ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ALFA ROMEO GRAND SPORT QUATTRORUOTE ZAGATO 1965 ITALY

ALFA ROMEO GRAND SPORT QUATTRORUOTE ZAGATO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO GRAND SPORT QUATTRORUOTE ZAGATO


POLITOYS 532 1/43 87㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.67m 全幅約1.62m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.6L 106HP 5段変速
性能: 最高速155km/h  データーベースでアルファ ロメオ 1750のミニカー検索

アルファ ロメオ グラン スポルト クアットロルオーテ ザガート イタリア 1965年

 

 この車はクラシックカーのように見えますが、戦前の名車6C 1750を模して1965年に作られたレプリカでした。イタリアの自動車雑誌「QUATTRORUOTE」(クアットロルオーテ)誌が企画したプロジェクトで、アルファ ロメオがジュリア TIのシャーシを提供し、オリジナルの6C 1750と同じザガートがボディを担当して約100台が限定生産されました。レプリカですので見た目は6C 1750に似せていますが、近代的なタイヤとハンドルの位置(6C 1750は右ハンドル)から戦前の6C 1750とは別物であることが分かります。 、

 

 ボディはアルミニウム パネルを使い、ザガートが伝統的な方法で架装していました。またブレーキはジュリア TIのディスクブレーキをあえてドラム ブレーキに変えていました。ただエンジンは6気筒ではなくジュリア TI用の4気筒1.6L(106HP)エンジンを搭載し、車重は750kg、5段変速機で155km/hの性能でした。この動力性能はオリジナルの6C 1750 GS(グラン スポルト)と同じような性能になっていました。

 

 

 ミニカーは1967年に発売されポリトーイ製の当時物です。ポリトーイが当時の技術力の全てを注ぎ込んで作った、ギミック満載の傑作ミニカーでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ボンネット内にはリアルに再現されたエンジンが収まっていました。ポリトーイは足回りのメカを再現するのも特徴でしたが、このグラン スポルト ザガートでは実車に即した構造のコイルスプリングで吊ったリアサスペンションと、実車と同じ構造のラック & ピニオン方式で可動する前輪操舵を再現していました。このラック & ピニオン方式の前輪操舵ギミックは現在の1/18クラスのミニカーでもほとんど採用していない構造で、実に凝っていました。ミニカーコレクターなら是非オークション等で入手してその素晴らしさを実感してもらいたいミニカーです。なおグラン スポルト ザガートのミニカーはこのポリトーイの物しかありません。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/付属品の幌を取り付けた状態の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO GRAND SPORT QUATTRORUOTE ZAGATO 1
ALFA ROMEO GRAND SPORT QUATTRORUOTE ZAGATO 2

 以下は前輪操舵ギミックの画像とリアサスペンション部分の拡大画像です。ステアリングホイールに直結したステアリング シャフト先端のピニオンギヤで前輪操舵ロッドのラックを駆動しています。(ステアリングホイールを回すと前輪が操舵されます) 後輪はコイル スプリングでリア車軸/デフを吊った構造を再現してあり、サスペンションは実際に可動します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO GRAND SPORT QUATTRORUOTE ZAGATO 5
ALFA ROMEO GRAND SPORT QUATTRORUOTE ZAGATO 6

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LANCIA FULVIA COUPE 1965 ITALY

LANCIA FULVIA COUPE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE


POLITOYS 520 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.98m 全幅約1.56m エンジン 変速機: DOHC V型 4気筒 1.2L 80HP 5段変速
性能: 最高速166km/h  データーベースでランチア フルビアのミニカー検索

ランチア フルビア クーペ イタリア 1965年

 

 前述した小型車ランチア フルビアのスポーティモデルとして、クーペが1965年に追加されました。短縮されたホイールベースにセダンとは打って変わった軽快なスタイルの2+2シーターのクーペボディを載せていました。V型4気筒1.2Lエンジンは90HPに強化され、5段変速で最高速166km/hの性能でした。(フルビア セダンは約140km/h) エンジンは1967年に1.3L(90-100HP)、1969年に1.6L(114-132HP)と強化されました。スポーティなデザインと高性能で人気がありました。1976年まで生産され、総生産台数は約14万台でした。後継車はベータ クーペでした。

 

