ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ISOTTA-FRASCHINI 8A SPIDER 1924 ITALY

ISOTTA-FRASCHINI 8A SPIDER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A SPIDER


RIO 15 1/43 132mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.5m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 8気筒 7.4L 115HP 3段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースでイソッタ フラスキーニのミニカー検索

イソッタ フラスキーニ 8A スパイダー イタリア 1924年

 

 イソッタ フラスキーニ社は1900年にチャザーレ イソッタとヴィンチェンツォ フラスキーニが設立しました。ルノーの小型車のノックダウンから始まり1904年にルノーを真似たオリジナルモデルを開発しました。1908年のタルガ フローリオで優勝するなどレースで活躍し、小型車から大型車まで幅広いモデルを製作していました。同社でよく知られているのは大型高級車で、その代表的なモデルが1919年に登場した世界初の直列8気筒エンジン(5.9L)を搭載したティーポ 8(以下 8と記載)でした。1924年にエンジンを7.4Lに拡大した8Aとなり、1930年にエンジンを強化した8Bとなりました。約100台が1932年まで生産されました。

 

 イソッタ フラスキーニ 8は8気筒エンジン以外に技術的に目新しいものはなく、同じ頃のライバル車(イスパノ スイザロールス ロイス)には内容的に及ばないとの評価でした。イソッタ フラスキーニの売りは大型シャーシとイタリア有数のコーチビルダーが贅を尽くした豪華なボディで、アメリカの富裕層には人気がありました。イソッタ フラスキーニの全盛期は長くは続きませんでした。1928年から始まった世界的不況は高級車市場を直撃し、苦境に陥ったイソッタ フラスキーニは8の後継車を発表しますが、1935年に工場が閉鎖され航空機会社に買いとられました。その後再起を図りますが結局1949年にその歴史を閉じました。

 

 

 ミニカーは1970年代に発売されたリオ製です。8A スパイダーという名前で4ドアのカブリオレをモデル化していますが、該当する実車の画像は見つかりませんでした。ホワイトリボンタイヤを履いているのでおそらくアメリカ向けに架装されたボディと思われます。白いボディに赤いラインのスポーティなカラーリングが綺麗で、豪華なカブリオレの雰囲気がうまく再現された良い出来ばえとなっています。円筒形のヘッドライトや運転席横のスポットライトなどもそれらしい出来ばえになっています。リオの8Aはこれ以外にも数種類のバリエーションがあります。リオ以外のイソッタ フラスキーニのミニカーはフランクリン ミントの1/43、イクソなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ISOTTA-FRASCHINI 8A SPIDER 1
ISOTTA-FRASCHINI 8A SPIDER 2

 以下は1970年代に発売されたリオ製のイソッタ フラスキーニ 8A (1/43 型番8)の画像です。上記のバリエーションで運転席がオープン仕様のクーペ デビル(シェーファードリブンの古典的なリムジーン)をモデル化しています。ボディがリムジンに変わり、フロントグリルの飾り枠、ヘッドライト形状が変更され、タイヤが地味なものになりスペアタイヤが追加されています。それ以外は上記のスパイダーとほとんど同じなのですが、スパイダーの雰囲気とは打って変わって重厚な感じに仕上がっています。客室のドアが開閉するギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A LIMOUSINE 1
ISOTTA-FRASCHINI 8A LIMOUSINE 2

 以下は1979年頃に発売されたリオ製のイソッタ フラスキーニ 8A カブリオレ デビル 1929 (1/43 型番67)の画像です。これも上記型番8のバリエーションで、同じようなボディですが1929年式のカブリオレ仕様になっています。洒落たカラーリング、ホワイトリボンタイヤやスポットライトなどで上記の8A 1924年式よりも豪華でお洒落な感じに仕上がっています。リオのクラシックカーのミニカーは床下部分のシャーシやサスペンションも再現しているのが特長で、上記の型番8と15も床下部分が再現されています。この型番67ではさらにボンネットが外せるようになり、エンジンも再現されました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A DE VILLE 1
ISOTTA-FRASCHINI 8A DE VILLE 2

 以下はフロント/ボンネットを外したエンジンルームの画像とリア/床下部分の画像です。8気筒エンジンは1/43サイズとしては結構リアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A DE VILLE 3
ISOTTA-FRASCHINI 8A DE VILLE 4

