ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 1924 ITALY

ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX


MEBETOYS 8601 1/25 全長155㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.95m 全幅約1.55m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 2L スーパーチャージャー付 155HP 4段変速
性能: 最高速225km/h  データーベースでアルファ ロメオ P2/P3のミニカー検索

アルファ ロメオ P2 グランプリ イタリア 1924年

 

 1918年にアルファ社は実業家ニコラ ロメオが興したニコラ ロメオ技師株式会社に吸収されて、1921年にブランド名をアルファ ロメオに変更しました。この当時のアルファ ロメオは前述したエドワード期の24HPの改良型の20/30HPと4気筒6Lの40/60HPの2モデルがあり、レースでの活躍でイタリア国内では高性能車としての地位を固めていました。また1921年には6気筒3Lのツーリングカー RLを発表しました。

 

 アルファ ロメオはその名声を高めるためグランプリ(現在のF1)への参戦を決め、1914年にグランプリカーを製作しましたが、第1次大戦の勃発でグランプリへの参戦は中止となりました。戦後新たにグランプリカー P1を製作しましたが、1923年のモンザ GPのテストランの途中に事故を起こしてドライバーが死亡した為、参加を取りやめました。(実車画像→ アルファ ロメオ P1)

 

 

 その後フィアットから有能な技術者ヴィットリオ ヤーノを招き、短期間で1924年に完成させたのがP2でした。DOHC 直列8気筒2L スーパーチャージャー付(140HP)エンジンを搭載し最高速225Km/hの性能でした。P2は初戦から優勝しその後もブガッティ、メルセデス、フィアットなどの強豪を相手に輝かしい戦歴を収めました。1932年に後継車のP3が登場しました。なお1930年にニコラ ロメオ技師株式会社から自動車部門が独立して社名がS.A.アルファロメオ(S.A. ALFA ROMEO)となりました。

 ミニカーは1976年に発売されたメーベトイ製です。この当時はまだモデル化されていなかったアルファ ロメオ P2を初めてモデル化していました。メーベトイとしては後期のもので、当時としては珍しかった縮尺1/25の大スケールミニカーでした。メーベトイは1969年にアメリカのマテル社に買収されましたが、メーベトイの創業者は1974年から新たにマートイ(MARTOY)という新しいブランド名で縮尺1/24の大スケールミニカーを発売しました。マートイは1976年からブランド名を現在のBブラーゴ(BBURAGO)に変更しました。したがってこの1/25のP2のミニカーはBブラーゴの初期物と考えることもできます。実車の雰囲気が良く再現されていて、1/25とサイズが大きいこともあってコクピット内部などの細部もかなりリアルに出来ていました。初期の大スケールミニカーとしてはかなり良い出来ばえの秀作でした。P2はミニチャンプスもモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 1
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 2

 以下は2005年に発売されたミニチャンプス製のアルファ ロメオ P2 1924 (1/43 型番403241203)の画像です。具体的にどのレースに参戦したP2なのかを表示していないのですが、1924年フランスGPで優勝した#10をモデル化していると思われます。ミニチャンプスらしいそつのない造形で細部までリアルに仕上げてあり、とても良く出来ていました。特にフロントサスペンションは1/43サイズながら実にリアルに再現されていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 3
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 3
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 4

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AHRENS FOX R-K-4 FIRE ENGINE 1924 USA

AHRENS FOX R-K-4 FIRE ENGINE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX R-K-4 FIRE ENGINE


DELPRADO WORLD FIRE ENGINES No.7 1/64 全長104mm (梯子も含めると125㎜)
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6.5m 全幅約2m エンジン 変速機: 4気筒 11L 130HP 3段変速?
性能: 最高速 80km/h?   データーベースで戦前の消防車のミニカー検索

アーレンス フォックス R-K-4 消防車 アメリカ 1924年

 

 アーレンス フォックス社はアメリカのオハイオ州を拠点とする消防車メーカーでした。同社は1910年にジョン P.アーレンス(John P.Ahrens)とチャールズ H.フォックス(Charles H.Fox)によって設立され、1911年に最初のエンジン付き消防車を製造しました。その翌年には馬が引く馬車式消防車の生産が終了し、その後1970年代までに1500台以上の消防車が製造されました。アーレンス フォックス社の消防車は消防車のロールス ロイスと呼ばれて信頼されてきました。同社は2024年現在もHME アーレンス フォックス社として消防車を製作しています。(参照サイト→ HME アーレンス フォックス社 ホームページ)

