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BMW 1600-2 ドイツ 1966年
BMWの新型車1500はヒットし1600、1800、2000と大型車に発展していきました。BMWは北米市場でのスポーティな2ドア車の要望に対応して、新しい小型車の1600-2を1966年に登場させました。1600-2は1500のスタイルを踏襲しつつ、ホイールベースを短縮して一回り小さい2ドア車となっていました。デザイン的にはリアのテールライトが丸型の物に変わり軽快な感じがしました。エンジンは1600の4気筒1573cc(85HP)を流用し、 940kgの軽量ボディで最高速は160km/h でした。
1967年にはバウア社が架装するフルオープン4シーターの1600-2 カブリオレ(限定生産)と、エンジンを105HPにパワーアップした高性能版の1600-2 Tiが追加されました。1600-2は1971年に1602と名前が変更され、これがいわゆるBMW 02系の始まりになりました。1971年に3ドアハッチバックの1602 ツーリングが追加されました。1968年には4気筒2Lエンジン(100HP)を搭載した2002が登場しました。2002 Tiはその高性能版で、エンジンが120HPに強化されていました。1971年には機械式燃料噴射装置で130HPに強化した2002 Tiiも追加され、この車は最高速190km/hと高性能でした。
2002 Ti/Tiiはツーリングカーレースで活躍し、BMWのブランドイメージを確立していきました。1971年に1600-2は1602と名前が変更され、これがいわゆるBMW 02系の始まりとなりました。1971年に3ドアハッチバックの1602 ツーリングが追加されました。1975年に1972年に登場した5シリーズ(E12)とデザインを統一した3シリーズ(E21)にモデルチェンジされました。
ミニカーは1994年に発売された初期のミニチャンプス製です。ミニチャンプスとしては初期物ですので最盛期の物ほどではないですが、ミニチャンプスらしい細部をリアルに再現した良い出来ばえです。なお当時の定価は3300円で、これは当時の国産ミニカーの約2倍と高価でした。ミニチャンプスはカブリオレ(1/18)やツーリング(BMW特注品)もモデル化しています。ミニチャンプス以外では、サブロンの当時物、トロフュー、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW (グラース) 1600GT ドイツ 1967年
1895年に創立したドイツの老舗農機具メー カーであったグラース社は、第2次大戦後の1951年に125㏄エンジンを搭載したゴッゴローラーを開発しスクーター市場に進出しました。(実車画像→ グラース ゴッゴローラー) このスクーターがヒットしたことで、1955年には空冷2ストローク2気筒247ccエンジンをリアに搭載した超小型車ゴッゴモビル T250を開発し4輪車市場に進出しました。ゴッゴモビルが成功したことで1962年には4気筒1Lエンジンを搭載したグラース 1004を開発し本格的な乗用車市場へも進出しました。(実車画像→ グラース 1004) その後も上級指向は続きBMWクラスの中級車にまで進出し、1965年には高性能GTカーの2600 V8まで発表しました。しかしこれらの高級車は売れず、経営が行き詰まり1966年にBMWに吸収合併されました。
BMWがグラース社を買い取ったのは、車種構成を拡大するためでした。BMWは改良したグラース車をグラースの工場で生産し販売しました。BMWがグラースから選んだのは1300GT、2600 V8、ゴッゴモビルで、1300GTはイタリアのピエトロ フルアがデザインしたファーストバックのスポーティカーでした。この車のフロントにBMWの顔であるキドニーグリルを取り付け、1600TI用のエンジンとリアサスペンションを組み込んだのがBMW 1600GTで、1967年に発表されました。販売台数は約1000台ほどで直ぐに生産中止となりました。
ミニカーは1970年頃に米澤玩具(ダイヤペット)が代理店として輸入したベルギーのサブロン製です。サブロンのミニカーはホイールが合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤で溶けることで知られています。(参照ページ→ ミニカーの材質と劣化) この1600GTもオリジナルのホイールが溶けたので、ホイールとタイヤを別の物に交換しています。ホイールの問題はありましたが、サブロンのミニカーは当時としては出来の良いミニカーでした。この1600GTもプロポーションが良く、そこそこの良い出来ばえで、ドア/ボンネット/トランクが開閉できます。1600GTの当時物ミニカーとしてはメルクリンもありました。当時物以外ではネオ(レジン製)の1300GTがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 2800CS (E9) ドイツ 1968年
BMWは上述した2000よりさらに上級の6気筒2.5L/2.8Lエンジンを搭載したセダン 2500/2800(E3系)を1968年に登場させました。ボディは6気筒エンジンを搭載するためにフロント部分が長くなり、ヘッドライトが横長角形から一般的な丸形4灯式に変更されました。この6気筒エンジンを搭載したクーペ 2800CS(E9系)も同じ年に登場しました。このE3/E9系の6気筒エンジンは卓越した静粛性とスムーズな吹上がりから「シルキー シックス」と呼ばれました。
