ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

戦後のイギリス国産自動車メーカーの変遷 1950 UK

第二次大戦後、外国資本から自国資本を守るためイギリスの国産自動車メーカーは団結してBMC(ブリティッシュ モーター コーポレーション)を結成しました。その後も国産自動車メーカーは合併・分裂等を続けました。その変遷を以下のように年表にまとめました。

makers

 1952年に誕生したBMCはライレー、MG、モーリス、ウーズレーを有するナッフィールド グループと、オースチン、バンデン プラを有するオースチンが合併して生まれました。BMCは伝統のある各ブランドの個性を守りながら部品の共通化と車種統合を進めました。1966年には、ジャガーとデイムラーを加えBMH(ブリティッシュ モーター ホールディングス)となり、1968年には、トライアンフと大型商用車レイランドを有するレイランド グループと、ローバー、ランドローバー、アルビスを有するローバー グループを併合しBLMC(ブリティッシュ レイランド モーター コーポレーション)に発展しました。

 BLMCは1975年に財政再建の為に国有化され、BL(ブリティッシュ レイランド)と改名されました。1984年にはジャガーが分割民営化され、オースチン ローバー グループに変わりました。この時点でジャガー、ミニ、ローバー、MG以外のブランドは全て消滅してしまいました。

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ALFA ROMEO 1900 1950 ITALY

ALFA ROMEO 1900
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1900


BRUMM R089 1/43 101mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.4m 全幅約1.6m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.9L 90HP 4段変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでアルファ ロメオ 1900のミニカー検索

アルファ ロメオ 1900 イタリア 1950年

 

 高性能なツーリングカーを量産して比較的低価格で提供するといった、戦後のアルファ ロメオの路線に沿って1950年に登場したのがアルファ ロメオ 1900でした。1900はモノコック構造の4ドアボディにDOHC 4気筒1.9L(80HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速150km/hの性能でした。戦前のアルファ ロメオほど高性能ではありませんでしたが、1900は当時の2Lクラスとしては最速の車でした。高性能ながら価格は中級車 フィアット 1900の約1.5倍と低価格でしたので、この車は成功しました。

 

 アルファ ロメオの標準ボディはベルリーナ(セダン)だけでしたが、コーチビルダーによって2ドアクーペやカブリオレなど様々なボディが架装されました。その代表的なモデルとしてはトゥーリング製のスーパー スプリント クーペ、ピニンファリーナ製のカブリオレ、ザガート製のSS クーペなどがありました。1951年には100HPにパワーアップしたTIが追加され、1953年には排気量を拡大した2L(90HP)のスーパー、2L(115HP)のTI スーパーが追加されました。1958年に後継車の2000が登場し、1959年に生産中止となりました。1900シリーズの総生産台数は約21000台でした。

 

 

 ミニカーは1983年に発売されたブルム製です。特徴的なフロントグリルがうまく再現されているなど、1980年代の量産ミニカーとしては良い出来ばえでした。ただボンエット先端のマスコット(飛翔する鳥?)はもうすこしリアルに仕上げて欲しかったですが。このような地味なセダンなどもモデル化していた初期のブルムは、私にとってはありがたいブランドでした。ブルムはラリー仕様など数種類のバリエーションを作っていました。当時物ミニカーとしてはディンキー(英)のスプリント クーペ、マーキュリーのセダンがありました。当時物以外では、M4、M4傘下のリオ、ネオ(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO 1900 1
ALFA ROMEO 1900 2

 以下は1987年に発売されたブルム製のアルファ ロメオ 1900 TI レース仕様(1/43 型番R145)の画像です。上記のバリエーションで1954年のカレラ パナメリカーナ メヒコに参戦して総合18位となった256号車をモデル化しています。なおこのレースで優勝したのはフェラーリ 375 プラス(19号車)でした。バンパーに補助灯を追加しデカールを貼っただけのラリー仕様ですが、実際もこの程度の変更でレースに参戦していたようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1900 1
ALFA ROMEO 1900 2

