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メルセデス ベンツ 600SEL (W140) ドイツ 1991年
メルセデス ベンツ Sクラスの3代目 W140が1991年に登場しました。デザイン的には先代を踏襲していましたが、外形寸法が大きくなり印象がごつくなりました。セダン(W140)、リムジーン(V140)、クーペ(C140)が設定されていました。当初のエンジンはDOHC 6気筒3L、DOHC 8気筒4.2L/5L(320HP)、DOHC V型12気筒6Lの4タイプでした。この車は「最善か無か」という品質最優先の企業ポリシーで作られた最後のメルセデス ベンツと言われており、随所に過剰品質ともいえる設計がされていました。(電動で閉じるドアやトランク、ハイドロニューマチック式リアサスペンションなど)
1994年のマイナーチェンジでヘッドライトやバンパーの意匠が変更され、DOHC 6気筒2.8Lエンジンが追加されました。その際に他のシリーズと同じくSが先頭に付くモデル名に変更されました。(600S→S600) 燃費規制などで世界的にコンパクト化が進んでいた時代でしたので、大きなボディに12気筒エンジンを積むW140は環境破壊車などと呼ばれ、北米市場で販売が芳しくなかったようです。その為かメルセデス ベンツとしては短いモデル寿命で、1998年にダウンサイジングされたSクラス 4代目 (W220)にモデルチェンジしました。
ミニカーは1993年に発売されたシャバック製の当時物です。シャバックは元々はシュコーの販売代理店でしたが、1970年代に倒産したシュコーの航空機の型を引き継ぎ1980年代は1/43のダイキャスト製ミニカーも手がけていました。現在は復活したシュコーの一部門で航空機モデルを担当しています。このミニカーはフロントの造形などW140の雰囲気がうまく再現され、レベルの高い出来ばえです。ボンネット/ドア/トランクの開閉ギミック付きで、室内やエンジン部などの細部もとても良く出来ています。シャバックはクーペ(C140)もモデル化しています。これ以外のW140のミニカーはミニチャンプスの600SEL/600SEC、ノレブのS600(1/18)、ヘルパの600SEL/600SEC、ビテスのS600L プルマンなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンルーム内はV型12気筒エンジンだけではなくラジエータなどの補器類もかなりリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 190E (W201) 2.5-16 EVO.II ストリート仕様 ドイツ 1991年
メルセデス ベンツ 190E(W201)のレース仕様車 190E 2.3-16は、1988年にDTMレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5L(200HP)にボアアップし190E 2.5-16になりました。190E 2.5-16 EVO.(エボリューション)は、ツーリングカーレース用ベースマシンとして開発された車で、1989年に登場したEVO.Iと1990年途中から登場したEVO.IIがありました。どちらもホモロゲーションを取得するため500台が生産されました。太いタイヤをカバーするオーバーフェンダー、フロントスポイラー、リアスポイラーなどのエアロパーツを装着しています。
市販仕様のエンジンは、EVO.Iは231HP、EVO.IIは235HP 実際のレース仕様では350HP以上にチューンされていました。1992年のDTMではEVO.IIがメルセデス ベンツに初のマニファクチャーズチャンピオンのタイトルをもたらしています。BMWなどに対抗してメルセデス ベンツのイメージにスポーティさを加えるべく始めたDTM参戦は大成功しました。
ミニカーはミニチャンプス製で、1992年に発売されたストリート仕様のモデル化です。幅広タイヤをカバーする派手なエアロパーツがややオーバー気味に再現されていますが、この種の車はこのぐらい派手なほうが楽しいです。ミニカーでは杓子定規で正確にスケールダウンするよりも、多少オーバーな演出をした方が良いと個人的には思っています。これはEVO.IIですが、EVO.Iもモデル化されています。またミニチャンプスはレース仕様など80車種以上もモデル化しています。これ以外の190E レース仕様のミニカーは、オートアートの1/18、ソリドの1/18、TRUE SCALEの1/43と1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アウディ 100 (C4) ドイツ 1991年
1990年にアウディ 100(C3)は100 4代目(C4)にモデルチェンジしました。基本的には先代と同じスタイルのデザインですが、フロントグリルが独立するなど見た目が立派になりました。上級車200の設定がなくなったので、その分高級車にシフトしたようです。ボディ形式はセダンとアバント(ワゴン)で、当初のエンジンは4気筒2L(115HP)、5気筒2.3L、新設計のV型6気筒2.8L(174HP)、5気筒2.4L/2.5Lターボディーゼルでした。フルタイム4WDシステムのクワトロがオプションで設定されました。
