ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BENTLEY MK VI 1950 UK

BENTLEY MK VI
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY MK VI


IXO MUS052 1/43 全長114mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.88m 全幅約1.78m エンジン 変速機: 6気筒 4.3L 132HP 4段変速
性能: 最高速154km/h  データーベースでベントレー MKのミニカー検索

ベントレー MK VI イギリス 1950年

 

 1946年に登場した戦後型のベントレー MK VIはその1年後に発表されることになっていたロールス ロイス シルバー レイスのベントレー版でした。シルバー レイスのホイールベースが短縮されて、エンジンがチューンアップされていました。なおこの時代の高級車のボディはコーチビルダーが架装していましたが、このベントレー MK VIにはロールス ロイス社標準のスチール製ボディが設定されていました。

 

 このベントレーの標準ボディの採用はロールス ロイスにも波及しました。これはアメリカ市場でのコンパクトセダンの需要に対応したものでした。標準ボディ設定によって低コスト化されたベントレー MK VIのロールス ロイス版が検討され、それがロールス ロイス シルバー ドーン(DAWN:夜明け)として1949年に発表されました。1952年にシルバー ドーンがマイナーチェンジされた際にシルバー ドーンは名前を変えませんでしたが、ベントレー MK VIはベントレー R タイプに名前が変更されてモデルチェンジとなりました。ベントレー MK VIの総生産台数は約5200台でした。

 

 

 ミニカーは2014年に発売されたイクソ製のミュージアムシリーズです。良くできたマスコットの付いたフロントグリルやヘッドライト類など、このシリーズに共通するレベルの高い仕上がりでした。銀/黒のツートンカラーは実車に即したカラーリングで、室内もそこそこ良く再現されていました。ベントレー MK VIのミニカーは最近までウエスタンモデル(ホワイトメタル製)の物しかなかったので、イギリス製高級車を代表する車として標準ボディを採用したベントレー MK VIがダイキャスト製1/43ミニカーとしてモデル化されたのは嬉しいことでした。その後ベントレー MK VIはオックスフォードの1/43と1/76、マトリックス(レジン製)などで20種類ほどがモデル化しました。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY MK VI 1
BENTLEY MK VI 2

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FORD V8 PILOT 1950 UK

FORD V8 PILOT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 PILOT


DINKY (MATCHBOX) DY05 1/43 全長104mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.55m 全幅約1.77m エンジン 変速機: V型8気筒 3.6L 85HP 3段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでフォード V8のミニカー検索

フォード V8 パイロット イギリス 1950年

 

 第2次世界大戦中のイギリス フォードはイギリス軍の要請に従い、軍用車両やそのエンジンの生産を行いました。ウイキペディアによればイギリス フォードはロールス ロイスの航空機用エンジンをロールスロイスと同等の品質で、ロールスロイスよりも効率的に生産したとのことです。(さすがはフォード式生産方式だと思います)

 イギリス フォードの戦前のモデルとしては欧州向けに開発した4気筒1Lクラスのエンジンを搭載し「ベビー フォード」と呼ばれた小型車のY型(アングリアとその上級車のプリフェクト)と、アメリカ本国と同じV型8気筒エンジンを搭載した中型車V8の2種類がありました。第2次世界終了後すぐに戦前型V8の小改良版で自動車生産が再開されました。

 

 戦前型V8を改良して1947年に登場したのが、V8 パイロットでした。V型8気筒3.6L(85HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速130km/hの性能でした。セダン以外にワゴンやピックアップもありました。戦前型そのままのボディ、前後ともリーフ式のサスペンションなど旧式の設計でしたが、1951年までに約22000台が生産されました。

 

 

 ミニカーはマッチボックス傘下のディンキー製で、1991年頃に発売しされたものです。マッチボックスがディンキー ブランドを復活させてマニア向けとして作られたミニカーでした。ややレトロな作風なのはその為で、プロポーションがしっかりしていて実車の雰囲気がうまく再現されていて良い出来ばえでした。リアフェンダー左の燃料給油口やリアのナンバープレート、スペアタイヤカバー上の「V8 PILOT」ロゴなど細部も良く再現されていました。この1950年代前半のフォードのオーソドックスなセダンはあまりモデル化されていないので、車種的には貴重でした。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD V8 PILOT 1
FORD V8 PILOT 2

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SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 1950 SWISS

SAURER 3CT1D (C TYPE)  BUS ’BVB’
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SAURER 3CT1D (C TYPE)  BUS ’BVB’


VITESSE 221 1/50 全長154㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約7.5m 全幅約2.4m エンジン 変速機: 6気筒 8.7L ディーゼル 130HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでザウラーのミニカー検索

ザウラー 3CT1D (C タイプ) バス ’BVB’ スイス 1950年

 

" スイスのアドルフ ザウラー(Adolph Saurer)社は1853年に設立された歴史のある会社で、最初は織機を生産していました。1897年には自社製の単気筒エンジンを搭載した乗用車を開発し販売しました。1903年からトラックなどの商用車の製造をはじめそれらの評判が良かったので、1910年代にはトラックとバスの製造に特化するようになりました。第1次世界大戦中は航空機のエンジンも製造していました。

