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フェラーリ F50 イタリア 1995年
フェラーリ F40の後継車として、F50が1995年に登場しました。F40のコンセプトをさらに進めて、「公道を走るF1」を目指したそうです。F1そのものといったコンセプトに従い、エンジンをモノコックフレームにボルトで直接固定しそのエンジンにサスペンションアームを固定するといったF1流の高剛性な車体構造を採用していました。エンジンもF1 F92Aに搭載されたV型12気筒エンジンのブロックを流用したDOHC 5バルブ V型12気筒4.7L(520HP)で、変速機は6段変速(F1用のセミオートマチックではない)で最高速325km/hの性能でした。
ルーフは取り外し可能でスパイダー(バルケッタ)にもなりましたが、ルーフの脱着はメカニックの作業が必要だったそうです。先代のF40は最低限のスパルタンな内装でしたが、F50はちゃんとしたスポーツカー的な内装でエアコンもついていたそうです。ただF1そのものの構造故に振動/騒音もF1並だったそうで、内装が良くなっても居住性はF40よりも悪化していたようです。GT1クラスに参戦する予定だったレース仕様のF50 GTの開発が中止されたことで、F50がレースに出ることはなくなりました。結局レースには出ない本当の「公道のF1」になりました。(ただし1995/1996年のマカオGPの前座レースにオフィシャルではないが参戦していました) 1997年までに約350台が生産され、新車価格は約5000万円でした。後継車は2002年に登場したフェラーリ エンツォでした。
ミニカーは1996年に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスのイタリア車は出来ばえがいまひとつの物があるのですが、このF50もフロント周りの絞り込みが足らないのでフロントの雰囲気が実車から少し外れています。室内などの細部はミニチャンプスらしいリアルな仕上げとなっています。ただエンジンカバーの透明度が低いのでその下のエンジンがほとんど見えないのは今一つです。ミニチャンプスはバルケッタもモデル化していました。その他のF50の当時物ミニカーはディテールカーのクーペ/バルケッタ、Bブラーゴの1/43、1/24、1/18などがありました。当時物以外では京商の1/18と1/43と1/64、トミカ プレミアムの/62、マイスト、タミヤの1/12、マテルの1/18と1/43、レジン製ではアイドロンなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 550 マラネロ イタリア 1996年
1996年にフェラーリ 550 マラネロが登場しました。ピニンファリーナのデザインで、1960年代の名車275 GTB/4を思わせるロングノーズ/ショートデッキの古典的なスタイルでした。ボディは全てアルミ製で鋼管スペースフレーム構造でした。エンジンは456 GTのDOHC V型12気筒をドライサンプ化し、吸排気系の制御システムを追加、アルミピストンとチタンコンロッドなど最新技術を投入して、485HPにパワーアップしていました。456同様にトランスアクスル方式を採用し最高速度は314km/hと、ミッドシップのF40と同等の性能でした。
2000年にはオープンのバルケッタ ピニンファリーナが追加されました。このバルケッタは簡単なソフトトップ(110km/h以上では使えない)しか装備されない純粋のロードスターでロールバーが付いていました。2002年に排気量を5.75Lに拡大した後継車575M マラネロにモデルチェンジしました。フェラーリは550のレース参戦には消極的でしたが、イギリスのプロドライブがチューニングした550のGTレースカーがGT選手権へ参戦し、2003年のルマンでクラス優勝しています。この車の活躍を見て、フェラーリも575Mをベースにしたレース仕様車575 GTCを開発しています。
ミニカーは1998年に発売されたソリド製の当時物です。1980年代は安っぽい廉価版が多かったソリドも、1990年代になると安価ながらレベルの高いミニカーを作るようになりました。この550もプロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて、往年のソリドを思わせるセンスの良いミニカーに仕上がっています。(ドア開閉等のギミックがなくなったのは残念ですが) なお安価(当時の定価2000円)ながらも、実車に即した赤と黒のカラーリングとなっている室内はうまく仕上げてあります。これ以外の当時物ミニカーはブラーゴの1/24と1/18、ミニチャンプス、マイストなどがありました。当時物以外では、イクソ、京商の1/64、レッドライン(レジン製)などがあります。575Mのミニカーはイクソ、マテル、京商などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。エンブレム等のデカールが付属していましたが、貼っていません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 360 モデナ イタリア 1999年
1999年にフェラーリ F355の後継車として360 モデナが登場しました。ホイールベースがF355より長くなり、全長も大きくなっていました。伝統のピニンファリーナのデザインながら、従来よりダイナミックな抑揚のあるデザインでした。ボディはスペースフレーム構造ながら従来の鋼管からアルミ押出材が使われていました。エンジンはF355の排気量を拡大したDOHC V型8気筒3.6L(400HP)で、F355同様に縦置きでミドシップ搭載していました。
F355の6段変速機は縦置きに変わり、F1と同じステアリング上のパドルで変速を行う「F1マチック」を搭載したモデルにはF1という名前が付いていました。2000年にロールバーを装備したオープンの360 スパイダーが追加されました。F355の後継として360 モデナはGTレースに参戦しており、レース仕様としてはワンメイクレース用の360 チャレンジ(公道用のストラダーレもある)、それをベースにした360N-GT、さらに高性能な360 GT/GTCなどがありました。F355同様に360 モデナも成功をおさめ、2005年に後継車のF430にモデルチェンジしました。
