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クライスラー ダッジ チャージャー デイトナ ヘミ アメリカ 1969年
前述したようにダッジ チャージャーはチャージャー 500でNASCARレースに参戦していました。しかしチャージャー 500はボディの空力的な問題(ボディがリフトする)で、芳しい成績が出せませんでした。そこでフロントグリル全体をカバーするノーズコーンと、リアに大きなウイングを付けてダウンフォースを発生させたレース仕様のチャージャー デイトナが1969年に開発されました。チャージャー デイトナはNASCARレースで勝つためだけに作られたホモロゲーション モデルで、500台が市販されました。エンジンはベースとなっているR/Tと同じで、標準はV型8気筒7.2L(375HP)、オプションで425HPのヘミ エンジンが搭載できました。
デイトナの空力仕様は伊達ではなく、この車はNASCARとして初めて200mph(320km/h)を越えるスピード記録を達成しました。また目論見どうりに初戦のNASCARレースで勝利していて、圧倒的に強かったようです。姉妹車で同じ空力スタイルをしたプリムス スーパーバードもありました。ただこのような空力処理をしたレースカーが圧倒的に強かったので、NASCARでは排気量を5Lに制限するなどして実質的に禁止となり、1971年以降は参戦できなくなったようです。(実車画像→ クライスラー プリムス スーパーバード)
ミニカーはユニバーサル ホビー製で、2002年頃に発売されました。どちらかというと廉価版ミニカーの類でしたので、値段相応の出来ばえですが、プロポーションはまずまずで特徴的な空力パーツはうまく再現していました。70cmもある高いリアウイングはミニカーでもずいぶん目立ちますが、この仕様で公道も走れたそうですので、この車に公道で出会ったらびっくりしたと思います。これ以外のチャージャー デイトナのミニカーは、GREENLIGHTの1/18、M2 MACHINESやJOHNNY LIGHTNINGの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー プリムス GTX アメリカ 1970年
プリムスはクライスラーの大衆車クラスで、1960年代後半のラインナップとしては、コンパクトカーのバリアント、中級車のベルヴェデアとサテライト、フルサイズのサヴォイとフューリー、スポーティカーのバラクーダ、GTX、ロードランナーなどがありました。1967年に登場したプリムス GTX 初代は、ベルヴェデアをベースにしたハードトップ/コンバーチブルのマッスルカーでした。V型8気筒7.2L(375HP)エンジンを搭載し特別仕様のグリルや強化されたサスペンションを持つプリムスのスポーティカーの最上級車でした。オプションでより高性能のV型8気筒7L(425HP)ヘミ エンジンも搭載できました。(実車画像→ プリムス GTX 1967)
1968年によりシンプルなデザインに変更されたGTX 2代目が登場しました。同時にV型8気筒6.3L(335HP)エンジンを搭載し装備を簡素化したGTXの廉価版のロードランナーが設定されたので、GTXは差別化で豪華な仕様となりました。1970年のマイナーチェンジで、フロントグリルが変更されコンバーチブルの設定がなくなりました。GTXとロードランナーは外観が同じように見えるので、軽量故に最高速が高く安価なロードランナーの方が人気が高かったそうです。(実車画像→ プリムス GTX 1968)
1971年にループ型のバンパーでフロントグリルを囲った個性的なフロントグリルを持つGTX 3代目が登場しました。ただその頃にはマッスルカーの人気がなくなり販売は低調で、同年に生産中止となりました。同時にモデルチェンジしたロードランナー 2代目はロードランナー GTXに名前が変更され1974年まで生産されました。1975年にロードランナー 3代目が登場し1976年に小型車ボラーレの2ドア版となり1980年まで生産されました。マッスルカーはこんな具合にオイルショック対応の燃費改善と排ガス規制で消えていきました。このGTX 3代目あたりが最後のマッスルカーといえるでしょう。(実車画像→ プリムス GTX 1971)
