ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

TALBOT PACIFIC LIMOUSINE 1930 UK(FRANCE)

TALBOT PACIFIC LIMOUSINE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT PACIFIC LIMOUSINE


ELIGOR 1036 1/43 113㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 2.3L 93HP 4段変速
性能: 最高速136km/h  データーベースでタルボのミニカー検索

タルボ (タルボット) パシフィック リムジン イギリス(フランス) 1930年

 

 フランスのクレメント-バイヤード(Cl?ment-Bayard)社は1920年代まで存在したフランスの自動車メーカーでした。イギリスのタルボ卿が1902年に設立した輸入会社クレメント タルボ(Cl?ment-Talbot)社がクレメント-バイヤード社の完成車を輸入して、「クレメント-タルボ」ブランドで販売するとともに、部品を輸入してロンドンの工場で組立ててタルボ ブランドで販売しました。これがタルボ ブランドの始まりでした。1906年に登場したイギリス製のタルボ 一号車は4気筒3.7Lエンジンを搭載した中型車で、この車はモータースポーツで活躍しました。(実車画像→ タルボ 20/24HP 1906)

 

 1919年にクレメント タルボ社はダラック社に買収され、ダラック社はサンビーム社も買収し1920年にSTD(SUNBEAM TALBOT DARRACQ) モーター社と改名しました。(代表ブランドはタルボでした) 1926年頃に登場した6気筒1.7Lエンジンを搭載したタルボ 14/45HP(後にタイプ 65)は技術的に優れた低価格の中級車で、この車は大ヒットしました。その後この車は改良されて2.3Lエンジン搭載のタイプ 70/75、その高性能版タイプ 90に発展し1935年まで生産されました。またエンジンを3Lに拡張したタイプ 105はレーシングカーとして活躍しました。STDモーター社は財政難から1935年にイギリスのルーツグループに吸収され、1938年に「サンビーム-タルボ」ブランドができましたが第2次大戦後に消滅しました。タルボのフランス工場は起業家のアンソニー ラーゴ(Anthony Lago)が買い取り、後に「タルボ-ラーゴ」ブランドの車を製造しました。

 

 

 ミニカーは1981年に発売されたエリゴール製です。上述したタルボ 14/45HPの高性能型で6気筒2.3Lエンジンを搭載したパシフィック(タイプ 90) リムジンをモデル化しています。実車と見比べるとフロントグリル形状とヘッドライトはそれらしく再現されていますが、それより後ろのボディ全体は同じエリゴール製のロールス ロイス 20/25HP(型番1030)の型をそのまま流用しています。(ホイールは変えてありますが) 当時の高級なリムジンは同じようなボディスタイルをしていたので、この方法でも違和感なくそれらしく見えます。したがってキャビン部分はサイズが大きめで窓の配置なども違いますが、当時のタルボ セダンのミニカーはこれぐらいしかありませんので、細かいところは気にしないことにしましょう。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TALBOT 90 LIMOUSINE 1
TALBOT 90 LIMOUSINE 2

 以下は1985年に発売されたマッチボックス製のタルボ バン 1927(1/47 型番Y05)の画像です。実車の詳細は不明なのですが、年式から上述した14/45HPをベースにした商用バンをモデル化していると思われます。ボディ側面の「EVERREADY」はアメリカの老舗バッテリーメーカー エバレディ社のロゴです。リアドア開閉のギミック付きです。このタルボ バンは1978年頃から発売されていて「LIPTON'S TEA」や「DUNLOP」などのロゴが付いた数種類のバリエーションがありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT VAN 1927 1
TALBOT VAN 1927 2

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TALBOT (LAGO) T23 1936 FRANCE

TALBOT (LAGO) T23
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT (LAGO) T23


SOLIDO 4003 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m エンジン 変速機: 6気筒 3L 90HP 4段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでタルボのミニカー検索

タルボ (ラーゴ) T23 フランス 1936年

 

 タルボ パシフィックの解説に記載したように、タルボの親会社STD(SUNBEAM TALBOT DARRACQ)モーター社は財政難から1935年にイギリスのルーツグループに吸収されました。1938年に「サンビーム-タルボ」ブランドができましたが第2次大戦後に消滅しました。タルボのフランス工場は起業家のアンソニー ラーゴ(Anthony Lago)が買い取り、後に「タルボ-ラーゴ」ブランドの車を製造しました。

 

