ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FIAT 500 NORMALE 1957 ITALY

FIAT 500 NORMALE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500 NORMALE


BRUMM R343 1/43 69㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.97m 全幅約1.32m エンジン 変速機: 空冷2気筒 479cc 15HP 4段変速
性能: 最高速85km/h  データーベースでフィアット 500のミニカー検索

フィアット 500 ノルマーレ イタリア 1957年

 

 第2次大戦で敗戦したイタリアは1950年代になっても経済はまだ完全に回復しておらず、前述したフィアット 600も発売当初は売れ行きが芳しくありませんでした。そこで600をさらに一回り小さくした廉価版として500が開発され1957年に登場しました。この500は戦前型の500と区別してNUOVA(ヌォーヴァ:NEWの意) 500とも呼ばれました。モノコックボディ、リアエンジン、サスペンションなど基本設計は600と同じでしたが、エンジンは空冷2気筒479cc(15HP)となっていました。

 

 NUOVA 500は全長3m程ながらも4人乗りで車重は約500kg、4段変速で最高速度85km/hとまずまずの性能でした。ボディはキャンバストップがエンジンカバーのすぐ上まで開く初期型と屋根の半分だけが開く後期型(1960年以降)の2タイプがあり、開口部のない全閉式の仕様はありませんでした。これは空冷2気筒エンジンの騒音が大きいので、完全な密閉式に出来なかったとのことです。1959年にエンジン排気量を499㏄(22HP)にパワーアップしたスポーツ仕様のスポルトが追加されました。NUOVA 500は戦前型500を超える大ヒットとなり、これ以後の小型車のお手本になりました。発表後10年以上経った1970年にも年間40万台以上生産されていたのですから、その人気は推して知るべしでした。(1960年以降の後期型についてはフィアット 500Dを参照してください。)

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたブルム製です。これは初期型(500a)のノルマーレ(標準仕様)でキャンバストップを閉じたタイプをモデル化しています。ブルム製のNUOVA 500は全体的な雰囲気がうまく再現されていて、室内などの細部も良く仕上げてありとても良く出来ています。(ただかなり大量に生産しているので、出来上がりのばらつきが多少ありますが) また色違いやバリエーションを非常にたくさん揃えているところに、NUOVA 500に対するブルムのこだわりを感じることができます。(イタリアでNUOVA 500の人気が高いことも分かります) ブルム以外のNUOVA 500 初期型の当時物ミニカーはマーキュリーのビンテージ物がありました。当時物以外ではビテス、ソリド、WELLYの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 500a 1
FIAT 500a 2

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット NUOVA 500 エコノミカ 1957 (1/43 型番R341)の画像です。上記のブルム製のバリエーションで、エコノミカのキャンバストップを閉じたタイプをモデル化しています。発売当初の仕様はエコノミカ(低価格仕様)で、それを少し豪華にしたのが上記のノルマーレ(標準仕様)でエンジンも少しパワーアップしていたそうです。ブルムのミニカーはこの仕様の違いをきちんと再現してあり、どちらにも6色の色違いがあります。このような500の細かな仕様違いをモデル化しているのはブルムだけです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 3
FIAT 500a 4

 以下は上記のノルマーレとエコノミカを比較のために並べたみた画像です。向かって右側手前にあるのがノルマーレです。ノルマーレとエコノミカの外観上の違いは3点あります。1点目はホイールキャップのメッキの有無、2点目はボディ側面のクロームモールの有無、3点目はよく見ないと分かりませんがヘッドライトのひさし(マツゲ)の有無です。なお室内も良く見るとリアシートの色が変えてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 5
FIAT 500a 6

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット NUOVA 500 ノルマーレ (1/43 型番R342)の画像です。上記型番R343のキャンバストップを開いたバリエーションです。開いたルーフから室内の造形が良く見えます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 7
FIAT 500a 8

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット 500 スポルト 1959 (1/43 型番R347)の画像です。エンジン排気量を499㏄(22HP)にパワーアップして最高速を95km/hに向上させたスポーツ仕様のスポルトをモデル化しています。ボディ側面の赤いストライプと赤く塗装されたホイールは実車どおりです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a SPORT 1
FIAT 500a SPORT 2