 

 画像のミニカーは1920年代に製作された アーレンス フォックス R-K-4 消防車をモデル化しています。1920年代のアメリカでは既に高層ビルが建築されていました。その為消防車には高所まで放水できることが要求され、アーレンス フォックス社の消防車は他社よりこの放水能力が優れていたそうです。ボンネットの前に付いているのが2気筒の送水ポンプ(毎分2270Lの送水量)で、その上にあるメッキされた球体は送水ポンプの圧力変動を滑らかにする為のエアチャンバーです。当時の消防車は送水ポンプを車体中央/後部に装備している場合がほとんどだったので、ボンネットの前に装備された送水ポンプとその上のエアチャンバー(球体)はアーレンス フォックス社の消防車の特徴でした。4気筒11L(130HP)ガソリンエンジンで後輪を駆動し、このエンジンで送水ポンプも駆動しました。後部には水タンク、消防用ホース、はしごを装備しています。

 

 

 ミニカーは2003年に発売されたデルプラド製の「世界の消防車」の1台です。実車が大きいので縮尺1/64でモデル化されています。メーカーは明記されていませんが、アメリカのAMERCOM-HOBBYというメーカーの消防車シリーズに同じ物がありましたので、それを流用していたようです。安価な雑誌付きミニカーでサイズが小さいので、あまり細かいところまでは再現されていませんが、R-K-4 消防車の特徴である送水ポンプやエアチャンバーはきちんと再現されていました。はしごや消防用ホースもサイズが小さいですがそれなりに再現されていました。当時の定価は2000円ほどでしたから、値段を考えると良く出来ていました。これ以外のアーレンス フォックス 消防車のミニカーはヤトミンの1/24、シグネチャーの1/43、マッチボックスの1/43、フランクリン ミントの1/32などがあります。 以下はフロント/リアなど各部の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AHRENS FOX FIRE ENGINE 1
AHRENS FOX FIRE ENGINE 2

 以下は1993年に発売されたフランクリン ミント製のアーレンス フォックス R-K-4 消防車 1922 (1/32 型番TL77)の画像です。上記と同じ消防車をモデル化していますが、こちらは縮尺1/32ですので全長205㎜(後方に伸びたはしごも含めると250㎜)と大きなサイズになっています。フランクリン ミントの標準的な縮尺は1/24なのですが、1/24だとサイズが大きくなりすぎるので1/32としたようです。サイズが大きいので細かいところまで再現されていて、かなりレベルの高い出来ばえでした。ダッシュボード(スカットル)や床に張られたパネルにはプラスチックではなく本物の木が使われていました。最近の量産ミニカーでこのような本物の木を使っているのは、私の知る限りではフランクリン ミントぐらいしかありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX FIRE ENGINE 3
AHRENS FOX FIRE ENGINE 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。送水ポンプ周りのバルブやメーターなどは実にリアルにできていました。ボディ側面についている黒い消防ホースは取り外しが可能で、本物のような柔らかい樹脂でできているので曲げることもできます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX FIRE ENGINE 5
AHRENS FOX FIRE ENGINE 6

 以下はボンネットを開いたエンジンルームと俯瞰/床下部分の画像です。ボンネットを開くと4気筒エンジンがリアルに再現されていました。 床下の構造も良く再現されていて、前輪がステリングホイールで操舵できるギミック付きです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX FIRE ENGINE 7
AHRENS FOX FIRE ENGINE 8

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MAN DIESEL TRUCK 1925 GERMANY

MAN DIESEL TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL TRUCK


ZISS 304 1/43 全長143㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2.2m エンジン 変速機: 4気筒 ?L 40HP? 4段変速?
性能: 最高速 不詳 積載量4t? データーベースでMANのミニカー検索

MAN ディーゼル トラック ドイツ 1925年

 