 フルビア クーペといえばラリーでの活躍が有名でした。1965年にラリー仕様のクーペ HFが登場しました。このHFとは「High Fidelity」の略で「高い忠誠心」を意味し、元々はランチア車でラリーを行っていたプライベーターチームの名前「HFスクアドラ コルセ(Squadra Corse)」が由来となっているそうです。このチームがワークスチームに昇格してランチアはクーペ HFでラリーに参戦しました。ラリー仕様車も1.3HF、1.6HF(115HP 最高速185km/h)とエンジンを拡大しました。1972年にはモンテ カルロとモロッコ ラリーなどで優勝しWRCチャンピオンとなり、フルビア クーペのラリー活動では最良の年でした。

 

 

 ミニカーは1966年に発売されたポリトーイ製の当時物です。実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良い出来ばえでした。ただフロントの造形でグリルが独立していないような感じになっているので、その点が今一つです。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付です。当時のポリトーイはエンジンなどのメカをリアルに再現していましたが、このフルビア クーペもエンジンがそこそこリアルに再現されています。フルビア クーペの当時物ミニカーとしてはマーキューリー、メーベトイ、国産のダイヤペットなどがありました。最近の中国製の似たような出来ばえのミニカーとは違って、昔のミニカーにはそれぞれのメーカーの作風に違いがあり、同じ車種でも少し違った感じの出来ばえとなっていました。このフルビア クーペのミニカーではポリトーイ製があっさりとした造形で、初期のフルビア クーペのイメージに一番近いのではないかと思います。 当時物ミニカー以外ではリオ、PROGETTO K、ビテス、ベストモデル、スターライン、イクソ、ミニチャンプス、オートアートの1/18などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とトランク開閉/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA FULVIA COUPE 1
LANCIA FULVIA COUPE 2

 以下は1967年に発売されたメーベトイ製の当時物 ランチア フルビア クーペ (1/43 型番A11)の画像です。上記のポリトーイ製と同じような出来ばえですが、キャビン部分が大き目でメーベトイ流のやや柔らかい感じに仕上がっています。フロントグリルの造形はポリトーイよりもリアルに仕上げてあります。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付です。エンジンルーム内のエンジンはディストリビューターとハイテンションコードまで再現してあるなど凝っています。(ただしこの造形は実車に忠実ではありませんが)  (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 3
LANCIA FULVIA COUPE 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 5
LANCIA FULVIA COUPE 6

 以下は1997年に発売されたリオ製のランチア フルビア クーペ 1200 (1/43 型番124)の画像です。プロポーションは良いですが、全体的にやや角ばった感じの造形です。室内はインパネなどが良く再現され結構リアルです。ただボンネット上の後方にあるインテークグリルが目立ち過ぎるのが今一つです。リオはこのクーペ 1200以外にも1300S、1300HF、1600HFなど7種類ほどをモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 7
LANCIA FULVIA COUPE 8

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリアの画像です。エンジンは結構リアルに再現されていて、V型4気筒エンジンを手前から見て右に45度傾けて搭載していることが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 9
LANCIA FULVIA COUPE 10

 以下は1997年に発売されたリオ製のフルビア クーペ 1300S (1/43 型番126)の画像です。上記のクーペ 1200と同じように見えますが、小さなフェンダーミラーが追加され、リアにはRally1.3 Sのロゴが追加されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 11
LANCIA FULVIA COUPE 12

 以下は1997年に発売されたリオ製のフルビア クーペ 1300HF (1/43 型番129)の画像です。ラリー仕様のHFですので、前後のバンパーが外され、ホイールが変更されています。エンジンルーム内のエンジン上部のカムカバーの色が変えてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 13
LANCIA FULVIA COUPE 14

 以下は1997年頃に発売されたリオ製のランチア フルビア クーペ 1600HF #14 モンテ カルロ 1972 (1/43 型番SL035)の画像です。1972年のモンテ カルロ ラリーの優勝車をモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE RALLY 1
LANCIA FULVIA COUPE RALLY 2

 以下は1973年に発売されたマーキュリー製の当時物 ランチア フルビア HF クーペ #14 モンテ カルロ 1972 (1/43 型番51-2)の画像です。1972年のモンテ カルロ ラリー 優勝車をモデル化しています。マーキュリーは型番27でクーペをモデル化していましたが、これはそれを大幅に変更していました。前後のバンパーを外し、補助灯を追加し、車高をあげてダイナミックなラリー仕様車を再現しています。このマーキュリー製の迫力ある造形はラリー仕様の当時物ミニカーとしては抜群に良い出来ばえでした。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE RALLY 3
LANCIA FULVIA COUPE RALLY 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランクを開いた画像です。エンジンも結構リアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE RALLY 5
LANCIA FULVIA COUPE RALLY 6

