ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 1907 UK

ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP)


MATCHBOX Y10 1/51 92mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m 全幅約1.75m 車重約 1.8t エンジン 変速機: 6気筒 7428cc 40HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでロールス ロイス シルバー ゴーストのミニカー検索

ロールス ロイス シルバー ゴースト (40/50HP) イギリス 1907年

 

 イギリスの電気技術者フレデリック ヘンリー ロイス(Frederick Henry Royce)は購入したガソリン自動車の品質に満足できず、自らで自動車の製作に着手しました。彼が製作した試作車の性能に惚れ込んだ貴族のチャールズ スチュアート ロールズ(Charles Stewart Rolls)がその車を独占販売する契約を結び、1904年にロールス ロイス社が誕生しました。初期のロールス ロイスには2、3、4、6気筒の4モデルがありました。ロールス ロイスは部品の規格化を徹底して行うことで高品質を誇っていました。1906年には自動車史上最も偉大な車であるシルバー ゴースト(40/50HP 6気筒7.4Lエンジン搭載)が登場しました。

 

 1907年にシルバー ゴーストは15000マイル(24000km)を燃料補給時以外ノンストップ、無故障で走破するという過酷な耐久試験を行いその優秀性を実証しました。この試験に使われた車が銀色に塗装され「SILVER GHOST」というプレートを付けていたことから、以後この名前が正式名称となりました。なおGHOST(幽霊)というのは音もなく静かに走ることから名付けられたようです。高度な品質管理で製作されたシルバー ゴーストのシャーシは長持ちしましたので、古くなった車はボディを載せ替えて霊柩車や軍用装甲車などに転用されました。なおロールス ロイスのフロントグリル上の有名なマスコット「スピリット オブ エクスタシー (Spirite of Ecstasy)」は1912年頃から使われ始めたとのことでこの車には付いていません。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたマッチボックス製のY(Yesteryear)シリーズの1台です。1960-70年代のミニカーですので素朴な造形ですが、基本的なプロポーションは良くできていました。フロントグリルのRRのロゴ、リーフスプリングのリアサスペンション、スペアタイヤなどの細部は当時のミニカーとしてはかなりリアルに再現されていました。なおヘッドライトのステーがフロントグリルから生えていますが、これはマッチボックス流の簡略化手法です。クラシックカーのミニカーを安価で提供する為に、Yシリーズはこのような簡略化でコストダウンしていました。これ以外のロールス ロイス シルバー ゴーストのミニカーは同じマッチボックスの1/55とランドレー仕様の 1/48、マッチボックスのコピーと思われるナコラル、フランクリン ミントの1/43と1/24と1/12などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 1
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 2

 以下はマッチボックス製のYシリーズのロールス ロイス シルバー ゴースト 1906 (1/55 型番Y15)の画像です。上記と同じシルバー ゴーストをモデル化していますが、これは上記よりも古い1960年に発売された物で、マッチボックスのYシリーズとしては初期の物です。(私が購入したのは1969年で、所有するミニカーの中でも製作時期が古い物です) 上記と同じように見えますが、縮尺が1/55なので全長80㎜と一回りサイズが小さいです。サイズは小さいですが、出来ばえは上記のシルバー ゴーストとあまり変わりませんので、1960年代のミニカーとしてはとてもよく出来ていたと思います。60年経過後の今でも塗装は綺麗でどこも破損していませんので、製造品質も優れていたようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 3
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 4

 以下は1968年に発売されたマッチボックス製のYシリーズのロールス ロイス シルバー ゴースト 1912 (1/48 型番Y07)の画像です。この車は上記のオープン仕様より少し大きなサイズのランドレー形式のボディが架装されています。ロールス ロイスはシャーシのみをつくり、ボディは当時のコーチビルダーが架装していました。(ミニカーは縮尺1/48で全長97㎜ですから、実車は約4.7mほどになります) 室内のリアシートの手前には補助席(従者用)が付いていますので、高級車であることが分かります。この型番Y07と上記の型番Y10のシルバー ゴーストのミニカーは約15年間ほどの長期間作られた息の長いミニカーでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 5
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 7
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 8

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ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 1907 UK

ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP)


FRANKLINMINT WL96 1/43 105㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m 全幅約1.75m 車重約 1.8t エンジン 変速機: 6気筒 7428cc 40HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでロールス ロイス シルバー ゴーストのミニカー検索