ミニカーは1998年に発売されたマッチボックス製のマッスルカーシリーズで、GTX 2代目の1970年式をモデル化しています。マッチボックスのマッスルカーシリーズは1960-1970年代のマッスルカー 十数種類をモデル化したものでした。このシリーズは作風はややレトロなのですが、プロポーションが良く室内や床下のサスペンションなどがリアルに再現され、当時としてはかなり良い出来ばえでした。このGTXもややレトロな作風ながら、特徴的なフロントグリルが良く再現され、ボンネット上のエアスクープ、サイドのストライプ、室内などの細部も実車に忠実に出来ていました。これ以外のGTX/ロードランナーのミニカーはフランクリン ミントの1/24、アーテルの1/18、ヤトミン、グリーンライトの1/64、ジョニーライトニングの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ダッジ ダート 270 (ヨーロッパ仕様) アメリカ 1970年
クライスラーグループで戦後のダッジは高級車デソートと大衆車プリムスの間を埋めるブランドでした。1960年代のダッジのラインナップにはフルサイズのポラーラ、モナコ、中級車のコロネット、コンパクトカーのダートなどがありました。1960年に登場したダート 初代はフルサイズの大型車でしたが、徐々にサイズダウンされ1963年の3代目はコンパクトカーになりました。ダートは1967年に4代目にモデルチェンジし1976年まで生産されました。画像のミニカーは1964年に登場したタービンカーに似せた特徴的なライトの形状から1965年頃のダート 3代目なのですが、ミニカーは1970年式と表示されていて素性が不明でした。
良く見るとボンネット先端の右側に「Barreiros」というロゴが付いていたのでそれを頼りに調べると、Barreiros(バレイロス)とはスペインの自動車会社でクライスラー ヨーロッパの傘下だったということが分かりました。結局この車はスペインで生産されたヨーロッパ仕様のダートであると判明しました。270というモデルはアメリカではV型8気筒4.5Lエンジンを搭載していましたが、ヨーロッパ仕様も同じかどうかは不明です。この車は厳密にはアメリカ車ではないのですが、当時のクライスラーのセダンということでアメリカ車の区分に載せています。
ミニカーは2006年に発売されたイクソ製です。このミニカーは元々はスペインのミニカー付雑誌の「Nuestros Queridos Coches (私たちの愛する車の意)」シリーズ用として作られたものでした。これはそれを流用して室内などの仕上げレベルを上げてイクソのカタログモデルとしたものでした。イクソらしい手堅いつくりで、室内などの細部の仕上げも丁寧で良く出来ていました。イクソは仕上げレベルを変えて別ブランドのホワイトボックスでもダッジ ダート 1966年(アメリカ仕様)を発売しています。(このような雑誌付きミニカーで起こした型を流用してバリエーション展開しているのがイクソの強みです) これ以外の1960年代のダッジ ダートのミニカーはネオ(レジン製)の初代、ホットホイールの4代目 1/64、ジョニーライトニングの4代目 1/64、オートワールドの4代目 1/64などがあります。 以下はフロント(ボンネット先端のロゴ拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ダッジ チャレンジャー R/T アメリカ 1970年
フォード マスタングが大成功したことで、ライバルメーカーはマスタングに対抗するモデルを開発しました。GMのシボレー カマロ(ポンティアック ファイアーバード)、クライスラーのダッジ チャレンジャー(プリマス バラクーダ)、AMCのジャベリンなどが対抗馬として登場しました。1970年に登場したダッジ チャレンジャーのデザインは兄貴分のチャージャー 1966年式と同じデザイナーが担当し、サイドラインがよりダイナミックになっていました。車幅が1.9mもあるので、幅広いフロントグリルは実にかっこよかったです。同時に登場したプリムス バラクーダ 3代目はチャレンジャーの姉妹車でした。(実車画像→ プリムス バラクーダ 1970)
エンジンは6気筒3.7L(110HP)、V型8気筒5.2L/6.3L(330HP)、V型8気筒7L/7.2L(375HP)など多くのバリエーションがありました。高性能版のR/TはV型8気筒6.3L/7.2Lなどを搭載し、さらにV型8気筒5.6L(290HP)エンジンを搭載したトランザム レース用のホモロゲーションモデル T/A(トランザム)が2500台限定生産されました。チャレンジャーは初年度に8万台も売れて人気がありましたが、小型マッスルカーの需要は排ガス規制などの影響で低迷していき、チャレンジャーも1974年には生産中止となりました。1978年にチャレンジャー 2代目が登場しましたが、これは三菱 ギャラン ラムダのアメリカ仕様で、マッスルカーではありませんでした。(実車画像→ ダッジ チャレンジャー 1978)