 以下は1992年頃に発売されたリオ製のイソッタ フラスキーニ 8A トルペード カスターニャ(CASTAGNA) (1/43 型番89)の画像です。こちらはカロッツェリア カスターニャの名前を冠した特注デザインの2ドアカブリオレをモデル化しています。後席まで開く大きなドアや足下のステップ部分など独特なデザインとなっています。またラジエータグリルに付いている稲妻のような飾りモールも実車に忠実に再現しています。実車の名前を明記しているだけあって、リオのミニカーのなかでも特に手の込んだつくりでレベルの高い出来ばえになっています。(実車画像→ イソッタ フラスキーニ 8A トルペード カスターニャ) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A TORPADE 1
ISOTTA-FRASCHINI 8A TORPADE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A TORPADE 3
ISOTTA-FRASCHINI 8A TORPADE 4

 以下は1992年頃に発売されたフランクリン ミント製のイソッタ フラスキーニ 8A ランドレー (1/43 型番RC34)の画像です。1920-1930年代の高級車を1/43でモデル化していたフランクリン ミントの「World`s Great Classic Cars」シリーズの1台です。フロントグリルやヘッドライトが金属製パーツなので、当時のミニカーとしては少しレトロな作風ですが、フランクリン ミント製らしい凝ったつくりで良く出来ています。ボンネット取外しと4ドア開閉のギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A LANDAULET 1
ISOTTA-FRASCHINI 8A LANDAULET 2

 以下はフロント(マスコットの拡大)/ボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。フロントグリル前面の飾り枠も結構リアルで、そのフロントグリル上に付いたイソッタ フラスキーニのマスコットは「TRIOMPHE(トリオンフ 仏語で勝利の意)」と呼ばれる風神が車輪を両手で掴んでいる像なのですが、これが実にリアルに再現されています。(かなりオーバーサイズですが) 8気筒エンジンも上記のリオ製と同じぐらいリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A LANDAULET 3
ISOTTA-FRASCHINI 8A LANDAULET 4

 以下は2005年頃に発売されたフランスのミニカー付雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo.07 として作られたイソッタ フラスキーニ 8 1930 (1/43 型番不詳)の画像です。メーカーはイクソ製で、イクソでは仕上げレベルとカラーリングを変えて2009年に型番MUS028で発売されました。上記のリオの型番67のカブリオレとほとんど同じボディをモデル化しているようです。ミニカーの出来ばえはイクソのクラシックカーの標準的なレベルですが、最近のミニカーですので灯火類、フロントグリルのIFのロゴとその上のマスコット、室内など細部までリアルに再現されていて良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A LIMOUSINE 1
ISOTTA-FRASCHINI 8A LIMOUSINE 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISOTTA-FRASCHINI 8A LIMOUSINE 3
ISOTTA-FRASCHINI 8A LIMOUSINE 4

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ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 1924 ITALY

ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX


MEBETOYS 8601 1/25 155㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.95m 全幅約1.55m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 2L スーパーチャージャー付 155HP 4段変速
性能: 最高速225km/h  データーベースでアルファ ロメオ P2/P3のミニカー検索

アルファ ロメオ P2 グランプリ イタリア 1924年

 

 1918年にアルファ社は実業家ニコラ ロメオが興したニコラ ロメオ技師株式会社に吸収されて、1921年にブランド名をアルファ ロメオに変更しました。この当時のアルファ ロメオは前述したエドワード期の24HPの改良型の20/30HPと4気筒6Lの40/60HPの2モデルがあり、レースでの活躍でイタリア国内では高性能車としての地位を固めていました。また1921年には6気筒3Lのツーリングカー RLを発表しました。

 

 アルファ ロメオはその名声を高めるためグランプリ(現在のF1)への参戦を決め、1914年にグランプリカーを製作しましたが、第1次大戦の勃発でグランプリへの参戦は中止となりました。戦後新たにグランプリカー P1を製作しましたが、1923年のモンザ GPのテストランの途中に事故を起こしてドライバーが死亡した為、参加を取りやめました。(実車画像→ アルファ ロメオ P1)

 

 

 その後フィアットから有能な技術者ヴィットリオ ヤーノを招き、短期間で1924年に完成させたのがP2でした。DOHC 直列8気筒2L スーパーチャージャー付(140HP)エンジンを搭載し最高速225Km/hの性能でした。P2は初戦から優勝しその後もブガッティ、メルセデス、フィアットなどの強豪を相手に輝かしい戦歴を収めました。1932年に後継車のP3が登場しました。なお1930年にニコラ ロメオ技師株式会社から自動車部門が独立して社名がS.A.アルファロメオ(S.A. ALFA ROMEO)となりました。

