ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

CHAPARRAL 2D 1966 USA

CHAPARRAL 2D
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CHAPARRAL 2D


SOLIDO 153 1/43 96㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.73m エンジン 変速機: V型8気筒 5.4L 420HP 6段自動変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでシャパラル 2Dのミニカー検索

シャパラル 2D アメリカ 1966年

 

 テキサスの石油王と呼ばれたジム ホールは技術者で、一流のレーシングドライバーでもありました。彼はレースカーを購入してレースを行っていましたが、コンストラクターに依頼して1961年にシャパラル 1Aを開発しました。この車はフロントにシボレーのV型8気筒エンジンを搭載した標準的な構造で、ホール自身がドライブし好成績を収めました。ホールは1962年にシャパラル カーズを設立し、オリジナルのレースカーの開発を始めました。なおシャパラルという名前はニューメキシコ州の州鳥ロードランナー(ROAD RUNNER)という鳥の別称とのことです。(実車画像→ シャパラル 1A

 

 1963年に登場したシャパラル 2AはシボレーのV型8気筒5.4Lエンジンをミドシップ搭載し、自動変速機を採用していたことから話題となりました。(この自動変速機は非公式ですがGMのサポートを受けていたそうです) この車はアメリカのUSRRC(全米ロードレーシング選手権)などで活躍し、1964年の年間チャンピオンになりました。1965年に2Aで参戦したセブリング 24hではフォード GT40を制して優勝しました。このシーズン後半には改良型の2Bや可変式リアスポイラーを付けた2Cが登場して活躍しました。(実車画像→ シャパラル 2C

 

 

 1966年にルーフを閉じたGr.6仕様の2Dが登場し、スポーツカー世界選手権に本格的に参戦しました。初戦のニュルブルクリング 1000kmで優勝し、ヨーロッパの主要レースでのアメリカ車の優勝は1921年フランスGPのデューセンバーグ 183 GPカー以来でした。スポーツカー世界選手権ではフォード GT40ポルシェ 910が強く、信頼性に欠けるシャパラルはリタイヤが多くあまり活躍していません。またこの年に始まったカンナム(CAN-AM:カナディアン アメリカン チャレンジカップ)には、大きなリアスポイラーを付けたGr.7仕様の2Eで参戦し、第4戦で1-2フィニッシュで優勝しています。1967年のカンナムにはエンジンを7Lに変えた2Dで参戦しています。ただカンナムではマクラーレンが圧倒的に強かったので、シャパラルの優勝は1966年の1回だけでした。1967年に2Dをベースにしたシャパラル 2Fが登場しました。(実車画像→ シャパラル 2E)

 ミニカーは1967年に発売されたソリド製の当時ものです。1966年のニュルブルクリング優勝車をモデル化しています。ソリドらしいシャープな造形で実車のイメージが再現されていて、とても良くできています。ガルウイングドアが開閉し、リアカウルを開くとエンジン周辺のメカが再現されています。さらに実車同様に前後車軸にはコイルスプリング式サスペンションが付いています。シャパラル 2Dの当時物ミニカーはこれしかありません。当時物以外ではミニチャンプス、デルプラド(世界のレーシングカー)、イクソ、トゥルースケール(レジン製)などがモデル化しています。2D以前の2Aなどはオートアートやエグゾトがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とガルウイングドアを開いたコクピット/リアカウルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CHAPARRAL 2D 1
CHAPARRAL 2D 2

シャパラルのミニカー→ データーベースでシャパラルのミニカー検索"

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PORSCHE 906 1966 GERMANY

PORSCHE 906
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PORSCHE 906


CORGI 330 1/43 100mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.1m 全幅約1.68m エンジン 変速機: 空冷水平対向6気筒 2L 220HP 5段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでポルシェ 906のミニカー検索

ポルシェ 906 ドイツ 1966年

 

 1966年から国際マニュファクチャーズ選手権の対象がGTからプロトタイプに変わり、GT(スポーツカー)に対しては国際スポーツカー選手権が新設されました。これに対応して、ポルシェが初めて純粋のレーシングカーとして開発したのが906でした。鋼管スペースフレームにFRP製ボディの構造で、丸みのあるルーフとガルウイング式ドアを特徴とするデザインでした。

 エンジンは904用をチューンした空冷水平対向6気筒2L(210HP)で、ワークス用エンジンとしてその燃料噴射仕様(220HP)と804F1用を改良したDOHC 空冷水平対向8気筒2.2L(260HP)がありました。なお904の6気筒仕様が906と呼ばれていたので、当初の906はカレラ6と呼ばれていました。後に904の6気筒仕様を904/6、カレラ6を906と呼ぶことになりました。

 

 デビュー戦は1966年デイトナで、プロトタイプクラスで優勝しています。その後ワークスの主力は燃料噴射エンジン搭載車となり、タルガ フロリオで総合優勝、ルマンでクラス優勝するなど大活躍して、スポーツカー選手権チャンピオンとなっています。日本GPにもプライベーターが906で参戦しています。

