ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FIAT 130 1969 ITALY

FIAT 130
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 130


STARLINE 510349 1/43 110㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.75m 全幅約1.81m エンジン 変速機: V型6気筒 2.9L 140HP 5段変速/3段自動変速
性能: 最高速180km/h  データーベースでフィアット 130のミニカー検索

フィアット 130 イタリア 1969年

 

 戦後のフィアットの最上級車は1961年に登場した6気筒2.3Lエンジン搭載の2300でしたが、3Lクラスの新型最上級車130が1969年に登場しました。130は125を大きくしたようなビジネスライクなスタイルで、全幅は1.8m有りましたが全長は4.75mとさほど大きくありませんでした。新設計のV型6気筒2.9L(140HP)エンジンを搭載し、ボルグワーナー製の3段自動変速機を介して1.5tのボディを最高速180km/hで走らせました。

 

 4輪独立懸架サスペンション、4輪ディスクブレーキ、パワーステアリング、リミテッドスリップデフの標準装備など当時としては進歩的な技術を採用していました。1971年にV型6気筒3.2L(165HP)エンジンを搭載しピニンファリーナ製の美しいデザインの130 クーペが追加されました。同じエンジンはセダンにも搭載されました。フィアット グループの高級車の位置づけがランチアに移ったことでランチア ガンマが後継者となり、1976年に生産中止となりました。総生産台数は約19000台でそのなかでクーペは約4000台でした。

 

 

 ミニカーは2009年に発売されたスターライン製です。スターライン(STARLINE MODELS)はドイツのメーカーですが、1960-1970年代のアルファ ロメオやフィアットなどのイタリア車をたくさんモデル化していました。(最近は活動していないようですが) このフィアット 130はシンプルな造形で、ビジネスライクな実車の雰囲気が良く再現されています。定価は3000円程と安価でしたが、フロントグリルや室内などの細部も値段相応以上の造りになっています。なおこれ以外の130のミニカーとしてはレア物ですがマーキュリー製の当時物がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 130 1
FIAT 130 2

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FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 1969 ITALY

FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE


DINKY (FRANCE) 1430 1/43 88㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.78m 全幅約1.78m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 2L 220HP 5段変速
性能: 最高速275km/h  データーベースでアバルト ピニンファリーナのミニカー検索

フィアット アバルト 2000 ピニンファリーナ スコルピオーネ イタリア 1969年

 

 フィアット アバルト 2000は1969年のブリュッセル モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。アバルトのレースカー(2000SP)をベースにしてピニンファリーナがデザインしたスポーツカーのランニング プロトタイプで、ルーフまで連なった大きなリアカウルが特徴でした。このカウルはキャビン横のエアインテークを形成しています。この車のエンジンは後車軸の上に縦置き配置されていてラジエータ等の冷却系もリアにありますので、エアインテークはエンジン冷却用です。

 

 通常のドアはなく、ウインドとルーフがキャノピーのように前方をヒンジにして開くのでそこから乗り降りします。当時のピニンファリーナのデザインに共通する低いノーズの先端には6灯のライトを一体化したライトユニットがあります。名前のスコルピオーネとはサソリの意で、サソリはアバルトのシンボルです。(リアカウルにそのサソリのロゴが表示されています) この車のフロントノーズ左右のインテークはサソリの前足の爪、リアの上方に突き出た排気管はサソリの尻尾をイメージしたものだそうです。そのつもりでこの車を見るとなにやらそんな風に見えてきます。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)は昔のメーカーながらスケールモデル的なリアルな造形が特徴で、このアバルト 2000も特徴的なリアカウルの黒いルーバーパネルやサソリのロゴなどかなりリアルな造形でとても良い出来ばえです。リアカウルが開閉するギミック付きで、カウル下にはエンジンが再現されてます。ただリアカウルの建付けが悪くルーフとスムーズにつながっていないのがやや残念なところです。これ以外の当時物ミニカーとしては同じ型を使ったディンキー(英)、ポリトーイ、ガマ、マルシンのミニスターシリーズ、中嶋製作所 DREAMCARシリーズなどがありました。当時物以外の量産ミニカーは2022年現在でもないようです。 以下はフロント/リアの拡外画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 1
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 2