 ミニカーは1976年に発売されたメーベトイ製です。この当時はミニカー化されていなかったアルファ ロメオ P2をモデル化していました。メーベトイとしては後期のもので、当時としては珍しかった縮尺1/25の大スケールミニカーでした。メーベトイは1969年にアメリカのマテル社に買収されましたが、メーベトイの創業者は1974年から新たにマートイ(MARTOY)という新しいブランド名で縮尺1/24の大スケールミニカーを発売しました。マートイは1976年からブランド名を現在のBブラーゴ(BBURAGO)に変更しました。したがってこのP2の1/25のミニカーはBブラーゴの初期物と考えることもできます。実車の雰囲気が良く再現されていて、1/25とサイズが大きいこともあってコクピット内部などの細部もかなりリアルに出来ていました。初期の大スケールミニカーとしてはかなり良い出来ばえの秀作でした。P2はミニチャンプスもモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 1
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 2

 以下は2005年に発売されたミニチャンプス製のアルファ ロメオ P2 1924 (1/43 型番403241203)の画像です。具体的にどのレースに参戦したP2をモデル化しているのかは不明ですが、ミニチャンプスらしいそつのないリアルな出来ばえでとても良く出来ています。特にフロントサスペンションは1/43サイズながら実にリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 3
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 3
ALFA ROMEO P2 GRAND PRIX 4

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AHRENS FOX R-K-4 FIRE ENGINE 1924 USA

AHRENS FOX R-K-4 FIRE ENGINE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX R-K-4 FIRE ENGINE


DELPRADO WORLD FIRE ENGINES No.7 1/64 104mm (梯子も含めると125㎜)
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6.5m 全幅約2m エンジン 変速機: 4気筒 11L 130HP 3段変速?
性能: 最高速 80km/h?   データーベースで戦前の消防車のミニカー検索

アーレンス フォックス R-K-4 消防車 アメリカ 1924年

 

 アーレンス フォックス社はアメリカのオハイオ州を拠点とする消防車メーカーでした。同社は1910年にジョン P.アーレンス(John P.Ahrens)とチャールズ H.フォックス(Charles H.Fox)によって設立され、1911年に最初のエンジン付き消防車を製造しました。その翌年には馬が引く馬車式消防車の生産が終了し、その後1970年代までに1500台以上の消防車が製造されました。アーレンス フォックス社の消防車は消防車のロールス ロイスと呼ばれて信頼されてきました。同社は2020年現在もHME アーレンス フォックス社として消防車を製作しています。(参照サイト→ HME アーレンス フォックス社 ホームページ)

 

 画像のミニカーは1920年代に製作されたR-K-4 消防車をモデル化しています。1920年代のアメリカでは既に高層ビルが建築されていました。その為消防車には高所まで放水できることが要求され、アーレンス フォックス社の消防車は他社よりこの能力が優れていたそうです。ボンネットの前に付いているのが2気筒の送水ポンプ(毎分2270Lの送水量)で、その上にあるメッキされた球体は送水ポンプの圧力変動を滑らかにする為のエアチャンバーです。当時の消防車は送水ポンプを車体中央/後部に装備している場合がほとんどだったので、ボンネットの前に装備された送水ポンプとその上のエアチャンバー(球体)はアーレンス フォックス社の消防車の特徴でした。4気筒11L(130HP)ガソリンエンジンで後輪を駆動し、このエンジンで送水ポンプも駆動しました。後部には水タンク、消防用ホース、はしごを装備しています。

 

 

 ミニカーは2003年に発売されたデルプラド製の「世界の消防車」の1台です。実車が大きいので縮尺1/64でモデル化されています。メーカーは明記されていませんが、アメリカのAMERCOM-HOBBYというメーカーの消防車シリーズに同じ物がありますので、それを流用しているようです。安価な雑誌付きミニカーでサイズが小さいので、あまり細かいところまでは再現されていませんが、R-K-4 消防車の特徴である送水ポンプやエアチャンバーはきちんと再現されています。はしごや消防用ホースもサイズが小さいですがそれなりに再現されています。当時の定価は2000円以下でしたから、値段を考えると良く作ってあると思います。これ以外のアーレンス フォックス 消防車のミニカーはヤトミンの1/24、シグネチャーの1/43、マッチボックスの1/43、フランクリン ミントの1/32などがあります。 以下はフロント/リアなど各部の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AHRENS FOX FIRE ENGINE 1
AHRENS FOX FIRE ENGINE 2