 以下は1993年に発売されたPROGETTO K(プロゲットK)製のランチア フルビア クーペ (1/43 型番PK080)の画像です。PROGETTO Kは主に1950-1980年代のイタリア車をモデル化していたイタリアのメーカーです。最初はレジン製ミニカーを作っていましたが、1980年代からダイキャスト製ミニカーも手掛けるようになりました。このフルビア クーペは上記のリオ製と良く似た作風で同じような出来ばえですが、開閉ギミックはありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 11
LANCIA FULVIA COUPE 12

 以下はフロント/リアの拡大画像です。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FULVIA COUPE 13
LANCIA FULVIA COUPE 14

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FERRARI 250 LM 1965 ITALY

FERRARI 250 LM
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM


BOX MODEL 8445 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.27m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型12気筒 3.3L 305HP 5段変速
性能: 最高速290km/h  データーベースでフェラーリ 250 LMのミニカー検索

フェラーリ 250 LM イタリア 1965年

 

 1950年代後半のF1 レースでは、クーパーのミドシップエンジン方式がその優位性を示していました。フェラーリは1961年にミドシップエンジン方式を156 F1で採用し、レース用スポーツカーでは1961年にディノ 246 SP(V型6気筒2.4Lエンジン搭載)で採用しました。ディノ 246 SPは、1963年にV型12気筒3Lエンジンを搭載する250Pに発展し、250Pは1963年のセブリング、ルマンなどで優勝し、マニュファクチャラー チャンピオンを獲得しました。(実車画像→ フェラーリ 250P)

 

 フェラーリ 250 GTOの後継車として、250Pをベースにしてルーフと内装を追加したGTカー仕様の250 LMが1963年に開発されました。しかし250 LMはGTカークラス認証に必要な台数が生産できず、プロトタイプクラスとなりました。250 LMの最初の1台は3Lエンジンを搭載していましたが、それ以外は3.3Lエンジンだったので275 LMとも呼ばれました。(数字は1気筒分の排気量を示します) 250Pは1964年に275P(3.3Lエンジン)/330P(4Lエンジン)に発展し、同年のセブリング、ニュルブルクリング、ルマンで優勝しました。1965年のルマンでは250 LMが優勝しました。

 

 

 ミニカーは1988年頃に発売されたボックスモデル製です。1980年代に創業したイタリアのボックスモデルは現在のベストモデルの前身でしたが、ボックスモデルが製作していたミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。これは1965年のアメリカのブリッジ ハンプトン 500㎞で8位となった250 LM #69をモデル化しています。独特な形状のリアカウルの造形など実車の雰囲気が良く再現されています。今見るとホイールの出来がやや安っぽいですが、当時はこれが普通でした。ボックスモデルは250 LM プローバ(PROVA:テスト車)やレース仕様など数種類のバリエーションを作っていました。250 LMの当時物ミニカーは、コーギー、ポリトーイ、マーキュリーなどがありました。当時物以外ではベストモデル、Bブラーゴ、マテルの1/18、イクソ、京商の1/64、ルックスマート(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 250 LM 1
FERRARI 250 LM 2

 以下は1967年に発売されたポリトーイ製Mシリーズの当時物 フェラーリ 250 LM ピニンファリーナ (1/43 型番525)の画像です。これは250 LMのレースカーではなく1965年に1台だけ製作されたロードカー仕様をモデル化しています。(実車画像→フェラーリ 250LM ピニンファリーナ スペシャル) 上述したレースカー仕様とはリアカウルの形状が大幅に異なっていて、ロードカーなのでバンパーが付いています。当時のミニカーとしては良く出来ていて、当時のポリトーイが売りにしていたギミックを満載しています。フロントパネル/ドア/リアカウルが開閉し、さらにルーフパネルとリアフェンダーに付いた燃料注入口のカバーまで開閉します。(ルーフパネルが持ち上がるのは昇降し易くする為) エンジンや室内などの細部も良く再現されています。以下のサイドビューで燃料注入口カバー/ルーフパネル/ドアの開閉動作がご覧になれます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 3
FERRARI 250 LM 4

 以下はフロント/フロントパネル開閉の画像とリア/リアカウルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 5
FERRARI 250 LM 6

 以下は1966年頃に発売されたマーキュリー製の当時物 フェラーリ 250 LM (1/43 型番39)の画像です。イタリアのマーキュリーは本業は自動車会社向けのダイキャスト部品のメーカーで、副業で玩具(ミニカーだけではない)も作っていたようです。副業とはいえ同社が作るミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。(自動車マニアの方がモデル化を担当していたのでしょう) この250 LMも実車の雰囲気がうまく再現されています。ドア開閉ギミック付きで、リアカウルを外すと上記のポリトーイ製と同様にエンジンが結構リアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 7
FERRARI 250 LM 8