 以下は1971年に発売されたポリトーイ製の当時物 フィアット アバルト 2000 ピニンファリーナ (1/43 型番M12)の画像です。これもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されています。(ウィンドーのAピラーが目立つのはやや雰囲気を壊していますが) これはポリトーイの廉価版ミニカーの初期物ですので、部品点数を減らしテールライトの塗装処理などを省略するなどコストダウンがされています。廉価版ながらキャノピーとリアカウルの開閉ギミック付きで、室内の造形は簡単ですがリアカウル下のエンジンが結構リアルに造形されているのはポリトーイらしいところです。なお当時流行りであったフリーホイールが使われています。フリーホイールはスムーズに回転するよう車軸に細いピアノ線などを使いタイヤは硬質プラスチック製です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 3
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 4

 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。リアカウル前端はルーフとうまくつながっています。ただリアカウルのウィンドー部分はディンキー(仏)製より簡単な造形です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 5
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 6

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AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 1969 ITALY

AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE


MEBETOYS A44 1/43 81mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.3m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 1.1L 55HP 4段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでランナバウト ベルトーネのミニカー検索

アウトビアンキ ランナバウト (バルケッタ) ベルトーネ イタリア 1969年

 

 アウトビアンキ ランナバウトは1969年のトリノ モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。ベルトーネのデザインで、アウトビアンキ A112のシャーシを使いフィアット 128のエンジン/変速機をミドシップ搭載していました。この変わったデザインは競艇用のモーターボートから閃いたデザインだそうで、確かにそのような形をしています。オープンカーの安全上必要なロールバーにヘッドライトを付けるアイデアは斬新でした。ただしここの位置にヘッドライトを付けるのは、高さ/位置を規定している法規があるので実用化は難しいものと思われます。

 

 またこのデザインはちょうど当時の若者に流行していたビーチ バギー(デューン バギー)に対するベルトーネ流の回答だったのかもしれません。このコンセプトカーは、1972年に登場したフィアット X1/9のベースになりました。X1/9はミドシップエンジン搭載のタルガトップのオープンカーで、ロールバーをアクセントにしたコンセプトカーのイメージが継承されていました。なおサブネームのバルケッタとはオープンカーのことで、イタリア語で小舟という意味です。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたメーベトイ製の当時物です。プロポーションが良く、細部も良く再現されています。実車(白)とカラーリングが違っていますが、ボディ側面とボンネット中央に赤いラインが見えるのは実車と同じでうまく処理しています。ただしロールバーの色をオレンジに変えてボディとの一体感をなくしてしまったのは、この車をモデル化する上では好ましくない処理です。これ以外の当時物ミニカーとしてはコーギーやマッチボックスがありました。当時物以外では少量生産のレジン製キットがあるようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 1
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 2

 以下は1971年に発売されたコーギー製の当時物 アウトビアンキ ランナバウト ベルトーネ (1/43 型番386)の画像です。全体的には上記メーベトイ製よりもシャープさが足りない感じですが、そこがコーギーらしい造形とも言えます。当時流行りだったフリーホイールが安っぽいのは今一つです。これも実車とカラーリングが違っていますが、ロールバーがボディと同色となっていますので、その点はコーギーのほうが実車のデザインに沿っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 3
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 4

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ALFA ROMEO JUNIOR Z (ZAGATO) 1969 ITALY

ALFA ROMEO JUNIOR Z (ZAGATO)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO JUNIOR Z (ZAGATO)


SOLIDO 183 1/43 89mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.9m 全幅約1.55m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.3L 103HP 5段変速
性能: 最高速175km/h  データーベースでアルファ ロメオ ジュニア Zのミニカー検索

アルファ ロメオ ジュニア Z (ザガート) イタリア 1969年

 

 アルファ ロメオ ジュニアはジュリアに1.3Lエンジンを搭載したモデルでしたが、そのスペシャルモデルとして1969年にジュニア Z (ザガート)が登場しました。ザガートのデザインによる従来のジュリエッタ SZジュリア TZはアルミ製の軽量ボディを持つレース用のスペシャルモデルでしたが、このジュニア ザガートは実用的な2シーター スポーツカーとして設計され、ボディはスチール製でした。

 

 ウエッジシェイプを基調にしたボディ、4灯式ライトを透明カバーで覆ったユニークなフロントグリルなど、先進的で魅力的なスタイルで人気がありました。リアのハッチバックはベンチレーション用に電動モーターで僅かに開ける機能がありました。DOHC 4気筒1.3L(103HP)エンジンを搭載し、最高速175km/hの性能でした。1972年にはエンジンを1.6L(109HP)に拡大し、1600 ジュニア Z (ザガート)となりました。(1600 ジュニア Zはテールが100㎜ほど長くなるなど外観が少し変更されました) 1975年まで限定生産され、総生産台数は約1500台(1600 ジュニア Zが約400台)でした。

 

 

