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ルノー カミオン (タイプ AG? ) フランス 1910年
前述したようにルノー タイプ AGのタクシーで成功したルノーは商用車にも進出し、ルノーのバスやトラックがフランス中に広がり、ルノーはフランス最大の自動車メーカーに成長していきました。これはその商用車の一例でルノー カミオン(CAMION)です。カミオンとはフランス語でトラックやバスの意で、商用バンはフランス語でカミオネット(CAMIONNETTE)といいます。
画像のミニカーは年式から判断して、タクシーに使われたタイプ AGのトラック仕様をモデル化しているようです。(4気筒エンジン搭載のタイプ BZあたりかもしれませんが) 荷台にはワイン?の樽のようなものを積んでいますが、フランスは農業国でもあるので、このような農業関係のトラックの需要が多かったようです。ちなみに戦後に大ヒットしたシトロエン 2CVも同じような貨物運搬需要で売れたとのことです。
ミニカーは1960-1970年代に発売されたMINIALUXE(ミニオール)製です。この時代のトラックはあまり知られていないのですが、このミニカーで当時はこんな感じのトラックがあったのだということを知ることができ、面白いミニカーです。特に荷台に積んだ樽は本物の木材で作られているので、プラスチック製の物とは違って実にリアルです。(樽は荷台から取り外すこともできます) これ以外にもミニオールは同じルノーの幌付トラックもモデル化しています。ミニオールのミニカーは全体がプラスチックでできているので、このトラックは経年変化でボディが少し変形しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席部分の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー タイプ AG バス フランス 1910年
ガソリン エンジンを搭載した最初のバスは1894年のベンツ バスとされていて、これは乗合い馬車にエンジンを搭載したものでした。自動車は辻馬車(タクシー)や乗合い馬車を代替する公共交通手段として発展してきました。乗合い馬車は路線バスに発展し、有名なロンドン 2階建てバスの最初のモデルは1904年頃に登場しています。(参照画像→ディムラー 2階建てバス 1904)
ただ最初からこのような大型バスが一般化したわけではなく、その前段階としてタクシーを大型化したような小型バスがありました。このような小型バスは鉄道の駅から最寄りのホテルまでお客を送迎する送迎バスとして始まったようです。この送迎バスが発展して、大都市から近郊の町(駅)まで定期運行するローカル線が登場するようになりました。また観光地などへの道路が整備されたことで、バカンス旅行にもバスが使われるようになり、豪華な観光バスも登場するようになりました。
ルノー タイプ AGのタクシーは「タクシー ド ラ マルヌ」として有名で、当時のフランスの代表的なタクシーでした。当時のバス事業者は小型バスのベースとしてもタイプ AGを使っていたようです。多人数を乗せるタクシーは1906年頃に登場し、様々なサイズのバスが作れられ、フランスでもルノーの2階建てバスがあったようです。なおタイプ AGはバスだけではなく救急車や商用バン/トラックにも使われました。(実車画像→ ルノー 2階建てバス 1927年)
ミニカーはマッチボックス製で、1991年頃に発売されました。ルノー タイプ AGの路線バスをモデル化しています。 側面の「WESSERLING BUSSANG」の表示は、フランスの東端にあるウェセルランとその近郊のビュッサンとの間を運行する路線のことで、「Vincent Fontaine」は人名でしょうか? 客室はリアに昇降口があり、室内は中央が通路で対面式のベンチシートがあります。(実車画像には乗車定員が15人と記されていますが、そんなに乗れるのかやや疑問?) 縮尺1/38と中途半端なサイズで最近のミニカーほど精密ではありませんが、マッチボックスのクラシックカーにはノスタルジックで素朴な味わいがあります。(時代考証もある程度きちんとされています) マッチボックスはタイプ AG 商用バンもモデル化しています。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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グレゴアール トリプル ベルリーヌ (14/24HP) フランス 1910年
フランスの自動車/航空機用エンジンメーカーであったグレゴアール社はP.J.グレゴアール(Pierre Joseph Gr?goire)が1902年に設立しました。グレゴアール社は1904年から自動車製造に乗りだし単気筒/2気筒/4気筒/6気筒エンジンを搭載したモデルを製造しました。アルミ合金ピストンをいち早く採用した4気筒エンジン、6気筒スリーブバルブエンジン、第1次大戦後にOHV(オーバーヘッドバルブ)を採用した高性能な4気筒エンジンを開発するなど、エンジン技術には優れていたようです。ただいずれもあまり売れなかったようで、結局1924年に倒産しました。なお同じグレゴアールという名前で1947年設立で1962年まで存在したフランスの自動車会社もありましたが、上記とは関係のない別会社でした。
画像のトリプル ベルリーヌと称するモデルは、その変わったスタイルで有名でした。現在のキャンピングカーの元祖のような6人乗りの乗用車で、3台の馬車を連結したようなボディの為トリプル ベルリーヌと呼ばれています。この長いボディは自動車で快適に旅行ができるように設計されたもので、屋根の上とリアには長距離旅行に必要な荷物がたくさん積めるトランクが載っています。室内の内装はレースでトリミングされたベルベット張りの豪華なもので、窓にはカーテンがついていました。広い室内を生かした軍用救急車仕様もあったようです。(実車画像→ グレゴアール 軍用救急車 )
