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ポルシェ 904 GTS ドイツ 1964年
レーシングカー ポルシェ 718の後継車として904が1964年に登場しました。GT2クラスのホモロゲーション取得のため、100台以上が生産されました。バックボーンフレームにFRP製ボディを載せる構造のGTカーで、サーキットまで自走していく程度の実用性がありました。標準のエンジンはDOHC 空冷水平対向4気筒2L(180/155HP)で、ワークス用の904/6は911用の6気筒2L(210HP)、904/8は804F1用をベースとした8気筒2Lでした。
904のデビュー戦は1964年セブリング 12hで、クラス優勝(総合9位) しています。その後タルガ フロリオ優勝、ルマン クラス優勝などで活躍し、国際マニュファクチャラーズ選手権 GT2クラス チャンピオンを獲得し、1964年の第2回日本GPでもクラス優勝しています。(ドライバーは式場壮吉) 1965年にはプロトタイプクラスの904/6 904/8が主力となり、タルガ フロリオ GTクラス優勝、ルマン プロトタイプクラス優勝などで活躍し、GT2クラス チャンピオンを連続して獲得しました。後継車は1966年に登場した906でした。
ミニカーは2001年頃に発売されたビテス製です。倒産する直前のビテス絶頂期のもので、精密に再現されたエンジン/サスペンションが見えるようにリアカウルを外して配置したディスプレイケースに収められていました。ワイパーやリアカウル上の排気グリルにエッチングパーツを使うなどレベルの高い仕上げで、とても良く出来ていました。ビテスはルマン仕様などバリエーションを数種類出しています。これ以外の904のミニカーはポリトーイの当時物、ミニチャンプス、シュコー、スパーク(レジン製)などがあります。最近の新興ブランドのミニカー(主にレジン製)を「精密」と表現していることがありますが、私はこのミニカーのように内部構造を細かいパーツで再現していることを「精密」だと考えます。したがって外観はリアルながら内部メカを全く再現していないミニカーが「精密」であるとは思いません。なお「精密」と「出来の良し悪し」とはまた別の評価基準で、「精密」=「出来が良い」という訳でもありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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NSU (エヌ エス ウー) (ヴァンケル) スパイダー ドイツ 1964年
NSUはロータリーエンジンの考案者ヴァンケル博士と協力して1957年にロータリーエンジンの試作品を完成させました。NSU (ヴァンケル) スパイダーは実用型ロータリーエンジン(1ロータ 498cc 50HP)を搭載した世界初の市販車として1964年に登場しました。前述したスポーツ プリンツをベースにしたスパイダーでしたのでエンジンをリアに搭載していましたが、ロータリーエンジンが小さいのでリアにも荷物スペースがあったそうです。
車重が700kgと軽いこともあって、最高速度は150km/hと結構速かったようです。ただしこのロータリーエンジンはオイル消費が多く、アペックスシールが磨耗するなどロータリーエンジン特有の問題が解決されていなかったので、トラブルが多かったようです。またこの車はエンジン以外の完成度も低く、実際に販売されたのは約2400台でした。そんなわけで世界初のロータリーエンジン搭載車ながらほとんど知られていない車です。実用に使えたロータリーエンジン搭載車としては1967年に登場したNSU Ro80が最初といっていいでしょう。なおマツダのロータリーエンジン搭載車コスモ スポーツが登場したのも1967年でした。
ミニカーは2001年頃に発売されたミニチャンプス製です。プロポーションが良く、灯火類などの細部がリアルに再現されたミニチャンプスらしい良い出来ばえでした。オープンカーなので室内も良く再現されています。ただ世界初のロータリーエンジン搭載車であったNSU スパイダーをモデル化するならば、リアカバーを開いてロータリーエンジンが見えるといった演出が欲しいところです。細部がリアルなのはいいのですが、ちょっとした遊び心のセンスがミニチャンプスには足りません。NSU スパイダーは実車の知名度が低いせいで、ミニチャンプスがモデル化するまで量産ミニカーがありませんでした。(2023年現在でもミニチャンプス以外ではモデル化されていないようです) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オペル ディプロマット A ドイツ 1964年
1964年にオペルの上級車カピタン P2が角形ヘッドライトを持つスクエアなボディのカピタン Aにモデルチェンジしました。同じボディで、内外装を高級にした上級グレードには戦前の高級モデルであったアドミラル(海軍大将の意)の名前が復活して使われました。カピタン A、アドミラル Aは全長約5mの大型車で、当初は6気筒2.6L(100HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速158km/hの性能でした。1965年に6気筒2.8L(125HP)エンジンに変わりました。
同じボディにGM製 V型8気筒4.6L(190HP)エンジンとGM製2段自動変速機を搭載した最上級車ディプロマット(外交官の意)も設定されました。1965年にV型8気筒5.4L(230HP)エンジンが追加され、そのエンジンを搭載したカルマン製の2ドアハードトップ クーペが少量生産されました。当時のディプロマットはメルセデス ベンツ 600と同等の車格があったそうですが、オペルのブランド力ではメルセデス ベンツとは勝負にならず、あまり売れなかったようです。 1969年に2代目のカピタン B/アドミラル B/ディプロマット Bにモデルチェンジしました。総生産台数は夫々約2.4万台/約5.5万台/約9千台でした。