 MANはMaschinenfabrik Augsburg-Nurnberg (アウクスブルク-ニュルンベルク機械工場)」の頭文字で、製鉄や建設などを行う重工業企業として1898年に誕生しました。1915年にスイスのザウラー社と共同でMAN-ザウラートラック社を設立し、トラックやバスの製造を始めました。その後MAN-ザウラートラック社はMANの子会社となりました。

 1914年に第1次世界大戦が始まり、馬に代わる輸送手段として欧米各国でガソリンエンジンを搭載する軍用トラックの開発が進められました。ドイツでは大量に必要となった軍用トラックの調達コストを下げる為、政府がトラックの統一基準を定め、すべてのメーカーに同じ規格のトラックを作らせるようにしました。また民間のトラックにも戦時には徴用できるという条件付きで購入に補助金を支給していました。

 

 MANは1923年に直噴式ディーゼルエンジンを開発し、ディーゼルエンジンを搭載したトラックを生産しました。第2次世界大戦中は戦車や潜水艦 Uボートのディーゼルエンジンを製造していました。戦後もトラックやバスなどの専門メーカーとして発展しました。現在はドイツのトラックメーカーとしてダイムラー ベンツに次ぐ2位のメーカーで、フォルクスワーゲンのグループ企業です。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたドイツのZISS(チィス)製です。MANが開発した最初のディーゼル トラックをモデル化しています。ZISSのミニカーはプラスチック部品をほとんど使用せず、がっちりとしたつくりで独特の雰囲気がありました。大型のトラックを1/43でモデル化しているので、大きなサイズで実車の雰囲気がうまく再現され、Wタイヤの後輪やそれを駆動するチェーンも再現しているなど当時としては出来の良いミニカーでした。なお金属製のフロントグリルには大きなMANのロゴが付いていますが、これは実車に即した物ではなく、ミニカーの見た目を良くする為に誇張しているようです。ZISSはバリエーションとしてタンクローリーやバスもモデル化していました。またボンネットとフロントグリルを変更して、同時代のトラックメーカー ヘンシェル(HENSCHEL)のトラックとタンクローリーもモデル化していました。ヘンシェルはディーゼルではなくガソリンエンジンを搭載していたようですが、上述したようにこの時代のドイツのトラックは規格が標準化されていたので、MANとヘンシェルはほとんど同じような外観だったようです。同様の理由で同時期のメルセデス ベンツ トラック 1932もよく似た外観でした。これ以外のMANのミニカーはリーツェ、ブレキナ、AMW、ヘルパなどが大型トラックやバスなどを非常にたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MAN DIESEL TRUCK 1
MAN DIESEL TRUCK 2

 以下は俯瞰/床下分の画像とチェーン駆動の後輪の画像です。チェーンはゴム製でギヤが回転するように見えますが、底板と一体成型されているので回りません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL TRUCK 3
MAN DIESEL TRUCK 4

 以下は上記と同時期に発売されたZISS製のMAN タンク トラック (1/43 型番305)の画像です。上記のバリエーションで石油会社 BP(British Petroleum)のタンクローリーをモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL TANK TRUCK 1
MAN DIESEL TANK TRUCK 2

 以下は上記と同時期に発売されたZISS製のMAN バス (1/43 型番306)の画像です。これも上記のバリエーションで、バス仕様をモデル化しています。側面に表示された「Wiblingen Ulm Wiblingen」は路線表示で、ドイツ南西部の都市ウルム(Ulm)市とその近くのウィブリンゲン(Wiblingen)地区の間を結ぶ都市バスのようです。室内は中央の通路を挟んだ2列の背中合わせ4座シートと後席ベンチシートで20人分の座席があります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL BUS 1
MAN DIESEL BUS 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。リアに乗客昇降用のドアと階段が付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL BUS 1
MAN DIESEL BUS 2

 以下は上記と同時期に発売されたZISS(チィス)製のヘンシェル トラック 1926 (1/43 型番302)の画像です。ボンネットとフロントグリルが異なっていますが、それ以外は上記のMANのトラックとほとんど同じです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HENSCHEL TRUCK 1
HENSCHEL TRUCK 2

 以下は上記と同時期に発売されたZISS(チィス)製のヘンシェル タンク トラック 1926 (1/43 型番303)の画像です。これは石油会社 ARALのタンクローリーをモデル化しています。上記のMANのタンクローリーとはタンクの形状が異なっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HENSCHEL TANK TRUCK 1
HENSCHEL TANK TRUCK 2