1991年にDOHC 5気筒2.2L(230HP)ターボエンジンを搭載する高性能版S4が追加されました。1992年にはS4にアウディ V8と同じDOHC V型8気筒4.2L(280HP)エンジンが追加されました。(最高速249km/h) 1994年のマイナーチェンジで前後の意匠が少し変更され、100は新しく設定されたシリーズ名のA6に名前を変更しました。それに伴い高性能版S4はS6に改名され、S6以外の5気筒エンジン搭載車がなくなりました。アウディ車の名前は1994年からAシリーズに変わっていきました。
ミニカーは1991年に発売されたシャバック製の当時物です。フロント部分の造形など実車の雰囲気を良く再現していて、当時のミニカーとしては良く出来ていました。シャバックはアバントもモデル化しており、さらにマイナーチェンジして名前の変わったA6もモデル化していました。100 4代目(C4)のミニカーは2023年現在でもこのシャバック製しかないようです。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンルーム内にはV型6気筒エンジンがそこそこリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 928 S4 ドイツ 1991年
ポルシェ 911より上級な高級パーソナルカー市場(メルセデス ベンツ SLクラスなどがライバル)をねらって、ポルシェの旗艦として開発されたのがポルシェ 928で1977年に登場しました。水冷V型8気筒4.5L(240HP)エンジンをフロントに搭載し後輪を駆動するといった、911とは異なるオーソドックスなFR方式が採用されました。その反面ポップアップ式のヘッドライトを採用したボディデザインはかなり独創的で先進的な物でした。(最初はやや奇抜だと思いました) 1978年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。
1980年にエンジンを4.7L(300HP)に拡大した928Sが追加されました。1985年にアメリカ向けとしてDOHC化された5L(288HP)エンジンが追加されました。1987年に前後のライト/バンパーの意匠とリアスポイラーを変更し、DOHC 5L(320HP)エンジンを搭載した後期型の928 S4に変わりました。1990年にエンジンを330HPにパワーアップした928 GTが追加され、1992年にエンジンを5.4L(340HP)に拡大した最終型の928 GTSとなり、1995年まで生産されました。928は伝統的な高級パーソナルカー市場にはあまりマッチしなかったようで、総生産台数は約6万台と、ポルシェが期待したほどは売れませんでした。実質的な後継車はありませんでした。
ミニカーは2004年に発売されたミニチャンプス製で、テールライトが横長になりリアスポイラーが変更された後期型の928 S4をモデル化しています。独創的なスタイルがうまく再現され、灯火類などの細部もリアルでとても良くできています。特に室内は豪華な内装をうまく再現しています。なお当サイトではミニチャンプスのミニカーに同じことを指摘していますが、ワイパーがやや目立ち過ぎることと車高を下げてモデル化していることが、この928でやや気になります。特にここまで車高を下げるとサスペンションがへたっているようにみえて違和感を感じます。928の当時物ミニカーとしては、ソリド、NZG、ポリトーイ、マッチボックス、サクラのスーパーカーシリーズ、エイダイの1/28、トミカ ダンディ、ダイヤペットの1/30などがありました。当時物以外では、オートアートの1/18、シュコー、ヘルパの1/87、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 968 ドイツ 1991年
1991年にポルシェ 944の後継車として968が登場しました。基本的な構成は944と同じで、4気筒エンジンは944 S2用をベースにして吸気側に可変バルブタイミング機構(ヴァリオカム)を追加して240HPにパワーアップしていました。ボディは944のスタイルを継承していましたが、928と同じようなポップアップ式リトラクタブル ライトをつけたややちぐはぐな感じのするデザインでした。
1992年にフルオープンのカブリオレが追加され、1993年にはレース仕様のCS(クラブスポーツ)や、それにターボを追加したターボ S/RSが追加されました。見た目や性能が944とあまり変わらないことや高価であったことなどで、968は商業的には失敗作でした。販売不振で1994年には早くも生産中止となり、生産台数は約13000台ほどでした。(半数はカブリオレだったらしい) 実質的な後継車はポルシェ ボクスター (986)でした。
ミニカーは1992年に発売されたNZG製の当時物です。前述したNZG製の944と同じような出来ばえでしたので、これも当時のミニカーとしてはかなりレベルが高い出来ばえでした。ボンネット/ドア/ハッチバックが開閉するギミック付きです。エンジンルーム内のエンジンは実車に即して944とはヘッドカバーの造形が変更されていて、944と968の違いをきちんと作り分けていました。NZGは968 カブリオレもモデル化していました。実車の人気を反映してか、968の当時物ミニカーはNZG製しかありませんでした。当時物以外の968のミニカーはミニチャンプスやハイスピード、レジン製ではスパーク、ネオ、GT SPIRITの1/18などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/ハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)