ミニカーは1966年に発売されたポリトーイ製のMシリーズ初期の当時物です。公称の縮尺は1/43ですが、実際には一回り大きめに出来ていました。(当時のミニカーは見た目が良くなるので、多少大きめに作ることがありました) プロポーションが良く特徴的なフロントグリルがリアルに再現され、室内全体が起毛仕上げとなっているなど凝った造りで良く出来ていました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンルームにはV型8気筒エンジンが再現されていました。これ以外のカピタン/アドミラル/ディプロマット Aの当時物ミニカーはガマ、ジク(SIKU)、ディンキー(仏)、マッチボックスなどがありました。当時物以外ではミニチャンプスのカピタンとディプロマット クーペ、ブレキナのカピタン/アドミラル/ディプロマット 1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード タウナス 17M (P5) ドイツ 1964年
1964年にフォード タウナス 17Mは一回り大きなボディのタウナス 17M/20M (P5)にモデルチェンジしました。先代の楕円をモチーフにしたデザインは継承されましたが、車格が上がったのでより一般的でオーソドックスなデザインに変わりました。同時期のオペル レコードも角型ヘッドライトを使用した同じようなデザインでしたので当時の流行りだったようです。(マツダのファミリア 1967年式はそっくりのデザインでした) ボディ形式は2/ドアセダン、3/5ドアワゴン(ターニア)があり、20Mにはスタイリッシュなハードトップ クーペ(1966年)がありました。
エンジンは先代の直列4気筒から新型のV型4気筒に変わり、17Mには1.5L(60HP)/1.7L(65HP)、20MにはV型6気筒2L(85-90HP)エンジンが搭載されました。20Mは4段変速で最高速161km/hの性能でした。20Mをベースにしてイタリアのカロッツェリア OSIがカスタムボディを架装したタウナス 20M TS OSI クーペが少量生産されました。1967年のモデルチェンジでタウナスの名前が外れて名前が17/20M (P7)に変更されました。タウナス P5の総生産台数は約71万台でした。(実車画像→ フォード タウナス 20M TS OSI クーペ 1967、フォード 20M (P7) 1967)
フォード 17/20M (P7)はボディが大きくなり先代よりもさらにオーソドックスで無難なデザインとなりました。基本的な構造は先代を踏襲していて、エンジンはV型6気筒2.3Lが追加されました。ボディが大きくなり過ぎたこととデザインの不評で販売が予想を下回ったので、1968年にはフロントグリルの意匠変更や1.8Lエンジン追加などのマイナーチェンジが行われて17/20M (P7b)となりました。1969年にV型6気筒2.6Lエンジンを搭載する豪華仕様の26Mが追加されました。1971年に生産中止となり、総生産台数は約72万台でした。1972年にイギリスフォードとドイツ フォードの共通モデルとなったコンサル/グラナダが後継車として登場しました。
ミニカーは1966年に発売されたディンキー(英)の当時物です。17M (P5)の2ドアセダンをモデル化しています。縮尺1/42なので1/43サイズより少しだけ大きめに出来ています。バンパーと一体成型したフロントグリルがやや派手すぎますが、プロポーションは良く実車の雰囲気はうまく再現されていました。ボンネット、トランク、ドアが開閉し、この当時のディンキー(英)製ミニカー特有の前輪操舵ギミックも付いていました。この前輪操舵ギミックは前車軸全体が回転するといった構造で、実車とは異なる動作ですが、簡単な構造でそれなりに面白いものでした。当時のミニカーメーカーはそれぞれが独自の前輪操舵ギミックを考案していました。それらをまとめたページがありますので興味がある方はこちらをご覧ください。→ 前輪操舵ギミックをまとめたページ これ以外の17M/20M (P5)のミニカーはポリトーイの当時物、ガマの当時物 クーペ 1/45、ジク(SIKU)の当時物 1/60、メルクリンの当時物 OSI クーペ、ミニチャンプスのセダン/クーペ/ワゴン/OSI クーペなどがあります。17M/20M/26M (P7)のミニカーはジク(SIKU)の当時物 1/60、ブレキナの1/87、ネオ(レジン製)のセダン/クーペなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 1500 イタリア 1964年
1961年にフィアット 1100の後継車としてフィアット 1300/1500が登場しました。フィアット 1300/1500は全長約4mの中型ボディに、上級車の1800/2100の6気筒から2気筒分を取り去ったような設計の4気筒1.3L(65HP)/1.5L(72HP)エンジンを搭載した中級車でした。ヘッドライトの上にひさしのような飾りがついたデザインは、当時のシボレー コルベアに端を発する流行だったそうです。(シトロエン アミ 6も同じようなデザインです) 実用車ながらイタリア車らしい軽快なデザインで結構魅力的でした。
1300/1500には4ドアセダン、5ドアワゴン(ファミリアーレ)がありました。同じ4気筒1.5Lエンジンを搭載したモデルとしてはフィアット 1100 カブリオレをベースにしたピニンファリーナ デザインの1500 クーペ/カブリオレと上級車1800の廉価版(主にタクシー用途)の1500Lがありました。1964年に1500のホイールベースを延長しボディを大きく(4.03m→4.13m)して外観を小変更した上級仕様の1500Cが追加されました。1300/1500は1967年まで生産され、後継車は124/125でした。派生車としてエンジン チューナーのシアタ(SIATA)社が製造したミケロッティ デザインのクーペ ボディに94HPにチューンしたエンジンを搭載したシアタ 1500 クーペがありました。(実車画像→ フィアット 1500 カブリオレ) (実車画像→ シアタ 1500 クーペ)
ミニカーは1966年に発売されたメーベトイ初期の当時物です。1966年に発売されていることとリアライトの造形から上級仕様の1500Cをモデル化しているようです。(縮尺1/42から全長を逆算してみると4.1mとなるので全長も1500Cに合っています)メーベトイ特有の柔らかい味付けのデフォルメがされ、実車のイメージがうまく再現されています。ドア開閉ギミック付きです。これ以外の1300/1500の当時物ミニカーはノレブ初期のプラスチック製でセダンとカブリオレ、マーキュリー、マッチボックス、エコー、エディルトイなどたくさんありますので、実車の人気が高かったことがうかがえます。当時物以外ではスターライン、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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