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オペル レコード (レコルト) P1 ドイツ 1958年
前述したように戦前に登場したオペル オリンピアは戦後の1953年にフラッシュサーフェースボディの戦後型に変わり、名前がオリンピア レコード(レコード 初代)に変わりました。1957年にレコードの2代目としてオリンピア レコード P1が登場しました。ボディが大型化し、側面まで回り込んだラップラウンド ウインドウ、サイドのモールディング、テールフィンなど当時のアメリカ車風のデザインが採用されました。オペルはGM系列でしたので、当時のシボレーなどとよく似ていました。全長約4.4mの中型車で4気筒1.5L(45HP)エンジンを搭載し、最高速は128km/hの性能でした。
当初は2ドアセダンだけでしたが、1958年に4ドアセダンと3ドアワゴン/バンが追加されました。同時に1.2Lエンジン搭載の廉価版オリンピアが追加されました。1959年に標準モデルの名前はオリンピアが外れて単にレコードに、廉価版オリンピアは1200に変更されました。1959年に1.7L(55HP)エンジンが追加されました。1960年に後継車のレコード P2が登場し1962年まで生産されました。レコード P1は大ヒットし総生産台数は約30万台でした。(実車画像→ オペル レコード P2 1960)
なお車名の読み方ですが、現在はレコルトと呼ぶのが一般的なようですが、私は昔風の英語読みのほうがなじんでいるので当サイトではレコードと記載しています。
ミニカーは2001年頃に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスらしいそつのない造形で、実車がうまく再現されていました。灯火類や室内などの細部もリアルに仕上げてありました。(インパネのメーター形状まで分かります) ミニチャンプスはワゴンのキャラバンもモデル化していました。実車は平凡なセダンですから、このミニカーはドイツ本国以外ではあまり売れなかったと思いますが、このような地味な車種もモデル化していたのが当時のミニチャンプスの良いところでした。(2024年現在では、時代の流れもあってその良いところはなくなりました) これ以外のレコード P1のミニカーはジク(SIKU)の当時物、ガマの当時物、テクノの当時物、ブレキナの1/87などがあります。オリンピア レコードのミニカーはテクノの当時物、ジクの当時物、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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ルノー フロリード クーペ フランス 1958年
ルノー フロリードはドーフィンをベースにした2+2座のスポーティーカーで、1958年に発表されました。クーペとカブリオレの2タイプがあり、イタリアのピエトロ フルアがデザインした小粋なスタイルで人気がありました。フロリードという名前はアメリカのフロリダ州にちなんだものでしたが、北米とイギリスではカラベル(CARAVELLE)という名前で発売されました。リアに搭載したエンジンはドーフィンのゴルディーニ仕様(37HP)と同じで、走行性能はドーフィンより少しだけスポーティでしたが見た目重視の車でした。
1962年にエンジンがルノー 8用の4気筒1L(48HP)に変更され4輪ディスクブレーキが採用されました。1962年以降は全市場で名前がカラベルに統一されました。1964年にエンジンが1.1L(55HP)に拡大されて最高速が158km/hに向上し、性能的にもスポーツカーらしくなりました。しかし1960年代後半になると見た目的にも時代遅れになり、1968年に生産中止となりました。総生産台数は約12万台でした。
ミニカーは1959年に発売されたコーギーの当時物です。1950年代後半のミニカーですのでヘッドライトやバンパーは塗装処理の素朴な作りです。縮尺1/46と1/43より少し小さめに作られていましたが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。なおこのミニカーは室内の造形がされていてスプリング サスペンションのギミックが付いていましたが、当時のミニカーにはまだ室内の造形がないがらんどうの物がありました。これ以外でもソリド、CIJ、ノレブ、ディンキー、スポットオン、ガマなど当時の老舗ブランドが揃ってフロリードをモデル化していましたので、実車の人気が高かったことが分かります。当時物以外ではノレブの1/18と1/43があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)










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シトロエン ID 19 ブレーク (ワゴン) フランス 1958年
シトロエン DSの最大の技術的特徴は空気と油を使ったハイドロニューマチック システムによる高度なサスペンション制御でした。これは密封した窒素ガスを使うエア サスペンションにオイルポンプ油圧による車高調整を加えたサスペンション システムで、この油圧はパワー ステアリング、トランスミッション、ブレーキの制御にも使われていました。この複雑なシステムはコンピュータなどない時代ですから、全て機械式のメカ(バルブなど)で制御されていました。優れた設計でしたが、複雑な構造でしたので、油圧系の故障が付き物だったようです。
1956年にシトロエン DSの廉価版としてIDが設定されました。IDはエンジン出力がDSよりやや小さく、クラッチとステアリングの油圧アシストが付いていませんでした。1958年にワゴン形式のブレークが追加されました。(アメリカではワゴン、イギリスではサファリ又はエステートと称した) ブレークのリアゲートは上下2分割式で標準仕様は商用バンでしたが、乗用車仕様で3列シートを持つファミリアーレもありました。またブレークのルーフはルーフラックを取り付けるので強度アップの為、FRP製からスチール製に変更されていました。
ミニカーは1993年に発売されたリオ製で、ルーフラックの付いた ID 19 ブレークをモデル化しています。やや複雑な造形のルーフやテールエンドがリアルに再現されていて、ID ブレークのミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きで、室内も一本スポークのステアリングホイールなどそこそこ良く再現されていました。リオはこれ以外にも消防車、救急車、霊柩車など30数種類のID/DS ブレークをモデル化していました。ID/DS ブレークの当時物ミニカーはディンキー、ノレブ、コーギーなどがありました。当時物以外ではノレブ、ソリド、ブレキナなどがID/DS ブレークをたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
















