埋める量販車を持っていなかったシトロエン社は、1960年代後半にDSと2CVが旧態化して販売が低迷すると経営不振に陥りました。また1955年には同様に経営不振だったパナール社を吸収合併していますが、経営不振どうしが合併しても所詮はうまくいかないものです。結局シトロエンは1974年にプジョーに吸収合併されました。
プジョー グループとなって最初に発表されたのはシトロエン LNでした。LNは旧態化した2CVを後継する小型車でしたが、中身は1973年に発売されたプジョー 104 クーペのフロント グリルを変えただけの車でした。したがってシトロエンらしくないので、シトロエンのファンには不評でした。エンジンはアミ 8の2気筒602cc(32HP)を搭載していました。1978年には排気量を650ccに拡大しLNAとなり、後にプジョーの4気筒1.1Lエンジンも搭載されましたが、1986年に生産中止となりました。総生産台数は約35万台で、LNの後継者はビザでした。
ミニカーは1978年に発売されたソリドの当時物です。テールライトの塗装を省くなどコストダウンで仕上げが簡素化されていますが、プロポーションは良くシトロエンらしく見えない点?が良く再現されています。 メッキ処理で表現されたヘッドライトが小さすぎるので、顔つきの出来ばえはいまひとつです。ソリドは同じ1978年に型番81でプジョー 104 クーペをモデル化しているのですが、実車と同様にプジョー 104 クーペのミニカーはこのシトロエン LNのフロントグリルを変えただけのものでした。 テールゲートが開閉するギミック付きです。これ以外のLNのミニカーはソリドの別ブランドのべレム、イクソ系のノスタルジーなどがあります。フランスのミニカー付雑誌の「PASSION CITROEN」のNo.77でLNAがモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像とテールゲート開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン メアリ フランス 1978年
1968年にシトロエン ディアーヌのシャーシにジープ風のオープン ボディを載せた多目的車 メアリが登場しました。(フランス語ではHは発音しないのでメハリではなくメアリです) ボディはABS樹脂製で、この材質を初めて自動車に適用していました。なおFRP樹脂製のボディ パネルは1953年にGMがコルベット C1で採用していました。エンジンはディアーヌ用の602cc(26HP)を搭載していました。当初は2シータでリアは荷台でしたが、後に折畳み式のリアシートも追加されました。
1979年には4輪駆動式のメアリ 4X4が設定されました。この4輪駆動はエンジンを前後に2つ搭載する2CV 4X4サハラとは異なり、一つのエンジンによるパートタイム式4WDでした。メアリ 4X4をベースとした軍用車 A 4X4がフランス軍の軍用車として採用されました。A 4X4はボディを鋼鉄製に変更しエンジンはビザ用の空冷水平対向2気筒652cc(34HP)エンジンを搭載し、最高速度110 km/hの性能でした。(実車画像→ シトロエン A 4X4) メアリ 4X4は1982年まで、2輪駆動のメアリは1987年まで生産されました。
ミニカーは2016年に発売されたアシェット製の国産名車コレクションです。メーカーはイクソで、イクソは型番CLC202でメアリをモデル化していますので、それを流用した廉価版です。良く再現されたフロントグリルやリアルなソフトトップなど、雑誌付きの安価なミニカーながらかなり良い出来ばえです。メアリの当時物ミニカーとしてはノレブ、ポリトーイなどがありました。当時物以外では、ソリド、ノレブの1/18と1/43、イクソなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン ビザ (ヴィザ) フランス 1978年
1978年にシトロエン LNの後継車として、シトロエンが開発したシトロエン ビザが登場しました。シトロエン LNと同様にプジョー 104をベースにしていましたが、変わった顔つきのフロントやサテライトスイッチのインパネなどにシトロエンらしい味付けがされていました。(プジョー 104そのものだったシトロエン LNはシトロエンのファンには不評だったのでその対応でした) ボディは5ドアハッチバックだけで、当初のエンジンは2CVから引き継いだ空冷水平対向2気筒 652cc(35HP)と水冷4気筒1.1L(50HP)を搭載し、4段変速で最高速140km/h(1.1L)の性能でした。
4気筒1Lと1.3Lの水冷エンジンが追加され、1982年のマイナーチェンジでフロントが一般受けするデザインに変更され空冷エンジンがなくなりました。(実車画像→ シトロエン ビザ 1982) 1984年には1.8Lのディーゼルエンジンが追加されました。1985年にはプジョー 205 GTIの1.6L(115HP)エンジンを搭載した高性能版の1.6 GTiが追加されました。またビザをベースにした商用車として、C15がありました。1986年に後継車のAXが登場し、1988年に生産を終了し総生産台数は約125万台でした。(実車画像→ シトロエン C15)
ミニカーは1980年に発売されたノレブ製の当時物です。当時の流行りで見た目の良くないフリーホイールが使われているのが今一つですが、プロポーションは悪くなく特徴的なフロントグリルはうまく再現されています。ドア開閉ギミック付です。これ以外の当時物としてはソリドのクーガー(COUGAR)、それを流用したディンキーのクーガー、メーベトイがありました。当時物以外ではノレブの新作、イクソとトロフューからはラリー仕様が出ています。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)