ロールス ロイス シルバー ゴースト (40/50HP) イギリス 1907年

 

 イギリスの電気技術者フレデリック ヘンリー ロイス(Frederick Henry Royce)は購入したガソリン自動車の品質に満足できず、自らで自動車の製作に着手しました。彼が製作した試作車の性能に惚れ込んだ貴族のチャールズ スチュアート ロールズ(Charles Stewart Rolls)がその車を独占販売する契約を結び、1904年にロールス ロイス社が誕生しました。初期のロールス ロイスには2、3、4、6気筒の4モデルがありました。ロールス ロイスは部品の規格化を徹底して行うことで高品質を誇っていました。1906年には自動車史上最も偉大な車であるシルバー ゴースト(40/50HP 6気筒7.4Lエンジン搭載)が登場しました。

 

 ロールス ロイス シルバー ゴーストの6気筒エンジンのアイドリング回転数は180rpmで、ほとんど音がしなかったそうです。変速機はオーバードライブ付きの4段で最高速(約120km/h)でもエンジン回転数は1800rpmと超低速型で、走行中でも音が静かなのはこの辺に理由があったようです。もちろんエンジン以外のすべての部品が手仕上げで入念に作られて調整されていることも忘れてはいけませんが。 100年以上前の1907年に耐久試験を行った実車が、現在でも走行可能な状態でロールス ロイス社で保存されていることは有名です。それ以外にも現在でも走行可能なシルバー ゴーストが存在するとのことから、シルバー ゴーストの類い希な耐久性と信頼性が分かると思います。

 

 

 ミニカーはフランクリン ミント製で2004年に入手しました。ロールス ロイス社に保存されている実車(車番AX201)を忠実に再現しています。フランクリン ミントはシルバー ゴーストを1/43、1/24、1/12の3つの縮尺でモデル化しています。これは1/43で、フランクリン ミントの1/43のクラシックカーはいずれもレベルの高い出来ばえでした。シルバー ゴーストはその中でも最後に製作されたものなので、一番完成度が高いです。50点ほどのパーツを組立てた精巧なミニカーで、シルバー ゴーストの1/43のミニカーとしては2023年現在でも最高の出来ばえといって間違いないでしょう。ドアが開閉し運転席足元の各種メータが再現され、ボンネットを取り外すと6気筒エンジンがリアルに再現され、床下にはフレーム/サスペンション/車軸までリアルに再現されています。以下はフロント/リアの拡大画像です。フロントグリルの上に付いている「AA」のエンブレムはイギリスの「AUTOMOBILE ASSOCIATION(イギリス自動車協会)」の会員バッチです。ロールス ロイスの有名なマスコット「フライング レディ(The spirit of Ecstasy)」が公式に使われるようになったのは1911年頃からでした。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 1
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 2

 以下はボンネットを外したエンジン/床下部分の画像です。1/43サイズながら6気筒エンジン、ドライブシャフト、前後サスペンションなどが良く再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 3
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 4

 以下は1986年に発売されたフランクリン ミント製のロールス ロイス シルバー ゴースト (1/24 型番JR67)です。これは縮尺1/24で全長197㎜の大きさです。1/24はフランクリン ミントのクラシックカーでは標準的に使われた縮尺で、現在の大スケールミニカーで使われている1/18より一回り小さいです。上述した1/43はかなり精巧にできていましたが、この1/24ではさらに細部が精巧に仕上げられています。上述した1/43とほぼ同じ部分を撮影した画像を以下に載せていますので、1/43と1/24の仕上がりの違いを見てください。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 5
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。ラジエータグリル、「RR」のエンブレム、ヘッドライトなどがよりリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 7
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 8

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像とエンジンの拡大画像です。6気筒エンジンと補器類がリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 9
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 10

 以下はランニングボード(乗降用踏み台)に備え付けられたツールボックスの開閉画像と床下のシャーシと前輪操舵ギミックの画像です。ツールボックスの蓋が開きますが、中には何もありません。(本来は簡単な工具類を収納するスペースです) 床下部分はリーフスプリング式サスペンション、ドライブシャフト、ステアリングホイールで操舵される前輪などの構造が1/43よりさらに細かく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 11
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 12