ミニカーはフランスのサフィール製で1960年代に発売されました。ボディの材質はプラスチック製で実車のユニークなボディを忠実に再現しています。赤/黒のカラーリングがきれいで、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえで、サフィールの傑作ミニカーでした。屋根の上にはトランクが載っていますが、その屋根は室内を見る為に簡単に取外せるようになっていて、屋根を外すと室内を見ることができます。なおグレゴアールのミニカーはこのサフィール製しかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ベルリエ フランス 1910年
モーリス ベルリエ(Marius Berliet)は1894年に自動車の製作をはじめて単気筒/2気筒エンジン搭載車を完成させ1899年にベルリエ自動車会社を設立し、廃業した自動車メーカーの工場を引き継いで生産を始めました。1903年に登場した4気筒エンジン搭載車20CVは同時期のドイツのメルセデスとよく似ていました。この車は1906年にアメリカのアメリカン ロコモーティブ社がライセンスを買い取ってALCOという名前で販売したとのことで、当時としては優秀な車だったようです。(実車画像→ ベルリエ 20CV 1903)
1910年代にはベルリエは4気筒/6気筒エンジンを搭載する乗用車とバス/トラックを生産していました。第1次大戦の勃発でフランス軍向けの軍用トラックの需要が急増し、ベルリエは工場を増設して対応しました。またルノーのライセンスによる戦車の生産も行うようになりました。戦後も乗用車の生産を行いましたが経営不振となり、1930年代後半に乗用車生産からトラックなどの産業用車両生産に転換しました。その後1974年にルノーに買収され、1978年にサビエムと合併してルノー トラックス社となり、1980年にベルリエ ブランドは消えました。
ミニカーは1960-1970年代に発売されたラミー(RAMI)製です。モデル化している実車がはっきりとは分からないのですが、年式からおそらくタイプ Cと呼ばれる4気筒2.4Lエンジンを搭載した中型車をモデル化していると考えます。密閉されたキャビンを持つセダンですので当時としては高級車であったと思われます。実車のキャビンがこのような緑と白に塗り分けられていたとは思えませんので、このカラーリングはラミーの創作だと思います。ラミーのミニカーとしては後期のものなので、フロントグリル/ヘッドライト/ホイールにメッキしたプラスチックが採用されています。またカラフルなカラーリングと側面の木目模様のライン(デカール)など凝った仕上げで、当時としては良い出来ばえのミニカーになっていました。第2次大戦後のベルリエはトラック専門メーカーになりましたので、ベルリエのミニカーはほとんどがトラックです。(トラックのミニカー→ ベルリエ ストラデール トラック) トラック以外のベルリエのミニカーとしては、これと2015年に発売されたイクソ製のベルリエ 11CV ドーフィン 1939年式(ベルリエの最後の乗用車)ぐらいしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット タイプ 2 (15/20HP) イタリア 1910年
大型の高級車を作ってきたフィアットは1908年に小型車のタイプ 1(12/15HP)を発売しました。タイプ 1は4気筒1.9L(15HP)エンジンを搭載した小型車で、4段変速で最高速70km/hの性能でした。この車は基本的にはタクシーキャブで、イタリアだけではなく欧州の大都市のタクシー会社で大量に使われました。タクシーキャブを大量生産して市場を拡大するやり方は、同時期のフランスのルノー タイプ AGと同じでした。タイプ 1は1922年まで生産され、総生産台数は約6000台でした。(実車画像→ フィアット タイプ 1 1908)
1910年には一般向けとしてタイプ 1をベースにしたタイプ 2 (15/20HP)が登場しました。タイプ 2は4気筒2.6L(20HP)エンジンを搭載した中型車で、4段変速で最高速70km/hの性能でした。ただしまだ高価格で大衆車とは言えませんでした。タイプ 2はイタリアの軍隊に正式採用された最初の車となりました。1912年にエンジンを4気筒2.8L(28HP)に拡大したタイプ 2Bに変わりました。ボディ形式はランドレー型セダン、オープンのトルペード、商用バンなどがありました。1920年まで生産され、タイプ 2/2Bの総生産台数は約2.2万台でした。
ミニカーは1978年頃に発売されたリオ製です。お抱え運転手が運転するランドレー型セダン(後部が幌になっている)をモデル化しています。リオのクラシックカーはマニア向けで灯火類、操作レバー、フェンダーなどの細かいパーツから、シャーシやサスペンションなどのメカ部分までリアルに再現されています。このタイプ 2も折れ曲がったフロントスクリーンやボンネットからキャビンにつながる曲面的な造形など実車のボディ形状をよく再現しています。エドワード期のクラシックカーのミニカーとして非常に良い出来ばえです。タイプ 2のミニカーはこれしかありませんので、車種的にも貴重です。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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