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アルファ ロメオ グラン スポルト クアットロルオーテ ザガート イタリア 1965年
この車はクラシックカーのように見えますが、戦前の名車6C 1750を模して1965年に作られたレプリカでした。イタリアの自動車雑誌「QUATTRORUOTE」(クアットロルオーテ)誌が企画したプロジェクトで、アルファ ロメオがジュリア TIのシャーシを提供し、オリジナルの6C 1750と同じザガートがボディを担当して約100台が限定生産されました。レプリカですので見た目は6C 1750に似せていますが、近代的なタイヤとハンドルの位置(6C 1750は右ハンドル)から戦前の6C 1750とは別物であることが分かります。 、
ボディはアルミニウム パネルを使い、ザガートが伝統的な方法で架装していました。またブレーキはジュリア TIのディスクブレーキをあえてドラム ブレーキに変えていました。ただエンジンは6気筒ではなくジュリア TI用の4気筒1.6L(106HP)エンジンを搭載し、車重は750kg、5段変速機で155km/hの性能でした。この動力性能はオリジナルの6C 1750 GS(グラン スポルト)と同じような性能になっていました。
ミニカーは1967年に発売されポリトーイ製の当時物です。ポリトーイが当時の技術力の全てを注ぎ込んで作った、ギミック満載の傑作ミニカーでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ボンネット内にはリアルに再現されたエンジンが収まっていました。ポリトーイは足回りのメカを再現するのも特徴でしたが、このグラン スポルト ザガートでは実車に即した構造のコイルスプリングで吊ったリアサスペンションと、実車と同じ構造のラック & ピニオン方式で可動する前輪操舵を再現していました。このラック & ピニオン方式の前輪操舵ギミックは現在の1/18クラスのミニカーでもほとんど採用していない構造で、実に凝っていました。ミニカーコレクターなら是非オークション等で入手してその素晴らしさを実感してもらいたいミニカーです。なおグラン スポルト ザガートのミニカーはこのポリトーイの物しかありません。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/付属品の幌を取り付けた状態の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランチア フルビア クーペ イタリア 1965年
前述した小型車ランチア フルビアのスポーティモデルとして、クーペが1965年に追加されました。短縮されたホイールベースにセダンとは打って変わった軽快なスタイルの2+2シーターのクーペボディを載せていました。V型4気筒1.2Lエンジンは90HPに強化され、5段変速で最高速166km/hの性能でした。(フルビア セダンは約140km/h) エンジンは1967年に1.3L(90-100HP)、1969年に1.6L(114-132HP)と強化されました。スポーティなデザインと高性能で人気がありました。1976年まで生産され、総生産台数は約14万台でした。後継車はベータ クーペでした。
フルビア クーペといえばラリーでの活躍が有名でした。1965年にラリー仕様のクーペ HFが登場しました。このHFとは「High Fidelity」の略で「高い忠誠心」を意味し、元々はランチア車でラリーを行っていたプライベーターチームの名前「HFスクアドラ コルセ(Squadra Corse)」が由来となっているそうです。このチームがワークスチームに昇格してランチアはクーペ HFでラリーに参戦しました。ラリー仕様車も1.3HF、1.6HF(115HP 最高速185km/h)とエンジンを拡大しました。1972年にはモンテ カルロとモロッコ ラリーなどで優勝しWRCチャンピオンとなり、フルビア クーペのラリー活動では最良の年でした。
ミニカーは1966年に発売されたポリトーイ製の当時物です。実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良い出来ばえでした。ただフロントの造形でグリルが独立していないような感じになっているので、その点が今一つです。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付です。当時のポリトーイはエンジンなどのメカをリアルに再現していましたが、このフルビア クーペもエンジンがそこそこリアルに再現されています。フルビア クーペの当時物ミニカーとしてはマーキューリー、メーベトイ、国産のダイヤペットなどがありました。最近の中国製の似たような出来ばえのミニカーとは違って、昔のミニカーにはそれぞれのメーカーの作風に違いがあり、同じ車種でも少し違った感じの出来ばえとなっていました。このフルビア クーペのミニカーではポリトーイ製があっさりとした造形で、初期のフルビア クーペのイメージに一番近いのではないかと思います。 当時物ミニカー以外ではリオ、PROGETTO K、ビテス、ベストモデル、スターライン、イクソ、ミニチャンプス、オートアートの1/18などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とトランク開閉/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 250 LM イタリア 1965年
1950年代後半のF1 レースでは、クーパーのミドシップエンジン方式がその優位性を示していました。フェラーリは1961年にミドシップエンジン方式を156 F1で採用し、レース用スポーツカーでは1961年にディノ 246 SP(V型6気筒2.4Lエンジン搭載)で採用しました。ディノ 246 SPは、1963年にV型12気筒3Lエンジンを搭載する250Pに発展し、250Pは1963年のセブリング、ルマンなどで優勝し、マニュファクチャラー チャンピオンを獲得しました。(実車画像→ フェラーリ 250P)
フェラーリ 250 GTOの後継車として、250Pをベースにしてルーフと内装を追加したGTカー仕様の250 LMが1963年に開発されました。しかし250 LMはGTカークラス認証に必要な台数が生産できず、プロトタイプクラスとなりました。250 LMの最初の1台は3Lエンジンを搭載していましたが、それ以外は3.3Lエンジンだったので275 LMとも呼ばれました。(数字は1気筒分の排気量を示します) 250Pは1964年に275P(3.3Lエンジン)/330P(4Lエンジン)に発展し、同年のセブリング、ニュルブルクリング、ルマンで優勝しました。1965年のルマンでは250 LMが優勝しました。
