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フォード マスタング I ボス 429 アメリカ 1970年
フォード マスタングはコンパクトカー ファルコン 初代をベースとしていたので当初はコンパクトカーでしたが、そのサイズは徐々に拡大され外観デザインも変わっていきました。(実車画像→ フォード ファルコン 1963) 1964年の外形寸法は全長4.61mX全幅1.73mでしたが、1967年に全長4.66mX全幅1.8m、1969年に全長4.76mX全幅1.82m、1972年には全長4.81mX全幅1.88mまで大きくなっています。フロントのデザインも1967年にノーズの奥行きが深くなり、1969年にグリル内にライトが追加されて4灯式となり、1970年には外側の2灯がインテークに代わり2灯式に戻り、1971年にはグリルが横幅いっぱいに広がりました。
1969年のマイナーチェンジではボディがかなり大きくなり、よりスポーティな外観となりました。同時にファストバックにマッハ Iという高性能仕様が追加され、レース用のホモロゲーションモデルとしてボス(BOSS)シリーズも追加されました。ボス シリーズにはボス 302とボス 429の2タイプがあり、302はV型8気筒4.9L(302CI:キュービックインチ)(290HP)、429は7L(429CI)(375HP)エンジンを搭載していました。マスタングの高性能版としては、キャロル シェルビーがチューンしたシェルビー マスタング GT350/GT500もありました。1974年にマスタング 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーはマッチボックスのマッスルカーシリーズの一つで、1997年頃に発売されました。マッスルカーシリーズは1960-1970年代のマッスルカー(高性能車)を10数種類ほどモデル化したもので、いずれも当時の1/43のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。このシリーズは後にマテルやアーテルがその型を流用して仕上げレベルを多少落とした再生産品としても販売されました。このボス 429も灯火類がややレトロな作風ですが、実車の雰囲気がうまく再現されていてとても良い出来ばえでした。フロントグリルやリアウィンドーのルーバー、室内などの細部もそこそこ良く再現されています。マスタング ボスのミニカーは、フランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、アーテルの1/18、WELLY(ウィリー)の1/18と1/24、マテル メーベの1/43、グリーンライトの1/64、ジョニーライトニングの1/64などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー エルカミーノ SS ピックアップ アメリカ 1970年
ピックアップは日本では物を運ぶ商用車として使われますが、アメリカでは乗用車的な使われ方をしています。最初のピックアップはフォード T型を改造して後部に荷台を追加したものでした。(参照→ フォード T型 ランチ ワゴン) この車は農場で使われましたが、貨物用だけではなく乗用としても使われました。1950年代になるとフォード ランチェロやシボレー エルカミーノのようなデザイン重視のピックアップも登場するようになりました。州によってはピックアップの自動車税が割安であったので、財布の軽い若者がこぞって乗るようになり、乗用車的な使い方をするピックアップが普及していきました。
シボレーには様々なピックアップ/トラックがありますが、エルカミーノは乗用車ベースのピックアップでした。エルカミーノの初代は1957年に登場したフォード ランチェロに対抗するモデルとして、1959年に登場しました。シボレーのステーションワゴンをベースにした、スタイリッシュなピックアップで、スチール製の荷台を初めて採用していました。(それまでのピックアップの荷台は木製でした) フロント周りの外観は同時期のシボレー ベルエアと同じで、荷台後部にはテールフィンが付いていました。乗用車と同じ6気筒3.9L/V型8気筒4.6L/5.7L(315HP)エンジンが搭載されていました。当初の販売は好調でしたが、次第に売れなくなり1960年に生産中止となりました。(実車画像→ シボレー エルカミーノ 1959)
1964年にシボレー シェベルをベースにしたエルカミーノ 2代目が登場しました。リアサスペンションにエアショックアブソーバーが標準装備され荷重による姿勢変動が調整できました。高性能版のSS396にはシェベル用の高性能なV型8気筒6.5L(350HP)エンジンが搭載されました。(実車画像→ シボレー エルカミーノ 1964)
