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フォード エスコート MK I イギリス 1968年
1968年にフォード アングリアの後継車のエスコートが登場しました。個性的なフロント グリルを持ち、フェンダーラインに少し抑揚のついたスポーティなスタイルでした。2ドアセダンと3ドアワゴン(バン)の構成で、標準仕様はヘッドライトが丸型でそれ以外は角型でした。オーソドックスな構造の後輪駆動車で、当初は4気筒1.1L(40HP)/1.3L(52HP)エンジンを搭載し、4段変速(3段AT)で最高速137km/hの性能でした。1967年にヨーロッパ フォードが設立されたので、1969年からエスコートの左ハンドルがドイツでも生産されました。
1970年に4ドアが追加され、64HPにパワーアップした1300GT、ロータス製DOHC 4気筒1.6L(105HP)エンジンを搭載した高性能版のツインカムが設定されました。1970年にツインカムがコスワース製DOHC 4気筒1.6L(120HP)エンジンを搭載するRS1600に変わり、コルチナ用の1.6L(86HP)エンジンを搭載したメキシコが追加されました。1972年にSOHC 4気筒2L(100HP)エンジンを搭載するRS2000(ドイツ向け)が追加されました。それらの高性能版はラリーで大活躍し、エスコートのスポーツイメージを高めました。1974年までイギリス/ドイツ合わせて約200万台が生産され大ヒットしました。1975年にエスコート 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは1968年に発売されたディンキー(英)製です。角型ヘッドライトの上級仕様車をモデル化しています。ディンキー(英)の少し厳つい作風のせいで、曲面的な実車のイメージから少し外れた出来ばえになっています。ただしこれは現代のスケールモデル的な観点からの評価で、作風がミニカーメーカーの個性であった時代のミニカーとしては良く出来ていました。(最近の中国製ミニカーはどれも同じ出来ばえで、ブランドの個性というものはないですが) ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーとしてはポリトーイ、メーベトイ、シュコーの1/66などがありました。当時物以外ではラリー仕様車が多いですが、トロフュー、バンガーズ、ミニチャンプスの1/43と1/18、イクソなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GP ビーチ バギー イギリス 1968年
バギー(BUGGY CAR)とは、主に砂浜や砂漠などの悪路踏破性を重視した軽量の自動車です。海辺のレジャーに使用するビーチ バギー、砂漠走破用のサンド バギー、雪路走破用のスノー バギーなどの種類があります。ビーチ バギーで一番有名なのはデューン バギーと呼ばれたメイヤーズ マンクス(MEYERS MANX)で、1960年代のアメリカでサーファーなどに絶大な人気がありました。メイヤーズ マンクスはB.メイヤーズ(Bruce F. Meyers)がフォルクスワーゲン ビートルのシャーシのホイールベースを短くして、そこにグラスファイバー製のボディを載せたカスタムカーでした。メイヤーズ マンクスは他のカスタムカー ビルダーにコピーされよく似た亜流がたくさんありました。(実車画像→ メイヤーズ マンクス)
メイヤーズ マンクスの人気はヨーロッパにも波及しました。イギリスのGP SPEED SHOP(自動車ディーラー)はメイヤーズ マンクスをイギリスの道路環境に合わせて改良し、GP ビーチ バギーとして販売しました。この車は当時のロンドンの若者にかっこいい車とみられてヒットしたそうです。本家のメイヤーズ マンクスとの意匠権争いに勝ったので、GP(Grand Prixの略)というブランドでの商売が出来たようです。ロングホイールベース仕様が追加されるなど、1980年代初めまで人気があったそうです。
ミニカーは1970年に発売されたコーギー製の当時物です。イギリスで人気があったGP ビーチ バギーをモデル化しています。メイヤーズ マンクスとはフロントパネルの形状などが違っているようですが、私にはどこがどう違うのか明確にはわかりません。当時のミニカーとしては一般的な出来ばえで、ホイールが当時流行していたスピードホイールなのがいまいちです。屋根に積んでいるサーフボードは取り外しができます。ただ取り付けるときに少し力を入れすぎると、サーフボードを固定するレール部分が画像のように切れてしまいます。(ボンドで補修してあります) コーギーはUS レーシング バギーという名前の競技用のバギーもモデル化していました。ディンキー(英)製の当時物ミニカーにもビーチ バギーがあり、それもGP ビーチ バギーの派生車だと思われます。メイヤーズ マンクス/デューン バギーの当時物ミニカーはポリトーイとオートピレンがあり、最近の物ではソリドの1/18やNEOやBOSモデルなどのレジン製があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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イエロー サブマリン ’ビートルズ’ イギリス 1968年
ビートルズは1960年代に世界中を熱狂させたイギリスのロックバンドでした。そのビートルズの11作目のアルバムであるイエロー サブマリンは1969年に発売され、1968年に製作されたアニメ映画イエロー サブマリンのサウンドトラック版でもありました。アニメ映画イエロー サブマリンはビートルズのメンバーが登場するおとぎ話で、その話の中に題名となっているイエロー サブマリン(黄色の潜水艦)が登場します。
このイエロー サブマリンのモデル(ミニカー?)はコーギー製で、映画とタイアップして1969年に発売されました。実在する潜水艦ではないのでアニメを参考にしたコーギーの創作物で、ハッチを開くとビートルズのメンバーが顔を出すなどのコーギーらしいギミックが付いた楽しいモデルに仕上げられていました。(フロントのハッチはコーギーがギミック用に追加したと思われます)