1971年にはより高性能な3L(180HP)エンジンを搭載する3.0S、燃料噴射式3L(200HP)エンジンを搭載する3.0 Siが追加されました。1973年には3.3L(190HP)エンジンを搭載しホイールベースを100㎜延長した最上級仕様の3.3Lも設定されました。また3Lエンジンを搭載しボディを軽量化したレース仕様のクーペ 3.0 CSLはレースで大活躍しました。E3系は高性能高級車を得意とするメルセデス ベンツに対抗するために開発され、その対抗馬としての地位を確立し、1977年には7シリーズに発展しました。このE3/E9系がノイエ クラッセ シリーズ(新しいクラス)の最終的な発展型でした。
ミニカーは1971年に発売されたメルクリン製の当時物です。メルクリンは鉄道模型の老舗メーカーで、1950-1970年代にはダイキャスト製ミニカーも作っていました。ホイールが走行性を重視したフリーホイールになっていることがやや残念ですが、デフォルメが巧みで実車の雰囲気をうまく再現した良い出来ばえです。(室内の造形はやや物足りないレベルですが) ドア/ボンネット/トランクが開閉するフルギミック付きで、この開閉ギミックはヒンジ部に板バネを使うことで閉じたときの立付けが良くメリハリの付いた開閉動作を実現していました。メルクリンは2500 セダン(E3系)もモデル化していました。E3系の当時物ミニカーはシュコーの1/66、当時物以外ではシュコー、ブレキナの1/87、NEO(レジン製)などがあります。また3.0CSL(E9系)はレース仕様も含めてソリド、ミニチャンプス、オートアートの1/18、スパーク(レジン製)などたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW ターボ ドイツ 1972年
BMW ターボは1972年に開催されたミュンヘン オリンピックを記念してBMWが開発したコンセプトカーでした。BMW 2002のシャーシをベースにした未来的なスポーツカーで、大胆なくさび形の2ドアクーペボディにガルウィングドア、リトラクタブルヘッドライトを採用していました。ボディと一体化した大きな前後バンパーは衝撃を吸収する発泡材を充填していました。ミドシップ横置き搭載された4気筒2L(280HP)エンジンは後に登場した2002 ターボ用(170HP)を先取りしたものでした。0-100km/h加速が6.6秒、最高時速は250km/hの性能でした。
未来的な外観に合わせて、室内のコクピットも横長のスピードメーターなど目新しいデザインでした。また最新技術としてレーダーを使用して前方の車との車間距離を測定し室内のセンターコンソールのディスプレイに表示し、車間距離が設定レベルを下回った場合にドライバーへ警告する制動距離モニターを備えていました。BMW ターボは2台だけ製造され、オリンピックのパレード車両として採用されました。この車のイメージを踏襲した後継車として1978年にBMW M1が登場しました。
ミニカーは1975年に発売されたシュコー製の当時物です。シュコーの型番301***の1/43サイズのミニカーは、当時かなりレベルの高い出来ばえでした。このBMW ターボもプロポーションが良く、実車の特徴的なくさび形ボディがうまく再現されています。フロントパネル/ガルウィングドア/リアパネルが開閉するギミック付きで、室内は横長のスピードメーターがそこそこリアルに再現されています。ただ残念なことに、当時のシュコーには塗装品質が良くない物があり、このBMW ターボのボディ塗装はかなり劣化しています。ただし何故かバンパーの塗装は劣化していません。(ボディの下地処理が不十分だったのか、塗装そのものが良くないのでしょう) これ以外のBMW ターボのミニカーは、同じシュコーの当時物 1/66と最近のレジン製1/43、ノレブのJETCARシリーズの当時物、国産のマルシン ミニスターシリーズの当時物などがあります。以下はフロント/フロントパネルを開いた状態の画像とリア/リアパネルを開いたエンジンルームの画像です。リアパネル下にはBMWのロゴが付いたエンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 2002 ターボ ドイツ 1973年
ターボチャージャーは航空機エンジンの高高度性能を向上させる為に空気を圧縮する技術でした。航空機エンジンメーカーでもあったBMWが、この技術を量産型自動車エンジンに採用したのが、1973年に登場した2002 ターボでした。ターボチャージャーが追加された2002 Tiiの2Lエンジンは170HPを発生しました。最高速210km/h、0-400m加速が15秒台と当時の2Lクラスとしてはずば抜けた性能でした。
太いタイヤをカバーするオーバーフェンダー、フロントのチンスポイラーなど見た目も凄味の効いたスタイルで圧倒的な存在感のある車でした。またチンスポイラーには「TURBO」の逆さ文字のステッカーが貼られていて、これは先行車のバックミラーに「TURBO」の文字を映し出して威圧感を与えるものでした。ハイパワー故に燃費が悪かったのでオイルショックの影響で1974年には生産中止となり、総生産台数は約1700台の希少車でした。同様のターボ車としては1973年にポルシェ 911(930)ターボの試作車が発表され、1975年に市販されました。
ミニカーは1975年に発売されたソリド製の当時物です。このミニカーは入手したときにその出来ばえにほれぼれしたほど、当時のミニカーとしては素晴らしいものでした。なおナンバープレート、BMWエンブレム、スポイラーの「TURBO」文字などは付属しているデカールを自分で貼りました。昔のミニカーは自分でデカールを貼るという作業が必要で、その少し面倒な作業もミニカーの楽しみのひとつでもありました。これ以外の2002ターボのミニカーは、ミニチャンプスの1/43と1/18、オートアートの1/18、京商の1/18と1/64、スパークのレース仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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