ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FORD TAUNUS 12M (P1) 1957 GERMANY

FORD TAUNUS 12M (P1)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD TAUNUS 12M (P1)


MINICHAMPS 400085600 1/43 94㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.1m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 38HP 3段変速
性能: 最高速112km/h  データーベースでフォード タウナスのミニカー検索

フォード タウナス 12M (P1) ドイツ 1957年

 

  フォードは1925年にドイツに進出し、T型、A型、V8などの生産を行っていました。ただしそれらはアメリカと同じ仕様でしたので、ヨーロッパでは中大型クラスとなり、販路が限られていました。そこで1Lクラス小型車のケルン、アイフェルなどが開発され、1930年代後半にはドイツ フォードはオペルと同じくらいの自動車を生産していました。第2次大戦中ドイツ フォードは乗用車の生産ができず、軍用トラックの生産に従事していました。 (ケルン、アイフェルなどはミニカーがありません どんな車か知りたい人はFORD KOLN EIFELでWEB検索してください)

 

 戦後工場が再建されて、まず生産を再開したのはトラックでした。1948年にはアイフェルの後継車で戦前に発表されたタウナスが再生産されて登場しました。戦前型とはいえ1Lクラスのタウナスはライバルがいなかったので、結構売れたようでした。

 タウナスは1952年にモノコック構造でフラッシュサーフェスの戦後型デザインに一新された12Mに生まれ変わりました。フロントの中央に付いている丸い飾りは、フラッシュサーフェスを採用したアメリカの1949年型フォードのデザインと通じる物があります。エンジンは戦前型の4気筒1.2L(38HP)のまま、3段変速で最高速は112km/hといった性能でした。1955年には12Mのフロントグリルを変えたボディに、新型のOHV方式4気筒1.5L(55HP)エンジンを搭載した15Mが追加されました。1959年のマイナーチェンジで12Mと15Mは同じ外観になり15Mの設定がなくなり、1962年にタウナス 12M (P4)にモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーはミニチャンプス製で、2007年に発売されました。フロントグリルを変更した1957年式をモデル化しています。細かいところまでよく作り込んであるので、まるで実車の画像を見ているような感じがします。ただ古い車なのにやたらと塗装がきれいなので、その辺になんとなく違和感を感じてしまいます。。。 これ以外のタウナス 12M (P1)のミニカーはノレブ、ブレキナの1/87などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像と室内の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD CONSUL (TAUNUS 12M) 1
FORD CONSUL (TAUNUS 12M) 2

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FORD TAUNUS 17M (P2) CABRIOLET 1957 GERMANY

FORD TAUNUS 17M (P2) CABRIOLET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD TAUNUS 17M (P2) CABRIOLET


SOLIDO 4575 1/43 105㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.4m 全幅約1.67m エンジン 変速機: 4気筒 1.7L 60HP 3段変速
性能: 最高速128km/h  データーベースでフォード タウナスのミニカー検索

フォード タウナス 17M (P2) カブリオレ ドイツ 1957年

 

 前述したようにフォード タウナス 12Mのフロントグリルを変更したボディに新型のOHV方式4気筒1.5L(55HP)エンジンを搭載したタウナス 15Mが1955年に追加されました。さらに1957年に15Mより一回り大きい中級車17Mが追加されました。17Mは前傾したフロントグリル、サイドに走るクロームモール、テールフィンなど同時期のアメリカ車のフォード フェアレーン 1955年式をスケールダウンした実にアメリカ的なデザインでした。17Mは当時のドイツ フォードの最上級車で2/4ドアセダン、2ドアカブリオレ、3ドアコンビ(ワゴン)のボディバリエーションがありました。

 

 15Mの4気筒1.5Lを拡大した4気筒1.7L(60HP)を搭載し、3段変速で最高速128km/hの性能でした。1959年のマイナーチェンジで外観が小変更され4段変速機が追加されました。1960年にタウナス 17M (P3)にモデルチェンジしました。総生産台数は約24万台でした。17Mはライバルであったオペル レコードよりエンジンが大きく高性能でしたが、価格が高かったので販売台数はレコードの半分以下でした。

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたソリド製です。タウナス 17Mの上級グレード 2ドアカブリオレをモデル化しています。ソリドの型番45**の4500シリーズは主に1950/1960年代のクラシックカーをモデル化していて、当時の定価は約2000円と比較的安価ながら、結構良い出来ばえに仕上がっていました。このタウナス 17Mはフロントグリル、クロームモール、テールフィンなどの特徴がきちんと押さえてあって実車の雰囲気がうまく再現され、値段以上の良い出来ばえに仕上がっています。また空色/白色で塗り分けたカラーリングもきれいです。これ以外の17M (P2)のミニカーはメルクリンの当時物、ジク(SIKU)の当時物 1/60、ガマの当時物 1/50、ディテールカーのクーペ、プレミアムX(イクソ)のセダン、ブレキナのセダンとワゴン 1/87、ネオ(レジン製)のワゴンなどたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD TAUNUS 17M (P2) 1
FORD TAUNUS 17M (P2) 2