 以下はフロント/リアの拡大画像とリアカウルを取り外したエンジンルームの画像です。ヘッドライトが黄色に見えるのは、フランス仕様という訳ではなく、ヘッドライトを固定する接着材が劣化して黄色に見えているようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 250 LM 9
FERRARI 250 LM 10

 フェラーリ 250P/275Pのミニカーはイクソ、ジョリー、アートモデルなどがあります。→データーベースでフェラーリ 250P/275Pのミニカー検索

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FERRARI DINO BERLINETTA PININFARINA 1965 ITALY

FERRARI DINO BERLINETTA PININFARINA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI DINO BERLINETTA PININFARINA


POLITOYS 536 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2L 217HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでフェラーリ ディノ ピニンファリーナ のミニカー検索

フェラーリ ディノ ベルリネッタ ピニンファリーナ イタリア 1965年

 

 1965年のパリ サロンで公開されたフェラーリ ディノ (ディーノ) ベルリネッタは、2年後の1967年に登場したディノ 206 GTのプロトタイプでした。デザインはピニンファリーナによるもので、ミドシップエンジン故に実現できた極めて低いノーズとその先端に配置したプレクシグラスカバー付のヘッドライトが特徴でした。キャビン後方からリアエンドまで伸びたラインはピニンファリーナならではの優雅なデザインでした。またリアウインドーを垂直にしたことは、エンジン音が室内にこもることを防ぐとともに排熱にも有利になっていました。1966年に一般的なヘッドライトが付いた量産型のプロトタイプが公開され、ほぼそのままのデザインでディノ 206 GTとなりました。

 

 ディノをベースにしたプロトタイプとしては1967年のトリノ ショーで公開されたディノ コンペティツィオーネも有名でした。それはレーシングカーをイメージしたショーカーで、抑揚の強いダイナミックなボディ、ガルウイング式ドア、車体前後に装備したスポイラーが特徴でした。漫画「サーキットの狼」に登場するディノ RSはこの車をオマージュした架空の車です。(実車画像→ フェラーリ ディノ コンペティツィオーネ 1967)

 

 

 ミニカーはポリトーイ製Mシリーズの当時物で1967年に発売されました。ポリトーイ流のデフォルメで実車のイメージをかっこよく再現したポリトーイの傑作ミニカーの一つです。最大の特徴であるヘッドライト(ラインストーン製)/カバーの造形が巧みで、リアパネルを開くと6気筒エンジンとスペアタイヤがリアルに再現されています。ドア/リアパネルの開閉ギミック付きで、初期物には前輪操舵ギミックが付いた物もあったようです。これ以外のディノ ベルリネッタの当時物ミニカーとしては同じポリトーイのペニー(1/66)、ポリトーイをコピーしたナコラル、マーキュリー、ディンキー(英)があります。当時物以外ではイタリアのABC-BRIANZAのレジン製があるようです。ディノ コンペティツィオーのミニカーはポリトーイ Eシリーズとペニー(1/66)、ダイヤペット、マルシン、京商(1/64)などがあり、「サーキットの狼」のディノ RSもエイダイ グリップや京商がモデル化しています。 以下はフロントの拡大画像とリア/リアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 1
FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 2

 以下は1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物 フェラーリ ディノ ピニンファリーナ (1/43 型番216)の画像です。同じ車をモデル化していますが、上記のポリトーイ製とはかなり雰囲気が違っています。(ポリトーイはシャープでかっこ良く、ディンキーは実直でごつい感じに仕上げてあります) このようなメーカーによる作風(出来ばえ)の違いは、良くも悪くも、1960-1970年代のミニカーメーカー毎の個性の反映であってそれが面白いところでもありました。ドア/リアパネルの開閉ギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 3
FERRARI DINO BELRLINETTA PININFARINA 4

