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タルボ ラーゴ T14 LS 4.5L フランス 1956年
前述したようにタルボは元々イギリスとフランスに工場があった大衆車メーカーでした。1919年にタルボはサンビーム、ダラックと合併しSTD(サンビーム-タルボ-ダラック)グループを形成し自動車生産を行いました。STDグループは財政難から1935年にイギリスのルーツグループに吸収されて消滅しました。STDグループのフランス工場はアンソニー ラーゴが買い取りタルボ車の販売を続け、第2次大戦後はタルボ ラーゴという名前になり高級スポーツカーを1960年まで生産していました。
第2次大戦後の1946年に新開発のDOHC 6気筒4.5L(170HP)エンジンを搭載した大型車T26 レコードが登場し、翌年にはボディを小型化した高性能版T26 グラン スポール(GS)が登場しました。これらは戦前のドラージュのようなコーチビルダーがボディを架装する高級車でした。T26のレース仕様車T26Cは1949年ベルギーGP 優勝、1950年ルマン 優勝などで活躍し、タルボ ラーゴの名声を高めました。1955年に新開発のDOHC 4気筒2.5L(120HP)エンジンを搭載した2シータークーペ T14 LSが登場しましたが、この車はほとんど売れずタルボ ラーゴの最後のモデルとなりました。タルボ ラーゴ ブランドは1959年にシムカに売却されました。
ミニカーはフランスのミニカー付雑誌「Nos cheres voitures d'antan」(英訳:Our dear Cars of Yesteryear)シリーズのNo.55でメーカーはイクソです。これはオークションで入手したものですが、ほとんど同じものがイクソの別ブランドのノスタルジーの型番NO053とホワイトボックスの型番WB086で発売されてます。ミニカーの名前に4.5Lが付いているので、T26用の4.5Lエンジンを搭載したT14 LSをモデル化しています。ミニカーの出来ばえは雑誌付きミニカーの標準的なレベルです。フランス車らしい鮮やかなブルーのボディに黄色いライトで、実車の雰囲気が良く再現されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルピーヌ ルノー A106 ミッレ ミリア フランス 1956年
フランスのレーシングドライバーでルノーのディーラーを経営していたジャン レデール(Jean R?d?l?)は、ルノー 4CVをチューンした改造車でラリーなどで活躍しルマンにも参戦しました。彼は1955年にアルプス山脈にちなんだ名前のアルピーヌ社を創設し、アルピーヌのプロトタイプは1955年のミッレ ミリアで750ccクラス優勝を果たしました。翌年にルノー 4CVにFRP製のボディを搭載した軽量スポーツカー A106 ミッレ ミリアが市販されました。
A106には1958年にアルピーヌ自社デザインのカブリオレが追加され、1960年にはカブリオレに屋根を付けたクーペも追加されました。1959年にはルノー ドーフィン用のエンジンを904ccに拡大し60HPにパワーアップし、最高速度170km/hという極めて高性能なA108が追加されました。アルピーヌはエンジン チューナーであるゴルディーニと提携することで、より強力なエンジンを使えるようになりました。1973年にアルピーヌ社はルノー傘下となりました。
ミニカーは1950-1960年代に発売されたフランス CIJ製の当時物です。60年も前に作られた古いミニカーですので、室内は何もないがらんどうです。これは後期型ですのでウィンドーが付いていますが、前期型はウィンドーもありませんでした。そんな素朴な作りですが、実車の雰囲気は十分感じられるミニカーになっていました。CIJのミニカーは当時のミニカーの中ではかなり出来の良い部類でした。これ以外のA106のミニカーはべレム(ソリド)、ノレブ、ノスタルジー、エリゴールなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 1400B イタリア 1956年
フィアットの戦後型モデルとして1950年に1400が登場しました。フェンダーをボディと一体化したフラッシュサーフェスの極めて斬新なデザインに4気筒1.4L(44HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速120km/hの性能でした。モノコックボディ、全輪独立懸架などメカ的にも進んでいました。1954年には1.9L(53HP)エンジンを搭載した上級車の1900が追加され、この車にはハードトップクーペのグランルーチェ(Gran Luce:Full Light 明るいの意)が設定され、トルコン式自動変速機が装備されていました。また当時としては珍しい1.9L(40HP)ディーゼルエンジンの設定までありました。1400/1900は1959年まで生産され総生産台数は約20万台で、後継車は1800でした。(実車画像→ フィアット 1900 グランルーチェ)
以下は1940-1950年代のフィアットの車種構成です。(Wikipediaなどを参照して作成しました)
