ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MASERATI 250F 1957 ITALY

MASERATI 250F
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI 250F


BRUMM R092 1/43 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.05m 全幅約1.5m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 2.5L 270HP 5段変速
性能: 最高速290km/h  データーベースでマセラティ 250F のミニカー検索

マセラティ 250F  イタリア 1957年

 

 前述したスポーツカー マセラティ A6をベースにしたレーシングカー A6GCMが1951年に登場しました。1952年と1953年のワールドチャンピオンシップはエンジン排気量2Lのフォーミュラ2(F2)で行われており、DOHC 6気筒2L(160HP)エンジンを搭載したA6GCMはこのF2用のマシンでした。(実車画像→ マセラティ A6GCM)

 1953年にG.コロンボ(後のフェラーリの設計者)がA6GCMを大幅に改良し、A6SSGに発展させました。A6SSGはエンジンを200HPにパワーアップし、サスペンションが改良され、外観も変わっていました。F2時代にはフェラーリ 500F2が圧倒的に強かったのですが、A6SSGはJ.M.ファンジオがドライブして1953年のイタリアGPで優勝するなど善戦しています。(実車画像→ マセラティ A6SSG)

 

 1954年に2.5Lエンジンのフォーミュラ1(F1)が施行され、それに対応した250Fが登場しました。250FはA6SSGをベースにしたマシンで、デビュー戦の1954年アルゼンチンGP(ドライバー J.M.ファンジオ)で優勝しています。1955年から1957年にかけて250Fは大活躍し、1957年にはマセラティ初のワールドチャンピオンシップを獲得しました。ただ1957年をもってマセラティはF1から撤退しました。250Fはエンジンをフロント搭載したF1の最高傑作とされています。

 

 

 ミニカーはブルム製で、1983年頃に発売されました。1957年のドイツ GP優勝車(ドライバー J.M.ファンジオ)をモデル化しています。ノーズが少し尖りすぎのような気がしますが、当時のミニカーとしては良くできていました。ブルムはV型12気筒エンジンのテスト車など10種類ほどのバリエーションを出しています。それ以外ではソリドの1/43、ポリスティルの1/43と1/16、CMCの超精密1/18などがあります。 以下はフロントの拡大画像と俯瞰/コクピット周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI 250F 1
MASERATI 250F 2

 以下は1999年に発売された同じブルム製のF1 ワールド チャンピオン シリーズ 2の1台でマセラティ 250F #2 J.M.ファンジオ アルゼンチン GP 優勝 (1/43 型番S050)の画像です。上記の型番R092より製作された時期が新しいので、ワイヤースポークホイール/タイヤがリアルになるなど全体的にリファインされています。このシリーズは限定5000台ということなのですが、5000台も作るのなら限定品とはあまり思えないです。ただブルムの限定品は2500-5000台というのが多いです。(本当に限定品なのかは?ですが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI 250F 3
MASERATI 250F 4

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MASERATI 3500GT 1957 ITALY

MASERATI 3500GT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI 3500GT


MERCURY 24 1/43 108㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 3.5L 225HP 4段変速
性能: 最高速230km/h  データーベースでマセラティ 3500GTのミニカー検索

マセラティ 3500GT イタリア 1957年

 

 1957年にマセラティ 250FでGPレースのタイトルを獲得したマセラティは財政難からワークス活動から撤退し、量産車の販売に本腰をいれました。その年に発表された3500GTはカロッツェリア トゥーリング製の2+2座クーペ ボディにGPカー譲りのDOHC 6気筒3.5L(225HP)エンジンを搭載した高級車で、4段変速で最高速230km/hの性能でした。1960年にフロント ディスクブレーキが採用され、1961年にルーカス製の燃料噴射装置で235HPにパワーアップし5段変速を採用した3500GTIとなり、1962年にフロントグリルなどの外観が少し変更されました。3500GTは1964年までに約2000台が生産されて大成功し、マセラティの財政状況を回復させました。

 

 1959年にミケロッティのデザインでカロッツェリア ヴィニャーレがボディを架装した3500GT スパイダー ヴィニャーレが登場しました。ホイールベースがクーペよりも100mm短く、ボンネットやトランクリッドはアルミ製で軽量化されていました。最高速はクーペと同じ230km/hでしたが、加速性能が向上していました。1961年に上述のクーペと同じ燃料噴射式エンジンに変更され、1964年までに約250台が生産されました。 (実車画像→ マセラティ 3500GT スパイダー ヴィニャーレ 1963)

 

 