 ミニカーはソリド製の当時物で1971年に発売されましたプロポーションが良く、最大の特徴である独創的なフロントグリルが非常にリアルに再現されていて、購入した際にさすがはソリドと感心したものでした。(ソリドのミニカーは当時の一級品でした) 昔のミニカーに多いダイヤカットのラインストーンを使ったヘッドライトが妙にリアルに見えて、この造形は現在のミニカーとしても通用する良い出来ばえだと思います。ドアが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーとしてはメーベトイがありましたが、そちらはフロントグリルの透明カバーを再現していない点でやや見劣りします。 当時物以外ではミニチャンプス、京商(サークルK)の1/64、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。室内にはセンターコンソール中央から水平に突き出したシフトレバーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 1
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 2

 以下は1971年に発売されたメーベトイ製の当時物 アルファ ロメオ ジュニア Z (1/43 型番A46)の画像です。フロントグリルの透明カバーが再現されていないので、その部分と灯火類は上記ソリドより見劣りします。ただプロポーションはソリドと同等レベルで、ボンネット/ドアが開閉するギミックや室内の造形はソリド製より凝っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 3
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 5
ALFA ROMEO JUNIOR ZAGATO 6

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FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 1969 ITALY

FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA


MEBETOYS (MATEL GRANTROS) A100 1/43 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.65m 全幅約1.97m エンジン 変速機: DOHC V型12気筒 5L 550HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでフェラーリ 512S ピニンファリーナのミニカー検索

フェラーリ 512S ベルリネッタ ピニンファリーナ イタリア 1969年

 

 フェラーリ 512S ベルリネッタは1969年のトリノ ショーで公開されたコンセプトカーでした。ベースはレースカーの512Sで、ミドシップのスポーツカーの未来像を提案したものでした。当時はこのようなウェッジシェイプのコンセプトカーが多かったのですが、フロントのフェンダーラインの抑揚などにピニンファリーナ流が感じられます。

 

 またキャビン横にあるインテークの形状やそれにつながるリアカウルには当時のカンナム(CAN-AM)マシンの影響が感じられます。なお512Sを使ったコンセプトカーとしては翌年に発表された512S モデューロもありました。512Sよりもモデューロのほうが圧倒的に未来的なデザインだったので、512Sのコンセプトはかすんでしまいました。

 

 

 ミニカーはメーベトイ製の当時物で1976年頃に発売されました。全体的にややシャープさが足りないような気もしますが、当時のミニカーとしては上出来だったと思います。トラクタブルヘッドライトが可動し、キャノピー式のドアも開閉します。リアカウルを開くとあまりリアルじゃないですが、派手な色合いでエンジンが再現されています。(メーベトイは1969年にマテル傘下となったので、この色合いはマテルの影響かも?) テールライト部分は紙シールで表現されていて、リアカウルのスリット越しにエンジンが見えるのは結構リアルです。これ以外の当時物ミニカーはポリトーイとマーキューリー、ポリトーイをコピーしたジョアル、メーベトイをコピーしたオートピレンがありました。当時物以外ではTOPMARQUES(レジン製)があります。 以下はフロント(ヘッドライト開閉)とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 1
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 2

 以下は1971年に発売されたポリトーイ製の当時物 フェラーリ 512S (1/43 型番M13)の画像です。上記のメーベトイ製よりもシャープな造形で、こちらの方が実車の雰囲気に近いように思います。キャノピー式ドアとリアカウルの開閉ギミック付きで、エンジンが再現されています。ボディ側面のロゴや黒いリアカウルはポリトーイの創作だと思われます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 5
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。リア下部に見えるエンジン/排気管は実車に即した造形です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 7
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 8

 この時代のミニカーは同じ車をモデル化しても、メーカー毎の個性がありました。そこで上記の2台を比較してみました。(なおマーキューリーはメーベトイとよく似ています) 一番大きな違いは全長でメーベトイは100㎜でポリトーイは108㎜、以下の画像のように並べてみると全然違います。実車の全長は4.65mで、1/43では108㎜となりますので、ポリトーイが実車に忠実なようです。リアカウルの形状などが違っているので、以下の画像で実車のサイドビューと比較してみました。(一番下が実車の画像です) キャノピーやリアカウルの形状はメーベトイのほうが実車に近いように見えます。当時は実車の採寸などせずに、公開された写真などからミニカーの型を起こしていたと思われますので、こんな具合に違いが出るのでしょう。(ただ全長がこんなに違うのは変ですが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 9
FERRARI 512S BERLINETTA PININFARINA 10

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