MAN バスのミニカー→ データーベースでMAN バスのミニカー検索
MAN バス以外のミニカー→ データーベースでMAN バス以外のミニカー検索

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CITROEN B2 1925 FRANCE

CITROEN B2
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN B2


RAMI 7 1/43 全長88mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.94m 全幅約1.41m エンジン 変速機: 4気筒 1452cc 20HP 3段変速
性能: 最高速70km/h  データーベースでシトロエン B2/B10/B12のミニカー検索

シトロエン B2 フランス 1925年

 

 前述したように1919年にシトロエン自動車会社が設立され、最初の自動車 タイプ Aが登場しました。タイプ Aはヨーロッパで初めてフォード式の流れ作業による量産システムを採用した車でした。この大量生産システムによって、発売当初の価格は11000フランでしたが、1920年には7500フランまで下がりました。(当時のフランを現在の円に換算するのは難しいようなのでやりません) この価格は同クラスの車の半値ぐらいだったそうです。しかもこの価格には他社ではオプションとなっているスぺアタイヤやライトなども含んでいたそうです。その為タイプ Aは大ヒットし、その改良型のB2が1921年に登場しました。

 

 シトロエン B2は基本的にはタイプ Aとほとんど同じで、エンジン排気量が1327ccから1452cc(22HP)に少し大きくなりました。3段変速機で最高速70km/hの性能でした。タイプ Aと同じくセダン、クーペ、カブリオレ、商用車など様々なバリエーションのボディがありました。B2は当時のフランス車ではオプションであったスターターを標準装備していました。(したがって始動する為のクランクハンドルがついていませんでした) 1924年に大量生産向きの全鋼製(オールスチール製)ボディがセダンに採用され、それはB10と呼ばれました。なおそれまでは木骨構造のボディだったのです。1925年に後継車のB12が登場しました。B2とB10は1926年まで生産され総生産台数は約9万台でした。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたラミー(RAMI)製です。ラミーはフランスなどの自動車博物館に展示されているクラシックカーを1/43サイズで40種類ほどモデル化していました。昔のミニカーですからあまり細かいところまでリアルという訳ではないですが、レトロな作風がクラシックカーには似合っていました。このB2は標準的な4ドアセダンでカタログに1925年式と記載されていたので、全鋼製ボディとなったB10をモデル化しているのかもしれません。このミニカーでもB2が特別な特徴がない平凡な実用車だったということが分かります。(ただ黄と黒のツートンカラーは結構魅了的ですが) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN B2 1
CITROEN B2 2

 B2は平凡な実用車だったので、ミニカーはあまりありません。ラミー以外では、MINIALUXE(ミニオール)製のセダン、ユニバーサルホビーのトルペード、サフィール(SAFIR)製のタクシーなどの商用車があります。以下は1960-1970年代に発売されたMINIALUXE製のB2 セダン (1/43 型番6 プラスチック製)の画像です。当時のミニカーとしてはまずまずの良い出来ばえでしたが、プラスチックの経年変化でボディ全体がほんの少しですが変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN B2 3
CITROEN B2 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN B2 5
CITROEN B2 6

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CITROEN 5CV (C2) TORPEDO 1925 FRANCE

CITROEN 5CV (C2) TORPEDO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 5CV (C2) TORPEDO


ELIGOR 1017 1/43 全長73mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.2m 全幅約1.4m エンジン 変速機: 4気筒 855cc 10HP 3段変速
性能: 最高速60km/h  データーベースでシトロエン 5CVのミニカー検索

シトロエン 5CV (C2) トルペード フランス 1925年

 

 1922年に登場したシトロエン C(C2)は5CVと呼ばれ、小型車の歴史に残る名車でした。この時代の排気量1L以下の簡便な車はサイクルカーと呼ばれ、ベデリア(1913年)モーガン(1923年)などがありましたが、それらはあまり実用的ではありませんでした。5CVは同じようなサイズながらまともなボディを持ち、4気筒855cc(10HP)エンジンを搭載して3段変速のシャフトドライブで最高速60km/hの性能でした。5CVの登場でサイクルカーは完全に駆逐されました。(イギリスでもよく似たコンセプトのオースティン セブンが1922年に登場して同様のことが起こっています)

