ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 1954 GERMANY

MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN


BRUMM S006 1/43 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.63m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 2.5L 290HP 5段変速
性能: 最高速300km/h  データーベースでメルセデス ベンツ W196のミニカー検索

メルセデス ベンツ W196 ドイツ GP ドイツ 1954年

 

 第2次大戦の敗戦から立ち直ったダイムラー ベンツがグランプリレース復帰を目指し1954年から始まったの2.5Lフォーミュラ用に開発したのがメルセデス ベンツ W196でした。W196は現在のようなエンジンをミドシップ搭載するレースカーが一般的になる前のフロントエンジンレースカー世代の最後の究極的な車でした。ボディは鋼管スペースフレーム構造(鋼管を鳥籠のように溶接で組上げた構造)で、ブレーキはまだドラム式でした。

 

 8気筒2.5Lエンジンはデスモドロミックバルブ開閉機構(バルブを閉じるのにスプリングを使わずカムで閉じる方式)と機械式直接燃料噴射という緻密なメカを採用し、268HP(後に290HP)の圧倒的なパワーを得ていました。(当時のライバルであったフェラーリの4気筒2.5Lは250HPほどでした) 当初のW196は車輪をカバーした流線型ボディ(ランス タイプと呼ぶ)でした。このタイプはランスなどの高速サーキットでは有利でしたが、視界が悪く操縦しにくいとのことで、すぐに車輪を露出したニュルブルクリング タイプが開発されました。

 

 

 W196はサーキットに合わせて3種類のホイールベースを使い分け、外観もレース毎に細かな違いがあったようです。目立つ違いとしては当初はウィンドスクリーン手前に大きな吸気用ダクトがありましたが、1955年には無くなりました。W196はデビュー戦の1954年フランスGPで優勝しその後のドイツ、スイス、イタリアGPで3連勝しています。翌年の1955年もモナコGPとインディ以外のレース全てで優勝する圧倒的な強さでした。

 ミニカーは1987年頃に発売されたブルム製です。1954年のドイツ GPで4位となったW196 ニュルブルクリング タイプ(ドライバー K.クリング)をモデル化しています。実車の雰囲気が良く再現されていて、1980年代のミニカーとしてはかなりレベルの高い出来ばえでした。ブルムはこれ以外のW196のレース仕様もモデル化していますが、細かな仕様の違いまではあまり再現していません。(実車の資料も少ないですし、当時のミニカーにそこまで望むのは酷ではありましたが) これ以外のW196のミニカーは、メルクリン、マーキュリーなどの当時物から、最近の物ではノレブ、ミニチャンプス、スパーク(レジン製)などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 1
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 2

 以下は1998年に発売されたブルム製のメルセデス ベンツ W196 ランス タイプ (1/43 型番R280)の画像です。1954年のフランス GPでJ.M.ファンジオ(Juan Manuel Fangio)がドライブして優勝した#18をモデル化しています。プロポーションが良く実車がうまく再現されています。上記と同じブルム製ですが、製作時期が10年ほど新しいので室内などの仕上げがレベルアップしています。(実車画像→ メルセデス ベンツ W196 フランス GP 1954) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 3
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 5
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 6

 以下は2004年に発売されたブルム製のメルセデス ベンツ W196C #18 イタリア GP '50周年記念' 1955 (1/43 型番AS34)の画像です。1955年のイタリア GPでJ.M.ファンジオがドライブして優勝したW196 #18にJ.M.ファンジオとA.ノイバウアー(Alfred Neubauer)のフィギュアを追加してイタリア GP 50周年記念の限定品としたものです。W196は上記とほぼ同じ物ですが、ウィンドスクリーン手前の吸気用ダクトがありません。ミニカーのディスプレイケースの背景には1955年イタリア GPの当時の写真が使われています。J.M.ファンジオは当時の偉大なドライバーで、A.ノイバウアーは1926年から1955年にかけてダイムラー ベンツのレーシングチームを率いた監督でした。彼はレース中のドライバーに現在のレース順位や戦術を伝達する為に、伝達板(現在のピットボード)や手旗を使うことを考案しそれを活用しました。A.ノイバウアーはこのフィギュアのような大柄の人物で、彼が手にしているのは連絡用の手旗です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 7
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 8

 以下はフロント/コクピットの画像とA.ノイバウアーのフィギュアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 9
MERCEDES-BENZ W196 GP GERMAN 10