1968年にシボレー シェベルをベースにしたエルカミーノ 3代目が登場しました。V型8気筒6.5L(350HP)エンジンを搭載する高性能版のSS396が設定されました。1970年にはV型8気筒7.4L(450HP)エンジンが追加されました。
1973年にシボレー シェベルをベースにしたエルカミーノ 4代目が登場しました。1978年に独自のシャーシを採用したエルカミーノ 5代目が登場し、1982年に最終型にマイナーチェンジし1987年に生産が終了しました。(実車画像→ シボレー エルカミーノ 1978)
ミニカーは2022年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションです。エルカミーノ 3代目の高性能版SSをモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) ディスプレイケースの裏側にGMのオフィシャルロゴが付いているだけあって、プロポーションが良く実車に即したカラーリングでエルカミーノの雰囲気がうまく再現されています。ただ定価が2000円ほどの安価なミニカーですので、室内の造形は簡素でやや物足りません。これ以外のエルカミーノ 3代目のミニカーはフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マテルの1/64、ジョニーライトニングの1/64などたくさんあります。エルカミーノの最終型はグリーンライトが1/64でモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー プリムス GTX アメリカ 1970年
プリムスはクライスラーの大衆車クラスで、1960年代後半のラインナップとしては、コンパクトカーのバリアント、中級車のベルヴェデアとサテライト、フルサイズのサヴォイとフューリー、スポーティカーのバラクーダ、GTX、ロードランナーなどがありました。1967年に登場したプリムス GTX 初代は、ベルヴェデアをベースにしたハードトップ/コンバーチブルのマッスルカーでした。V型8気筒7.2L(375HP)エンジンを搭載し特別仕様のグリルや強化されたサスペンションを持つプリムスのスポーティカーの最上級車でした。オプションでより高性能のV型8気筒7L(425HP)ヘミ エンジンも搭載できました。(実車画像→ プリムス GTX 1967)
1968年によりシンプルなデザインに変更されたGTX 2代目が登場しました。同時にV型8気筒6.3L(335HP)エンジンを搭載し装備を簡素化したGTXの廉価版のロードランナーが設定されたので、GTXは差別化で豪華な仕様となりました。1970年のマイナーチェンジで、フロントグリルが変更されコンバーチブルの設定がなくなりました。GTXとロードランナーは外観が同じように見えるので、軽量故に最高速が高く安価なロードランナーの方が人気が高かったそうです。(実車画像→ プリムス GTX 1968)
1971年にループ型のバンパーでフロントグリルを囲った個性的なフロントグリルを持つGTX 3代目が登場しました。ただその頃にはマッスルカーの人気がなくなり販売は低調で、同年に生産中止となりました。同時にモデルチェンジしたロードランナー 2代目はロードランナー GTXに名前が変更され1974年まで生産されました。1975年にロードランナー 3代目が登場し1976年に小型車ボラーレの2ドア版となり1980年まで生産されました。マッスルカーはこんな具合にオイルショック対応の燃費改善と排ガス規制で消えていきました。このGTX 3代目あたりが最後のマッスルカーといえるでしょう。(実車画像→ プリムス GTX 1971)
ミニカーは1998年に発売されたマッチボックス製のマッスルカーシリーズで、GTX 2代目の1970年式をモデル化しています。マッチボックスのマッスルカーシリーズは1960-1970年代のマッスルカー 十数種類をモデル化したものでした。このシリーズは作風はややレトロなのですが、プロポーションが良く室内や床下のサスペンションなどがリアルに再現され、当時としてはかなり良い出来ばえでした。このGTXもややレトロな作風ながら、特徴的なフロントグリルが良く再現され、ボンネット上のエアスクープ、サイドのストライプ、室内などの細部も実車に忠実に出来ていました。これ以外のGTX/ロードランナーのミニカーはフランクリン ミントの1/24、アーテルの1/18、ヤトミン、グリーンライトの1/64、ジョニーライトニングの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ダッジ ダート 270 (ヨーロッパ仕様) アメリカ 1970年
