ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

SAAB SONETT III 1970 SWEDEN

SAAB SONETT III
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAAB SONETT III


UNIVERSAL HOBBIES 3756 1/43 91㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.9m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 65HP 4段変速
性能: 最高速165km/h  データーベースでサーブ ソネットのミニカー検索

サーブ ソネット III スウェーデン 1970年

 

 ラリーで活躍したサーブ 93をベースにしたレース仕様車として、ソネットが企画されました。初代のソネットはサーブ 93のエンジンをチューンしてグラスファイバー製の2座オープンボディを載せたスポーツカーで、1956年に発表されましたが、量産には至りませんでした。2代目ソネット IIはアメリカ向けのスポーツカーとしてサーブ 96をベースにして開発され、1966年に発表されました 。FRP製のクーペボディに、2サイクル3気筒841cc(60HP)エンジンを搭載し、最高速度150km/hの性能でした。 1967年にはベースのサーブ 96と同様にドイツ フォード製の4サイクルV型4気筒1.5L(65HP)エンジンに変更したソネット II V4に発展しました。ソネット 2代目は1969年までに約3500台が生産されました。(実車画像→ サーブ ソネット II V4)

 

 1970年にはデザインを一新した3代目のソネット IIIが登場しました。先代も個性的でしたが、そのスタイルを発展させたやや奇抜なデザインでした。当初は4気筒1.5Lエンジンでしたが、排ガス規制による性能低下を補うべく1.7L(65HP)に拡大し、最高速170km/hの性能でした。1974年までに約1万台が生産されましたが、当時のアメリカ市場でライバルであった日産 フェアレディ Zとは販売台数で勝負になりませんでした。

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたユニバーサルホビー製です。現在のユニバーサルホビーのミニカーは農耕用トラクターと建機がメインですが、2010年頃までは乗用車(1/43)もモデル化していました。それらは数が少ないですが、いずれも比較的安価ながらもかなり良い出来ばえでした。このソネット IIIもその1台ですが、実車の個性的なスタイルがうまく再現されていて、室内などの細部もよく出来ていました。(当時の定価は2800円と安かったです) これ以外のソネット IIIのミニカーはマッチボックスの小スケールがありました。ソネット Iはノレブとイクソ プレミアムXが、ソネット II V4はネオ(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SAAB SONETT III 1
SAAB SONETT III 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=895

MONTEVERDI HAI 450 1970 SWISS

MONTEVERDI HAI 450
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MONTEVERDI HAI 450


AUTOPILEN 347 1/43 99㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.34m 全幅約1.79m エンジン 変速機: V型 8気筒 7L 450HP 5段変速
性能: 最高速295km/h  データーベースでモンテヴェルディのミニカー検索

モンテヴェルディ ハイ 450 スイス 1970年

 

 モンテヴェルディ社は元レーシング ドライバーでスイスの高級車ディーラーの経営者であったペーター モンテヴェルディ(Peter Monteverdi)が起こした小規模な高級車メーカーでした。モンテヴェルディ ハイはフェラーリなどのスーパーカーに対抗できる高性能車として企画され1970年に登場しました。レースカー並みのチューブラーフレームに当時最強であったクライスラーのヘミ エンジン V型8気筒7L(450HP)をミドシップ搭載し、最高速295km/hと思惑どうりの高性能でした。(名前の450はエンジン出力値を意味している)

 

 デ トマソ マングスタに似た低い車高の迫力あるボディは自社デザインで、カロッツェリア フィッソーレがボディを架装していました。高性能でしたがフェラーリよりも高価であったこともあってほとんど売れず、1976年に生産中止となりました。モンテヴェルディはその後レンジローバーのような高級4WDのサファリや、メルセデス ベンツ Sクラスをベースにして前後のデザインを変更した高級セダンのティアラなどを発表しましたが、1982年頃に活動を停止したようです。(実車画像→ モンテヴェルディ サファリ)

 

 

 ミニカーは1970年代後半に発売されたオートピレン製の当時物です。オートピレンの初期のミニカーはコーギーなど他社をコピーした物が多かったのですが、これは独自開発したようです。シャープな造形で実車の雰囲気をうまく再現していて当時のミニカーとしてはかなり良くできていました。全体的な造形は同時期のメーベトイの作風に似た感じです。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、開閉部の建て付けが良いのは同社の技術レベルが向上したことを示していました。これ以外のモンテヴェルディ ハイのミニカーはマッチボックスの当時物と2011年発売のネオ(レジン製)があります。 以下はフロント/フロントパネルを開いた画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MONTEVERDI HAI 450 1
MONTEVERDI HAI 450 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=897

TATRA 603 1970 CZECH

TATRA 603
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TATRA 603


IXO CLC090 1/43 119㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.07m 全幅約1.9m エンジン 変速機: 空冷V型8気筒 2.5L 105HP 4段変速
性能: 最高速165km/h  データーベースでタトラのミニカー検索

タトラ 603 チェコスロバキア  1970年

 