 以下は2001年頃?に発売されたフランクリン ミント製のロールス ロイス シルバー ゴースト (1/12 型番SG112)の画像です。これは縮尺1/12なので全長395㎜X全幅145㎜(重量約3㎏)とかなり大きなサイズです。最近のオートアート製の1/18のミニカーはかなり精密に出来ていますが、これは1/12なので私の知る限りでは一番精密に仕上げられているミニカーだと思います。ただこのレベルになるとミニカーというよりも精密なスケールモデルといえるでしょう。特にこのシルバーゴーストのような初期の自動車は機械的に動作する部分が多いので、それらが良く再現されています。ヘッドライト/ランタン/テールライトが点灯するギミックも付いています。上述した1/24とほぼ同じ部分を撮影した画像を以下に載せていますので、1/24との仕上がりの違いを見てください。(一見すると同じように見えますが、よく見ると全然別物です) 以下は全体の画像とドア開閉/室内の画像です。内装のシートは合成皮革を使っているようで、実車の本革張りシートの質感が感じられます。助手席足元にある木箱(現在のグローブボックス的な物)は本物の木材を使っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 13
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 14

 以下はフロント(エンブレム拡大/ヘッドライト点灯)/前輪操舵動作の画像とリア(テールライト点灯)/リアトランク開閉の画像です。ランニングボードのツールボックス(電池収納部)の裏側にライトを点灯させるスイッチがあります。リアには小さなトランクを備えていて、このトランクは開閉できます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 15
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 16

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像とエンジンの拡大画像です。6気筒エンジンはディストリビュータから各気筒毎2個のスパークプラグに接続されたハイテンションコードが見事に再現されています。実際に回転するラジエーターファンとそれを駆動するベルトまで再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 17
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 18

 以下は床下/前輪操舵ギミックの画像と後輪のドライブシャフト動作の画像です。前輪操舵ギミックは上記1/24と同じような出来ばえですが、後輪はより一層リアルで後輪を回転させるとドライブシャフトも回転します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 19
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 20

 以下は運転席右横の操作レバー部分の画像です。操作レバーはハンドブレーキと変速レバーで、どちらも実際に動かすことが可能で、ブレーキを操作すると実車同様にケーブルで接続された左右後輪のドラムブレーキのレバーが引っ張られます。(実際にブレーキがかかるわけではないですが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 21
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 22

 以下は後席のスターティング ハンドル(エンジン始動用)/リアのリーフスプリング後端/の画像と後席のアームレスト/ランニングボードのツールボックスの画像です。スターティング ハンドルはサポート用ストラップでサスペンションに結ばれていますが、このサポートを外すとハンドルを回すことが出来ます。ハンドルを回すと実車同様にクランクシャフトが回転してベルト駆動されているラジエーター ファンが回ります。後輪サスペンションのリーフスプリング後端は横方向のリーフスプリングと接続されているのですが、その接続構造が実にリアルに再現されています。リアシート中央の折り畳み式アームレストは引き出すことができます。ランニングボードのツールボックスはライト点灯用の電池(単4電池2本)収納部となっています。電池を収納していないツールボックス内には「1907 Rolls-Royce A2840 Silver Ghost」と書かれた銘板が入っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 23
ROLLS ROYCE SILVER GHOST (40/50HP) 24

 画像は載せませんが、このミニカーには小さな取扱説明書と貴重品保護用の白手袋と細かな部分を操作する為の耳かきのようなツールまで付いていました。(私は手袋など使いませんので未使用ですが)

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LANCHESTER 20HP LANDAULET 1908 UK

LANCHESTER 20HP LANDAULET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCHESTER 20HP LANDAULET


MINIALUXE 29 1/43 84mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.5m エンジン 変速機: 4気筒 2.5L 28HP 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでランチェスターのミニカー検索

ランチェスター 20HP ランドレー イギリス 1908年

 

 優れた技術者であったランチェスター 3兄弟が1895年に設立したランチェスター エンジン社はイギリスで最初にガソリンエンジン搭載自動車を製作した会社でした。1985年に単気筒1.3Lエンジンを搭載した第1号車が完成し、それを改良して空冷2気筒4Lエンジンを搭載した量産車が1901年から販売されました。この車はエンジンをカバーするボンネット部分がなく、サイドレバー操作による前輪操舵、遊星歯車を使った変速機など独創的な技術で構成されていました。1904年にランチェスター エンジン社は清算されランチェスター モーター社として再建されました。(実車画像→ ランチェスター 12HP 1901)

 