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BMW 502 1954 GERMANY

BMW 502
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502


SCHOCO 2015 1/43 109㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型8気筒 2.6L 100HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでBMW 501/502のミニカー検索

BMW 502 ドイツ 1954年

 

 1952年に登場したBMW 501には高級車に見合う新型のV型8気筒エンジンを搭載する予定でしたが、開発が遅れていました。1954年にV型8気筒2.6L(100HP)が完成しそれを搭載した502が追加されました。502は戦後初のV型8気筒エンジン搭載の高級車で、メルセデス ベンツのV型8気筒エンジン搭載車600より9年も早かったのでした。ボディは501と同じですが、クロームメッキの装飾トリムが多くフォグランプが標準装備されていました。なお1958年には501にもV型8気筒エンジンが搭載されましたので、501は502の廉価版という扱いになりました。

 

 502の最高速は160㎞/hで、これはメルセデス ベンツの同じクラスのセダンよりも早く、当時のドイツでは最速の4ドアセダンでした。最終モデルはV型8気筒3.2L(160HP)エンジンを搭載し、最高速は190Km/hに向上していました。502はBMWのイメージ再興に寄与しました。しかし前述したように敗戦直後のドイツではこのクラスの高級車の需要は限られていましたので、実績のあるメルセデス ベンツにはかないませんでした。501/502は1964年まで生産され、総生産台数は6気筒エンジン車が約9000台、V型8気筒エンジン車が約5500台でした。

 

 

 ミニカーはBMW 501と同じシュコー製で、1995年頃に発売されました。シュコーは1970年代に一度倒産しその後1990年代に再起していますが、これはその再起したころに作られたものです。前述した501と同じように見えますが型が変更されていて、フロントグリルや室内がよりリアルに再現されています。(501には付いてなかった左側フェンダーミラーが再現されています) ただしギミックが全て削除されているのに501とほぼ同じ値段(当時の定価4500円)だったのは、あまり納得できませんでした。(ギミック削除はコストダウンですから) これ以外の501/502のミニカーは、ジク(SIKU)の当時物、ミニチャンプス、ディテールカー、オートアートの1/18などがあります。 以下はシュコーのフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 502 1
BMW 502 2

 以下は1996年に発売されたミニチャンプス製のBMW 502(1/43 型番430022400)の画像です。キャビン部分がやや小さめで、プロポーション的にはいまひとつの感じがします。室内など細部の仕上げはミニチャンプスらしいリアルな仕上げがされています。これも左側フェンダーミラーが再現されています。ミニチャンプスは501もモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 5
BMW 502 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 7
BMW 502 8

 以下は1995年に発売されたディテールカー製のBMW 502 クーペ(1/43 型番245)の画像です。ディテールカーはイタリアのCDCグループのブランドで、1992年頃から主に1/43のダイキャスト製ミニカーを作っていました。ディテールカーはその名のとおりディテールにこだわった良い出来ばえのミニカーが多く、当時の他社ブランド(コーギーやソリドなど)でも販売されました。この502 クーペもクーペボディが良く再現され、ツートンカラーのカラーリングも綺麗で、当時としてはかなり良い出来ばえでした。これは左右のフェンダーミラーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 COUPE 1
BMW 502 COUPE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 COUPE 3
BMW 502 COUPE 4

 以下は1995年に発売されたディテールカー製のBMW 502 カブリオレ(1/43 型番242)の画像です。上記のクーペのバリエーションで、これもツートンカラーのカラーリングが綺麗で良く出来ています。オープンカーなので、そこそこ良く再現された室内を見ることができます。これは左のフェンダーミラーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 CABRIOLET 1
BMW 502 CABRIOLET 2

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RENAULT 4CV  1954 FRANCE

RENAULT 4CV
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV


ELIGOR 1106 1/43 84mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.7m 全幅約1.43m エンジン 変速機: 4気筒 747cc 21HP 3段変速
性能: 最高速105km/h  データーベースでルノー 4CVのミニカー検索

ルノー 4CV フランス 1954年

 