 ミニカーは1963年に発売されたマーキュリー製の当時物です。マーキュリーは実車パーツ製作が本業でしたが、1960-1970年代にはミニカーも手掛けていて、当時としてはレベルの高いミニカーを作っていました。この3500GTもダイナミックな造形で実車の持つ迫力をうまく再現しています。厳密なことをいうとキャビン部分がやや小さめにデフォルメされているのでプロポーション的には少し外れているのですが、そんなことは気にならないぐらいのビンテージ物の傑作ミニカーです。ボンネット/トランクの開閉ギミック付です。当時物ミニカはこれしかなく当時物以外ではミニチャンプスのスパイダー、ネオ(レジン製)のクーペがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とトランクを開閉したリア/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI 3500GT 1
MASERATI 3500GT 2

 以下は2002年に発売されたミニチャンプス製のマセラティ  3500GT スパイダー ヴィニャーレ 1961 (1/43 型番400123230)の画像です。プロポーションが良く、クーペとは異なるフロントエンドの造形など実車のデザインをうまく再現しています。またフロントグリルの3本の矛のエンブレム、サイドから引き回した排気管、室内造形などの細部もミニチャンプスらしいリアルな仕上りとなっています。なおこのミニカーは車体底板部分のサスペンションなどの足回りもかなりリアルに再現しています。ただミニチャンプスは車高をかなり下げた状態でモデル化するので、そこがやや不自然な感じもします。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI 3500GT SPIDER 1
MASERATI 3500GT SPIDER 2

 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI 3500GT SPIDER 3
MASERATI 3500GT SPIDER 4

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BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 1957 UK

BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR


MINICHAMPS 436139550 1/43 127㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.38m 全幅約1.9m エンジン 変速機: V型8気筒 4.9L 200HP 4段自動変速
性能: 最高速175km/h  データーベースでベントレー S シリーズのミニカー検索

ベントレー S1 タイプ コンチネンタル フライング スパー イギリス 1957年

 

 前述したロールス ロイス シルバー クラウド I のベントレー版のベントレー S1は1955年に登場しました。この世代でロールス ロイスとベントレーは基本的に同じ性能になりましたが、2ドア クーペやオープンのドロップヘッド クーペを架装したベントレー コンチネンタルだけは圧縮比を高めてパワーアップがされていてスポーティになっていました。このフライイング スパー(飛翔する拍車)と名付けられたモデルは、H.J.マリナー製のコンチネンタル クーペのデザインを生かして4ドア化したものでした。アルミ製のボディは手作りで標準のS タイプより豪華な内装に仕立てられた特別なモデルでした。

 

 フライング スパーは当時最も高速でかつ最も高価な4ドアサルーンでした。ロールス ロイス シルバー クラウド I と比べてみると、リアフェンダーあたりのデザインが少し違っていますが、これはフライイング スパーがコーチビルダーによる特別なデザインであったからです。なおこの頃にはセダンにコーチビルダー製のボディが架装されることは少なくなり、ほとんどがロールス ロイス内製の標準ボディとなりました。

 

 

 1959年にベントレー S1はエンジンがV型8気筒6.2Lに変更されてS2(シルバー クラウド IIの兄弟車)となりました。S1の総生産台数は約3500台でした。(その中でコーチビルダー製のボディは約500台) 1962年には4灯式ヘッドライトを採用しボディが全面的に変更され、エンジンが少しパワーアップされたS3(ロールス ロイス シルバー クラウド IIIの兄弟車)となりました。S2の総生産台数は約2200台でした。1965年にS3からT シリーズ(ロールス ロイス シルバー シャドウの兄弟車)にモデルチェンジしました。S3の総生産台数は約1600台でした。

 ミニカーは2007年に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスの箱には1955年式と表示されていますが、フライング スパーが登場したのは1957年ですから、1957年式とするのが正しいでしょう。ミニチャンプスらしいそつのない造形で実車がうまく再現されています。フロントグリル/灯火類や室内などの細部もリアルに再現されています。これ以外のベントレー S タイプの当時物ミニカーはコーギーのS2、スポットオンのS2、ディンキーのS2などがありました。当時物以外では、べレムのS1、フランクリン ミントのS1 1/24、ミニチャンプスのS2、オックスフォードのS1、スパーク(レジン製)のS1とS3、ネオ(レジン製)のS3などがあります 以下はフロント(エンブレム拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 1
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 2

 以下は1961年に発売されたコーギー製の当時物 ベントレー S2 コンチネンタル スポーツ サルーン 1956年 (1/50 型番224)の画像です。縮尺が1/50と少しサイズが小さいですが、2ドアクーぺをモデル化しています。コーギー流のデフォルメがされていますが、実車の雰囲気がうまく再現されています。ヘッドライトだけではなくリアライトにもラインストーンを使うなど贅沢な作りでした。トランクが開閉するギミックと前輪操舵ギミックが付いています。前輪操舵ギミックの詳細はこちら→ 前輪操舵ギミックのページ (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 3
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。ヘッドライトだけではなく、リアライトにも赤いラインストーンが使用されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 5
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 6