 1930年代のタルボの代表的なモデルであったT23が1936年に登場しました 当時のフランスの高級車らしい優雅なデザインの高級車でした。クーペ、カブリオレ、セダン、リムジンがあり、コーチビルダーのフィゴーニ-ファラスキーやソーチックがボディを架装していました。当初のエンジンは6気筒3L(90HP)で、後に6気筒4L(115HP)が搭載され、4段変速で最高速150km/h(4L)の性能でした。なおT23は前述したタルボ パシフィックの発展型らしいので、タルボ ラーゴではなくタルボとしました。1937年に新設計のモデルが登場しそのモデル(タルボ-ラーゴ T120/150など)からはタルボ ラーゴと呼ぶようです。

 

 

 ミニカーは1981年に発売されたソリド製です。フィゴーニ-ファラスキーが架装した?と思われる2?ドアカブリオレをモデル化しています。ソリドの型番4000番台は1980年代に作られたクラシックカーのシリーズで、比較的安価で良く出来ていました。このタルボ T23も当時の定価が2000円ほどと安価でしたのであまり凝ったところはありませんが、実車の雰囲気がうまく再現されていて値段相応の良い出来ばえでした。後ろヒンジでドアが開閉するギミック付きです。ソリドは別ブランドのべレムで、2ドアセダンもモデル化していました。これ以外のタルボ T23の量産ミニカーはないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TALBOT T23 1
TALBOT T23 2

 以下は1995年頃に発売されたソリドの別ブランドのべレム製のタルボ T23 コーチ 1939 (1/43 型番1005)の画像です。べレムはソリドの型を流用または改造したミニカーを作っていました。これは上記のカブリオレをセダンに変更しています。フェンダーと一体の底板は元のダイキャスト製ですが、ボディはレジン製に変更されています。全体的な出来ばえは上記のカブリオレと同等ですが、このカラーリングはセダンに似合っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT T120 COACH 1
TALBOT T120 COACH 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT T120 COACH 1
TALBOT T120 COACH 2

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TALBOT LAGO T150 SS COUPE BY FIGONI & FALASCHI 1938 FRANCE

TALBOT LAGO T150 SS COUPE BY FIGONI & FALASCHI
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT LAGO T150 SS COUPE BY FIGONI & FALASCHI


VOITURES CLASSIQUES (IXO ALTAYA) 6 1/43 108㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m? 全幅約1.67m エンジン 変速機: 6気筒 4L 165HP 4段変速
性能: 最高速185km/h  データーベースでタルボ ラーゴのミニカー検索

タルボ ラーゴ T150 SS クーペ  フィゴーニ ファラスキー フランス 1938年

 

 前述したようにタルボはイギリスとフランスに工場があった大衆車メーカーでした。1919年にタルボはサンビーム、ダラックと合併しSTD(サンビーム-タルボ-ダラック)グループを形成し自動車生産を行いました。STDグループは財政難から1935年にイギリスのルーツグループに吸収されて消滅しました。その後STDグループのフランス工場はエンジニア/起業家のアンソニー ラーゴ(Antonio Lago)が買い取りタルボ車の販売を続け、第2次大戦後はタルボ ラーゴという名前になり高級スポーツカーを1960年まで生産していました。

 

 タルボは1937年に新設計のツーリングカー タルボ T4 マイナー(4気筒2.3Lエンジン搭載)を発表しました。この車には6気筒2.7L/3L/4Lエンジンが追加され、ホイールベースの長い6気筒3L/4Lエンジン搭載車とさらにホイールベースの長い(7人乗り)6気筒3L/4Lエンジン搭載車が追加されました。そのなかでT150は6気筒3Lエンジン搭載のホイールベースの短いスポーツカーで、T150 SSはさらにホイールベースを短くして6気筒4Lエンジンを搭載した高性能版でした。(なお150CとCが付くのはレース仕様で基本はロードスターでした) 個性的で美しい流線形ボディのT150 SS クーペは当時最速のスーパーカーでタルボ ラーゴのなかでも一番有名な車でした。コーチビルダーは前述したドライエ 165と同じフィゴーニ ファラスキーで、フロント回りは似たようなデザインとなっています。わずか十数台しか製作されなかったようです。

 

 

 ミニカーはフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo.6として作られた物でイクソ製です。これはオークションで入手したものですが、2007年にイクソの型番MUS007でも発売されました。ミニカーの出来ばえは雑誌付きミニカーの標準的なレベルですが、美しい流線形ボディの雰囲気がうまく再現されツートンカラーも綺麗です。室内もそこそこ良く再現されています。(フロントグリルが少し右に傾いているのは見なかったことにしてください) T150 SS クーペのミニカーはこれ以前に少量生産のWESTERN MODELS製がありましたが、量産ミニカーとしてはこれが最初のモデル化でした。最近になってミニチャンプスやスパークやCMCの1/18などでもモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TALBOT LAGO T150 SS COUPE BY FIGONI & FALASCHI 1
TALBOT LAGO T150 SS COUPE BY FIGONI & FALASCHI 2

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