 1927年にメルセデス ベンツが世界初のディーゼルエンジンを搭載したトラック 5K3を発売しました。ザウラーも当時ディーゼルエンジンの有効な特許を取得しており、その後も1980年代までディーゼルエンジンに関して豊富な実績を持つ会社でした。1928年に同業のスイスのベルナ(BERNA)社と提携し、ザウラーとベルナの商用車はヨーロッパ中で広く使われるようになりました。"

 

 第2次戦後もザウラーの商用車は好調で、船舶や鉄道用のディーゼルエンジンの製造にも進出しました。戦前から始めたトロリーバスの製造も主要な事業となっていました。また1950年代にイタリアの商用車メーカーのOMとライセンス契約し、OMの小型/中型商用車をスイス国内で販売しました。ザウラーは1980年代に販売不振となり、同業のスイスのFBW社と1982年に合併しNAW社と改名しました。その後NAW社はメルセデス ベンツ傘下となりましたが2003年に清算されて消滅し、現在のザウラー社は繊維機械メーカーとして存続しています。

 

 

 ミニカーは1985年頃に発売されたビテス製の初期物です。スイスのバーゼル市で使われた路線バス(21人?乗り小型バス)のBVB仕様をモデル化しています。BVBとはバーゼル市交通局のことで、ボディ側面のロゴはBVBのロゴです。ザウラー C タイプのバスは戦前から製造されていましたが、モデル化された実車が明確にわからないので、ここに記載した年式/諸元は正しくないかもしれません。ミニカーの縮尺は1/50で結構リアルなフロント造形やそこそこ良く再現された内装など、当時のミニカーとしては良く出来ていました。ルーフの前端についている角のようなものは行き先表示板や旗を付けるポールのようです。なおこのミニカーの箱の台座は本物の木製で、プラスチック製の台座より高級な梱包箱となっていました。(当時の値段は5000円と高価でした) ビテスはバリエーション展開でトラック/タンカー/消防車など約20種類を作っていました。ザウラー バスのミニカーとしてはスイスのTEK-HOBBYがこれとよく似たバス/トラックを数種類発売していますが、それはこのビテス製をベースにしているようです。それ以外ではシュコーやブレキナのザウラー バスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 1
SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 2

 以下は上記と同じビテス製のバリエーションで ザウラー S4C 幌付トラック 'ザウラー ディーゼル' 1952 (1/50 型番211)の画像です。バリエーションといってもバスとトラックですから、ボンネットキャブが同じだけで、それ以外は大幅に変更されています。これも当時のミニカーとしては良く出来ていました。このトラックも戦前から製造されていたモデルなので、ビテスの箱に表示されている1952年という年式は正しくないかもしれません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 1
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。幌の左側にはドイツ語でSAURERのロゴと「Sieger im wirtschattichen Wettbewerb」(英訳するとWinner in the economic Competition)と表示されていますが、ザウラーのディーゼルエンジンが経済的に一番優れているという意味でしょう。幌の右側はフランス語のようで、今一つ意味が分かりませんが、「ザウラーのトラックが一番優れている」という意味合いのようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 3
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 4

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FORD MERCURY MONTEREY 1951 USA

FORD MERCURY MONTEREY
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD MERCURY MONTEREY


FRANKLIN MINT KE16 1/43 全長123㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.3m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型8気筒 4.2L 110HP 3段手動変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでフォード マーキュリーのミニカー検索

フォード マーキュリー モントレー アメリカ 1951年

 

 GMの中級車(ビュイックやオールズモービル)に対抗して、フォードは1938年に新ブランドのマーキュリーを設定しました。マーキュリーは大衆車フォードと高級車リンカーンの間を埋めるブランドで、最初に登場したマーキュリー エイトはリンカーンの廉価版ゼファーに似せたデザインでV型8気筒3.9L(95HP)エンジンを搭載していました。4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブル、4ドアステーションワゴンなどが揃っていました。(実車画像→ フォード マーキュリー エイト 1939)

 

 戦後の1950年にエイトの上級グレードの2ドアクーペとしてモントレーが設定されました。基本設計は前述した大衆車のフォードと同じでした。デザイン的にはまだ前フェンダーが残りボンネット位置が高い戦前型のオーソドックスなスタイルでした。このクラシックな外観ゆえにこのマーキュリーは当時もその後の時代でもホッドロッドなどの改造車のベースとして人気がありました。V型8気筒4.2L(110HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速140km/hの性能でした。1952年にエイトはフラッシュサーフェースの戦後型ボディに一新されモントレーに改名されました。(実車画像→ フォード マーキュリー モントレー 1953)

 

 

 ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1950年代のアメリカ車をモデル化した1950年代シリーズの1台です。1951年式のモントレー クーペをモデル化しています。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風でしたが、その作風が実車の雰囲気にうまくマッチしているように思います。プロポーションが良く丁寧な仕上げで良く出来ていました。ボンネット/ドアが開閉し、室内やエンジンもリアルに再現されていました。(インパネのメーターは紙のシールです) これ以外のモントレー 初期型のミニカーはミニチャンプスやジャダトイ(JADA TOYS)のホットロッド仕様 1/24などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD MERCURY MONTEREY 1
FORD MERCURY MONTEREY 2

 以下は俯瞰/床下部分の画像です。床下部分にはエンジン/変速機/ドライブシャフト/サスペンションがリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD MERCURY MONTEREY 4

 以下は2005年に発売されたミニチャンプス製のフォード マーキュリー モントレー クーペ 1950 (1/43 型番400082401)の画像です。これは1950年式のモントレー クーペをモデル化しています。上記の1951年式とはテールライト/フューエルリッドの形状などが異なっています。 このミニカーは元々はフォード創立100週年記念モデル(12台セット)の1台として作られたものでしたが、これは後に色違いで単品販売されたものです。100週年記念モデルの1台としてして選ばれたのですから、この車はフォードにとって特別な車であったようです。そんなわけもあってこれは当時のミニチャンプス製のミニカーのなかでも一際良く出来ていました。プロポーションが良く、フロント/リアのエンブレム、フロントスクリーンの上の日除けシェイド、室内など凝った造形になっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD MERCURY MONTEREY 5
FORD MERCURY MONTEREY 6

 以下はフロント(マスコット/日除けシェイド拡大)/リアの拡大画像です。ノーズ先端に付いているマスコット(オーナメント)は航空機ジェット機)をイメージした物のようです。(実車画像→ フォード マーキュリー モントレー クーペ 1950) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD MERCURY MONTEREY 7
FORD MERCURY MONTEREY 8

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HUDSON HORNET COUPE 1951 USA

HUDSON HORNET COUPE
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HUDSON HORNET COUPE


FRANKLIN MINT UK12 1/43 全長125mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.18m 全幅約1.97m エンジン 変速機: 6気筒 5.1L 145HP 3段手動変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでハドソンのミニカー検索

ハドソン ホーネット クーペ アメリカ 1951年

 

 ハドソン モーターカー社はデトロイトで1909年に設立されました。当初のモデル 20 (4気筒3.3Lエンジン搭載)は、$900という低価格が人気を呼び大ヒットしました。(同時期の初期のフォード T型は$850でした) 1912年にモデル 6 (6気筒3.7L)を発売、1916年に発売した発展型のスーパー 6は優れたエンジン性能などで成功し、当時のハドソンは「世界一の6気筒自動車メーカー」を自負していました。(実車画像→ ハドソン モデル 20 1910)

 

 1919年にフォードやシボレーに対抗して、ハドソンの子会社エセックス(ESSEX)社で生産した低価格なエセックスを登場させました。エセックスは低価格ながら6気筒エンジンを搭載し屋根付きのクローズドボディを採用したことで大ヒットしました。エセックスの上級車テラプレーンや8気筒エンジン搭載車を追加して、1920年代後半にハドソンはアメリカで第3位の自動車メーカーになりました。しかし1930年代になるとビッグ3(GM/フォード/クライスラー)の攻勢に苦しめられ、エセックスとテラプレーンはなくなりました。(実車画像→ ハドソン エセックス 1919)

 1930年に8気筒車(3.5L)エンジンを搭載したグレート エイトが登場しました。1937年に登場したカスタム エイトは、高性能な8気筒5.5L(123HP)エンジンを搭載した大型高級車で、4ドア セダン、2ドア クーペ/コンバーチブルなどがありました。第2次大戦中は自動車生産を中止し、航空機部品などの軍需品を生産しました。(実車画像→ ハドソン カスタム エイト セダン 1937)

 

 

 1951年に登場した戦後型のホーネット初代は「ステップダウン」と称する車体フレームより床を低くしたボディ構造を特徴としていました。この構造は室内が広く、低重心で操縦性が優れていました。高性能なホーネットは当時のNASCARレースで圧倒的に強く人気がありました。1950年代になると資金力などでビッグ3に対抗できなくなり、1954年にてナッシュと合併してAMC(アメリカンモータース)社となりました。

 ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。フランクリン ミントの1/43のクラシックカーは現在のミニカーと比べるとやや古臭い作風ですが、それが実車の雰囲気に似合っていました。いずれもドア/ボンネットが開閉するギミック付きで、エンジンやドライブトレーンが実車に即して組み込まれ、室内のインパネも良く再現されていました。このハドソン ホーネット クーペもプロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて、とても良く出来ていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ボンネット先端のマスコット、エンジンルーム内、室内などの細部も良く再現されていました。これ以外のハドソン ホーネットのミニカーは同じフランクリン ミントの1/24、アーテルの1/18などがあります。 以下はフロント(ノーズ部分拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HUDSON HORNET 1
HUDSON HORNET 2

 以下は俯瞰/床下部分の画像です。床下にはドライブトレーンやサスペンションがリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HUDSON HORNET 4

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