 以下は1961年頃に発売されたディンキー(英)製の当時物 アルファ ロメオ 1900 スーパー スプリント(1/43 型番185)の画像です。コーチビルダー トゥーリング製の2ドア クーペをモデル化しています。これは1980年頃にミニカー仲間から譲っていただいたものでした。60年以上も前に発売されたミニカーですので素朴な出来ばえですが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。なお経年変化で塗装が多少くすんでいたり小傷がありますが、それはこれがリペイントではなくオリジナル塗装である証拠です。同じ型を使ったディンキー(仏)版(型番527)もありました。(実車画像→ アルファ ロメオ 1900 スーパー スプリント) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1900 SUPER SPRINT 1
ALFA ROMEO 1900 SUPER SPRINT 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1900 SUPER SPRINT 3
ALFA ROMEO 1900 SUPER SPRINT 4

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BENTLEY MK VI 1950 UK

BENTLEY MK VI
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY MK VI


IXO MUS052 1/43 114mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.88m 全幅約1.78m エンジン 変速機: 6気筒 4.3L 132HP 4段変速
性能: 最高速154km/h  データーベースでベントレー MKのミニカー検索

ベントレー MK VI イギリス 1950年

 

 1946年に登場した戦後型のベントレー MK VIはその1年後に発表されることになっていたロールス ロイス シルバー レイスのベントレー版でした。シルバー レイスのホイールベースが短縮されて、エンジンがチューンアップされていました。なおこの時代の高級車のボディはコーチビルダーが架装していましたが、このベントレー MK VIにはロールス ロイス社標準のスチール製ボディが設定されていました。

 

 このベントレーの標準ボディの採用はロールス ロイスにも波及しました。これはアメリカ市場でのコンパクトセダンの需要に対応したものでもありました。標準ボディ設定によって低コスト化されたベントレー MK VIのロールス ロイス版が検討され、それがロールス ロイス シルバー ドーン(DAWN:夜明け)として1949年に発表されました。1952年にシルバー ドーンがマイナーチェンジされた際にシルバー ドーンは名前を変えませんでしたが、ベントレー MK VIはベントレー R タイプに名前が変更されてモデルチェンジとなりました。ベントレー MK VIの総生産台数は約5200台でした。

 

 

 ミニカーは2014年に発売されたイクソ製のミュージアムシリーズです。良くできたマスコットの付いたフロントグリルやヘッドライト類など、このシリーズに共通するレベルの高い仕上がりでした。銀/黒のツートンカラーは実車に即したカラーリングで、室内もそこそこ良く再現されています。ベントレー MK VIのミニカーは最近までウエスタンモデル(ホワイトメタル製)の物しかなかったので、イギリス製高級車を代表する車として標準ボディを採用したベントレー MK VIがダイキャスト製1/43ミニカーとしてモデル化されたのは嬉しいことでした。その後ベントレー MK VIはオックスフォードの1/43と1/76、マトリックス(レジン製)などで20種類ほどがモデル化されました。 以下はフロント(エンブレム/マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY MK VI 1
BENTLEY MK VI 2

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FORD V8 PILOT 1950 UK

FORD V8 PILOT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 PILOT


DINKY (MATCHBOX) DY05 1/43 104mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.55m 全幅約1.77m エンジン 変速機: V型8気筒 3.6L 85HP 3段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでフォード V8のミニカー検索

フォード V8 パイロット イギリス 1950年

 

 第2次世界大戦中のイギリス フォードはイギリス軍の要請に従い、軍用車両やそのエンジンの生産を行いました。Wikipediaによればロールス ロイスの航空機用エンジンをロールスロイスと同等の品質で本家よりも効率的に生産したとのことです。(さすがはフォード式生産方式です)

 第2次世界終了後すぐに戦前型V8の小改良版で自動車生産が再開されました。戦前のモデルとしては欧州向けに開発した4気筒1Lクラスのエンジンを搭載し「ベビー フォード」と呼ばれた小型車のY型(アングリアとその上級車のプリフェクト)と、アメリカ本国と同じV型8気筒エンジンを搭載した中型車V8の2種類がありました。

 

 戦前型V8を改良して1947年に登場したのが、V8 パイロットでした。V型8気筒3.6L(85HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速130km/hの性能でした。セダン以外にワゴンやピックアップもありました。戦前型そのままのボディ、前後ともリーフ式のサスペンションなど旧式の設計でしたが、1951年までに約22000台が生産されました。

 

 

