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ボルボ FB88 トラック スウェーデン 1965年
スウェーデンのベアリング メーカー SKF社によって自動車メーカーのボルボ社が1927年に創業されました。1928年に最初のトラック シリーズ 1(4気筒エンジン搭載 積載量1.5t)を発売しました。このトラックは密閉された運転室(キャビン)を持つ頑丈な構造で、スウェーデンの気候と道路事情を考慮した信頼性の高い設計でした。(初期のトラックのキャビンは密閉されていないものが多かったのです) このトラックは高い評価を受けて大ヒットし、ボルボの業績に寄与しました。(実車画像→ ボルボ トラック シリーズ 1 1928)
その後ボルボ トラックは国内だけではなくヨーロッパ各国へと輸出されるようになり、ボルボ社の生産する車の中でトラックは大きな割合を占めていました。1980年代にボルボはアメリカのトラック会社のホワイト社と提携し、ボルボ ホワイト トラック社となり、さらに1980年代後半にはGMCの大型トラック部門も加わりました。2001年にはアメリカのマックを傘下に持つルノーのトラック部門を買収し、2006年に日産ディーゼル工業(現在はUDトラックス)も傘下に収めています。
かつてのボルボ トラックス社はダイムラー(メルセデス ベンツ ブランド)に次ぐ世界第2位の大型トラックメーカーでしたが、現在(2023年)では中国やインドのメーカの台頭などがあり10位ぐらいのようです。なおボルボの乗用車部門は1999年にフォードに買収されてボルボ カーズとしてフォード傘下のブランドとなり、2010年には中国企業に売却されています。
ボルボのトラックの型式名について説明すると、Nがボンネット型でFはキャブオーバー型です。概略ですがFHが一番大きなトラクター系、FMが中型で平ボディやバンのカーゴ系、FLが小型となります。またアルファベットの後の数字は1980年代以降のモデルではエンジン排気量(単位L)を示します。つまりFH16とはキャブオーバーの大型トラックで排気量が16Lとなります。
ミニカーは1968年頃に発売されたテクノ製(デンマーク)の当時物です。1965年に登場した当時の傑作大型トラックであったFB88をモデル化しています。FB88のFはキャブオーバー型、Bは3車軸、88はシリーズ名を示します。車体に表示された「ASG TRANSPORT SPEDITION」とはスウェーデンの物流会社ASG社のロゴです。テクノのミニカーはプロポーションが良く、プラスチック製パーツをあまり使わないがっちりとした作りで、塗装もしっかりしていました。このFB88も縮尺が1/50と少し小さめに出来ていますが、テクノらしいレベルの高い出来ばえでした。(脱着できる幌もプラスチックではなく板金製で頑丈です) キャブのチルトとドアが開閉するギミック付きで、エンジンと室内もリアルに再現されています。
このミニカーには色々な企業のプロモーション用モデルのバリエションがあったようです。F88のこれ以外の当時物ミニカーはないようで、最近の物ではコーギーやイクソなどがあります。現在の主流であるFHシリーズはヘルパやAWMが約200種類以上をモデル化しています。 以下はフロント/キャブのチルトギミックの画像とリア/幌を外した状態の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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サーブ 96 スウェーデン 1965年
サーブ社「Svenska Aeroplan AB」(スウェーデン航空機会社)はスウェーデンの軍用航空機の製造を目的として1937年に設立されました。、第2次大戦中は軍用機を製造していましたが、戦後に自動車製造に進出しました。1949年に完成した最初の量産車は2サイクル2気筒764cc(25HP)エンジンを前車軸上に横置き搭載した前輪駆動車のサーブ 92でした。航空機メーカーらしさが感じられる流線型のモノコックボディは、当時としては珍しく風洞実験で決められたものでした。3段変速で最高速105km/hの性能でした。(実車画像→ サーブ 92 1951)
サーブ 92は1955年に3気筒750cc(33HP)エンジンを縦置き搭載に変更した93に、1960年には3気筒841cc(42HP)エンジンを縦置き搭載してリアウインドーを拡大した96に発展しました。1965年にはラジエーター搭載位置をエンジン後方から一般的なエンジン前面に変えたので、フロントグリル開口部が大きくなりました。サーブ 92のラジエータがエンジン後部にあったのは寒冷地の北欧では都合が良かったのですが、寒冷地ではない輸出先ではオーバーヒートが問題となったのでラジエーター搭載位置を変えたのでした。