ミニカーはマッチボックスのマッスルカーシリーズの1台で1998年に発売されました。マッチボックスのマッスルカーシリーズはいずれも良い出来ばえでしたが、このチャレンジャーもプロポーションが良く幅広のかっこいいボディがうまく再現されていました。また室内などの細部もよく仕上げてありました。ただし当方の所有するこのチャレンジャーはマッチボックスのオリジナル(型番YMC12 紫色)ではなく、2000年頃にマテルがマッチボックスの型を流用して再生産したものです。オリジナルに比べると底板のブランド表示がMATTELに変更され塗装仕上げなどが簡素化されているようですが、それ以外はオリジナルと変わりないようです。(1997年にマッチボックスはマテル傘下になっています) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ダッジ コロネット スーパー ビー アメリカ 1970年
クライスラーグループで戦後のダッジは高級車デソートと大衆車プリムスの間を埋めるブランドでした。1960年代後半のダッジのラインナップにはコンパクトカーのダート、中型車のコロネット、フルサイズのポラーラとモナコがありました。 1965年にコロネットの5代目が中型車として登場しました。2/4ドアセダン、2ドアクーペ/ハードトップ/コンバーチブル、4ドアワゴンがありました。搭載するエンジンは6気筒3.7LからV型8気筒4.5L/5.2L/5.9L/6.3L/7L(ヘミ)/7.2L(マグナム)とバリエーションが豊富で、ダッジ ブランドとして人気のあるモデルでした。(実車画像→ クライスラー ダッジ コロネット 1966)
コロネットの2ドアクーペをベースにして、高性能なスポーツ仕様(マッスルカー)としてスーパービーが1968年に登場しました。スーパービーはV型8気筒6.3L(標準)/7L(ヘミ 425HP)/7.2L(395HP 6パック)エンジンを搭載し、サスペンションが強化され高性能タイヤを履いていました。4段変速で最高速度220km/h(7L)と高性能でした、なおスーパービーという名前は当時のクライスラーの中型車のボディがBボディと呼ばれていたことに由来しています。1970年にフロントグリルの意匠が変更されました。1970年代になるとマッスルカーの人気が低迷するようになり、スーパービーは1970年に生産中止となりました。ダッジ コロネットは1971年に6代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ クライスラー ダッジ コロネット 1971)
ミニカーは2022年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションの1台です。フロントグリルが変更された1970年式で、ボンネットのパワーバルジに440というロゴがありますので、440cuiの7.2Lエンジン搭載車をモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、特徴のあるフロントの顔付、7.2Lエンジン用のパワーバルジ、ホイールなど実車がリアルに再現されています。実車に忠実なカラーリングとナンバープレートも良く出来ています。このシリーズの別のミニカーの解説に書きましたが、定価が2000円ほどの安価なミニカーにここまでレベルの高い仕上げができるのは、本国アメリカではこのミニカーが大量に売れているからだと思います。(日本ではあまり売れないと思いますが、アメリカでは人気のある車種ですから) これ以外のコロネット スーパービーのミニカーはアーテルの1/18、ジョニーライトニングの1/64、レーシングチャンピオンの1/64、ホットホイールの1/64などがあります。 以下はフロント(パワーバルジ部拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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