 ミニカーはマッチボックス傘下のディンキー製で、1991年頃に発売しされたものです。ディンキー ブランドを復活させてマニア向けとして作られたミニカーでした。ややレトロな作風なのはその為で、プロポーションがしっかりしていて、実車の雰囲気がうまく再現され良い出来ばえでした。リアフェンダー左の燃料給油口やリアのナンバープレート、スペアタイヤカバー上の「V8 PILOT」ロゴなど細部も良く再現されています。この時代のフォードのオーソドックスなセダンはほとんどモデル化されていないので、車種的に貴重です。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD V8 PILOT 1
FORD V8 PILOT 2

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SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 1950 SWISS

SAURER 3CT1D (C TYPE)  BUS ’BVB’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D (C TYPE)  BUS ’BVB’


VITESSE 221 1/50 154㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約7.5m 全幅約2.4m エンジン 変速機: 6気筒 8.7L ディーゼル 130HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでザウラーのミニカー検索

ザウラー 3CT1D (C タイプ) バス ’BVB’ スイス 1950年

 

" スイスのアドルフ ザウラー(Adolph Saurer)社は1853年に設立された歴史のある会社で、最初は織機を生産していました。1897年には自社製の単気筒エンジンを搭載した乗用車を開発し販売しました。1903年からトラックなどの商用車の製造をはじめそれらの評判が良かったので、1910年代にはトラックとバスの製造に特化するようになりました。第1次世界大戦中は航空機のエンジンも製造していました。

 1927年にメルセデス ベンツが世界初のディーゼルエンジンを搭載したトラック 5K3を発売しました。ザウラーも当時ディーゼルエンジンの有効な特許を取得しており、その後も1980年代までディーゼルエンジンに関して豊富な実績を持つ会社でした。1928年に同業のスイスのベルナ(BERNA)社と提携し、ザウラーとベルナの商用車はヨーロッパ中で広く使われるようになりました。"

 

 第2次戦後もザウラーの商用車は好調で、船舶や鉄道用のディーゼルエンジンの製造にも進出しました。戦前から始めたトロリーバスの製造も主要な事業となっていました。また1950年代にイタリアの商用車メーカーのOMとライセンス契約し、OMの小型/中型商用車をスイス国内で販売しました。ザウラーは1980年代に販売不振となり、同業のスイスのFBW社と1982年に合併しNAW社と改名しました。その後NAW社はメルセデス ベンツ傘下となりましたが2003年に清算されて消滅し、現在のザウラー社は繊維機械メーカーとして存続しています。

 

 

 ミニカーは1985年頃に発売されたビテス製の初期物です。スイスのバーゼル市で使われた路線バス(21人?乗り小型バス)のBVB仕様をモデル化しています。BVBとはバーゼル市交通局のことで、ボディ側面のロゴはBVBのロゴです。ザウラー C タイプのバスは戦前から製造されていましたが、モデル化された実車が明確にわからないので、ここに記載した年式/諸元は正しくないかもしれません。ミニカーの縮尺は1/50で結構リアルなフロント造形やそこそこ良く再現された内装など、当時のミニカーとしては良く出来ていました。ルーフの前端についている角のようなものは行き先表示板や旗を付けるポールのようです。なおこのミニカーの箱の台座は本物の木製で、プラスチック製の台座より高級な梱包箱となっていました。(当時の値段は5000円と高価でした) ビテスはバリエーション展開でトラック/タンカー/消防車など約20種類を作っていました。ザウラー バスのミニカーとしてはスイスのTEK-HOBBYがこれとよく似たバス/トラックを数種類発売していますが、それはこのビテス製をベースにしているようです。それ以外ではシュコーやブレキナのザウラー バスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 1
SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 2

 以下は上記と同じビテス製のバリエーションで ザウラー S4C 幌付トラック 'ザウラー ディーゼル' 1952 (1/50 型番211)の画像です。バリエーションといってもバスとトラックですから、ボンネットキャブが同じだけで、それ以外は大幅に変更されています。これも当時のミニカーとしては良く出来ていました。このトラックも戦前から製造されていたモデルなので、ビテスの箱に表示されている1952年という年式は正しくないかもしれません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 1
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。幌の左側にはドイツ語でSAURERのロゴと「Sieger im wirtschattichen Wettbewerb」(英訳するとWinner in the economic Competition)と表示されていますが、ザウラーのディーゼルエンジンが経済的に一番優れているという意味でしょう。幌の右側はフランス語のようで、今一つ意味が分かりませんが、「ザウラーのトラックが一番優れている」という意味合いのようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 3
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 4

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