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シトロエン ID 19 霊柩車 フランス 1958年
昔の話ですが、イギリス人は誰でも一生に一度はロールス ロイスに乗ると言われていました。この一度乗る車とはロールス ロイスの霊柩車のことです。ロールス ロイスはシャーシが長持ちするので、イギリスの霊柩車は古いロールス ロイスを改装したものが多かったとのことです。(実車画像→ ロールス ロイスの霊柩車) 霊柩車はメルセデス ベンツやキャディラックなどの高級車やそのステーションワゴンを改造したものが多いです。日本の霊柩車も同様ですが、日本には神社や寺院を模した棺室を有する日本独自の宮型霊柩車があります。
一般的に日本では霊柩車は縁起が悪いというイメージがあり、霊柩車の国産ミニカーはダイヤペットが作った宮型霊柩車しかありません。しかし海外では霊柩車にそういったこだわりがあまりないようで、海外のミニカーメーカーは霊柩車のミニカーを結構作っています。海外の霊柩車のミニカーはリオ、ソリドの別ブランドのベレムのGM キャディラック 霊柩車、オックスフォードのディムラー DS420 霊柩車、ミニチャンプスやシュコーのフォルクスワーゲン T1 霊柩車、NEO(レジン製)のキャディラック 霊柩車などがあります。ダイアペットとベレムの霊柩車は1980年代に作られましたが、それ以外のほとんどは1990年以降にモデル化されたものです。1990年以前のミニカーはほとんどが子供向けのおもちゃだったので、おもちゃとして霊柩車は相応しくなかったわけです。
ミニカーは1996年に発売されたリオ製のシトロエン ID 19 ブレークの霊柩車です。リアウインドーに花輪が添えられていて、いかにもそれらしいミニカーに仕上がっていました。リオはこのモデルのバリエーションを数種類と、DSの特別な霊柩車(以下に掲載)、メルセデス ベンツ 300D 霊柩車、フィアット 519の霊柩車など10数種類をモデル化しています。以下はフロント/リアの拡大画像と後部の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)






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シムカ (ベデット) シャンボール フランス 1958年
前述したようにフォードSAF(フォード フランス)はフランスでの独自路線をあきらめて、1954年にフランス工場をシムカに売却しました。フォードが開発を進めていた新型のフォード ベデットはシムカ ブランドで1954年に登場しました。この車はV型8気筒2.3L(80HP)エンジンを搭載する4ドセダンで、当時の先進技術であったマクファーソン ストラット式前輪独立懸架サスペンションが採用されていました。車名は標準仕様がトリアノン(TRIANON)、その上がヴェルサイユ(VERSAILLES)、最上級がレジェンス(REGENCE)でした。1956年には5ドアワゴンのマーリー(MARLY)が追加されました。1957年に4気筒1.3Lエンジンを搭載する廉価版のアリアーヌ(ARIANE)が追加され、V型8気筒エンジン搭載のトリアノンはアリアーヌ 8に名前が変わりました。(実車画像→ シムカ トリアノン 1954)
1958年に大きなテールフィンが付いたアメリカ車的なデザインに変更され、エンジンが84HPにパワーアップしました。その際にヴェルサイユはビューロー(BEAULIEU)、レジェンスはシャンボール(CHAMBORD)に名前が変わりました。1959年にコーチビルダーのアンリ シャプロンが製作する特注仕様のシャンボール プレジデンス(PRESIDENCE)が追加されました。この車はヨーロッパ初の自動車電話を備え、リアにスペアタイヤを搭載するコンチネンタルスタイルとなっていました。シャンボール プレジデンスは、フランス大統領専用車に採用されました。このシムカ版のベデットのシリーズは1961年までに約17万台が生産されました。
ミニカーは2000年に発売されたソリド製です。1958年式のシャンボールをモデル化しています。全体的な雰囲気は同時代の米フォードのフェアレーンとよく似ていて、まさに小さなアメリカ車といった感じの車でした。ソリドの型番45**のシリーズは主に1950/1960年代のクラシックカーをモデル化していて、当時の定価約2000円と比較的安価ながら、結構良い出来ばえに仕上がっていました。このシャンボールも特徴的なテールフィンや大きなフロントグリルなど実車の雰囲気がうまく再現され、良く出来ていました。テールフィン部分にはCHAMBORDのロゴが付いています。ソリドは同じ型を使ったバリエーションでプレジデンスもモデル化していました。これ以外のシャンボール関係のミニカーはノレブ初期のプラスチック製の当時物でトリアノン/ヴェルサイユ/ビューロ/シャンボールとそれをリファインした2000年以降の物、ディンキー(仏)の当時物でシャンボール/ヴェルサイユ/アリアーヌ、ビテスのヴェルサイユ、エリゴールのマーリー、イクソのシャンボール/アリアーヌなどがあります。 以下はフロント/リア(CHAMBORDのロゴ拡大)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)