ミニカーは1988年頃に発売されたボックスモデル製です。1980年代に創業したイタリアのボックスモデルは現在のベストモデルの前身でしたが、ボックスモデルが製作していたミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。これは1965年のアメリカのブリッジ ハンプトン 500㎞で8位となった250 LM #69をモデル化しています。独特な形状のリアカウルの造形など実車の雰囲気が良く再現されています。今見るとホイールの出来がやや安っぽいですが、当時はこれが普通でした。ボックスモデルは250 LM プローバ(PROVA:テスト車)やレース仕様など数種類のバリエーションを作っていました。250 LMの当時物ミニカーは、コーギー、ポリトーイ、マーキュリーなどがありました。当時物以外ではベストモデル、Bブラーゴ、マテルの1/18、イクソ、京商の1/64、ルックスマート(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ ディノ ベルリネッタ ピニンファリーナ イタリア 1965年
1965年のパリ サロンで公開されたフェラーリ ディノ (ディーノ) ベルリネッタは、2年後の1967年に登場したディノ 206 GTのプロトタイプでした。デザインはピニンファリーナによるもので、ミドシップエンジン故に実現できた極めて低いノーズとその先端に配置したプレクシグラスカバー付のヘッドライトが特徴でした。キャビン後方からリアエンドまで伸びたラインはピニンファリーナならではの優雅なデザインでした。またリアウインドーを垂直にしたことは、エンジン音が室内にこもることを防ぐとともに排熱にも有利になっていました。1966年に一般的なヘッドライトが付いた量産型のプロトタイプが公開され、ほぼそのままのデザインでディノ 206 GTとなりました。
ディノをベースにしたプロトタイプとしては1967年のトリノ ショーで公開されたディノ コンペティツィオーネも有名でした。それはレーシングカーをイメージしたショーカーで、抑揚の強いダイナミックなボディ、ガルウイング式ドア、車体前後に装備したスポイラーが特徴でした。漫画「サーキットの狼」に登場するディノ RSはこの車をオマージュした架空の車です。(実車画像→ フェラーリ ディノ コンペティツィオーネ 1967)
ミニカーはポリトーイ製Mシリーズの当時物で1967年に発売されました。ポリトーイ流のデフォルメで実車のイメージをかっこよく再現したポリトーイの傑作ミニカーの一つです。最大の特徴であるヘッドライト(ラインストーン製)/カバーの造形が巧みで、リアパネルを開くと6気筒エンジンとスペアタイヤがリアルに再現されています。ドア/リアパネルの開閉ギミック付きで、初期物には前輪操舵ギミックが付いた物もあったようです。これ以外のディノ ベルリネッタの当時物ミニカーとしては同じポリトーイのペニー(1/66)、ポリトーイをコピーしたナコラル、マーキュリー、ディンキー(英)があります。当時物以外ではイタリアのABC-BRIANZAのレジン製があるようです。ディノ コンペティツィオーのミニカーはポリトーイ Eシリーズとペニー(1/66)、ダイヤペット、マルシン、京商(1/64)などがあり、「サーキットの狼」のディノ RSもエイダイ グリップや京商がモデル化しています。 以下はフロントの拡大画像とリア/リアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー シャドウ イギリス 1965年
1955年から登場したロールス ロイス シルバー クラウドは、1960年代には技術的に時代遅れで旧態化していきました。ライバルであったメルセデス ベンツからハイテクを駆使した超高級車のメルセデス ベンツ 600が1963年に発表されました。この車に対抗する意味もあって新型のロールス ロイス シルバー シャドウが1965年に登場しました。シルバー シャドウは前後フェンダーがボディサイドに一体化された近代的なデザインとなり、モノコックボディ、全輪独立懸架、油圧式車高調整、全輪ディスクブレーキなど先進的な技術を採用していました。
車体のサイズはシルバー クラウドより小さくなりましたが、近代的なモノコックボディの採用で室内は広くなっていました。モノコックボディ故にボディを大きく変えることができず、コーチビルダーが独自にデザインしたボディを架装することは難しくなりました。ロールス ロイスといえども時代の流れには逆らえないということでした。エンジンは改良され出力が向上し、4段自動変速機仕様で最高速度は180km/hの性能でした。1969年にロングホイールベース版が標準ボディ化されました。1977年にサスペンションの改良、室内のデザイン変更、バンパーの大型化、オートエアコン標準装備などの改良が行われ、シルバー シャドウ IIにモデルチェンジしました。1980年に後継車のシルバー スピリットにモデルチェンジしました。(実車画像→ ロールス ロイス シルバー スピリット)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。フロントグリルやバンパーに金属製パーツを使ったディンキーらしいがっちりとした造形で、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。 (ただ少しごつすぎる感じになっていますが) ボンネット/4ドア/トランクが開閉するギミック付きです。ドアは内張が付きウィンドーが半開状態となっているなど凝った作りとなっていました。なおこの個体は左リアドアに塗装のむくれが発生しています。(塗装前の下処理がまずかったようです) ロールス ロイスのミニカーをまとめてみると、ディンキー(英)がロールス ロイスの主要な車種をまめにモデル化していたことが分かります。 これ以外のシルバー シャドウのミニカーはエリゴール、ダイヤペット、Bブラーゴの1/24、マッチボックス、ネオ(レジン製)、トゥルースケール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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