ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MATRA SPORT MS630 1969 FRANCE

MATRA SPORT MS630
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SPORT MS630


POLITOYS M595 1/43 105㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC V型12気筒 3L 385HP 5段変速
性能: 最高速330km/h  データーベースでマトラ 630/660/670のミニカー検索

マトラ スポーツ MS630 フランス 1969年

 

 マトラはモータースポーツを担当するマトラ スポール(スポーツ)を1964年に設立し、フォーミュラカーとプロトタイプスポーツカーのレースに参戦しました。フォーミュラカーではまずF3にMS1で参戦しすぐにF3選手権を制覇し、F2でもMS7などでヨーロッパ選手権を制覇しました。

 

 1968年から自社製V型12気筒3Lエンジンを搭載するワークスのMS11とフォード コスワース DFV エンジンを搭載するセミワークスのMS10でF1に参戦しました。MS10はJ.スチュアートのドライブでオランダGPでのF1初優勝を含めて3勝し、上位陣として活躍しました。1969年はセミワークスのみの参戦でしたが、11戦で6勝する圧勝で、J.スチュアートのドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンの2冠を獲得しました。
データーベースでマトラ MSのミニカー検索

 

 

 1969年末にマトラは経営難からクライスラー傘下のシムカと合併し、社名をマトラ シムカに変更しました。これでフォード エンジンが使えなくなり、セミワークスだったマトラ インターナショナルはマトラから独立してティレルとなりました。またワークスは1970年にF1に復帰しますが、成績が振るわず1972年にF1から撤退しました。 ルマン制覇を目標にしたプロトタイプスポーツカーレースでは、BRM製V型8気筒2Lエンジンを搭載するMS620で1966年から参戦しました。その後1967年にMS630、1968年に自社製V型12気筒3Lエンジン搭載のMS650に発展し1969年ルマンでは4位入賞しました。1970年にMS660に発展し、1972年に登場したMS670はルマンで初優勝し、その後1974年までルマンを3連覇しました。1973年と1974年はメイクスチャンピオンにもなりましたが、1974年をもってマトラはワークス活動から撤退し、技術陣の多くはリジェに移籍しました。

 ミニカーはポリトーイのMシリーズの当時物です。これはオークションで入手した物で、貼られていたゼッケンが剥がされています。MS630は好成績を残したわけではないので、どのレース仕様をモデル化しているのかは分かりませんが、ロングテールなのでルマン仕様でしょう。実車の平べったいイメージがやや誇張されて再現されています。Mシリーズの後期物ですので初期物ほど凝っていませんが、エンジンが再現されています。ポリトーイはMS660もモデル化しています。それ以外の当時物ではソリドのMS10 F1やMS650やMS670などがあります。最近のものでは、イクソのMS670とミニチャンプスのMS670に加えてスパークとビザールがF1やスポーツカーを非常に多くモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とエンジンルーム/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MATRA SPORT MS630 1
MATRA SPORT MS630 2

 以下は2019年に発売されたアシェットのルマン24時間レース カーコレクション製のマトラ MS670B #7 ルマン 優勝 1974 (1/43 No.26)の画像です。メーカーはスパークで、上述した1974年ルマンの優勝車をモデル化しています。ルマン24時間レース カーコレクションは、従来の雑誌付きミニカーのレベルを超える良い出来ばえです。このマトラ MS670Bも良く再現されたスポンサー ロゴなどはこのシリーズの標準的なものですが、特徴的な吸気用ダクトやコクピット内の造形などがそこそこリアルで良く出来ています。なおこのMS670Bにはメインスポンサーであった「GITANES(ジタン)」のロゴが付いていたのですが、「GITANES」はたばこのブランドなのでそのロゴをミニカーに貼付することができないようで、ミニカーの箱にデカールが添付されています。(デカールは貼付していません) たばこの宣伝を禁止する規制をミニカーにまで適用するのはやり過ぎだと思うのですが。。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SPORT MS670B 1
MATRA SPORT MS670B 2

 以下はフロント/リアの拡大画像とコクピットの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SPORT MS670B 3
MATRA SPORT MS670B 4

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FERVES RANGER 1969 ITALY

FERVES RANGER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERVES RANGER


MERCURY 21 1/43 66㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.63m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 2気筒 499cc 22HP 4段変速 RR/4WD
性能: 最高速80km/h  

フェルベス レンジャー イタリア 1969年

 