1966年にはエンジンがドイツ フォード製の4サイクルV型4気筒1.5L(65HP)に切り替わり、4段変速で最高速148km/hと性能が向上しました。1969年に前後ウィンドーが拡大されヘッドライトが角型に変更されました。サーブ 96は頑丈な足回りと優れた操縦性により1962年と1963年のモンテ カルロ ラリーで連続優勝するなどラリーで大活躍しました。サーブ 96は基本的な構造はほとんどそのままで安全基準対応などの改良がおこなわれ、1980年まで長い間生産されました。総生産台数は約54万台でした。
ミニカーは1965年に発売されたテクノ製の当時物です。フロントグリルの形状から1965年式をモデル化しています。50年以上昔に作られたビンテージミニカーなので金属パーツが主体の素朴な造形です。この当時のテクノは非常に品質の高いミニカーを作っていました。この96もプロポーションが正確で実車の雰囲気がうまく再現され、1960年代のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。普通に箱に入れたまま保管していましたが、現在でも錆がなく塗装に艶まで有るのですから、昔のミニカーの品質はたいした物です。なおテクノはサーブ 96の初期型を1962年にモデル化していて、これはそれを1965年式に変更したものです。(型番の変更なし) フロントグリル部の造形が初期型の金属製パーツのグリルにグリル開口部を追加した形になっていることがそれを示しています。これ以外のサーブ 96のミニカーはディンキー(英)の当時物、コーギー、トロフューのストリート/ラリー仕様、イクソ(ホワイトボックス、プレミアムX、国産名車コレクション)、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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紅旗 CA770 中国 1965年
中国初の自動車メーカーである第一汽車(China FAW Group Co.)は、ロシア(当時はソビエト連邦)の自動車メーカーであったジルの支援で1953年に設立されました。当初はソビエト連邦のトラック ZIS-150をベースとした中国人民解放軍の中型トラック CA-10や軍用トラック 解放CA30などを製造していました。1958年にアメリカのクライスラー インペリアルをコピーして自社ブランドの乗用車 紅旗 CA72を開発し、この車は中国共産党の指導者専用車でした。(実車画像→ 紅旗 CA72 1958) (実車画像→ クライスラー インペリアル 1955)
1963年にはV型8気筒5.7Lエンジンを搭載したクライスラー インペリアルのプラットフォームをベースにした紅旗 CA770が開発され、この車は共産党指導者の公式車両に指定されました。1965年にリムジン仕様、1969年に防弾仕様のCA772が設定され約1600台が1980年まで生産されました。
1998年にアメリカ フォードの協力でフォード リンカーン タウンカー 3代目をベースとする紅旗 CA7460が登場しました。その後2005年にトヨタと提携したことで、トヨタ クラウン マジェスタをベースとした紅旗 HQ3が2006年に登場し、2012年にクラウンをベースにした紅旗 H7が登場しました。2009年には中国建国60周年記念式典に向け胡錦涛総書記専用車として中国初のV型12気筒エンジンを搭載した紅旗 HQE (CA7600J)が登場しました。2014年にCA770のデザインを復活させたクラシックな外観のL5が登場しました。L5のV型8気筒4Lエンジン搭載仕様をCA7400、V型12気筒6Lエンジン搭載仕様をCA7600と呼ぶようです。また派生モデルとして全長約6.4mのリムジン L9、全長約6mのリムジン L7があるようです。(資料によって記載内容が異なるので、正確なことがわかりません) (実車画像→ 紅旗 HQE 2009) (実車画像→ 紅旗 L9)
ミニカーは2006年頃にWEBオークションで入手したCENTURY DRAGON製です。紅旗 CA770のリムジン仕様をモデル化しています。CENTURY DRAGONは2003年に設立された香港(中国)のメーカーで、主に中国のクラシックカー(紅旗や軍用車など)を1/43、1/24、1/18でダイキャスト製/レジン製でモデル化しています。これはダイキャスト製で、中国の最高級車ということもあって、かなりレベルの高い出来ばえとなっていました。プロポーションが正確で、フロントグリル、灯火類、室内などの細部も丁寧に仕上げられています。ボンネット先端には赤い旗をイメージしたマスコット、フロントバンパー両端には国旗掲揚用のポールが付いています。室内もリムジン後席の豪華な内装、インパネなどが良く再現されています。ドアなどの開閉ギミックはありませんが、前輪の操舵ギミックが付いています。