Sorry Japanese Only
ルノー レナステラ RM2 フランス 1934年
ルノーの最上級車であった40CVは、1928年にルノー初の8気筒エンジン(7.1L)を採用したレナステラ(RM型)に変わりました。レナステラはロールス ロイスやパッカードなどの高級車をライバルとするルノーの高級車ステラ シリーズの最初のモデルで、大統領専用車にもなりました。ラジエーターがフロントに移されたので、特徴であった「象の鼻」がなくなり、当時のアメリカ車によく似たラジエーターグリルを持つようになりました。なおステラ(STELLA)とはラテン語でSTAR(星)の意味で、ステラ シリーズにはフロントグリル上部に星形のマスコットが付いていました。
1930年に8気筒4.2L(100HP)エンジンを搭載した廉価版のネルヴァステラ(NERVASTELLA)が登場しました。1933年にレナステラを軽量化してパワーアップしたスポーツ仕様のレナスポールが登場しました。レナステラは1933年頃に生産中止となり、総生産台数は数百台でした。後継車はネルヴァステラでした。なおレナスポールは左ハンドル仕様でこの車以前のルノーは全て右ハンドルでしたが、この時期から左ハンドルに移行していきました。(この時代以前のルノー車のミニカーをみると全て右ハンドルです) なお自動車以前の馬車では御者が右手でムチを扱いやすいように右側に座っていたので、その名残で初期の自動車はほとんどが右ハンドルでした。
ミニカーは1970-1980年代に発売されたソリド製です。レナステラの後期型RM2の重厚なリムジーンをモデル化しています。現代的な観点で見ると特別にリアルという訳ではないですが、当時としては良い出来ばえのミニカーでした。ボディ側面の籐細工模様やルーフに貼った布で高級な雰囲気に仕立てています。(模様の付いていない仕様もありました) なおこの車はまだ右ハンドルです。これ以外のレナステラのミニカーは最近のノレブのリムジンや大統領車などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=256
ルノー ヴィヴァスポール カブリオレ フランス 1934年
1930年代前半のルノーのラインナップは、前述した8気筒エンジン搭載の最上級大型車のネルヴァステラ、その下に6気筒エンジン搭載の中型車でヴィヴァステラ(VIVASTELLA)/プリマステラ(PRIMASTELLA)、その下の4気筒エンジン搭載の小型車にヴィヴァカトル(VIVAQUATRE)/プリマカトル(PRIMAQUATRE)/モナカトル(MONAQUATRE)がありました。(QUATREとはフランス語で4の意味で4気筒エンジンを意味しています) 1929年に登場したヴィヴァステラは6気筒3.2L(52HP)エンジンを搭載した、全長約4.5m-4.9mの4ドアセダンの高級中型車でした。ラジエーターはまだエンジン後方に配置されていましたが、フロントグリルが付いていました。(実車画像→ ルノー ヴィヴァステラ 1930)
1934年にエンジンが3.4L(85HP)に拡大され、1935年にはボディ全体が丸みを帯びた新型に変更されました。1933年に上級車として6気筒3.6L(80HP)エンジンを搭載したヴィヴァスポール(VIVASPORT)が登場しました。このスポール(SPORT)という名前は高性能の上級グレート車に付けた名前のようです。ヴィヴァスポールは1934年にはエンジンが4L(95HP)に拡大されました。2ドア/4ドアセダンやスタイリッシュな2ドアクーペ/カブリオレなどがありました。ヴィヴァスポールは1938年まで生産され総生産台数は約5000台でした。
ミニカーは1970年代に発売されたフランスのデュブレイ(DUBRAY)製です。デュブレイはフランスのプラスチック製ミニカーの老舗ブランドで、フランス車のクラシックカーを1/43でモデル化していました。これはヴィヴァスポールの2ドア4座カブリオレをモデル化しています。1970年代のミニカーとしてはリアルな造形で、実車の雰囲気がうまく再現されていて良い出来ばえです。プラスチック製ですが塗装されていますので、ボディには塗装による艶があります。プラスチック製ミニカーで問題となる経年変化がほとんどみられないので、ABS樹脂のような耐久性のある材質が使われているようです。これ以外のヴィヴァスポールのミニカーはユニバーサルホビー、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=258
ルノー セルタカトル フランス 1934年
1930年代前半のルノーのラインナップは、前述した8気筒エンジン搭載の最上級大型車のネルヴァステラ、その下に6気筒エンジン搭載の中型車でヴィヴァステラ(VIVASTELLA)/プリマステラ(PRIMASTELLA)、その下の4気筒エンジン搭載の小型車にヴィヴァカトル(VIVAQUATRE)/プリマカトル(PRIMAQUATRE)/モナカトル(MONAQUATRE)がありました。(QUATREとはフランス語で4の意味で4気筒エンジンを意味しています) 1931年に登場したモナカトルは4気筒1.3L(25HP)エンジンを搭載した全長約3.9mの小型車で、2ドア/4ドアセダンと2ドアクーペ/カブリオレがありました。1932年にエンジンが1.5L(30HP)に拡大され、ボディも丸みを帯びたデザインに変わりました。それと同時期にモナカトルより上級のプリマカトルとヴィヴァカトルが登場しました。(実車画像→ ルノー モナカトル 1931)