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CITROEN DS 19 1957 FRANCE

CITROEN DS 19
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19


VITESSE 691 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 1.9L 75HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでシトロエン DS/ID 19のミニカー検索

シトロエン DS 19 フランス 1957年

 

 シトロエン 2CV同様その独特のスタイルと独創的な技術で知られるシトロエン DSシリーズは1955年に発表されました。シトロエン 2CVは発表会で人々を唖然とさせましたが、DSはその未来的なデザインで人々を圧倒しました。当時宇宙船と称されたボディのデザインは2CVをデザインしたシトロエン社のフラミニオ ベルトーニのデザインでした。グリルのない低く尖ったフロントや後ろにいくほど低く狭まったリアの流線型の造形は当時としては最も進んだ空力設計でした。

 

 シトロエン DSの最大の技術的特徴は油圧と窒素ガスを使ったサスペンション機構を中心としたハイドロニューマチック システム(Hydropneumatic System)でした。このシステムは従来の金属ばねの代わりにエア(窒素ガス)を使ったエアサスペンションで、ダンパー/車高調整を油圧で制御するものでした。このシステムはサスペンションだけではなく、ブレーキとパワステも油圧で制御していました。コンピューターなどなかった時代なので、すべての動作を機械的な油圧で制御していたこのシステムは画期的な物でした。(複雑なシステムでしたので初期故障もあったようですが)

 

 

 1957年にはシトロエン DSの仕様を簡素化したシトロエン IDが登場しました。IDはサスペンション以外の油圧制御を外し、エンジンがディチューンされていました。シトロエン DS/IDの実車写真を見ると、屋根がボディと異なる色になっている物が多いですが、DS/IDの屋根は薄い色がついたFRP製でした。したがって屋根の色がボディと異なるのは標準仕様だったようです。(ルーフ後端の赤丸は方向指示器です) この種の進歩し過ぎたデザインの車はそのほとんどが商業的には失敗してしますが、DSは発表当日に1万台以上を受注して大成功しています。2CVの成功もそうですが、これはフランスならではのことだと思います。

 シトロエンは私の好きな自動車メーカーです。(現在のシトロエンはDSやCXが健在だった頃に比べると、際立った個性がなくなりましたが、これは時代の流れで仕方ないことです) シトロエンのなかでもDSは特に好きな車ですので、ミニカーも結構たくさん持っています。このビテス初期のDSのミニカーは1992年に発売された物なので最近の物ほどリアルではないですが、個人的には好きなミニカーです。プロポーションが良く、灯火類などの細かいところも良く出来ています。室内は1本スポークのステアリングホイールとその奥にあるシフトレバー、インパネから生えているバックミラーが再現されています。(60年以上も昔の車をモデル化したミニカーが、あまりリアル過ぎるのは個人的には少し違和感を感じますので、これぐらいのリアルさがちょうど良いのです) これ以外にもビテスはDS/IDを30種類ほどモデル化しています。DS 19の当時物ミニカーとしては、ディンキー、コーギー、ノレブ、JRD、ポリトーイ、ジクなどがありました。当時の主要なミニカーメーカーのほとんどでモデル化されていますので、DS 19の人気が高かったことが分かります。当時物以外ではノレブの1/43と1/18、ビテス、リオ、ソリド、ブッシュの1/87、イクソ、オックスフォードの1/76などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN DS 19 1
CITROEN DS 19 2

以下は俯瞰/床下の画像です。。床下の画像ではボディ前半に比べて後半の車幅が狭くなっていることが分かります。トレッドも前輪と後輪では大幅な違いがあります。前輪駆動車なので、このような構造にできるのでしょう。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 4

 以下は1957年に発売されたコーギー製の当時物 シトロエン DS 19(型番210 1/47)の画像です。約60年ほど前に作られたビンテージミニカーですので素朴な作りです。このミニカーはセルロイド系の樹脂で室内を再現していますが、これはコーギーが他社に先駆けて始めた物でした。縮尺が1/47ですので、他社の1/43より少し小さなサイズですが、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 5
CITROEN DS 19 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 5
CITROEN DS 19 6