 以下は1993年に発売されたフランクリン ミント製のアーレンス フォックス R-K-4 消防車 1922 (1/32 型番TL77)の画像です。上記と同じ消防車をモデル化していますが、こちらは1/32ですので全長205㎜(後方に伸びたはしごも含めると250㎜)と大きなサイズになっています。フランクリン ミントの標準的な縮尺は1/24なのですが、1/24だとサイズが大きくなりすぎるので1/32としたようです。サイズが大きいので細かいところまで再現されていて、かなりレベルの高い出来ばえです。ダッシュボード(スカットル)や床に張られたパネルにはプラスチックではなく本物の木が使われています。このように最近の量産ミニカーで本物の木を使っているのは、私の知る限りではフランクリン ミントぐらいしかありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX FIRE ENGINE 3
AHRENS FOX FIRE ENGINE 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。送水ポンプ周りのバルブやメーターなどは実にリアルにできています。ボディ側面についている黒い消防ホースは取り外しが可能で、本物のような柔らかい樹脂でできているので曲げることもできます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX FIRE ENGINE 5
AHRENS FOX FIRE ENGINE 6

 以下はボンネットを開いたエンジンルームと俯瞰/床下部分の画像です。ボンネットを開くと4気筒エンジンがリアルに再現されています。 床下の構造も良く再現されていて、前輪はステリングホイールで操舵できるギミック付きです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AHRENS FOX FIRE ENGINE 7
AHRENS FOX FIRE ENGINE 8

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MAN DIESEL TRUCK 1925 GERMANY

MAN DIESEL TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL TRUCK


ZISS 304 1/43 143㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2.2m エンジン 変速機: 4気筒 ?L 40HP? 4段変速?
性能: 最高速 不詳 積載量4t? データーベースでMANのミニカー検索

MAN ディーゼル トラック ドイツ 1925年

 

 MANは「Maschinenfabrik Augsburg?N?rnberg (アウクスブルク-ニュルンベルク機械工場)」の頭文字で、製鉄や建設などを行う重工業企業として1898年に誕生しました。1915年にスイスのザウラー社と共同でMAN-ザウラートラック社を設立し、トラックやバスの製造を始めました。その後MAN-ザウラートラック社はMANの子会社となりました。

 1914年に第1次世界大戦が始まり、馬に代わる輸送手段として欧米各国でガソリンエンジンを搭載する軍用トラックの開発が進められました。ドイツでは大量に必要となった軍用トラックの調達コストを下げる為、政府がトラックの統一基準を定め、すべてのメーカーに同じ規格のトラックを作らせるようにしました。また民間のトラックにも戦時には徴用できるという条件付きで購入に補助金を支給していました。

 

 MANは1923年に直噴式ディーゼルエンジンを開発し、ディーゼルエンジンを搭載したトラックを生産しました。第2次世界大戦中は戦車や潜水艦 Uボートのディーゼルエンジンを製造していました。戦後もトラックやバスなどの専門メーカーとして発展しました。現在はドイツのトラックメーカーとしてダイムラー ベンツに次ぐ2位のメーカーで、フォルクスワーゲンのグループ企業です。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたドイツのZISS(チィス)製です。MANが開発した最初のディーゼル トラックをモデル化しています。ZISSのミニカーはプラスチック部品をほとんど使用せず、がっちりとしたつくりで独特の雰囲気がありました。大型のトラックを1/43でモデル化しているので、大きなサイズで実車の雰囲気がうまく再現され、Wタイヤの後輪やそれを駆動するチェーンも再現しているなど当時としては出来の良いミニカーでした。なお金属製のフロントグリルには大きなMANのロゴが付いていますが、これは実車に即した物ではなく、ミニカーの見た目を良くする為に誇張しているようです。ZISSはバリエーションとしてタンクローリーやバスもモデル化していました。またボンネットとフロントグリルを変更して、同時代のトラックメーカー ヘンシェル(HENSCHEL)のトラックとタンクローリーもモデル化していました。ヘンシェルはディーゼルではなくガソリンエンジンを搭載していたと思いますが、上述したようにトラック規格が標準化されていたので、MANとヘンシェルはほとんど同じような外観だったようです。同様の理由で同時期のメルセデス ベンツ トラック 1932もよく似た外観です。これ以外のMANのミニカーはリーツェ、ブレキナ、AMW、ヘルパなどが大型トラックやバスなどを非常にたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MAN DIESEL TRUCK 1
MAN DIESEL TRUCK 2

 以下は俯瞰/床下分の画像とチェーン駆動の後輪の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL TRUCK 3
MAN DIESEL TRUCK 4