 フェルベス レンジャーはコーチビルダーのフェルベスが1966年から生産していた小型のオフロード多目的車でした。オープンの軽便なボディは愛嬌のあるデザインで、4座の簡単なシートが付いています。前席より後ろを荷台にしたカーゴ仕様(積載量300㎏)もありました。オフロード車の為車高が高く、当初は後輪駆動仕様だけでしたが、すぐに超低速ローギアとデフロック機能が付いた本格的な4WD仕様が追加されました。小型でも本格派のオフロード車だったようです。

 

 プラスチック製のフロントウインドーは可倒式で、ドアは取り外すことができました。画像のような4座全体を覆う幌を付けることもできました。エンジン/変速機はフィアット 500、サスペンション/ブレーキはフィット 600、リアライトはフィアット 850などフィアット車の部品を流用して作られていました。1970年まで生産され、総生産台数は約600台でした。なおフェルベス(FERVES)とは「Ferrari Veicoli Speciali」の略で意味は「フェラーリ特殊車両」です。この会社はスポーツカーのフェラーリとは何の関係もなく、フェラーリはイタリアでは一般的な名字だそうです。

 

 

 ミニカーは1970年頃に発売されたマーキュリー製の当時物です。不整地用タイヤを履いているので、乗用車タイプの4WD仕様をモデル化しているようです。実車のゴロンとした雰囲気がうまく再現されています。小さいながら、ドアが開閉しフロントウインドーを倒し幌を外すこともできます。なお厳密なことをいうとドアが小さめなど実車と違っている点もあるのですが、このミニカーはそんな細かいことは言わずに見て触って楽しむ類のミニカーです。フェルベス レンジャーはあまり知られていない車なので、ミニカーはこれしかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERVES RANGER 1
FERVES RANGER 2

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FIAT 130 1969 ITALY

FIAT 130
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 130


STARLINE 510349 1/43 110㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.75m 全幅約1.81m エンジン 変速機: V型6気筒 2.9L 140HP 5段変速/3段自動変速
性能: 最高速180km/h  データーベースでフィアット 130のミニカー検索

フィアット 130 イタリア 1969年

 

 戦後のフィアットの最上級車は1961年に登場した6気筒2.3Lエンジン搭載の2300でしたが、3Lクラスの新型最上級車130が1969年に登場しました。130は125を大きくしたようなビジネスライクなスタイルで、全幅は1.8m有りましたが全長は4.75mとさほど大きくありませんでした。新設計のV型6気筒2.9L(140HP)エンジンを搭載し、ボルグワーナー製の3段自動変速機を介して1.5tのボディを最高速180km/hで走らせました。

 

 4輪独立懸架サスペンション、4輪ディスクブレーキ、パワーステアリング、リミテッドスリップデフの標準装備など当時としては進歩的な技術を採用していました。1971年にV型6気筒3.2L(165HP)エンジンを搭載しピニンファリーナ製の美しいデザインの130 クーペが追加されました。同じエンジンはセダンにも搭載されました。フィアット グループの高級車の位置づけがランチアに移ったことでランチア ガンマが後継者となり、1976年に生産中止となりました。総生産台数は約19000台でそのなかでクーペは約4000台でした。

 

 

 ミニカーは2009年に発売されたスターライン製です。スターライン(STARLINE MODELS)はドイツのメーカーですが、1960-1970年代のアルファ ロメオやフィアットなどのイタリア車をたくさんモデル化していました。(最近は活動していないようですが) このフィアット 130はシンプルな造形で、ビジネスライクな実車の雰囲気が良く再現されています。定価は3000円程と安価でしたが、フロントグリルや室内などの細部も値段相応以上の造りになっています。なおこれ以外の130のミニカーとしてはレア物ですがマーキュリー製の当時物がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 130 1
FIAT 130 2

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FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 1969 ITALY

FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE


DINKY (FRANCE) 1430 1/43 88㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.78m 全幅約1.78m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 2L 220HP 5段変速
性能: 最高速275km/h  データーベースでアバルト ピニンファリーナのミニカー検索

フィアット アバルト 2000 ピニンファリーナ スコルピオーネ イタリア 1969年

 

 フィアット アバルト 2000は1969年のブリュッセル モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。アバルトのレースカー(2000SP)をベースにしてピニンファリーナがデザインしたスポーツカーのランニング プロトタイプで、ルーフまで連なった大きなリアカウルが特徴でした。このカウルはキャビン横のエアインテークを形成しています。この車のエンジンは後車軸の上に縦置き配置されていてラジエータ等の冷却系もリアにありますので、エアインテークはエンジン冷却用です。

 