 タトラ社は馬車時代からの歴史があるチェコ(旧チェコスロバキア)の自動車メーカーで、現在は東欧の有力なトラックメーカです。第2次大戦前にはハンス レドヴィンカという優れた技術者による独創的なデザインの車を多く発表していました。代表的なモデルとしては空冷水平対向4気筒エンジンを搭載した小型車タトラ 57、空冷V形8気筒エンジンをリアに搭載した流線型の大型車タトラ 77などがありました。(実車画像→ タトラ 57 1932)

 

 第2次大戦後の1945年にチェコスロバキアの自動車メーカーは国有化され、トラック/バスはプラガ(PRAGA)、小型乗用車はシュコダ(SKODA)、中型乗用車はタトラという分担になりました。1946年にタトラは戦前の77の流れを汲むリアエンジンの中型車600(タトラ プラン)を開発しました。その後1953年から大型車の開発に着手し、1956年に完成したのが603でした。空冷V型8気筒2.5L(105HP)エンジンをリアに搭載し、4段変速で最高速165km/hの性能でした。当時としては極めて空気抵抗が少ない流線型のモノコックボディで、フロントグリルのないノーズに4灯式(又は3灯式)ヘッドライトを持つ独得のスタイルをしていました。603は共産圏の政府高官の公用車に使われ、一般人が乗ることはありませんでした。1975年まで生産されごく少数が西側に輸出されました。

 

 

 ミニカーは2003年に発売されたイクソ製です。このミニカーはもともとはデアゴスティーニのミニカー付雑誌「TAXI OF THE WORLD (TAXI DEL MONDO 世界のタクシー)」シリーズのNo.27として作られたミニカーでしたが、その型を流用してイクソのカタログモデルとして発売されたものです。(参照WEBサイト→ S?rie TAXIS DU MONDE ) 実車が全長5mを越える大型車ですので、ミニカーも大きめのサイズになっていました。リアエンジン車であることを示すリアフェンダーの吸気口とリアバンパー中央部の排気口、独特の四ツ目フロントノーズなどタトラ 603の風変わりなデザインがうまく再現されていました。これ以外のタトラ 603のミニカーは同じイクソ製で型番CLC030の603 1961年 (ボディカラーが黒でナンバープレート番号が違う)、イクソの別ブランドのホワイトボックスの603 1962年 (型番WB049 4灯式ヘッドライト)と603 1970年 (型番WB152 3灯式ヘッドライト)、ボスモデル(レジン製)の603 1/18と1/87、オートカルト(レジン製)のプロトタイプなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TATRA 603 1
TATRA 603 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=900

GAZ 2401 VOLGA 1970 RUSSIA

GAZ 2401 VOLGA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 2401 VOLGA


USSR A14 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.74m 全幅約1.8m エンジン 変速機: 4気筒 2.5L 86HP 4段変速
性能: 最高速145km/h  データーベースでガズのミニカー検索

ガズ 2401 ボルガ ロシア 1970年

 

 前述したガズ M21の後継車としてガズ 2401 ボルガが1970年に登場しました。外観は同時期のアメリカ製コンパクトカーのようなオーソドックスなデザインでしたが、先代と比べるとかなり目新しくなりました。ガズ M21と同じ4気筒2.5Lエンジンながら86HPにパワーアップし、フルシンクロの4段変速で、最高速車145km/hの性能でした。ただしこの性能は同時期の西側の車に比べると見劣りしました。

 

 1972年にステーションワゴンが追加され、1974年にV型8気5L(190HP)エンジンを搭載した政府用公用車が追加されました。ピックアップやパレード用のコンバーチブルも追加され、1985年以降は改良型のガズ 2410 ボルガ(外観はフロントグリルの小変更のみ)として1992年まで生産されました。ソビエト連邦時代の1970年代以降には個人がマイカーを所有するようになったようで、大衆車では前述したモスクビッチやラーダがありました。このガズ 24 ボルガは日本ではクラウン クラスの高級車だったようです。当時数社ほどあったソ連の自動車会社の乗用車は同じような中身で外観を変えただけの物が多く、いずれも親方日の丸的な経営でモデルチェンジもあまりしなかったようです。

 

 

 ミニカーは1980年頃に発売されたソ連製です。1977年にソ連製ミニカーが大量に輸入されたことがありましたが、これはそれからしばらくしてから輸入された物のようです。1977年に輸入された物(モスクビッチ 403など)はあまり製造品質が良くなかったのですが、このボルガは全体的に品質レベルの向上が見られました。プロポーションはまずまずで、実車の雰囲気がうまく再現されています。前述したモスクビッチと同じようなレトロな作風であるのは変わりませんが、ボンネット/4ドア/トランクが開閉し、開閉ギミックの建てつけは良くなりました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンルーム内のエンジンの造形は結構リアルです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GAZ 24 VOLGA 1
GAZ 24 VOLGA 2

 以下は床下部分の画像です。床下部分には変速機/ドライブシャフト/サスペンションなどが結構リアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 24 VOLGA 4