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット 500 ピンク 'ブルム 30周年記念' (1/43 型番S72/02)の画像です。ブルムの創立30周年記念として発売された限定生産品で、屋根に貯金箱のようなコインの投入口があります。おまけとして1ユーロセント(約2円)の銅貨が付いています。実際に貯金箱としてコインを貯めるのは出来ないのでお遊びで作られた物ですが、ピンク色のかわいらしいミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a PINK 1
FIAT 500a PINKT 2

 以下は1990年頃に発売されたビテス製 フィアット 500 ベスパ付 (1/43 型番501)の画像です。フィアット 500 初期型と1950-1960年代当時のスクーター ベスパを組合わせた遊び心のある楽しいセット物でした。この組合わせは1953年公開の映画「ローマの休日」の1シーン(王女がスクーターを走らせ、フィアット 500が追いかけるシーン)を思い起こさせるものです。(ただし映画のフィアット 500は戦前型でしたが) 実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。またベスパも小さいながらも結構良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 11
FIAT 500a 12

 以下はフロント/リアの拡大画像とフィアット 500とベスパが台座にセットされている画像とベスパの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 13
FIAT 500a 14

 以下は2000年に発売されたソリド製のフィアット 500 1957 (1/43 型番4560)の画像です。ボディ側面にクロームモールが付いているので、ノルマーレをモデル化しているようです。ソリドの型番45**のシリーズは1950-1970年代の車をモデル化していて、安価ながらも良い出来の物が多いです。この500はプロポーションは悪くないのですが、タイヤが少し大き目なので実車の雰囲気から少し外れた感じがして出来ばえは今一つです。またキャンバストップの開き方が後期型となっていますので、初期型と後期型の仕様がごちゃ混ぜになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 15
FIAT 500a 16

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FIAT 1800 1959 ITALY

FIAT 1800
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 1800


CORGI 217 1/47 94㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.46m 全幅約1.62m エンジン 変速機: 6気筒 1.8L 75HP 4段変速
性能: 最高速137km/h  データーベースでフィアット 1500L/1800/2100/2300のミニカー検索

フィアット 1800 イタリア 1959年

 

 1959年にフィアット 1400とその上級車1900は、フィアット 1800/2100にモデルチェンジしました。フィアット 1800/2100は全長約4.5mの大型高級車で、当初は4ドアセダンと5ドアワゴン(ファミリアーレ)がありました。ピニンファリーナがデザインしたセダンは、この当時の最新のスタイルでした。エンジンは6気筒1.8L(75HP)と6気筒2.1L(82HP)で、4段変速で最高速146km/h(2.1L)の性能でした。2100にはホイールベースを延長して全長4.75mとし、4灯式ヘッドライトを採用したスペチアーレという上級モデルが設定され、このモデルが当時のフィアットの最上級車でした。(実車画像→ フィアット 2100 スペチアーレ)

 

 1800は1961年に81HPにパワーアップして1800Bとなりました。2100にはギヤのデザインした2+2座のGTカー 2100S クーペが1961年に追加されました。2100は1961年に排気量を2.3L(105HP)に拡大して4灯式のヘッドライトを持つ2300に変わり、2100S クーペは2300S クーペに変わりました。2300にはフィアットとしては初の自動変速機が1966年にオプション設定されました。1800の廉価版として4気筒1.5Lエンジンを搭載した1500L(主にタクシー用途)もありました。1800/2300は1969年まで生産され、後継車はフィアット 130でした。

 

 

 ミニカーは1960年に発売されたコーギーの当時物です。コーギーとしては初のイタリア車のミニカーで、縮尺1/47と小さめに出来ていました。まだドア開閉ギミックが付かない実にシンプルな作りですが、角ばったフロント造形やフロント/リアが逆スラントしている直線的なスタイルがよく再現されています。コーギーは同じ型を使い型番232で2100もモデル化していました。コーギー以外の1800/2300の当時物ミニカーはマーキュリーの1800、ディンキーの1800 ファミリアーレと2300 ワゴン、ガマの1800、ノレブ初期のプラスチック製の23000、ポリトーイ初期のプラスチック製の1800などたくさんありましたので、当時の実車は人気があったようです。当時物以外ではヴィーキングの1800、スターラインの2300 ワゴンなどがあります。ミニカー付雑誌「FIAT STORY」のNo.66で1500Lがモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 1800 1
FIAT 1800 2