 1904年に水冷4気筒2.5Lエンジン搭載車、1905年には6気筒エンジン搭載車、1906年にはシャフトドライブ式6気筒エンジン搭載車が登場しました。1908年からは前輪操舵が一般的なステアリングホイール式となりました。1911年には新しい4気筒エンジン搭載車と6気筒エンジン搭載車が登場しました。第1次大戦中は航空機エンジンと装甲車を生産しました。戦後は6気筒エンジン搭載のロールス ロイス並みの高級車を生産しましたが、経営不振で1931年に高級車メーカー ディムラー社に買収されました。以後ランチェスターの名前は1950年代まで残っていましたが、その中身はディムラーでした。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたフランスのMINIALUXE(ミニオール)製です。モデル化しているのは4気筒2.5Lエンジンを搭載した20HPだと思われます。この20HPは初期のランチェスターの特徴であるボンネット的な部分が無い構造で、運転席手前のカバーのようなものでエンジン部分を覆っています。また前輪は運転席右側にあるレバーで前輪を操舵しました。MINIALUXEのミニカーは全てプラスチック製でクラシックカーに付き物の灯火類や操作レバーがきちんと別パーツで取付けられているなど、当時のミニカーとしてはかなりリアルに作ってありました。このランチェスターも大きなラジエータなどフロント周りの特徴的な造形がリアルに再現されていて、とても良い出来ばえです。ランチェスターの量産ミニカーはこれしか無いようですので、車種的に貴重な存在です。MINIALUXEのクラッシックカーのミニカーにはこのような珍しい車種がいくつかありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCHESTER 1
LANCHESTER 2

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DAIMLER 38HP 1910 UK

DAIMLER 38HP
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DAIMLER 38HP


CORGI 9021 1/43 107㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m エンジン 変速機: 4気筒 6280cc 40HP 4段変速
性能: 最高速80km/h  データーベースで戦前のディムラーのミニカー検索

ディムラー 38HP イギリス 1910年

 

 イギリスの技術者フレデリック シムス(Frederick Richard Simms )はゴットリープ ダイムラーからダイムラー製エンジンの特許実施権を得て、そのエンジンを搭載した自動車を完成させました。投資家のハリー J ローソン(Harry John Lawson)はシムスの特許権を買い取り、1896年にイギリス最古の自動車メーカー ディムラー モーター社を設立しました。1897年には最初のディムラー車(2気筒エンジン搭載)が発売されました。なお「ディムラー」と「ダイムラー」はどちらも綴りは同じDAIMLERなのですが、イギリス製のDAIMLERはドイツ製と区別する為「ディムラー」と表記しています。(最近はあまり区別しないようですが、私は昔流でディムラーとしています)

 

 1900年にイギリス王室は初めての自動車としてディムラー車を購入し、エドワード7世がディムラー 22HP(1902年式)を王室最初の御料車に指定したことで、それ以後の約50年間 英王室御料車はディムラーが担当するようになりました。(実車画像→ ディムラー 22HP) ディムラーは御料車に指定されたことで上流階級の人気を得て業績を伸ばしていきました。1908年にはスリーブ バルブ(シリンダ側面のスリーブに吸排気ポートを設ける構造)式エンジンの製造権を得て、このエンジンの優れた静粛性を生かした高級車を製造しました。画像のディムラー 38HPもそのスリーブ バルブ式エンジンを搭載した車で、この車のリムジーンは王室御料車に採用されていました。

 

 

 ミニカーは1964年に発売されたコーギー製で、当時のマニア向けのクラシック シリーズの一台です。コーギーのクラシック シリーズはいずれも当時のミニカーとしては素晴らしい出来ばえでした。このディムラー 38HPもディムラーの特徴である上部にフルート(縦溝)が刻まれたフロントグリル、ウインドースクリーン中央のクラクション、灯火類などの細部がリアルで良く出来ています。またコーギーが得意としていたフィギュアが4体乗っています。この当時の服装をしたフィギュアは綺麗に彩色された良い出来ばえで、お抱え運転手の運転で家族がドライブしているといった楽しい雰囲気のミニカーになっています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DAIMLER 38HP 1
DAIMLER 38HP 2

