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シトロエン SM フランス 1970年
シトロエンが自社技術を誇示する旗艦として1970年に発表したのがシトロエン SMです。シトロエン SMは前輪駆動車として初めて200Km/h以上の高速走行(最高速222km/h)を可能にした高級GTカーでした。シトロエン DSのハイドロニューマチックシステムを進化させた高度なステアリングとサスペンションの油圧制御システムとマセラティ製のV型6気筒2.7L(173HP)エンジンがその高速走行を可能にしていました。なおSMとはシトロエンの開発コードのSとマセラティのMを意味しているとのことです。
シトロエン SMの外観上の特徴は、なんといってもその未来的なフロントです。現在でも十分に未来的なこのデザインが発表されたのが1970年であることを考えると、いかに画期的なデザインであったかが分かると思います。フロントグリルの透明なガラスの中に左右3個ずつのライトが格納され、外側はロービーム、中央がハイビーム、内側がドライビングライトでライト全体がユニットになっていて車両の姿勢に応じてビームを水平に保つ油圧式のセルフレベリング機能を持っていました。またドライビングランプはステアリングと連動して首を振るようになっていました。最近の高級車にも同じような機能が付くようになりましたが、SMは50年も前に実現していました。シトロエン SMをベースにしたフランス大統領府のパレード車が作られるなど、シトロエン SMはシトロエンの最上級車としての役割を果たし1975年までに約13000台が生産されました。
ミニカーは2002年頃に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスらしい正確なプロポーションで、室内などの細部も実にリアルに仕上げられています。特にこのミニカーの最大の見どころはシトロエン SMの最大の特長である6灯式ヘッドライトをリアルに再現していることです。シトロエン SMの1/43量産ミニカーとしては2023年現在でもこのミニカーを超えるものはない傑作ミニカーです。(私はあまり色違いを買わないのですが、茶色の色違いを買ったぐらい気に入ってます) これ以外のシトロエン SMのミニカーは当時物ではソリド(べレムも含む)、コーギー、コーギーをコピーしたオートピレン、ノレブの初期物、マッチボックス、トミカの1/66などがありました。当時物以外ではノレブの1/43と1/18、イクソ、シュコー、国産名車コレクションなどがあります。大統領専用車やリムジン、シューティング ブレークなどの特注車もノレブやマトリックス(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー (シムカ) 180 フランス 1970年
1963年にクライスラー傘下となったシムカは、1970年からクライスラーフランスに改名されました。クライスラー 160/180はクライスラー傘下で最初に開発され、クライスラー社のイギリスとフランスの車種を統合する車として1970年に登場しました。160/180は4気筒1.6L(80HP)/1.8L(97HP)エンジンを搭載した後輪駆動の中型車で、最高速168km/h(1.8L)の性能でした。ボディはクライスラーUK(イギリス)のデザインなのでイギリス車的な雰囲気で、当時のフランス車とは思えない外観でした。
1973年にはフランス車としては珍しく自動変速機が標準装備された4気筒2L(110HP)エンジンが追加されました。1977年にクライスラー シムカ 1609/1610に改名され、クライスラー欧州がPSA(プジョー シトロエン)グループ傘下となった1979年以降はタルボ 1609/1610に改名されました。1980年に後継車のタルボ タゴーラが登場し生産中止となりました。総生産台数は約29万台でした。
ミニカーはディンキーが倒産する直前の1970年に発売されたディンキー(仏)最後の頃の当時物です。あまりプラスチック製のパーツを使わず、プロポーション重視のモデル化をするディンキー(仏)の良さが凝縮された素晴らしい出来ばえとなっていました。全体的なプロポーションが良く塗装が綺麗で、バンバーやグリルが銀塗装処理のレトロな造形は、これぞビンテージミニカーという1台でした。実車はあまり魅力が無いのですが、このミニカーは一見の価値があり、実車の魅力とは別物のミニカーとしての魅力がありました。(個人的な嗜好ですが) このビンテージミニカーの魅力はあまり理解していただけないと思いますが、人物の写真(リアル)に対する人物のイラスト(似顔絵)の面白さといった感じのものだと思ってください。これ以外のクライスラー 180のミニカーはノレブ初期のプラスチック製がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー (シムカ) シェイク バギー ベルトーネ フランス 1970年
クライスラー シェイク バギーは1970年のパリ サロンで公開されたコンセプトカーでした。デザインはベルトーネでリアエンジンのシムカ 1200Sをベースにしていました。ロールバーに取り付けられたヘッドライトは1969年に発表されたアウトビアンキ ランナバウトのアイデアを踏襲していますが、こちらは当時流行していたデューンバギーのようなダイナミックなデザインとなっていました。この車は市販化されませんでしたが、フロントバンパー、露出したリアエンジン部のリヤバンパー、シート背後のスペアタイヤなど実用性や安全性がかなり考慮されたデザインになっていました。