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FIAT 500D 1960 ITALY

FIAT 500D
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500D


BRUMM R404 1/43 69㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.97m 全幅約1.32m エンジン 変速機: 空冷2気筒 499cc 18HP 4段変速
性能: 最高速95km/h  データーベースでフィアット 500のミニカー検索

フィアット 500D イタリア 1960年

 

 前述したようにフィアット 600を一回り小さくした廉価版としてフィアット 500が1957年に登場しました。モノコックボディ、リアエンジン、サスペンションなど基本設計は600と同じでしたが、エンジンは空冷2気筒479cc(15HP)となっていました。全長3m程ながらも4人乗りで車重は約500kg、4段変速で最高速度85km/hとまずまずの性能でした。

 

 1960年のマイナーチェンジでエンジンが499㏄(18HP)に変更された500Dとなり、リアライトが少し大きくなりました。同年にホイールベースを延長しエンジンを水平に寝かして床下に搭載したワゴンタイプのジャルディニエラが追加されました。1965年のマイナーチェンジで500Fとなり、ドアが後ろヒンジから一般的な前ヒンジに変わり、フロントウィンドーが少し大きくなりました。1968年に内外装を豪華にした500Lが設定されました。1972年に後継車の126が登場したことで500Fと500Lは生産中止となりましたが、126の廉価版として126用594㏄(23HP)エンジンを搭載した500Rが設定されました。500Rは1977年まで生産され、500シリーズの総生産台数は約400万台でした。(実車画像→ フィアット 500 ジャルディニエラ 1963)

 

 

 ミニカーは2007年に発売されたブルム製です。キャンバストップを開いた500Dをモデル化しています。ヘッドライト下に追加されたウィンカー、前フェンダーの小さな丸型ウィンカー、少し大きくなったテールライトなど500Dで変更された外観がきちんと再現されています。この500Dにもキャンバストップの閉じたタイプがあり、それぞれにカラーバリエーションが12色もあります。ブルムは500F、500L、500R、500 ジャルディニエラ、500 アバルトもモデル化していますので、500シリーズの全てのモデルが揃っています。ブルム以外の500 後期型のミニカーはスポットオンの当時物 500D、マーキュリー製の当時物 500L、メーベトイの500F、デルプラド製世界の名車シリーズの500F、ビテスの500D、ミニチャンプスの500F、エブロの500Fなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 500D 1
FIAT 500D 2

 以下は2007年に発売されたブルム製のフィアット 500F 1965 (1/43 型番R454)の画像です。1965年のマイナーチェンジ後の500Fをモデル化しています。一見すると上記の500Dと同じに見えますが、ドアが後ろヒンジから前ヒンジに変更されボディ側面のクロームモールがなくなっています。さらにナンバープレートの番号も変えられています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500F 1
FIAT 500F 2

 以下は2007年に発売されたブルム製のフィアット 500L 1968 (1/43 型番R464)の画像です。500Fの内外装を豪華にした500Lをモデル化しています。外観ではフロントのエンブレムが変更され、前後のバンパーがオーバーライダー付となりサイドウィンドー外枠にクロームモールが追加されています。内装ではインパネのメーターが一新されドアの内張りなどの色使いも変更されています。さらにナンバープレートの番号も変えられています。(実車画像→ フィアット 500L 内装) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500L 1
FIAT 500L 2

 以下は2007年に発売されたブルム製のフィアット 500R 1972 (1/43 型番R474)の画像です。1972年に設定された126の廉価版の500Rをモデル化しています。クロームモール類が全てなくなり、フロントのFIATのエンブレムが小さなFIATロゴに変わっています。内装は初期型のような簡素なものになっています。これもナンバープレートが変えてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500R 1
FIAT 500R 2

 以下は1963年に発売されたイギリスのスポットオン製の当時物 フィアット 500D 1961 (1/42 型番185)の画像です。イギリスに輸出された右ハンドル仕様の500Dをモデル化しています。スポットオンのミニカーは縮尺を1/42で統一していましたので、これも1/42で1/43より少しだけ大きいサイズになっています。スポットオンは当時としてはレベルの高いミニカーを作っていましたが、この500Dも 1960年代のミニカーとしては良く出来ていました。小さなフェンダーミラーが付いていますが、この当時のミニカーとしてフェンダーミラーが付いているのは珍しいことでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500D 3
FIAT 500D 4

