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シムカ 1100 フランス 1967年
1967年にシムカ アロンド P60の後継車として1100が登場しました。1100はシムカ初の前輪駆動車で、親会社であったフィアットの影響で変速機付エンジンを横置き搭載するダンテ ジアコーサ方式を採用していました。ハッチバックスタイル、4輪独立懸架サスペンション、前輪ディスクブレーキなど時流に先んじた設計がされていて、フォルクスワーゲンがゴルフを開発する際にこの車を参考にしたほど先進的でした。3/5ドアハッチバックと3/5ドアワゴン(バン)があり、その先進性で人気がありヒットしました。なおシムカの親会社であったフィアットがクライスラーに株を売却したことで、1963年にシムカはクライスラー傘下となっていました。
当初は4気筒944㏄(48HP)/1.1L(60HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速148km/hの性能でした。1970年にイギリス向けに4気筒1.2L(75HP)エンジンを搭載したスポーツ仕様の1204が追加されました。1974年のマイナーチェンジでフロントグリルのブラックアウトやテールライト大型化など意匠変更され、4気筒1.3L(82HP)エンジンを搭載した高性能版TIが追加されました。1977年に後継車のオリゾンが登場し、その後はその廉価版として1979年にはタルボ シムカ 1100、1980年にタルボ 1100と名前を変更し1982年まで生産されました。総生産台数は約216万台でした。
ミニカーは1967年に発売されたソリドの当時物です。ソリドらしいシャープな造形で、良くできていました。ボンネット/ドア/ハッチバックが開閉するギミック付きで、室内もそこそこリアルに再現されています。ソリドは型番34でマイナーチェンジ後の高性能版1100TIもモデル化していました。なおこの当時のソリドのミニカーでは合成ゴム製タイヤに含まれる有機溶剤がプラスチック製ホイールを溶かすという問題が発生していました。当方の所有する型番34の1100TIは4輪とも完全にホイールが溶けてしまい、この型番164の1100も少し溶けています。 これ以外の1100の当時物ミニカーはディンキー(仏)、ディンキーをコピーしたオートピレン、ノレブ初期のプラスチック製があり、当時物以外ではノレブの新製品などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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マトラ M530 フランス 1967年
前述したマトラ ジェットの後継車としてマトラ M530 (初期型530A)が1967年に登場しました。M530はマトラ社自身が設計した車で、レース仕様で実用性の低かったジェットより一般向けの仕様となっていて廉価で仕上げていました。ミッドシップエンジン搭載のレイアウトは同じでしたが、2+2座とリアのトランクで実用性を高めていました。ドイツ フォードの前輪駆動車15M用のV型4気筒1.7L(72HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速172km/hの性能でした。
航空機メーカーがデザインしただけあってFRP製ボディは空力的でユニークなデザインで、ルーフは脱着してトランクに収納できました。本格派スポーツカーとしてはやや物足りない性能ながら、ユニークなスタイルとライバルのアルピーヌ ルノーより安価であったことで商業的に成功しました。 1970年にエンジンを78HPにパワーアップし、リアウィンドーをハッチバックに変更した530LXが追加されました。1971年にはルーフを固定式にしてヘッドライトも固定式とした廉価版530SXが追加されました。1973年に生産中止となり総生産台数は約9600台でした。後継車は1973年に登場したバゲーラでした。(実車画像→ マトラ 530SX)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)らしいスケールモデル的なリアルな造形で、ユニークなボディが実にうまく再現され、とても良く出来ていました。フロントパネル/ドアが開閉するギミック付きで、この車の特徴であるリトラクタブルヘッドライト開閉とルーフ脱着もギミックで再現していました。これ以外のマトラ M530のミニカーは、ノレブの当時物(プラスチック製)、メルクリンの当時物があり、当時物以外ではビザール(レジン製)のレース仕様やフランス?のミニカー付雑誌「Voitures Fran?aises d'Autrefois」のNo.12などがあります。なおM530をベースにしたコンセプトカー マトラ M530 ビニャーレをメーベトイとポリトーイがモデル化していました。 以下はフロント(ヘッドライト開閉)/フロントパネルを開いた画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー 6 フランス 1968年
ルノー 6はルノー 4の上級車として1968年に登場しました。ルノー 4の上級車にはリアエンジンのルノー 8がありましたが、ルノー 6はフロントエンジンの前輪駆動車で1965年に登場したルノー 16によく似たデザインのボディをルノー 4のシャーシに載せたものでした。 内装もルノー 4より豪華で、エンジンはドーフィンのゴルディーニ仕様の845cc(35HP)を搭載し4段変速で、最高速120km/hの性能でした。 操縦性も改善されていて、全てにおいてルノー 4の上級仕様でした。
1970年にはアンダーパワーとの不評に対応してルノー 8用の1.1L(45HP)エンジンが追加され、フロントディスクブレーキが採用されました。1974年にはヘッドライトが角形になりリアライトとフロントグリル/バンパーが変更されました。1978年にフロントグリルが黒い樹脂製に変わりました。1976年に後継車のルノー 14が登場し、1980年に生産中止となりました。ルノー 6をベースにしてサンパールの4輪駆動システムを採用したジープ形式のロディオ 6という4輪駆動車もありました。(実車画像→ ルノー ロデオ 6 1973)