 以下は1986年に発売されたべレム(ソリドの別ブランド)製のベントレー S1 1956 (1/43 型番V311)の画像です。ソリドのロールス ロイス シルバー クラウド II (型番115)の型をリファインしフロントグリルなどを変更してベントレー S1に仕立てています。経年変化でサスペンションがへたったので、車高が下がった状態となっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 7
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 8

以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 9
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 10

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VAUXHALL VICTOR FA 1957 UK

VAUXHALL VICTOR FA
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VAUXHALL VICTOR FA


VANGAURDS VA03810 1/43 101㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.24m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 48HP 3段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでヴォクスホール ビクターのミニカー検索

ヴォクスホール ビクター FA イギリス 1957年

 

 1910年代の傑作車プリンス ヘンリーで知られているヴォクスホール モーターズ社は、1925年にアメリカのGMに買収されました。その後GM傘下ながらも、ヴォクスホールはイギリスの国情に合った独自の車両開発を行いました。乗用車では小型車から大型車までのラインアップを整え、商用車ではベッドフォード(BEDFORD)ブランドを展開し、戦前には年間6万台を生産する量産メーカーになっていました。

 

 戦時中は軍用トラックやベッドフォード エンジンを搭載したチャーチル歩兵戦車などを生産しました。戦後は1946年から乗用車生産を再開し、1951年には戦前型を改良しフラッシュ サーフェス ボディを採用した4気筒1.5L(45HP)エンジン搭載のワイバーン(WYVERN)と、同じボディに6気筒2.3L(55HP)エンジンを搭載したヴェロックス(VELOX)が登場しました。(参照画像→ ヴォクスホール ワイバーン 1952ヴォクスホール ヴェロックス 1955)

 

 

 1957年にワイバーンの後継としてビクターが登場しました。GMグループのドイツのオペル レコードをベースにした車で、4気筒1.5L(48HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速120km/hの性能でした。フロントスクリーンの形状や派手なモールなどアメリカ車的なデザインが採用されていました。1961年までに約40万台が生産され、商業的にはかなり成功したようです。1960年に後継車のビクター FBが登場し、1963年にビクター FC、1966年にビクター FD、1972年にビクター FEと続きました。(いずれもオペル レコードがベースでした)

 ミニカーは2005年に発売されたコーギー系列のバンガーズ製です。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。全体的にはレトロな作風ながら、フェンダーミラーやエッチング材のワイパーは現代風でリアルに仕上げてあります。クローム モールやテールライトの塗装処理やヘッドライトへのラインストーン埋込みなどは昔のコーギー風で、この辺の処理は老舗ブランド コーギーの昔なじみのファンに対する心使いでしょう。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VAUXHALL VICTOR FA 1
VAUXHALL VICTOR FA 2

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LOTUS ELITE S1 1957 UK

LOTUS ELITE S1
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LOTUS ELITE S1


IXO CLC047 1/43 88㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.66m 全幅約1.47m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 76HP 4段変速
性能: 最高速185km/h  データーベースでロータス エリートのミニカー検索

ロータス エリート シリーズ 1(S1) イギリス 1957年

 

 大学生であったコーリン チャップマンがオースチン セブンをベースにしたレースカーを製作し、この車が好成績をあげたことからロータスの歴史が始まりました。1952年にロータス エンジニアリング社が設立され、本格的なレースカーとして開発されたロータス マーク VIは高性能で安価であったことから、プライベートチームに好評を博しました。その後もマーク XIまでのレースカー販売で順調に資金を蓄えたロータスは、GPレースへの本格参戦と市販スポーツカーの販売に乗り出しました。 (実車画像→ ロータス マーク VI)

 

 1957年に最初の市販スポーツカーのセブンとエリートが発表されました。エリートはFRPによるフルモノコックという特殊な構造のクーペ ボディで、ジャガー並みの価格の高級GTカーでした。エンジンは4気筒1.2L(76HP)、4段変速機で、最高速は軽量なボディの為185km/hと高性能でした。 1960年にシリーズ 2(S2)に発展し、85HPの高性能版SEが追加されるなどして、1963年までに約1000台が生産されました。エリートは結構売れましたが、特殊な構造故に製造コストが高く、営業的には失敗作でした。

 

 

 ミニカーは2004年に発売されたイクソ製です。エリートの微妙なスタイルがうまく再現されていて良い出来ばえでした。室内も良く再現されていて、ワイヤースポークホイールもリアルな造形です。ブリティッシュグリーンのカラーリングはセンスが良いです。レース仕様など数種類のバリエーションがありました。エリートの当時物ミニカーはありません。このイクソ製以外のエリートのミニカーは、ヤトミンの1/18、オックスフォードなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LOTUS ELITE S1 1
LOTUS ELITE S1 2

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