 第2次大戦中に連合軍の空襲で壊滅的に破壊されたルノー社は、戦後フランスの国策で国有化されました。ルノーの復興は戦前型のジュバカトルの生産再開から始まり、1946年の新型小型車4CVの発表と続きました。ルノーは新型車として中型車を企画していたのですが、戦後復興のために小型車4CVの開発を優先しました。4CVは水冷4気筒747ccエンジン(21HP)をリアに搭載し、小型軽量(585kg)ながら4人乗りで、3段変速で最高速105km/h の性能でした。なおCVとはエンジン排気量などから決められるフランス独特の課税上の馬力の単位です。つまり4CVとは課税馬力が4馬力ということを意味しています。

 

 発売当初の4CVは小さすぎると不評でしたが、実車が出回るにつれて評価されるようになり、最終的には数年先までのバックオーダーを抱えるほどの大ヒットとなりました。また4輪独立コイル サスペンションによる優れた操縦性を生かして、1950年代のラリーでも大活躍しました。さらに世界各国に輸出(ノックダウン生産)され、日本では日野自動車が国産化した日野 ルノーが主としてタクシーに使われました。4CVは1961年にまでに110万台以上が生産され、ルノーを戦前のようなフランス第1の自動車メーカーに立て直しました。(ただし大型車はまだラインナップしていませんでしたが) 後継車は1961年登場のルノー 4でした。

 

 

 ミニカーは1980年代に発売された初期のエリゴール製です。フロントノーズの横バーが3本になっているので1953年式以降をモデル化しています。初期のエリゴールは同時期のノレブのプラスチック製ミニカーの型を流用したものが多いのですが、これもノレブの型番17(以下参照)をベースにしていました。ノレブのオリジナルはプラスチック製で窓ガラスも室内もついていない「がらんどう」でしたが、エリゴールの4CVはダイカスト製で室内なども再現されていて、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。 エリゴールはラリー仕様など20数種類のバリエーションをモデル化していました。これ以外の4CVのミニカーは当時物ではCIJ、テクノがありました。当時物以外ではソリド(べレム)、デルプラドの世界の名車シリーズ、イクソ、ブッシュの1/87、最近のノレブなどたくさんあります。  以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT 4CV 1
RENAULT 4CV 2

 以下は1970年代に購入したノレブ製のルノー 4CV (1/43 型番17)です。ノレブのプラスチック製の4CVは1950年代から発売されていた物なので、窓ガラスも室内もついていない実に素朴なものでした。しかし窓ガラス/室内が再現されていないことを別にすれば、4CVのミニカーとしては結構リアルに出来ていました。ノレブ初期のプラスチック製ミニカーに良く起こる経年変化によるボディの変形がほとんど見られないのは、購入時期が新しいのでプラスチックの材質が変更されていたからでしょう。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV 3
RENAULT 4CV 4

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズのルノー 4CV (1/43 No.44)の画像です。中国製でメーカーは不明ですが、プロポーションが良く、ドアミラーや室内のバックミラーが再現されているなど細部も結構リアルでした。当時の安価な雑誌付きミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV 5
RENAULT 4CV 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV 7
RENAULT 4CV 8

 以下は1994年に発売されたソリド製のルノー 4CV デクヴェラブル 1954 (1/43 型番4538)の画像です。名前のデクヴェラブル(DECOUVRABLE)とは屋根の側面を残して天井部分を幌で開閉できるようにしたカブリオレ仕様のことを意味します。(欧州車に多く見られる形式です) ソリドの型番45**シリーズは廉価版的なミニカーでしたのでシンプルな作りでしたが、4CVの雰囲気はうまく再現されていました。大きく開いた屋根から見える室内もそこそこ良く再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 1
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 2

以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 3
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 4

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CITROEN 2CV FOURGONNETTE 1954 FRANCE

CITROEN 2CV FOURGONNETTE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV FOURGONNETTE


NOREV 26 1/43 85㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.6m 全幅約1.48m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 425cc 12HP 4段変速
性能: 最高速78km/h 積載量400㎏ データーベースでシトロエン 2CV バンのミニカー検索

シトロエン 2CV フルゴネット (バン) フランス 1954年

 

 シトロエン 2CVの商用車であるフルゴネットが1951年に登場しました。後部には折畳み式で取り外し可能な後部座席が装備されていて、仕事用だけではなく家族のレジャー用としても使用できました。フランス語で小型トラックはカミオネット(CAMIONETTE)と総称され、その中で屋根の付いたものをフルゴネットと呼びます。フルゴネットは小型乗用車ベースで後部にボックス型の荷室を接続した商用車で、荷室が独立していないバンやパネルバンとは厳密には別物です。荷室は室内で運転席とつながっているので、ピックアップトラックに箱型の荷室を積んだ物とも異なります。(ただ日本では一般的に全てバンと呼びますが) なおフランス語で大型トラックの総称はカミオン(CAMION)で、屋根のついた物はフルゴンとなります。