 以下は1969年に発売されたコーギー製の当時物 ディノ 206 スポーツ (1/43 型番344)の画像です。これはレースカー仕様の ディノ 206Sを想定してモデル化しているようです。(実車画像→ ディノ 206S) ただし206Sの実車にはこのような大きなスポイラーが付いていません。上述したディノ コンペティツィオーネはこのようなスポイラーを前後に備えていました。コーギーは見た目の派手さを演出する為に、ディノ コンペティツィオーネのイメージを借りて大きなスポイラーをこのミニカーに追加したのだと思われます。そんなわけで206Sのミニカーとしては実車に忠実ではありませんが、206のイメージはそれなりに再現されています。ドア開閉ギミック付きで室内やエンジンルームもまずまずの仕上げで、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。(昔のミニカーはスケールモデルではないので、実車のイメージから大きく外れていなければ良いのです) なおタイヤをスムーズに回転させる為にピアノ線を車軸に使ったフリーホイール(コーギーは「WHIZZWHEELS」と称していた)をコーギーが最初に採用したのはこのミニカーでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI DINO 206 GT 1
FERRARI DINO B206 GT 2

「サーキットの狼」の劇中車のミニカー→ データーベースでフェラーリ ディノ RSのミニカー検索

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ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 1965 UK

ROLLS ROYCE SILVER SHADOW
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW


DINKY(UK) 158 1/41 125㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型8気筒 6.2L (200HP) 4段自動変速
性能: 最高速(180km/h)  データーベースでロールス ロイス シルバー シャドウのミニカー検索

ロールス ロイス シルバー シャドウ イギリス 1965年

 

 1955年から登場したロールス ロイス シルバー クラウドは、1960年代には技術的に時代遅れで旧態化していきました。ライバルであったメルセデス ベンツからハイテクを駆使した超高級車のメルセデス ベンツ 600が1963年に発表されました。この車に対抗する意味もあって新型のロールス ロイス シルバー シャドウが1965年に登場しました。シルバー シャドウは前後フェンダーがボディサイドに一体化された近代的なデザインとなり、モノコックボディ、全輪独立懸架、油圧式車高調整、全輪ディスクブレーキなど先進的な技術を採用していました。

 

 車体のサイズはシルバー クラウドより小さくなりましたが、近代的なモノコックボディの採用で室内は広くなっていました。モノコックボディ故にボディを大きく変えることができず、コーチビルダーが独自にデザインしたボディを架装することは難しくなりました。ロールス ロイスといえども時代の流れには逆らえないということでした。エンジンは改良され出力が向上し、4段自動変速機仕様で最高速度は180km/hの性能でした。1969年にロングホイールベース版が標準ボディ化されました。1977年にサスペンションの改良、室内のデザイン変更、バンパーの大型化、オートエアコン標準装備などの改良が行われ、シルバー シャドウ IIにモデルチェンジしました。1980年に後継車のシルバー スピリットにモデルチェンジしました。(実車画像→ ロールス ロイス シルバー スピリット)

 

 

 ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。フロントグリルやバンパーに金属製パーツを使ったディンキーらしいがっちりとした造形で、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。 (ただ少しごつすぎる感じになっていますが) ボンネット/4ドア/トランクが開閉するギミック付きです。ドアは内張が付きウィンドーが半開状態となっているなど凝った作りとなっていました。なおこの個体は左リアドアに塗装のむくれが発生しています。(塗装前の下処理がまずかったようです) ロールス ロイスのミニカーをまとめてみると、ディンキー(英)がロールス ロイスの主要な車種をまめにモデル化していたことが分かります。 これ以外のシルバー シャドウのミニカーはエリゴール、ダイヤペット、Bブラーゴの1/24、マッチボックス、ネオ(レジン製)、トゥルースケール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 1
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 2

 以下は1983年頃に発売されたフランスのエリゴール製の ロールス ロイス シルバー シャドウ(1/43 型番1047)の画像です。エリゴール初期のミニカーはノレブのプラスチック製ミニカーの型を流用したものが多いのですが、これもノレブのロールス ロイス シルバー シャドウ (1/43 型番33)の型を流用したものだと思われます。(ただしこのエリゴールはダイキャスト製です) プロポーションが良く、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。フランス仕様でヘッドライトが黄色になっています。ボンエット/トランクが開閉するギミック付きです。同じ型でフロント グリルを変更したベントレー T (型番1048)もありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 3
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 5
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 6

 以下は1978年に発売されたダイヤペット製の当時物 ロールス ロイス シルバー シャドウ (1/40 型番G71)の画像です。フロントグリル/ヘッドライトの造形が実車のイメージから少し外れていますが、プロポーションはまずまずでロールス ロイス シルバー シャドウの国産当時物ミニカーとしてはそこそこ良い出来ばえでした。なお1978年に発売しているので、シルバー シャドウ IIをモデル化しているのかもしれません。ボンエット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 7
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 8

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンはそこそこ良い造形で、リアには品川ナンバーのナンバープレートが付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 7
ROLLS ROYCE SILVER SHADOW 8

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