 以下は1969年頃に発売されたメーベトイ製の当時物 フィアット 500F (1/43 型番A36)の画像です。前ヒンジドアの500Fをモデル化しています。フロントの造形がやや物足りないですが、全体的には実車の雰囲気が再現しています。ドアとリアカバーの開閉ギミック付で、エンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500F 3
FIAT 500F 4

 以下は1968年に発売されたマーキュリー製の当時物 フィアット 500L 1968 (1/43 型番17)の画像です。500Dの豪華版でバンパーガードの付いたバンパーを持つ500Lをモデル化しています。マーキュリーのミニカーも当時としてはレベルの高いものが多かったのですが、この500Lは小さいながらもボンネット/ドア/リアカバーが開閉する凝ったフルギミックとなっていて、1960年代のミニカーとしてかなり良く出来ばえでした。エンジンも再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500L 3
FIAT 500L 4

 以下は2001年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズ フィアット 500F 1965 (1/43 No.09)の画像です。前ヒンジドアの500Fをモデル化しています。メーカーは不明です。2001年に作られたミニカーにしては窓枠が太いなど作風が古すぎて、あまり良い出来ばえではありません。世界の名車シリーズのなかでは外れの部類のミニカーだと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 1
FIAT 500a 2

 以下は2007年に発売されたブルム製のフィアット 500 ジャルディニエラ 1960 (1/43 型番R424)の画像です。1960年に追加されたワゴンのジャルディニエラをモデル化しています。上述してきたブルムの500シリーズのバリエーションですから、これも良く出来ています。上述の500Dには付いていなかったフェンダーミラー(左側だけ)が付いています。キャンバストップを閉じたタイプもあり、それぞれに8色のカラーバリエーションがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 1
FIAT 500a 2

 以下は500 ジャルディニエラのフロント/リアの拡大画像と500D(赤)と500 ジャルディニエラ(灰)の床下部分を比較した画像です。ジャルディニエラはホイールベースが延長されていてエンジンの搭載方法が異なっていることが、ミニカーでもきちんと再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 1
FIAT 500a 2

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FIAT ABARTH 750 RECORD CAR 1960 ITALY

FIAT ABARTH 750 RECORD CAR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 750 RECORD CAR


SOLIDO 113 1/43 99㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.3m 全幅約1.4m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 750cc 61HP 4段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでフィアット アバルト 750/850/1000のミニカー検索

フィアット アバルト 750 速度記録車 イタリア 1960年

 

 アバルトは量販車のチューニングやパーツ開発を行っていた会社で、フィアット車のチューニングで有名でした。フィアット 600のエンジンをベースにして自社開発した750ccエンジンの実力を宣伝するために、1956年にモンザ(モンツァ) サーキットにてそのエンジン搭載車による速度記録に挑戦しました。ベルトーネがデザインした流線形ボディの速度記録車は44HPにチューンした750ccエンジンを搭載していました。この車は24時間の平均車速で500-750ccクラスの世界記録となる156.985km/hを達成しました。(実車画像→ ベルトーネ デザイン 速度記録車 1956)

 

 1957年に750㏄エンジンはDOHC化されて61HPにパワーアップしました。このエンジンを搭載したピニンファリーナ デザインの流線形速度記録車が、3時間の平均車速で500-750ccクラスの世界新記録となる197.826km/hを達成しました。この速度記録達成を記念して、1958年に登場したフィアット アバルト 750 ビアルベーロには「レコルト モンザ」という名前が付けられました。1958年には量産型のフィアット 500 アバルトが、1週間連続耐久走行で総走行距離18186.440km 平均時速108.252km/hを達成して大きな話題となりました。その後も1960年代に500㏄/1000ccエンジンを搭載したピニンファリーナ デザインの速度記録車が各種の速度記録を達成しました。。(実車画像→ ピニンファリーナ デザイン 速度記録車 3台 )

 

 

 ミニカーは1961年に発売されたソリド製の当時物です。1960年の750㏄エンジン搭載のピニンファリーナ デザインの速度記録車をモデル化しています。このミニカーについては以前は「レコルト モンザ」の由来となった1957年のピニンファリーナ製速度記録車であると記載していましたが、今回記載内容を修正しました。(ただし1957年式と1960年式は基本的にはほとんど同じ外観のようですが) これ以外のこの速度記録車の当時物ミニカーとしてはドライバーが付いたガマ製もあり、このガマ製はソリド製と同じ型を使っているかのように似ています。当時物以外のアバルト速度記録車のミニカーはイタリアのミニカー付雑誌「アバルト コレクション」がベルトーネ デザインの500㏄/750cc速度記録車とピニンファリーナ デザインの500㏄速度記録車をモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とコクピットの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT ABARTH 750 RECORD CAR 1
FIAT ABARTH 750 RECORD CAR 2