ミニカーは2000年に発売されたマテル製です。プロポーション的には悪くはないのですが、全体的にやや丸みが付き過ぎていて、雰囲気が実車と少し違う気がします。(個人的な好みですが) またサイド下部のインテークが抜けていない点は今一つです。リアウィンドーの下に見えるエンジンや室内のインパネの造形は良く再現されています。マテルの主流は1/18の大スケールでクーペとスパイダーがありますが、そちらのほうはもう少し上手く出来ているようです。マテル以外では、イクソのクーペ/スパイダー、ブラーゴの1/43と1/18、京商の1/43と1/64、レッドライン(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ エンツォ フェラーリ イタリア 2002年
フェラーリ F50の後継車として創業者の名前を冠したエンツォ フェラーリが2002年に登場しました。デザインは日本人デザイナー奥山清行氏によるもので、F1をイメージさせるフロントノーズ、露出させた伝統の丸形テールランプ、跳ね上げ式のドアなどいかにもスーパーカーらしい演出がされていました。ボディパネルやフレームにカーボンファイバーが使われ、徹底的に軽量化されていました。エンジンは専用設計のDOHC V型12気筒6L(660HP)とF50より大幅にパワーアップし、クラッチの無いパドルシフトによる6段半自動変速で最高速は350km/hの性能でした。
フェラーリ F50はF1そのもののエンジン搭載方式だったので、騒音や振動の問題がありましたが、エンツォ フェラーリではサブフレームにゴムブッシュを介してエンジンを固定する一般的な方式に改めていました。またエンジン/変速機/サスペンション/駆動力を統合的に制御するシステムが備えられ、ノーマル/スポーツ/レースと制御プログラムを切り替えられました。ノーマルでは公道で制御不能となるような状況を回避できるので、より安全な車となっていました。399台が生産され、当時の価格はプレミアム付きで1億円以上だったとのことです。
FXXプログラムというレースカー開発プログラムがあり、エンツォ フェラーリをベースにしたサーキット走行専用車FXXが開発され、フェラーリが認定した特別なユーザーにのみ販売されました。ユーザーがFXXでサーキット走行したデータをフェラーリに提供し、そのデータをフェラーリがレースカー開発に役立てるのだそうです。なおFXXでレースに出ることは出来ませんでした。(実車画像→ フェラーリ FXX)
ミニカーはイクソのフェラーリ シリーズ(型番がFER****)の第1弾で2004年に発売されました。このシリーズは50車種ほどが発売され2007年頃に終わりましたが、ほとんどが良くできていました。このエンツォもプロポーションが良くリアウインドー越しに見えるエンジンや室内がリアルに再現されていて、かなり良い出来ばえです。これ以外のエンツォ フェラーリのミニカーとしてはブラーゴの1/43と1/18、マテル(ホットホイール)の1/43と1/18、京商の1/64、1/43、1/12、レジン製ではBBRなどがあります。フェラーリ FXXのミニカーはイクソ、京商の1/64、1/43、マテル(ホットホイール)の1/43、1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 612 スカリエッティ イタリア 2004年
フェラーリ 456Mの後継車として、612 スカリエッティが2004年に登場しました。612とは12気筒6L(正確には5.7L)エンジンの意で、スカリエッティとは協力関係にあったコーチビルダーのオーナー セルジオ スカリエッティ氏に由来しています。デザインはピニンファリーナによるもので、ボディ側面をえぐった造形は1954年の375MM イングリッド バーグマン仕様のオマージュということで、品の良いエレガントなデザインとなっていました。サイドビューを見るとキャビン部分が大きく2+2座だった456Mより広い室内で、4?乗りとして開発されたことが分かります。
エンジンはマラネロ 575Mと同じDOHC V型12気筒5.7L(540HP)で、6段変速/6段半自動変速で、4シータながら最高速320km/hと高性能でした。特別仕様車として2005年のイタルデザインのG.ジウジアーロのデザイナー活動50周年を記念したコンセプトカー GG50 (フェラーリ初のハッチバックでG.ジウジアーロのデザイン)、2007年のフェラーリ創立60周年記念で限定60台のセッサンタ(60の意)などがありました。(実車画像→ フェラーリ GG50) また2005年には612 スカリエッティで中国を横断する「チャイナツアー」と称するPRキャンペーンを行っていました。2011年に生産中止となり、後継車的なモデルとしてフェラーリ初のシューティングブレーク(ワゴン) フェラーリ FFが登場しました。(実車画像→ フェラーリ FF)
ミニカーは2005年に発売されたイクソ製です。型番がFERで始まるイクソのフェラーリ シリーズの一台です。イクソはミニカー付雑誌 フェラーリ コレクション用で612をモデル化していましたので、これはそれをカタログモデルとしたものです。プロポーションが良いイクソらしいそつの無い造形で、実車の雰囲気がうまく再現されています。室内も薄茶色シートの内装やインパネなどが良く仕上げてあります。ただ背面が透けて見えるヘッドライトの処理がいまひとつです。イクソは上述したPRキャンペーン「チャイナ ツアー」を行ったチャイナツアーカー仕様もモデル化しています。これ以外の612 スカリエッティのミニカーは、マテルの1/43と1/18、ルックスマート(レジン製)、レッドライン(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
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