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ポルシェ 356A クーペ ドイツ 1956年
ポルシェ 356は1956年にサスペンションなどを改良し356Aに変わりました。外観的にはV型に折れていたフロントスクリーンが曲面ガラスに変わりました。その後もエンジン、サスペンション、内装などに改良が加えられ、1959年には356Bに変わりました。356Bではバンパーとライトの位置が上に上がりフェンダーも高くなり、外観的には後継車となった911に近づいていました。1963年には最終型の356Cに変わりました。
ポルシェは創業当時からレースに積極的に参加しており、スポーツカークラスでフェラーリなどと互角に戦っていました。1955年にはレーシングカー ポルシェ 550RSに搭載されたレース用の高性能エンジン1.5L(110HP)を搭載したカレラが追加されました。
ミニカーは1994年に発売されたディテールカー製です。356A(1959年式)のクーペをモデル化しています。ディテールカーはイタリアのCDC社のブランドで、2000年頃までこの類のスポーツカーをモデル化していました。名前通りのディテールに拘った当時としては良い出来ばえの物が多く、自社ブランドだけではなくソリドなどにOEM提供もしていました。このポルシェもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。ドア開閉ギミック付きで、ドアを開くとポルシェのロゴが付いたステアリングホイール、インパネのメーター類、足元のペダルなど細部も良く再現されています。ディテールカーはバリエーションでコンバーチブルとスピードスターもモデル化していました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 300d (W189) ドイツ 1957年
前述した中型車メルセデス ベンツ 220と同時に最上級車のメルセデス ベンツ 300 (W186)が1951年に登場しました。最上級車といっても戦前の770Kにはサイズや性能でとても及びませんが、近代的なボディデザインにより室内は十分な大きさで、エンジンは6気筒3L(115HP)で最高速160km/hと当時の同クラスではトップレベルの性能でした。当初は4ドアセダンだけでしたが、1956年にはホイールベースを100㎜延長した受注生産特注ボディのカブリオレ Dが発表され、国家元首クラスのパレード用としてドイツ政府やローマ教皇庁などに納められてました。
1954年に細部が改良されて300bとなり、エンジンが125HPにパワーアップしました。1955年の改良で300cとなり、3段自動変速がオプション設定されました。1956年から300cにはロングホイールベース版のリムジン 300L(全長約5.6m)が追加されました。1957年に300cは300d(W189)にモデルチェンジしました。300dは300 カブリオレ Dにスチール製の屋根を取り付けた4ドアハードトップで、ボディも少し大きくなっていました。エンジンは同じ3Lですが、160HPにパワーアップされていました。300dは1962年まで生産され、300シリーズの総生台数はW186が約8000台、W189が約3000台で全て手作業で製作されました。
ミニカーは1988年に発売されたリオ製です。カブリオレ Dのボディにハードトップを固定した最終型300dをモデル化しています。実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。ヘッドライトやテールライトの形状が300(W186)ではなく300d(W189)の形状になっているなど、当時のミニカーとしては結構リアルに出来ていました。リオのやや古臭い作風もこの時代の車には似合っていました。ただこのミニカーは300dの実車より全長が短くできていて、厳密なことをいうと300dではなく300の外形寸法で仕上がっているようです。この辺が当時のミニカーのアバウトなところですが、昔はこんな細かいことは気にしませんでした。リオは300dのカブリオレ、ロングホイールベースの300L、300dの霊柩車仕様(型番137)など10数種類のバリエーションを展開していました。リオ以外ではノレブの1/18と1/43、ホワイトボックスの1/43、CMCの1/24などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 300SL ロードスター (W198) ドイツ 1957年
メルセデス ベンツ 300SL クーペは1400台を生産して1957年に生産終了となりました。オープンカーを望むアメリカ市場からの要望に応えて、1957年に登場したのが300SL ロードスターです。鋼管スペースフレーム構造のサイドシルが一部変更され、ガルウイングドアは通常のドアに変更されました。エンジンはクーペの240HPが215HPに少しデチューンされました。また後輪のサスペンションが変更され、限界走行時の挙動変化が穏やかなものに変えられました。またドラムブレーキは1961年に全輪がディスクブレーキに変わりました。
ソフトトップを収納する為にシート背後の収納スペースを無くしたので、燃料タンクを小型化してリアのトランクスペースが拡大されました。(トランク拡大で全長も少し長くなっていました) 外観的にはクーペは丸形ヘッドライトでしたが、ロードスターは縦長の異形2灯式ヘッドライトに変わりました。1959年から脱着可能なアルミ製のハードトップが設定されました。1963年に生産中止となり総生産台数は約1900台でした。