 以下は上記と同時期に発売されたZISS製のMAN タンク トラック (1/43 型番305)の画像です。石油会社 BP(British Petroleum)のタンクローリーをモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL TANK TRUCK 1
MAN DIESEL TANK TRUCK 2

 以下は上記と同時期に発売されたZISS製のMAN バス (1/43 型番306)の画像です。側面に表示された「Wiblingen Ulm Wiblingen」は路線表示で、ドイツ南西部の都市ウルム(Ulm)市とその近くのウィブリンゲン(Wiblingen)地区の間を結ぶ都市バスのようです。室内は中央の通路を挟んだ2列の背中合わせシートと後席ベンチシートで20人分の座席があります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL BUS 1
MAN DIESEL BUS 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。リアに乗客昇降用のドアと階段が付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAN DIESEL BUS 1
MAN DIESEL BUS 2

 以下は上記と同時期に発売されたZISS(チィス)製のヘンシェル トラック 1926 (1/43 型番302)の画像です。ボンネットとフロントグリルがと異なっていますが、それ以外は上記のMANのトラックとほとんど同じです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HENSCHEL TRUCK 1
HENSCHEL TRUCK 2

 以下は上記と同時期に発売されたZISS(チィス)製のヘンシェル タンク トラック 1926 (1/43 型番303)の画像です。これは石油会社 ARALのタンクローリーをモデル化しています。上記のMANのタンクローリーとはタンクの形状が異なっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HENSCHEL TANK TRUCK 1
HENSCHEL TANK TRUCK 2

MAN バスのミニカー→ データーベースでMAN バスのミニカー検索
MAN バス以外のミニカー→ データーベースでMAN バス以外のミニカー検索

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CITROEN B2 1925 FRANCE

CITROEN B2
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN B2


RAMI 7 1/43 88mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.94m 全幅約1.41m エンジン 変速機: 4気筒 1452cc 20HP 3段変速
性能: 最高速70km/h  データーベースでシトロエン B2のミニカー検索

シトロエン B2 フランス 1925年

 

 前述したように1919年にシトロエン自動車会社が設立され、最初の自動車 タイプ Aが登場しました。タイプ Aはヨーロッパで初めてフォード式の流れ作業による量産システムを採用した車でした。この大量生産システムによって、発売当初の価格は11000フランでしたが、1920年には7500フランまで下がりました。この価格は同クラスの車の半値ぐらいだったそうです。しかもこの価格には他社ではオプションとなっているスぺタイヤやライトなども含んでいたそうです。その為タイプ Aは大ヒットし、その改良型のB2が1921年に登場しました。

 

 シトロエン B2は基本的にはタイプ Aとほとんど同じで、エンジン排気量が1327ccから1452cc(22HP)に少し大きくなりました。3段変速機で最高速70km/hの性能でした。タイプ Aと同じくセダン、クーペ、カブリオレ、商用車など様々なバリエーションのボディがありました。B2は当時のフランス車ではオプションであったスターター、ライト、スペアタイヤを標準装備していました。(したがって始動する為のクランクハンドルがついていませんでした) 1924年に大量生産向きの全鋼製(オールスチール製)ボディがセダンに採用され、それはB10と呼ばれました。なおそれまでは木骨構造のボディだったのです。1925年に後継車のB12が登場しました。B2とB10は1926年まで生産され総生産台数は約9万台でした。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたラミー(RAMI)製です。ラミーはフランスなどの自動車博物館に展示されているクラシックカーを1/43サイズで40種類ほどモデル化していました。昔のミニカーですからあまり細かいところまでリアルという訳ではないですが、レトロな作風がクラシックカーには似合っていました。このB2は標準的な4ドアセダンで、1925年式ですから全鋼製ボディのB10をモデル化しているのかもしれません。このミニカーでもB2が特別な特徴がない平凡な実用車だったということが分かります。(ただ黄と黒のツートンカラーは結構魅了的ですが) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN B2 1
CITROEN B2 2

 B2は平凡な実用車だったので、量産ミニカーはあまりありません。ラミー以外では、MINIALUXE(ミニオール)製のセダン、ユニバーサルホビーのトルペード、サフィール(SAFIR)製のタクシーなどの商用車があります。以下は1960-1970年代に発売されたMINIALUXE製のB2 セダン (1/43 型番6 プラスチック製)の画像です。当時のミニカーとしてはまずまずの良い出来ばえで、プラスチックの経年変化でボディ全体がほんの少しですが変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN B2 3
CITROEN B2 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN B2 5
CITROEN B2 6

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