当時のシムカは1963年にクライスラー傘下となっていましたので、この車の名前はクライスラーとなっていました。ベースとなったシムカ 1200Sは、シムカ 1000 クーペの排気量を拡大したもので、シムカ 1000 クーペ(1961年)もベルトーネがデザインしたものでした。その関係でクライスラーがベルトーネにこのバギーのデザインを依頼したようです。なお名前のシェイク(SHAKE)とは振動の意で、ビーチ バギーの動きを意味しているようです。
ミニカーは1971年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形で、実車に即したリアルな不整地用タイヤなど良く出来ていました。あまり知られていない車だったので、当時の日本ではミニカーとして人気がなかったようです。ただ欧米ではこの類のバギーは結構人気があったようで、コーギーも当時物ミニカーを出していました。それら以外ではこのシェイク バギーの量産ミニカーは無いようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ モントリオール イタリア 1970年
1970年に登場したアルファ ロメオ モントリオールは本格的なスポーツカーでした。この車のプロトタイプが1967年モントリオール万国博覧会にショーカーとして出展されたことがモントリオールという名前の由来でした。アルファ ロメオ 2000GTをベースにして、レーシングカーのティーポ 33用のV型8気筒2.6Lエンジンを200HPにデチューンしてフロントに搭載し、最高速220km/hと高性能でした。
デザインはベルトーネで、1964年に発表されたショーカーのカングーロがベースとなっていました。リアクオーターパネルのエアーベントとまつ毛(スリット付のカバー)の付いたヘッドライトがデザイン上の特徴です。ヘッドライトを点灯するとまつ毛部分は手前に一回転してヘッドライトの下に格納されるようになっています。(実車画像 →アルファ ロメオ モントリオール ライト点灯動画) 当時の価格で770万円(現在換算で3500万円ぐらい)と高価格だったので、1977年までの7年間で約3700台ほどしか生産されていません。
ミニカーは1973年に発売されたポリトーイ製の当時物です。縮尺が1/25のポリトーイ Sシリーズの初期物で、大スケールミニカーの先駆けとなったミニカーでした。このSシリーズは最初の数種類はかなり良い出来ばえでしたが、その後だんだん単に大きいだけの低レベルなミニカーになっていきました。これはSシリーズでは6台目で、プロポーションが良く特徴的なヘッドライト造形は結構リアルで、当時のこのサイズのミニカーとしては良い出来ばえでした。ボンネットとドアが開閉するギミック付きで、エンジンや室内などの細部も大きさに見合ったレベルでそれなりに良く再現されていました。これ以外のモントリオールのミニカーはメーベトイ、マーキュリー、ノレブなど当時物ミニカーがありましたが、ミニカー全体の品質レベルが落ちていった時期だったのであまり良い物がありません。サイズが大きいので当たり前かもしれませんが、当時物ではこのポリトーイが一番出来が良かったです。当時物以外のミニカーではオートアートの1/18、ミニチャンプス、M4、国産名車コレクション(イクソ製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランチア ストラトス 1600HF ベルトーネ (ストラトス ゼロ) イタリア 1970年
ランチア ストラトス 1600HF (ストラトス ゼロ)は1970年のトリノ ショーで公開されたコンセプトカーでした。ランチアの依頼でベルトーネが「新しい概念のスポーツカー」を提案したもので、確かに従来の概念からは理解できないデザインでした。ストラトスという名前はSTRATOSFERA(イタリア語で成層圏の意)からの造語で、この車が宇宙船をイメージしたものであることを示していました。
ランチア フルビア クーペをベースにしていましたが、極端なウエッジシェイプを実現するためにエンジンはミドシップ搭載に変えられました。運転席がかなり前方の低い位置に配置されているので、サイドウインドーは側面についた「のぞき穴」のようになっています。通常のドアが使えないので、乗り降りはフロントウインドーを開いて行うようになっていました。またリアのエンジンカバーも3角形で横に開くなど、奇抜なデザインがてんこ盛りになっていました。なおヘッドライトらしきものは見当たりません。
コンセプトカーを量産化したいベルトーネは、WRCラリーで勝てる車を模索していたランチアに対して、ストラトスがミドシップエンジン搭載であることを生かしてラリー専用車に仕立てることを提案しました。この提案でラリー専用車ストラトスのプロトタイプが1971年に登場しました。なおコンセプトカーのストラトス ゼロという名前は後からつけた名前で、公開当時はストラトス 1600HFでした。
ミニカーは1971年に発売されたポリトーイ製の当時物です。実車はもっとシャープな造形ですが、実車の奇抜な雰囲気はこのミニカーでも十分再現されていました。フロントウィンドーとリアのエンジンカバーが開閉し、エンジン部分と室内もかなりリアルに再現されていました。特に室内はステアリングホイールを両足の間に挟むF1カーのコクピットのような乗車姿勢となっていることが良くわかります。これ以外の当時物ミニカーは、マーキュリー、メーベトイ、オートピレン(メーベトイのコピー?)がありました。当時物以外では、MIRAGE(hpiレーシング レジン製)や京商(ポリストーン製)などがあります。 以下はフロント/フロントウィンドー開閉の画像とリア/エンジンカバーを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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