最初のオリジナルモデル(型番803)は1969年から1972年まで販売され、約4万台以上が売れました。(この販売台数は当時のコーギーとしてはあまり売れていない部類でした) その後1996年に型番CC05401、1999年に型番CC05403、2008年に型番BT78211で復刻版が販売されています。復刻版はオリジナルとハッチの色が違うなど少し変更されていましたが、基本的な部分はオリジナルとほぼ同じものでした。また型番CC05404でギミックを簡略化してサイズを一回り小さくした物が2000年に発売されました。
当方の所有するイエロー サブマリンは1999年に発売された2回目の復刻版で、これにはビートルズのフィギュア(メタル製で高さ約54㎜ 約1/32サイズ)が付属していました。5250台の限定版で当時の値段は8000円と結構高い物でした。 以下はフロント/リアの拡大画像と前後のハッチを開いた画像です。ハッチ下の左側面の黒のレバー(オリジナルは無塗装の金属肌)を下に押すとハッチが開いてメンバーが顔を出します。フロントハッチの先頭にいるのがリンゴ スター、その後ろがジュージ ハリスン、リアハッチで左側を向いて眼鏡を掛けているのがジョン レノン、その後ろがポール マッカートニーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BLMC ミニ クラブマン イギリス 1969年
1969年にミニはMK IIIとなりましたが、フロントグリルと室内をモダンに変更したミニの高級版がクラブマンの名前で追加されました。同時にミニのワゴン版のカントリーマンとトラベラーはクラブマン エステートにかわりました。クラブマンはメカ的にはMK IIIと同じで、セダンとエステートは4気筒998cc(39HP)エンジン、ラジアルタイヤや3連メータを装備した高性能版の1275 GTは4気筒1275cc(60HP)を搭載していました。なお1275 GTの正式名称は「ミニ 1275 GT」で外観はクラブマンですが、クラブマンのシリーズではなく、1971年に生産中止となったミニ クーパーの後継車でもありました。
クラブマンはノーズが長いので衝突安全性に優れているなどオリジナルのミニより時代に即していました。ただミニの独特な顔付を変えてしまったことと高価であったことから評判は良くなかったようです。(確かにフロントと従来のキャビンのデザインには違和感があります) クラブマンと1275 GTは1980年に生産中止となり、オースチン メトロにモデルチェンジしました。 (実車画像→ オースチン メトロ) クラブマン シリーズの総生産台数は約47万台、1275 GTの生産台数は約11万台でした。オリジナルのミニは1976年にMK IV、1984年にMK V、1990年にMK VI、1996年にMK VIIに発展し外観やメカに大きな変更がないままで、2000年まで生産され総生産台数は530万台でした。
ミニを生産していたBLMCは1975年に破産寸前となり、国有化され社名はブリティッシュ レイランド(BL)となりました。1986年に社名はローバー グループとなり、1988年にはイギリスのブリティッシュ エアロスペースに売却されて民営化され、会社名はローバー カーズとなりました。1994年にローバー カーズはBMW傘下となり、2000年にはBMW製ミニが登場しました。
ミニカーは1975年に発売されたディンキー(英)の当時物です。当時のディンキーは最盛期を過ぎてまともな乗用車のミニカーは少なかったのですが、これはその中でもましなミニカーの一つでした。1/38と中途半端なサイズでフリーホイールがやや見苦しいですが、プロポーションは悪くなくまずまずの出来ばえでした。実車が不人気だったせいで、当時物ミニカーはこれぐらいしか無いので、その意味では貴重なミニカーでした。最近の物では、バンガーズ、オックスフォード、スパーク(レジン製)のセダンとエステートと1275 GTなどがあります。なおオースチン メトロはコーギーの1/36とオックスフォードの1/76があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オースチン 1300 GT イギリス 1969年
ADO16シリーズの3番手としてオースチン 1100が1963年に登場しました。モーリス 1100のオースチン版でフロントグリルとエンブレムが異なるだけで、性能等は同じだったようです。1967年のマイナーチェンジでテールフィン部分を変更したMK IIとなり、モーリスとオースチンは幅を広げた新しいフロントグリルで統一されました。またこのマイナーチェンジで、ADO16シリーズの全ブランドに1275cc(58HP)エンジンを搭載した1300が追加されました。
1969年に高性能版のMG 1300に搭載されていたツインキャブ 4気筒1275cc(71HP)エンジンを搭載したスポーティなオースチン/モーリス 1300 GTが設定されました。1971年にはADO16シリーズのMG版とモーリス版がなくなり、オースチン 1300はMK IIIに発展しました。ADO16シリーズではオースチンの生産台数が一番多く、約110万台が1974年までに生産されました。
ミニカーは2000年頃に発売されたビテス製です。オースチン 1300 (MK II)の高性能版1300 GTをモデル化しています。(左ハンドルなので輸出仕様のモデル化のようです) ビテスはモーリス、オースチン、MGなどADO16シリーズを20種類ほどモデル化していました。ビテスのADO16シリーズはプロポーションが良く、グリルやホイールなど各ブランドの違いをきちんと作り分けてあるので、ブランド毎の違いが良くわかる面白いシリーズでした。当サイトではモーリス、オースチン、MG、バンデン プラを紹介しています。このオースチン 1300もプロポーションが良く、良く出来ていました。ブラックアウトされたフロントグリル、レザートップ、スポーティなホイールなど1300 GTの特徴が良く再現されています。ビテスはオースチン 1300 MK Iもモデル化していますが、この1300 GT MK IIで少し小さくなったテールフィンについては、MK Iのままで変えていないようです。(ほんの少しの違いですので) これ以外のミニカーとしてはヴァンガーズやオックスフォードがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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