 

 

 ミニカーはコーギーの当時物で、1967年に発売されました。当時は子供向けのおもちゃでしたが、プロポーションが良くフロント左右の特徴的なスポイラーが再現され、それなりに良くできています。ドライバーのフィギュアとリアカウルを開くと見えるそこそこリアルな6気筒エンジンも楽しいギミックです。これ以外にもディンキー(仏)、ソリド、マーキュリー、ガマなど当時の主要ブランドがモデル化していることが、当時の906の人気の高さを示しています。最近でもエブロ、ミニチャンプス、スパークなどでたくさんモデル化されています。 以下はコーギーの906のフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジン部分の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PORSCHE 906 1
PORSCHE 906 2

 以下は1967年に発売されたディンキー(仏)の906(型番503)の画像です。ドアとリアパネルが開閉するギミック付で、エンジンが再現されています。テールライト周辺の塗装が荒れてライトが脱落しそうになっていますが、これはテールライトを固定する接着剤の溶剤が塗装を侵した為だと思われます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PORSCHE 906 3
PORSCHE 906 4

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FERRARI 330 P3 1966 ITALY

FERRARI 330 P3
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 330 P3


BRUMM R160 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.19m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC V型12気筒 4L 420HP 5段変速
性能: 最高速320km/h  データーベースでフェラーリ 330Pのミニカー検索

フェラーリ 330 P3 イタリア 1966年

 

 前述したフェラーリ 275P/330Pは改良され、1965年に275/330 P2となりました。(275と330 P2は排気量以外はほとんど同じ) エンジンはDOHC化によりパワーアップし、F1で採用したアエロと呼ぶセミモノコック構造シャーシを採用、標準でスパイダー形式のボディは低くなり前後のフェンダーが大きく膨らむスタイルとなりました。275/330 P2は1965年のモンザ、タルガフローリオで優勝しますが、ルマンでは250 LMが優勝したものの330 P2は全車リタイアしました。(実車画像→ フェラーリ 330 P2)

 

 1966年に330 P2は改良されて、330 P3となりました。改良点はエンジンのパワーアップ、FRP樹脂製ドアやアルミ合金ボディによる軽量化、ヘッドライトの2灯化などです。ボディはより低くなりフェンダーの起伏も大きくなり、ダイナミックで美しい330 P3のスタイルが完成しました。1966年はモンザとスパで優勝しますが、ルマンではフォード GT40が優勝しフェラーリは全車リタイアしました。1967年には改良型の330 P4が登場しました。

 

 

 ミニカーはブルム製で、1988年頃に発売されました。1966年スパの優勝車をモデル化しています。ノーズ先端位置が高くヘッドライト形状が異なるなどフロントの造形があまり似てないので、出来ばえは今一つです。ブルムには330 P4も含めてバリエーションが数種類あります。330 P3の当時物ミニカーとしてソリドがありました。最近のものではバン(BANG)などがあります。330Pのミニカーはアートモデル、330 P2のミニカーはボックスモデル、ベストモデルなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 330 P3 1
FERRARI 330 P3 2

 以下は1989年頃に発売されたボックスモデル製の330 P2 プローバ (テストカー) 1965 (1/43 型番8447)の画像です。ボックスモデルは現在のベストモデルの前身で、ボックスモデルが作るイタリア製スポーツカーのミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。デフォルメがうまいので、実車の雰囲気が良く再現されています。なお今見るとワイパーが目立ちすぎですが、当時のミニカーはこれが普通でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 330 P2 1
FERRARI 330 P2 2

  以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 330 P2 3
FERRARI 330 P2 4

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COOPER T81 MASERATI F1 1966 UK

COOPER T81 MASERATI F1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
COOPER T81 MASERATI F1


CORGI GS6 1/43? 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.8m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC 12気筒 3L 360HP 5段自動変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでクーパーのミニカー検索

クーパー T81 マセラティ F1 イギリス 1966年

 

 1965年にクーパー社はチップステッド モーター グループ(外車輸入会社)の傘下となりましたが、レース活動は続けていました。1966年にF1の排気量が3L(過給1.5L)に変わり、マクラーレンの3Lエンジンを搭載したクーパー T81が登場しました。T81は当時主流であったモノコック構造をクーパーとして初めて採用しましたが、あまり熟成されていない設計でした。それでも1966年メキシコGPでの優勝(ドライバー J.サーティース)や、1967年南アフリカGPでの優勝(ドライバー P.ロドリゲス)でやや往年の勢いを盛り返しました。ただこの勢いは続かず結局1968年限りでレース活動から撤退しました。

 