ミニカーはデンマークのテクノ製の当時物で、1957年に発売されました。全長を長めにして低い車体を強調したデフォルメがされていますが、実車の雰囲気はうまく再現されています。ボンネットを開くとエンジン、トランクを開くとスペアタイヤが再現されています。ベレー帽をかぶったドライバーが付いているのは楽しいおまけです。60年以上も前に作られたミニカーですが、ボディの塗装やバンパーなどの金属パーツの状態がきれいです。これは当時のテクノの製造品質が高かったことの証明です。はたして現在のミニカーはこのようなきれいな状態で長期保存できるでしょうか? 直射日光さえ避ければ老舗ブランドのダイキャスト製はたぶん大丈夫でしょうが、レジン製は塗装が丈夫な焼付塗装ではないことと樹脂の変形などがあるので難しいと思います。これ以外の300SL ロードスターのミニカーは、コーギーの当時物(1/46)と1990年代物(1/43)、ミクロペットの当時物、ダイヤペットの当時物、シュコーの1/43と1/87、ミニチャンプス、Bブラーゴの1/18などがあります。 以下はフロント/リア(トランク開閉)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 600 ドイツ 1957年
成功したBMW イセッタ 250に続いて1957年に上級車BMW 600が登場しました。この車にはイセッタという名前は付いていませんでした。基本的な構造はイセッタ 250と同じでしたが、ホイールベースとボディサイズを拡大しリアシートを追加して4人乗りとしたものでした。フロントシートへの乗降りはイセッタ 250と同様に前面のドアから行いますが、リアシートへの乗降りには車体右側に追加されたリアシート用ドアから行いました。また後輪トレッドが拡大されたので、後輪にデファレンシャルギアが付き本格的な4輪車となりました。
エンジンはBMW R67(モーターサイクル)に搭載していたエンジンをベースにした空冷水平対向2気筒582ccエンジン(19.5HP)をリアに搭載していました。4段変速で最高速103km/hの性能でした。ただ、ここまで高級にしてしまうと値段が本格的な4輪車(フォルクスワーゲン ビートルなど)と変わらないものになってしまい、600の販売はあまり芳しくありませんでした。その為発売2年後の1959年には生産中止となり、後継車の700にモデルチェンジしました。総生産台数は約35000台でした。
ミニカーは1996年頃に発売されたシュコー製です。プロポーションが正確で、実車の雰囲気が良く再現されています。ドア開閉などのギミックはありませんが、小さなワイパー、バックミラー、ヘッドライト/リアライトなどがリアルに再現されています。600のミニカーは当時物ではガマやジク(SIKU)、当時物以外ではオートアートの1/18があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード タウナス 12M (P1) ドイツ 1957年
アメリカのフォードは1925年にドイツに進出し、T型、A型、V8などの生産を行っていました。ただしそれらはアメリカと同じ仕様でしたので、ヨーロッパでは中大型クラスとなり、販路が限られていました。そこで1Lクラス小型車のケルン(KOLN)、アイフェル(EIFEL)などが開発され、1930年代後半にはドイツ フォードはオペルと同じくらいの自動車を生産していました。第2次大戦中ドイツ フォードは乗用車の生産ができず、軍用トラックの生産に従事していました。 (実車画像→ フォード ケルン 1933、実車画像→ フォード アイフェル 1935)
第2次大戦後工場が再建されて、まず生産を再開したのはトラックでした。1948年にはアイフェルの後継車で戦前に発表されたタウナスが再生産されて登場しました。戦前型とはいえ1Lクラスのタウナスはライバルがいなかったので、結構売れたようでした。(実車画像→ フォード タウナス 1949)
1952年にタウナスはモノコック構造でフラッシュサーフェスの戦後型デザインに一新された12Mに生まれ変わりました。フロントの中央に付いている丸い飾りは、フラッシュサーフェスを採用したアメリカの1949年型フォードのデザインと通じる物でした。エンジンは戦前型の4気筒1.2L(38HP)のまま、3段変速で最高速は112km/hといった性能でした。1955年には12Mのフロントグリルを変えたボディに、新型のOHV方式4気筒1.5L(55HP)エンジンを搭載した15Mが追加されました。1959年のマイナーチェンジで12Mと15Mは同じ外観になり15Mの設定がなくなり、1962年にタウナス 12M (P4)にモデルチェンジしました。
ミニカーは2007年に発売されたミニチャンプス製です。フロントグリルを変更した1957年式をモデル化しています。ミニチャンプスらしいそつのない造形で、細かいところまでリアルに作り込んであり良く出来ていました。ただやや腰高な感じがします。また古い車のミニカーでここまで塗装がきれいですと、リアリティが感じられないような気もします。(多少くたびれているほうがそれらしいかも) これ以外のタウナス 12M (P1)のミニカーはノレブ、ブレキナの1/87などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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