ミニカーが大きいこともありますが、並みのミニカーの2倍ほどもある大きなプラスチック ディスプレイケース付きで実車のイラストが描かれた立派な梱包箱に収められていました。CENTURY DRAGONはバリエーションでパレード用の閲覧車 CA770TJ、最近のCA7600やH7もモデル化しています。これ以外の紅旗のミニカーはブレキナのCA770とCA7202 センチュリースター(アウディ 100ベースのパレードカー) 1/87、トミカの中国特注品のCA7600 1/84などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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日産 プレジデント 150型 日本 1965年
前述したセドリック 130型のモデルチェンジに際して、3ナンバー車を専用設計して最高級車として独立させたのがプレジデントでした。当時の国産車最大の5m超のボディに、最大の排気量であったV型8気筒4L(180HP)/6気筒3L(125HP)エンジンを搭載していました。性能は3段変速/3段自動変速で最高速185km/h(4L)でした。ボディは直線的なオーソドックスなデザインで、元々は上記セドリックのデザインだったのですが、セドリック 130型がピニンファリーナ デザインとなった為、プレジデントに転用されたものでした。
最上級仕様車の当時の価格は約300万円とこれも国産車で最高で、1960-1970年代の佐藤栄作首相の公用車として採用されました。ライバルのトヨタ センチュリー(1967年発表)が凝ったメカと個性的なデザインで保守的なユーザー層にあまり歓迎されなかったのに反して、オーソドックスなデザインのプレジデントは企業や官公庁に幅広く支持されました。1973年に前後のパネルデザインを変更して250型に発展しています。1990年にモデルチェンジするまで基本的な構成はそのままで、日産の旗艦として長く生産されました。
プレジデント 150型の当時物ミニカーはダイヤペットが作った物しか無く、それは大変貴重なレア物です。250型もダイヤペットが1976年にモデル化しています。→ダイヤペットの250型 画像のミニカーはアドバンスピリット製の150型で、2005年頃に発売されました。アンチモニー製なので非常に重く、プロポーションが良く室内などの細部もそこそこ良く再現されています。アドバンスピリットにはタクシーや要人警護車などのバリエーションが十数種類ありました。最近の物ではトミカ リミテッドの150型が数種類、エニフ(ENIF レジン製)の150型があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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日産 シルビア 1600 (CSP311型) 日本 1965年
日産 シルビアは1964年の東京モーターショーに「ダットサン クーペ 1500」として出品され、翌年に高級スポーツカー シルビアとして発売されました。(車名はギリシャ神話に登場する乙女の名前) フェアレディ (SP310型)のシャーシに2人乗りクーペ ボディを架装し、SUツインキャブ4気筒1.6L(77HP) OHVエンジンを搭載していました。日本初の4段フルシンクロ変速機を介して、最高速165km/hと高性能でした。
美しいボディ デザインはドイツ人デザイナーと日産デザイナーの共作で、当時としてはかなりレベルの高いデザインで、海外からも高く評価されたそうです。ただし少量生産で価格は高級車 日産 セドリック(当時は約100万円)より高い120万円もしたスペシャルティーカーの需要は少なく、1968年までに約500台ほどが生産されただけでした。スペシャルティーカーの先駆者として登場した意欲的な車でしたが、時代に合わず商業的には失敗作でした。1975年にシルビア 2代目が登場しました。
ミニカーは1965年に発売されたダイヤペット製の当時物で、ボディ全体がアンチモニー(鉛とアンチモンの合金)製です。キャビンが少し小さめな感じがしますが、フロントグリルの造形など当時のミニカーとして非常によく出来ていました。箱から出してガラス棚に並べていましたが、50年以上経過しても塗装やメッキはまだきれいな状態のままです。当時のダイヤペットの塗装品質が高かったことが分かります。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーではモデルペット製がありました。当時物以外ではエブロ、京商(ポリストーン製)、エニフ(ENIF レジン製)、日産名車コレクション、国産名車コレクションなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)