クライスラーグループで戦後のダッジは高級車デソートと大衆車プリムスの間を埋めるブランドでした。1960年代のダッジのラインナップにはフルサイズのポラーラ、モナコ、中級車のコロネット、コンパクトカーのダートなどがありました。1960年に登場したダート 初代はフルサイズの大型車でしたが、徐々にサイズダウンされ1963年の3代目はコンパクトカーになりました。ダートは1967年に4代目にモデルチェンジし1976年まで生産されました。画像のミニカーは1964年に登場したタービンカーに似せた特徴的なライトの形状から1965年頃のダート 3代目なのですが、ミニカーは1970年式と表示されていて素性が不明でした。
良く見るとボンネット先端の右側に「Barreiros」というロゴが付いていたのでそれを頼りに調べると、Barreiros(バレイロス)とはスペインの自動車会社でクライスラー ヨーロッパの傘下だったということが分かりました。結局この車はスペインで生産されたヨーロッパ仕様のダートであると判明しました。270というモデルはアメリカではV型8気筒4.5Lエンジンを搭載していましたが、ヨーロッパ仕様も同じかどうかは不明です。この車は厳密にはアメリカ車ではないのですが、当時のクライスラーのセダンということでアメリカ車の区分に載せています。
ミニカーは2006年に発売されたイクソ製です。このミニカーは元々はスペインのミニカー付雑誌の「Nuestros Queridos Coches (私たちの愛する車の意)」シリーズ用として作られたものでした。これはそれを流用して室内などの仕上げレベルを上げてイクソのカタログモデルとしたものでした。イクソらしい手堅いつくりで、室内などの細部の仕上げも丁寧で良く出来ていました。イクソは仕上げレベルを変えて別ブランドのホワイトボックスでもダッジ ダート 1966年(アメリカ仕様)を発売しています。(このような雑誌付きミニカーで起こした型を流用してバリエーション展開しているのがイクソの強みです) これ以外の1960年代のダッジ ダートのミニカーはネオ(レジン製)の初代、ホットホイールの4代目 1/64、ジョニーライトニングの4代目 1/64、オートワールドの4代目 1/64などがあります。 以下はフロント(ボンネット先端のロゴ拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ダッジ チャレンジャー R/T アメリカ 1970年
フォード マスタングが大成功したことで、ライバルメーカーはマスタングに対抗するモデルを開発しました。GMのシボレー カマロ(ポンティアック ファイアーバード)、クライスラーのダッジ チャレンジャー(プリマス バラクーダ)、AMCのジャベリンなどが対抗馬として登場しました。1970年に登場したダッジ チャレンジャーのデザインは兄貴分のチャージャー 1966年式と同じデザイナーが担当し、サイドラインがよりダイナミックになっていました。車幅が1.9mもあるので、幅広いフロントグリルは実にかっこよかったです。同時に登場したプリムス バラクーダ 3代目はチャレンジャーの姉妹車でした。(実車画像→ プリムス バラクーダ 1970)
エンジンは6気筒3.7L(110HP)、V型8気筒5.2L/6.3L(330HP)、V型8気筒7L/7.2L(375HP)など多くのバリエーションがありました。高性能版のR/TはV型8気筒6.3L/7.2Lなどを搭載し、さらにV型8気筒5.6L(290HP)エンジンを搭載したトランザム レース用のホモロゲーションモデル T/A(トランザム)が2500台限定生産されました。チャレンジャーは初年度に8万台も売れて人気がありましたが、小型マッスルカーの需要は排ガス規制などの影響で低迷していき、チャレンジャーも1974年には生産中止となりました。1978年にチャレンジャー 2代目が登場しましたが、これは三菱 ギャラン ラムダのアメリカ仕様で、マッスルカーではありませんでした。(実車画像→ ダッジ チャレンジャー 1978)
ミニカーはマッチボックスのマッスルカーシリーズの1台で1998年に発売されました。マッチボックスのマッスルカーシリーズはいずれも良い出来ばえでしたが、このチャレンジャーもプロポーションが良く幅広のかっこいいボディがうまく再現されていました。また室内などの細部もよく仕上げてありました。ただし当方の所有するこのチャレンジャーはマッチボックスのオリジナル(型番YMC12 紫色)ではなく、2000年頃にマテルがマッチボックスの型を流用して再生産したものです。オリジナルに比べると底板のブランド表示がMATTELに変更され塗装仕上げなどが簡素化されているようですが、それ以外はオリジナルと変わりないようです。(1997年にマッチボックスはマテル傘下になっています) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)