 

 当初の5CVのボディは2座のオープン(トルペード)のみで、黄のボディに黒のディスクホイールの組み合わせだけでした。この黄はフランス語のCITRON(レモン)とCITROENの語呂合わせで使われ、宣伝効果をねらったものでした。1924年にはホイールベースが100㎜延長されてC3となり、拡張されたボディに1座の後席を設けたトレフル(Trefle)が追加されました。トレフルとは仏語でクローバーの意で3座のシート配置が上から見ると3葉のクローバーに見えるために付いた愛称でした。豪華仕様の2座カブリオレや商用バンも追加され、1926年まで生産されました。C2/C3の総生産台数は約83000台でした。5CV(C2)が成功した理由は運転が容易で使いやすかったことと経済的だったことだそうです。車はそれ以外にも見た目の魅力もたいへん重要ですが、この車は愛嬌のあるデザインでこの点でもかなり高得点だったと思います。

 

 

 ミニカーは1982年に発売されたエリゴール製です。実車が小さいので小振りのミニカーでしたが、カラーリングが綺麗で実車の雰囲気がうまく再現されていて、とても良くできていました。5CVの1/43量産ミニカーとしては2024年現在でも一番出来の良い傑作だと思います。エリゴールは商用車も含めて数種類の5CVをモデル化していました。なおこの5CVは以下に示すノレブ製の5CVの型を流用していたようです。エリゴールの初期物はノレブの型を流用した物が多くあり、これもそうなのでしたが、フロントグリルなどの細部をよりリアルに変更していました。これ以外の5CVのミニカーはラミーやノレブのプラスチック製がありました。最近の物では、フランスのミニカー付雑誌「PASSION CITROEN」用に作られたユニバーサルホビー製の5CV (C3) トレフルがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN 5CV 1
CITROEN 5CV 2

 以下は同じエリゴールのバリエーションで幌を閉じたシトロエン 5CV トルペード (1/43 型番1037)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 5CV 5
CITROEN 5CV 4

 以下は同じエリゴールのバリエーションで シトロエン 5CV カミオネット BENEDICTINE (1/43 型番1017A)の画像です。カミオネットとは小型商用車の意味で、BENEDICTINE(ベネディクティン)とはフランスを代表する薬草系リキュール酒の名前です。ベネディクティンの配送/宣伝カーをモデル化しています。これ以外にもミシュランなどのバリエーションがありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 5CV CAMIONNETTE 1
CITROEN 5CV CAMIONNETTE 2

 以下は1958年に発売されたノレブのプラスチック製の5CV (1/43 型番46)の画像です。こちらもプロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。全体がプラスチックで出来ていましたので重量感がすこし足りないのが今一つでした。ノレブ初期のプラスチック製ミニカーは経年変化でほとんどが変形するのですが、これは製作時期が新しくプラスチックの材質をかえていたのか?、ほとんど変形していません。
CITROEN 5CV 7
CITROEN 5CV 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 5CV 9
CITROEN 5CV 10

 以下は1960年代に発売されたフランスのラミー(RAMI)製のシトロエン 5CV (1/43 型番4)の画像です。60年以上も昔のミニカーですから素朴な造りですが、細部もそこそこリアルで、カラーリングも綺麗で良く出来ていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 5CV 11
CITROEN 5CV 12

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 5CV 13
CITROEN 5CV 14

 以下は2005年に販売されたユニバーサルホビー製のシトロエン 5CV (C3) トレフル (1/43 型番6647/205)の画像です。これはフランスのミニカー付雑誌「PASSION CITROEN」のNo.5用に作られたものです。雑誌付きのミニカーながら、特徴的な3座シート、室内から手動で動作させるワイパー(2重になっているように見える)、フロントグリルのシトロエンのロゴなどがきちんと再現されていて結構良く出来ていました。5CV (C3) トレフルのミニカーはこれしかないようで、車種的に貴重なミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C3 TREFLE 1
CITROEN C3 TREFLE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C3 TREFLE 3
CITROEN C3 TREFLE 4

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