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FIAT ABARTH 1000 1962 ITALY

FIAT ABARTH 1000
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 1000


SOLIDO 124 1/43 81㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.48m 全幅約1.41m エンジン 変速機: 4気筒 982cc 64HP 4段変速
性能: 最高速175km/h  データーベースでフィアット アバルト 750/850/1000のミニカー検索

フィアット アバルト 1000 (モノミッレ) イタリア 1962年

 

 アバルトは量販車のチューニングやパーツ開発を行っていた会社で、フィアット車のチューニングで有名でした。1971年にフィアットに買収され、現在はフィアットグループの一員となっています。フィアット 600をベースにしてアバルト製のオリジナル ボディを持つ車には
 排気量 747㏄ アバルト 750 クーペ
 排気量 696-850㏄ アバルト 700/750/850 ビアルベーロ レコルト モンザ
 排気量 982㏄ アバルト 1000 ビアルベーロ/モノミッレ
などがありました。ビアルベーロ(BIALBERO)とはイタリア語でツインカム(DOHC)の意味で、そのDOHCエンジン搭載車がモンザ(モンツァ) サーキットで速度記録を達成したことを記念してレコルト モンザという名前がつけられました。

 

 最初(1956年)に登場したのは排気量を747ccに拡大し42HPまでパワーアップしたエンジンを、ザガート製のクーペ ボディに搭載したアバルト 750 クーペでした。この車はルーフが低くヘッドスペースを確保するためにルーフ左右にこぶ状の膨らみがあったのでダブル バブルと呼ばれました。次にこのエンジンをDOHC化し、ザガート製の新しいクーペ ボディに搭載したのが「レコルト モンザ」シリーズで、1958年に登場しました。このシリーズには排気量が異なる700/750/850のバリエーションがありました。(実車画像→ アバルト 750 クーペ) 

 

 

 1960年に登場した1000 ビアルベーロも750 ビアルベーロと同じようなボディデザインでしたが、1963年にリアのデザインを丸っこいものから少し後に伸ばして上に反ったコードトロンカ式に変更しています。(このデザインはスコルピオーネとも呼ぶようです) 5段変速が採用され、982cc(97HP)ながら最高速は210㎞/hで1Lクラスでは世界最速でした。また1000にはモノミッレという名前でDOHCではないエンジンを搭載した乗用GT仕様がありました。(実車画像→ アバルト 1000 ビアルベーロ)

 ミニカーは1962年に発売されたソリド製の当時物です。ビアルベーロではなくGT仕様のモノミッレをモデル化しているようです。実車の丸っこい感じが良く再現されています。リアが少し長く見えるのは、リアオーバーハングが長くなった後期型をモデル化しているからでしょう。これ以外の当時物としてはマーキュリーの1000 ビアルベーロがありました。当時物以外では、ベストモデル、スターラインなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT ABARTH 1000 1
FIAT ABARTH 1000 2

 以下は1966年に発売されたマーキュリー製の当時物 フィアット アバルト 1000 ビアルベーロ クーペ (1/43 型番41)の画像です。こちらはDOHCのビアルベーロで、テールがコードトロンカ式となっている後期型をモデル化しています。当時物ミニカーとしてはなかなか良く出来ていました。ドア/リアフードの開閉ギミック付です。ジャンク品と一緒にして雑に保管していたので、ボディに傷をたくさんつけてしまいました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 1000 3
FIAT ABARTH 1000 4

 以下は2000年頃に発売されたピンコ(PINKO)製のフィアット アバルト 750 レコルト モンザ 1959 (1/43 型番PI33)の画像です。ピンコはイタリアのハンドメイドのブランドでレジン製です。ザガート製ボディの750 レコルト モンザをモデル化しています。750の丸っこいボディが良く再現されていて、ホイール。ドアミラー、リアカバーの上のエアインテークなどいかにもそれらしい感じに仕上がっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 1000 5
FIAT ABARTH 1000 6

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