モナカトルの後継車として1934年にセルタカトルが登場しました。セルタカトルは4気筒1.5L(34HP)エンジンを搭載した小型車で、当時のルノーでは一番安いモデルでした。ボディは当時流行った流線型を取り入れていましたが、同時期のライバルであったシトロエン 7CVに較べると今ひとつ古くさい感じがします。中身も独立でない前輪サスペンションやフレーム構造など技術的にはライバルから遅れていましたが、値段が安いことでそこそこ成功したようです。1937年に後継車のジュバカトルが登場し、1939年まで生産されました。総生産台数は約4.4万台でした。
ミニカーは2005年に発売されたノレブ製です。プロポーションが良く、フロントグリルと灯火類、ワイパー、リアの荷物棚などの細部までよく作りこんでいます。特にフランス車の特徴である黄色のヘッドライトが付いたフロント周りの造形は、実車の雰囲気がうまく再現されています。セルタカトルの量産ミニカーはノレブ製しかないようです。なお同じフランスのビンテージ ミニカーメーカー CIJのプリマカトル(1/20 ブリキ製玩具)の復刻版を、ノレブがNOREV CIJブランドで発売しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=259
ルノー ジュバカトル フランス 1938年
前述したルノー セルタカトルの後継車として、全く新しい設計の小型車ジュバカトルが1937年に登場しました。モノコック構造ボディに4気筒1L(24HP)エンジンを搭載し、前輪に独立懸架サスペンションを採用し最高速度91km/hの性能でした。ボディは4ドアセダン/2ドアクーペと2ドアバン/ワゴンがありました。ライバルのシトロエン 7CVなどに技術的に追いついたこの車は、1938年に約1万台販売されて当時のルノーとしてはかなり成功した車となりました。
第2次世界大戦の勃発でルノーは乗用車の生産を中止し、工場は連合軍の空襲で壊滅状態となりました。1945年に戦後のルノー最初のモデルとしてジュバカトルの生産が再開されました。1956年に後継車のドーフィンが登場し、ジュヴァカトルの乗用セダンは生産中止になりました。しかしリヤにエンジンを搭載するドーフィンはバン/ワゴンには不向きでしたので、ジュバカトルのバン/ワゴンはエンジンをドーフィンと共通化するなどの変更が施され1960年まで生産が継続されました。特に1956年以降のワゴンはドーフィノワーズ(DAUPHINOISE)とも呼ばれています。(実車画像→ ルノー ドーフィノワーズ 1958)
ミニカーは1980年代に発売されたエリゴール製です。フロントグリルの造形など実車の雰囲気が良く再現されていて、1980年代のミニカーとしてはとても良く出来ています。リアのトランクが開閉できるギミック付で、そこにはスペアタイヤが格納されています。エリゴール初期のミニカーは同時期のノレブのプラスチック製ミニカーをコピーした物が多いのですが、これもノレブの型番10のジュバカトルをベースにしています。トランクのギミックもノレブをそのままコピーしています。(ただしエリゴールはダイキャスト製で、ホイールなど細部を少し変えていますが) これ以外のジュバカトルのミニカーは、ユニバーサルホビーのクーペ/ブレーク、最近のノレブのバン、ソリドのバン 1/18などがあります。 以下はフロントの拡大画像とリアトランクの開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=260
ルノー スープラステラ カブリオレ フランス 1939年
前述したルノー ネルヴァステラの後継車として、戦前のルノー最後の旗艦となったのがスープラステラで1938年に登場しました。スープラステラは8気筒5.4L(110HP)エンジンを搭載した全長5mを超える大型車で、ロングホイールベース版で全長6.5mのリムジーンもありました。ボディは4ドアセダンがメインでしたが、洒落た2ドアクーペ/カブリオレもありました。フロントグリルは同時期のアメリカ車を真似たあまり品の良くないデザインで、高い位置にあるボンネットと広い車幅が相まって押し出しの強い迫力のあるスタイルとなっていました。ちなみにスープラステラとは英語に直すと「SUPER STAR」ということになります。
コーチビルダー フラナイ(FRANAY)の架装でリムジンボディをカブリオレ仕様にしたスープラステラが戦前のフランス ペタン首相の公用車として使われ、戦後もしばらくの間オリオール 第16代フランス大統領の大統領車として使われました。(実車画像→スープラステラ 大統領車) コーチビルダーがボディを架装する高級車としては、フランスではスープラステラが最後の車でした。なおイギリスのロールス ロイスは1950年代まではまだコーチビルダーがボディを架装していました。
以下は2007年頃に発売されたイクソ製です。スープラステラの2ドアカブリオレをモデル化しています。このミニカーはフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo.19として作られたもので、私はオークションで入手しました。同じものの色違いがイクソのカタログモデルとして型番MUS022で発売されています。この車は2ドアカブリオレとしては大きなボディで、戦前のルノーの豪華な高級車の雰囲気がうまく再現されています。フロントグリル/灯火類/室内などの細部もそこそこ良く再現されています。これ以外のスープラステラのミニカーは少量生産のレジン製でクーペや大型リムジンがありますが、2023年時点で量産ミニカーは無いようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=257
当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.