 

 シトロエン 2CV フルゴネットの最初のタイプは2気筒375㏄(9HP)エンジンを搭載したAT型で、1954年に425㏄(12HP)エンジンでパワーアップしたAZU型(最大積載量250㎏)が追加されました。AZU型は1973年にボディを一新し4気筒435㏄(18HP)エンジンを追加、1975年に角形ヘッドライトが採用されるなどして1977年まで生産されました。1963年にはライバルのルノー 4 フルゴネットに対抗して、AZU型の荷室を後方に200㎜延長し2気筒602cc(22HP)エンジンを搭載したAK 350型(最大積載量350㎏)が登場しました。AK 350型は1970年にエンジンを35HPにパワーアップしたAKS 400型(最大積載量400㎏)に切り替わり、1977年まで生産されました。 

 

 

 ミニカーは1960年代に発売されたノレブ製で、材質はプラスチックです。フロントグリルの形状からAZU型の初期をモデル化していると思われます。ボディ全体を一体成型した簡単な作りですが、プロポーションは良くできていると思います。リアパネルが開閉するギミックが付いています。ノレブ初期のプラスチック製ミニカーに良く発生する経年劣化によるボディ変形が見られないので、このミニカーは材質などが改良された後期型のようです。2CV フルゴネットのミニカーは様々なカラーリングでたくさんモデル化されています。特にブレキナ(1/87)は約90種類もモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネル開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN 2CV FOURGONNETTE 1
CITROEN 2CV FOURGONNETTE 2

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PANHARD DYNA Z 1954 FRANCE

PANHARD DYNA Z
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PANHARD DYNA Z


IXO CLC101 1/43 110㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.57m 全幅約1.67m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 850cc 42HP 4段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでパナール ディナのミニカー検索

パナール ディナ Z フランス 1954年

 

 1954年にパナール ディナ Xの後継車としてディナ Zが登場しました。総アルミ製のボディは全長4.57m(6人乗り)と大きくなり、デザインも空力的で近代的なものに変わりました。エンジンは850cc(42HP)に拡大され、わずか650kgの軽量ボディは最高速130km/hが可能で、しかも極めて低燃費でした。このサイズと性能は当時のルノーの2Lクラスのフレガト並みと優れていましたが、お値段もフレガト並みとやはり製造コストが高いことがネックでした。

 

 独創的で高性能ながら価格が高いことでディナ Zはあまり売れずパナールは経営不振となり、1955年にシトロエンの傘下となりました。シトロエンの強力な販売網で扱われることになったことでパナールの販売は上向きました。耐久性向上とコスト低減の為、1955年から最大の特徴であった総アルミ製ボディが徐々にスチール製に切り替わっていきました。1957年にはスポーツカーのディナ ジュニア(ジュニオル)の後継車として2ドアのカブリオレが追加されました。1959年に全面的にスチール製ボディに変更されたPL17に名前が変わりました。総生産台数は約14万台でした。

 

 

 ミニカーは2006年に発売されたイクソ製です。1/43としては少し大きめに出来ていましたが、実車の雰囲気がうまく再現され良い出来ばえでした。バンパーをメッキ処理でなく塗装処理することで、レトロな感じに仕上げてありました。なおフロントグリル中央にある一つ目小僧のようなライトはフォグライトでした。同じ物がイクソの別ブランドのノスタルジーでも発売されましたが、そちらはバンパーをメッキ処理していて細部の仕上げが違っていました。これ以外のディナ ZのミニカーはCIJの当時物、ノレブ初期のプラスチック製、ビテスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PANHARD DYNA Z 1
PANHARD DYNA Z 2

 以下は2002年に発売されたノスタルジー製のパナール ディナ Z1 1955 (1/43 型番524)の画像です。ボンネットなどがスチール製に変更されたZ1をモデル化しています。上記のイクソ製とほとんど同じ物ですが、製作時期が古いのでドアミラーが無く、ワイパーの材質とバンパーのメッキ処理とナンバープレートなどに違いがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PANHARD DYNA Z 3
PANHARD DYNA Z 4

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