 以下は上記と同時期に発売されたと思われるガズ 2402 ボルガ ステーションワゴン (1/43 型番A15)の画像です。上記のバリエーションでワゴンをモデル化しています。このワゴンは3列シートの7-8人乗りで、重い荷物を運搬する用途以外では一般人には販売されませんでした。主に公用車や救急車、タクシーとして使われました。ボンネット/4ドア/リアゲートが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 24 VOLGA 2402 1
GAZ 24 VOLGA 2402 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/リアゲート開閉の画像です。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 24 VOLGA 2402 3
GAZ 24 VOLGA 2402 4

 以下は上記と同時期に発売されたと思われるガズ 2403 ボルガ アエロフロート (1/43 型番A17)の画像です。これは上記ワゴンのバリエーションでアエロフロート(ロシア航空)の空港作業車をモデル化しています。屋根の表示灯に表示された「Аэрофлот」は英語では「Aeroflot」の意、テールゲートのリアウィンドーに表示された「СЛЕДУЙТЕ ЗА МНОЙ」は英語では「Follow Me」(航空機を誘導する合図)の意です。何故かフェンダーミラー?とワイパーが追加されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 24 VOLGA 2403 1
GAZ 24 VOLGA 2403 2

 以下はフロント(ルーフ拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/バックドア開閉の画像です。室内には何かのパーツが積んでありますが何のパーツか不明です。前後バンパーのメッキ処理が経年変化で劣化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 24 VOLGA 2403 3
GAZ 24 VOLGA 2403 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=902

LADA 1200 (VAZ 2101) 1970 RUSSIA

LADA  1200 (VAZ 2101)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LADA  1200 (VAZ 2101)


USSR A9 1/43 96mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.07m 全幅約1.61m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 60HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでラーダのミニカー検索

ラーダ 1200 (VAZ 2101) ロシア 1970年

 

 アフトヴァース(Avto VAZ)社は現在のロシア最大の自動車会社で、1966年にイタリアのフィアット社と提携して創立されました。当初はボルガ川の近くに本社工場があったので、ボルガ自動車工場(VAZ:Volga Auto Zavod)と呼ばれていました。1970年に最初の自動車としてファイト 124をライセンスしたVAZ 2101(車名ZHIGULI:ジグリとも呼ぶ)の生産が始まりました。VAZ 2101はソ連で開発したエンジンが搭載され、サスペンションを補強するなどロシアの道路環境に合わせて設計変更されていました。当初のエンジンは4気筒1.2L(60HP)で4段変速で最高速140km/hの性能でした。

 

 1971年にワゴン仕様のVAZ 2102が追加されました。1972年に上級仕様として1.5L(75HP)エンジンを搭載したVAZ 2103(フィアットでは124 スペシャルに相当)が追加されました。VAZ 2103は4灯式ヘッドライトと大型化したテールライトで外観を差別化していました。1974年にエンジンを1.3L(68HP)に拡大したVAZ 21011が追加されしました。VAZ 2101は1988年、VAZ 2103は1984年まで生産されました。後継車はVAZ 2105/2106/2107でした。ベースとなったフィアット 124は当時の西側の最新型であった為、VAZ 2101はソ連国内にライバルが無く圧倒的なシェアを確保しました。また低価格な乗用車としてラーダ 1200/1300/1500という名前で西側/東側諸国に輸出されました。(実車画像→ VAZ 2103 1972) (実車画像→ VAZ 2105 1980) 

 

 

 アフトヴァース社はヴォルガ自動車工場時代にロータリーエンジンを製造しており、パトカーやKGB向け車両として1ローターのロータリーエンジン(70HP)を搭載したVAZ 21018がありました。ただこのロータリーエンジンは耐久性に問題があったようで少量生産だったようです。同社は2002年頃までロータリーエンジン搭載車を生産したとのことですが、NSUやマツダへのライセンス料を支払っていなかったとのことです。

 ミニカーは1977年に発売されたソ連製の当時物で、前述したモスクビッチ 408と同時期に輸入された物です。輸出仕様のラーダ 1200をモデル化しています。金属製のグリル/バンパーなど作風がやや古くさいですが、プロポーションが良く当時のミニカーとしてはそこそこの良い出来ばえでした。外観が同じですのでフィアット 124をベースにしていることは明確ですが、このソ連製ミニカーではやや雰囲気が違う感じがします。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きで、ボンネット内のエンジンや室内の造形も結構リアルです。バリエーションでワゴン仕様のVAZ 2102もありました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LADA 2101 1
LADA 2101 2

 以下は上記のバリエーションで同時期に発売されたソ連製の VAZ 2102 (1/43 型番A11)の画像です。2101のワゴン仕様で、ボンネットとテールゲートが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LADA 2102 1
LADA 2102 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/テールゲート開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LADA 2102 3
LADA 2102 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=906

 

サラブレッド期 ← ページ  « 前へ 1...118  119  120  121  122  123  124  125  126  127  128  ...298 次へ »

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2025 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.