 以下は1996年に発売されたマッチボックス製のディムラー A12 1911 (1/45 型番YMS05)の画像です。A12は上記38HPと同時期の車で、4気筒1.7L(12HP)スリーブバルブ エンジンを搭載した当時のディムラーとしてはサイズの小さな車(全長約3.8m?)だったようです。マッチボックスは1966年に型番Y13でディムラー A12をモデル化していましたが、これはマッチボックス Yシリーズ40周年記念モデルとして特別に豪華なカラーリングを施して再生産されたものでした。専用の箱に収められていて、Yシリーズ40周年記念メダルが付いていました。このYシリーズ40周年記念モデル(型番YMS**)はこれ以外にも7種類ほどがありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DAIMLER A12 1
DAIMLER A12 2

 以下はフロント/リアの拡大画像とYシリーズ40周年記念メダルの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DAIMLER A12 3
DAIMLER A12 4

 以下は上述した1966年に発売されたマッチボックス製のディムラー A12 1911 (1/45 型番Y13)の画像です。Yシリーズの初期のミニカーですで、子供の頃に入手した物なので多少傷がついています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DAIMLER A12 5
DAIMLER A12 6

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DENNIS FIRE ENGINE WITH LADDER ESCAPE 1910 UK

DENNIS FIRE ENGINE WITH LADDER ESCAPE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DENNIS FIRE ENGINE WITH LADDER ESCAPE


CONRAD 1025 1/43 177㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約7.6m 全幅約2m エンジン 変速機: 4気筒 5.2L? 
性能: 最高速 不詳  データーベースで戦前の消防車のミニカー検索

デニス 消防車 はしご付 イギリス 1910年

 

 イギリスのデニス スペシャル ビークル社(Dennis Specialist Vehicles)は大型トラックと消防車のメーカーでした。その前身はデニス兄弟が1895年に創立した自転車を製造するデニス兄弟社で、1898年から自動車の製造を始めました。同社はイギリス初の自動車製造工場を設立し、1900年代には小型車から中型車まで数モデルを販売するようになりました。1903年には最初のバス、1908年に最初の消防車を製造し商用車メーカーとして発展しました。第1次大戦では軍用車を製造しましたが、戦後は軍用車の需要がなくなり清掃車やバスなどを製造し乗用車生産から撤退しました。第2次大戦中はトラック製造を行い、戦後はバス/トラック/消防車のメーカーとして2007年まで存続しました。

 

 同社は消防車に関しては独特の技術を保有していました。デニス消防車は当初から、他のメーカーが使用しているピストンポンプではなく遠心ポンプまたはタービンをウォーターポンプとして使用していました。これは一般的なピストンポンプよりも構造が複雑で製造が難しいのですが、送水ポンプとして利点がありました。河川などから消火用の水を吸引するのではなく消火栓から水が供給される場合、この消火栓の水圧は遠心ポンプを介することで増圧されるのですが、ピストンポンプではその増圧が出来ませんでした。またピストンポンプの吐出圧は大きく変動するので、この変動を抑えるために空気を満たしたレシーバーを介する必要がありました。

 

 

 ミニカーは1985年に発売されたコンラート(CONRAD)製で、1910年のデニス 消防車をモデル化しています。コンラートはドイツのミニカーメーカーで、1950年代からダイキャスト製のミニカーを販売していました。(以前はGESCHというブランド名も使っていました) 1980年代には1/43の乗用車も手掛けていましたが、現在は1/50のトラックやクレーン車などをメインにしています。(日本国内にはほとんど輸入されていませんが) このデニス 消防車は、はしご以外はほとんどがメタル製パーツなので、がっちりとした出来ばえです。実車の画像と見比べると、クラクションと鐘やはしごの取り付け金具など細かなところまで良く再現されています。ボンネットを取り外すとエンジンが再現されています。また移動用の車輪が付いたはしごは実車同様に脱着でき、はしごは3段重ねで延ばすこともできます。これ以外のデニス消防車のミニカーは同じようなタイプの1921年式をヤトミンが1/43でモデル化しています。消防車以外のデニスのミニカーとしてはTINYが2階建てバスを10数種類モデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。フロントグリルの上部には見難いですが「DENNIS」のロゴが付いています。リアの荷台の横には「LONDON FIRE BRIGADE(ロンドン消防署)」と表示されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DENNIS FIRE ENGINE WITH LADDER ESCAPE 1
DENNIS FIRE ENGINE WITH LADDER ESCAPE 2

 以下はボンネットを外したエンジンルームの画像とはしごを脱着した状態の画像です。車輪の付いたはしごはプラスチック製です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DENNIS FIRE ENGINE WITH LADDER ESCAPE 3
DENNIS FIRE ENGINE WITH LADDER ESCAPE 4

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