 クーパーの名前が今も残されているミニ クーパーは、BMCとクーパーの協力で1961年に登場しました。優れた操縦性のミニ クーパーは、モンテ カルロ ラリーで1964/1965/1967年に優勝しています。またクーパーはJ.ブラマム、B.マクラーレン、S.モスなど優れたドライバーを輩出しています。ミドシップエンジン搭載方式の確立、小さな町工場がレーシングカーを製作する「バックヤードビルダー」というスタイルの確立、ブラバムやマクラーレンといったイギリスのコンストラクターを生み出したことなど、クーパーは1960年代のF1に多大な功績を残しました。

 

 

 ミニカーは1967年に発売されたコーギー製の当時物です。これはフォルクスワーゲン T1とセット販売された物ですが、単品(型番156)で販売されたものと基本的には同じ物です。1966年のメキシコGPでJ.サーティスがドライブして優勝した#7をモデル化しています。50年以上も昔のミニカーとしては良く出来ています。このミニカーにリアスポイラーとステアリング操作ギミックを付けた物が1969年に販売されました。これ以外のクーパー マセラティのミニカーは当時物ではT81かどうかは怪しいですが、ポリトーイ(PENNY)やガマがありました。最近のものではスパークがあります。 以下はフロント/リアの画像とコクピット周辺の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

COOPER T81 MASERATI F1 1
COOPER T81 MASERATI F1 2

 以下は1969年に発売された同じコーギー製のクーパー T81 マセラティ F1 1968 (1/43 型番159)の画像です。上記にフロント/リアスポイラーを追加して、さらにステアリング操作ギミックを付けています。ステアリング操作ギミックの詳細についてはギミックのページをご覧ください。→クーパー マセラティのギミック紹介ページ (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
COOPER T81 MASERATI F1 3
COOPER T81 MASERATI F1 4

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CHAPARRAL 2F PROTOTIPO 1967 USA

CHAPARRAL 2F PROTOTIPO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CHAPARRAL 2F PROTOTIPO


MERCURY 30 1/43 96㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.94m 全幅約1.78m エンジン 変速機: V型8気筒 7L 525HP 3段自動変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでシャパラル 2Fのミニカー検索

シャパラル 2F プロトタイプ アメリカ 1967年

 

 1967年のスポーツカー世界選手権にシャパラル 2Fが登場しました。シャパラル 2Fは前述したシャパラル 2Dをベースにしてエンジンを7Lに変更したもので、ボディはそれまでの抑揚の大きいダイナミックなデザインから直線的なデザインに変わりました。リアには前述した2Eと同じ大きなリアスポイラーが付いていました。このスポイラーはボディ周辺の乱流を避ける為に、長い支柱で高い位置に配置(ハイマウント式)されていました。スポイラーは角度を変えることでダウンフォースを調整でき、ダウンフォースはサスペンション部分に直接作用するように設計されていました。

 

 1967年シーズンの成績はブランズハッチ 6hで優勝していますが、ポールポジションを獲得してリタイアするパターンが多かったようです。パワーアップしたことで早くなりましたが、自動変速機がパワーアップに耐えられずオーバーヒートするなど信頼性が足りなかったようです。2Fが採用したリアスポイラーはF1にも波及し、1968年にはリアスポイラーを装着したF1マシン ロータス 49Bが登場しました。(実車画像→ ロータス 49B 1968 )

 F1のスポイラーもハイマウント式や可変式に進歩していきましたが、支柱が折れるなどの問題があり、安全性の問題から1969年には高さの低い固定式に規制されました。1970年にはシャパラルとして最も独創的な設計がされたカンナムマシンのシャパラル 2Jが登場しました。

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたマーキュリー製の当時物です。シャパラル 2Fのプロトタイプをモデル化しているようなので、特定のレース仕様ではありません。黄色のヘッドライがやや玩具的ですが、プロポーションは悪くなく当時のミニカーとしては結構リアルに作ってありました。リアスポイラーは支柱が上下し角度が変えられ、ガルウィング式ドアと燃料供給口蓋の開閉ギミックが付いています。当時のミニカーは子供向けだったので、この種のギミックは必須の物でした。最近の1/43サイズのミニカーはコストの問題などがあってこの類いのギミックを付けていませんが、ギミックがあるほうが(子供でなくても)面白いことは明らかだと思います。(ロートルコレクターの私はこのようなギミックが好きです) シャパラル 2Fは発表当時に大きなスポイラーが話題になったことから、ソリド、ポリトーイ、メーベトイ、メルクリン、ガマなど当時の老舗ブランドが当時物ミニカーを作っていました。特にソリドは後車軸を押すとスポイラーの角度が変化するという凝ったギミックが付いているなど良く出来ていました。当時物以外ではイクソ、ミニチャンプス、エグゾトの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像、ドアと燃料供給口蓋開閉ギミックとコクピットの画像、スポイラーの動作ギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CHAPARRAL 2F PROTOTIPO 1
CHAPARRAL 2F PROTOTIPO 2

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