ミニカーは1988年に発売されたブルム製です。1956年にマイナーチェンジされた1400Bをモデル化しています。今見ると平凡な3ボックスセダンですが、1950年代当時このデザインは同時期のフランス車(ルノー 4CVなど)と比べると確かに進歩的なデザインでした。実車のイメージがうまく再現され、室内などの細部もそこそこリアルで、当時のミニカーとして良い出来ばえでした。明るいツートンカラーのカラーリングも綺麗です。これ以外のフィアット 1400/1900のミニカーはマーキュリーのビンテージ当時物、ノレブのカブリオレ、NEO(レジン製)の1900 グランルーチェなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 600 ムルティプラ イタリア 1956年
小型車フィアット 500Cにはワゴン仕様のベルヴェデーレがありましたが、500Cの後継車600のワンボックスワゴン仕様として1956年に登場したのが600 ムルティプラ(MULTIPLA 多目的車の意)でした。600をベースにしてルーフを前方に拡張して運転席を前輪の上に移動し、3列シートの6人乗りワゴンを構成していました。(2列シートの4/5人乗り仕様もあった) 全長は600より少し大きく、重量が増加したので最高速は90km/hでした。家族向けのファミリーカー、軽商用車、タクシーなどその名前どおりに多用途に使われました。
1960年のマイナーチェンジで600と同じくエンジンを767cc(28HP)に拡大した600D ムルティプラとなりました。600Dではドアが前ヒンジに変更されましたが、600D ムルティプラの前ドアは後ろヒンジのままでした。(後ろドアは最初から前ヒンジ) 1966年まで生産され、総生産台数は約14万台でした。エンジン搭載位置が違いますが、現在のワンボックスワゴン車の元祖のような車でした。ムルティプラの直接的な後継車は設定されず、1998年になってムルティプラ 2代目が登場しました。
ミニカーは1998年に発売されたブルム製です。初期型の600 ムルティプラをモデル化しています。前述した同じブルム製の600同様にムルティプラも実車のイメージがうまく再現されていて、良く出来ています。なおこのムルティプラも12色の色違いが設定されていて、そのほかにも商用車、タクシーなどのバリエーションもたくさんあります。ブルムは後期型の600D ムルティプラも2002年にモデル化していて、そちらもバリエーションがたくさんあります。ムルティプラの当時物ミニカーはマーキュリー、スポットオンがありました。当時物以外ではブレキナの1/87、イクソ、国産名車コレクション(イクソ製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット アバルト 750 ミッレ ミリア イタリア 1956年
アバルトは量販車のチューニングやパーツ開発を行っていた会社で、フィアット車のチューニングで有名でした。1971年にフィアットに買収され、現在はフィアットグループの一員となっています。フィアット 600をベースにしたアバルト車は多くありますが、600の外観を残しているモデルとしては
排気量700/750ccのアバルト 700/750/750
排気量850ccのアバルト 850/850 TC/850 TCR
排気量1000ccのアバルト 1000/1000 TC/1000 TCR
などがありました。TCはTOURING COMPETITION(ツーリングカーのレース仕様)の略で、TCRのRはRADIALEのRで高性能なラジアル(半球形)燃焼室のエンジンを搭載していることを意味しました。
一番高性能なモデルはアバルト 1000で排気量を982ccまで拡大していました。初期モデルは60HPのパワーで最高速150km/hぐらいでしたが、1970年頃の最終モデルは110HPで最高速190km/hに性能が向上していました。1000 TC(95HP)はグループ2仕様のレースカーで、さらに高性能なグループ5仕様の1000 TCR(118HP)もありました。グループ2は最低生産台数が決められた改造車なのであまり大幅な改造はできませんが、グループ5は外観が市販車ベースであれば中身を大幅に改造できました。(実車画像→ フィアット アバルト 1000 ベルリーナ コルサ 1966)
ミニカーは2000年に発売されたブルム製です。アバルト 750 のミッレ ミリア参戦車をモデル化しているようです。前述したブルム製のフィアット 600のバリエーションで、実車に即して細かな変更がされていて良く出来ています。変更点はフロントに付いたサソリのエンブレム、外されたバンパー、2連式マフラー、エンジン冷却用に開放状態で固定されたリアカバーなどで、リアカバー下にはエンジンがみえます。ブルムはアバルト 750、850、1000など約30種類以上をモデル化しています。ブルム以外のフィアット 600系アバルトのミニカーはプロゲットK、ソリドの1/18、レベルの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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