 通常のドアはなく、ウインドとルーフがキャノピーのように前方をヒンジにして開くのでそこから乗り降りします。当時のピニンファリーナのデザインに共通する低いノーズの先端には6灯のライトを一体化したライトユニットがあります。名前のスコルピオーネとはサソリの意で、サソリはアバルトのシンボルです。(リアカウルにそのサソリのロゴが表示されています) この車のフロントノーズ左右のインテークはサソリの前足の爪、リアの上方に突き出た排気管はサソリの尻尾をイメージしたものだそうです。そのつもりでこの車を見るとなにやらそんな風に見えてきます。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)は昔のメーカーながらスケールモデル的なリアルな造形が特徴で、このアバルト 2000も特徴的なリアカウルの黒いルーバーパネルやサソリのロゴなどかなりリアルな造形でとても良い出来ばえです。リアカウルが開閉するギミック付きで、カウル下にはエンジンが再現されてます。ただリアカウルの建付けが悪くルーフとスムーズにつながっていないのがやや残念なところです。これ以外の当時物ミニカーとしては同じ型を使ったディンキー(英)、ポリトーイ、ガマ、マルシンのミニスターシリーズ、中嶋製作所 DREAMCARシリーズなどがありました。当時物以外の量産ミニカーは2022年現在でもないようです。 以下はフロント/リアの拡外画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 1
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 2

 以下は1971年に発売されたポリトーイ製の当時物 フィアット アバルト 2000 ピニンファリーナ (1/43 型番M12)の画像です。これもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されています。(ウィンドーのAピラーが目立つのはやや雰囲気を壊していますが) これはポリトーイの廉価版ミニカーの初期物ですので、部品点数を減らしテールライトの塗装処理などを省略するなどコストダウンがされています。廉価版ながらキャノピーとリアカウルの開閉ギミック付きで、室内の造形は簡単ですがリアカウル下のエンジンが結構リアルに造形されているのはポリトーイらしいところです。なお当時流行りであったフリーホイールが使われています。フリーホイールはスムーズに回転するよう車軸に細いピアノ線などを使いタイヤは硬質プラスチック製です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 3
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 4

 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。リアカウル前端はルーフとうまくつながっています。ただリアカウルのウィンドー部分はディンキー(仏)製より簡単な造形です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 5
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 6

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AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 1969 ITALY

AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE


MEBETOYS A44 1/43 81mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.3m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 1.1L 55HP 4段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでランナバウト ベルトーネのミニカー検索

アウトビアンキ ランナバウト (バルケッタ) ベルトーネ イタリア 1969年

 

 アウトビアンキ ランナバウトは1969年のトリノ モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。ベルトーネのデザインで、アウトビアンキ A112のシャーシを使いフィアット 128のエンジン/変速機をミドシップ搭載していました。この変わったデザインは競艇用のモーターボートから閃いたデザインだそうで、確かにそのような形をしています。オープンカーの安全上必要なロールバーにヘッドライトを付けるアイデアは斬新でした。ただしここの位置にヘッドライトを付けるのは、高さ/位置を規定している法規があるので実用化は難しいものと思われます。

 

 またこのデザインはちょうど当時の若者に流行していたビーチ バギー(デューン バギー)に対するベルトーネ流の回答だったのかもしれません。このコンセプトカーは、1972年に登場したフィアット X1/9のベースになりました。X1/9はミドシップエンジン搭載のタルガトップのオープンカーで、ロールバーをアクセントにしたコンセプトカーのイメージが継承されていました。なおサブネームのバルケッタとはオープンカーのことで、イタリア語で小舟という意味です。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたメーベトイ製の当時物です。プロポーションが良く、細部も良く再現されています。実車(白)とカラーリングが違っていますが、ボディ側面とボンネット中央に赤いラインが見えるのは実車と同じでうまく処理しています。ただしロールバーの色をオレンジに変えてボディとの一体感をなくしてしまったのは、この車をモデル化する上では好ましくない処理です。これ以外の当時物ミニカーとしてはコーギーやマッチボックスがありました。当時物以外では少量生産のレジン製キットがあるようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 1
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 2

 以下は1971年に発売されたコーギー製の当時物 アウトビアンキ ランナバウト ベルトーネ (1/43 型番386)の画像です。全体的には上記メーベトイ製よりもシャープさが足りない感じですが、そこがコーギーらしい造形とも言えます。当時流行りだったフリーホイールが安っぽいのは今一つです。これも実車とカラーリングが違っていますが、ロールバーがボディと同色となっていますので、その点はコーギーのほうが実車のデザインに沿っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 3
AUTOBIANCHI RUNABOUT (BARCHETTA) BERTONE 4

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