ミニカーは1969年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。前述したディンキー(仏)製のルノー 4、8、16などと同様にこのルノー 6もプロモーションモデル的な作風で、素朴ながら当時のミニカーとしては良く出来ていました。ボンネットとドアが開閉するギミック付きです。ディンキー(仏)は当時のフランス車のほとんどをモデル化していたので、ルノー車だけを並べてみると同じ作風のミニカーでルノーのラインアップができあがります。(これが同じ縮尺のミニカーをコレクションすることの楽しみの一つです) なお同じフランスのブランドでもソリドはあまり実用車をモデル化していませんでしたので、ソリドでラインアップを揃えることはできませんでした。これ以外のルノー 6のミニカーはオートピレン、ポリトーイの1/55、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン DS 21 フランス 1968年
シトロエン DS 19は改良が続けられ、1966年にはエンジンが新設計の2175cc(106HP)と1985cc(90HP)に切り替わり、DS 21とID 19aとなりました。このパワーアップでDS 21の最高速は175km/hに向上しました。さらに1970年にはボッシュの電子制御式燃料噴射を採用しDS 21は139HPにパワーアップし、最高速は188km/hに向上しました。1967年にはフェンダー先端のライトカバー内に4灯式ヘッドライトを組み込むフェイスリフトを行い、フロント部分の見た目が新しくなりました。
追加された外側のライトはサスペンションと連動することで常に水平を保ち、内側のライト(ハイビームで点灯するドライビングライト)はステアリングと連動して進行方向に首を振るようになっていました。このヘッドライト光軸制御は全て機械式で、ここまで徹底したやり方はシトロエンならではのものでした。なおDSの廉価版のIDは1970年から、名前がD スペシャル(D SPECIAL)又はD シュペール(D SUPER)に変わりました。1972年には排気量を2347ccに拡大したDS 23となりました。
ミニカーは2004年に発売されたビテス製です。前述したビテス製のDS 19の型を流用してDS 21に仕立ててあります。特徴的な黄色のヘッドライト、リアの細かな灯火類、ドアミラー、1本スポークのステアリングホイール、メータを印刷したインパネなど細部までかなり良く再現されています。最新のノレブ製に比べるとやや大ざっぱなところもありますが、2004年頃に発売されたミニカーとしてはレベルの高い出来ばえで、個人的に気に入ってるミニカーです。DS 21の当時物ミニカーとしてはポリトーイやノレブ(プラスチック製)などがあり、そのノレブの型を使って1980年代にエリゴールがDS 21をモデル化しています。1990年代にはリオがDS 19からDS 23まで20種類ほどをモデル化しています。その中にはDSの生産100万台記念モデルと最終生産記念モデル(1330775台目)がありました。DS/IDのミニカーは非常にたくさんあり、現在でも新製品がでています。当時物以外ではビテス、ノレブの1/43、1/18、ブッシュ、ブレキナ、国産名車コレクション(イクソ製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン DS 21 ポリス フランス 1968年
シトロエン DS/IDが登場した1950年代から1960年代にかけて、フランスの国産大型乗用車(2Lクラス)でDS/IDに対抗できる車はありませんでした。当時のルノーには1960年に生産中止となったフレガートの後継車が1970年代まで登場せず、プジョーも1968年の504まで大型車がありませんでした。したがって政府/自治体の公用車、ポリスカー、救急車、消防車などをDS/IDが独占していました。また当時のドゴール大統領(1958~69年)がDSを愛用していたことから、DSは大統領専用車としても使われました。
そんな訳でDSは当時のフランス映画にも良く登場しました。ドゴールの暗殺を描いた映画「ジャッカルの日(1973年)」では大統領府にずらりと並んだ黒塗りのDSが壮観でした。(参照画像→ ジャッカルの日の1シーン) また怪盗ファントマの映画 「ファントマ/電光石火(1965年)」には翼が付いて空を飛ぶDSが登場します。(参照動画→ ファントマ/電光石火でDSが飛行するシーン) DSは1955年の登場から改良が続けられ1975年まで約20年間生産されました。IDを含めた総生産台数は約146万台(本国生産は約133万台)でした。
ミニカーは1985年に発売されたエリゴール製のシトロエン DS 21 ポリス仕様です。当時のエリゴールはノレブの型を流用したものが多かったのですが、これはノレブのシトロエン DS 21 ポリス(プラスチック製 1/43 型番158)の型を使って細部をリファインしたダイキャスト製でした。ヘッドライトがメッキパーツなのは現在の感覚ではやや物足りないですが、当時のミニカーとしては全体的にそこそこの良い出来ばえでした。ボンネット/4ドア/トランク開閉のギミックが付いています。セダンや消防車も同じ型でモデル化されていました。これ以外にもDS/IDのポリス/消防車やブレークを使った救急車のミニカーはたくさんあります。 またファントマの空飛ぶDSはノレブがプロバンスムラージュ(レジン製)でモデル化しています。(参照画像→ 空飛ぶ シトロエン DS ファントマ) 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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