 以下は1959年に発売されたディンキー(仏)製のシトロエン DS 19 (型番522 1/43)の画像です。なおこれは後期型で最初は型番24Cで1956年に発売されています。これも約60年ほど前に作られたもので、上記のコーギー製と同じような素朴な出来ばえです。プロポーションが良いディンキー(仏)らしい造形で、1950年代のミニカーとしてとても良く出来ていました。室内はがらんどうで、シートなどは再現されていません。タイヤに白いゴム(カーボンブラックを配合していない天然ゴム)を使用しているのは、1950年代に製作された古いミニカーの特徴です。このミニカーは1970年代にミニカー専門店で入手しました。この種類のタイヤは長期間並べておくと自重でタイヤが変形することがありますが、これは先に購入した方の保管状態が良かったようでほとんど変形していません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 7
CITROEN DS 19 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 7
CITROEN DS 19 8

 以下は1993年頃に発売されたリオ製のシトロエン DS 19 (型番115 1/43)の画像です。1955年のパリ サロンで発表されたショーカーをモデル化しています。(ナンバープレートが「1956 DS 19」となっていますのは実車に即してます) キャビンが少し大きめにデフォルメされていますが、DSの特徴がうまく再現されていて良く出来ています。実車同様に屋根をプラスチック製の別パーツとしているなど凝った作りで灯火類もリアルに仕上げてあります。ドアが開閉するギミック付きです。リオはバリエーションでブレークやカブリオレなどDS/IDを約100種類ほどモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 9
CITROEN DS 19 10

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 9
CITROEN DS 19 10

 以下は2000年頃に発売されたリオ製のシトロエン ID 19 パリ警視庁 (1/43 型番SL067)の画像です。これはDSではなく廉価版のIDで、パリ警視庁の公用車をモデル化しています。当時のフランスの政府系公用車のほとんどはDS/IDだったようで、これは一般的なポリスカーではなく要人警護用などに使われた公用車だと思います。フロントに補助灯と屋根に青の回転灯が追加されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 11
CITROEN ID 19 12

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FIAT 1200 GRANDE VUE 1957 ITALY

FIAT 1200 GRANDE VUE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 1200 GRANDE VUE


DINKY(FR) 531 1/43 91㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.92m 全幅約1.46m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 55HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでフィアット 1100/1200のミニカー検索

フィアット 1200 グランビュー (グラン ルーチェ) イタリア 1957年

 

 戦前に登場したフィアット 508Cは戦後にフィアット 1100Eとなり存続していましたが、1953年に1100Eは戦後型の1100/103(ティーポ 103)にモデルチェンジしました。4気筒1.1L(36HP)エンジンはそのままでしたが、ボディは同時期の1400同様にフラッシュサーフェスのモノコックボディが採用され、全体的に丸みのついたオーソドックスなセダンスタイルとなりました。ボディサイズは旧型よりも一回り小さくなり軽量化されましたが、設計技術の進歩で室内空間は広くなりました。当初は前ドアが前開きの4ドアセダンと5ドアワゴンがありました。

 

 1953年に48HPにパワーアップした高性能版の1100 TV(Turismo VeloceとはFast Tourerの意)が追加され、1955年に2ドアコンバーチブル(Trasformabile)が追加されました。1957年には1100 TVの後継車として4気筒1.2L(55HP)エンジンを搭載し、前ドアを一般的な後ろ開きに変更してルーフのデザインを少し変更した1200 グラン ルーチェ(Gran LuceとはFull Light(明るい)の意)が登場しました。1961年にグラン ルーチェは1100シリーズの上級車として1300/1500に更新されました。1100シリーズには1962年にドアを後ろ開きに変更し、フロントの意匠を変更した1100Dが登場しました。1966年にボディ前後を小変更した最終型の1100Rが登場し、1969年まで生産されました。後継車は128でした。(実車画像→ フィアット 1100R 1966 )

 

 

 ミニカーは1959年に発売されたディンキー(仏)の当時物です。フランス語の車名のグランビュー(Grande Vue)はイタリア語ではGran Luceのことで、フランスに輸出された1200 グラン ルーチェをモデル化しています。60年ほど昔に作られたビンテージミニカーで、私の保有するミニカーの中でも古い物です。時代を感じさせるホワイトタイヤが付き、室内はがらんどうの素朴な造形です。ただしプロポーションは正確で、ルーフ後端を少し突きだしたグラン ルーチェのスタイルがうまく再現されています。これ以外の戦後型1100/1200の当時物ミニカーはジク(SIKU)の1/60、ポリトーイ初期のプラスチック製 1/41、ノレブ初期のプラスチック製の1100D、メーベトイの1100Rなどがありました。(当時の主なブランドがモデル化しているので、当時の実車は人気が高かったのでしょう) 当時物以外ではブレキナの1/87、リオの1100TV、スターラインの1100/1100TV/1100Rなどがあります。  以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 1200 GRANDE VUE 1
FIAT 1200 GRANDE VUE 2

 以下は1967年に発売されたメーベトイ製の当時物 フィアット 1100R 1966 (1/43 型番A9)の画像です。最終仕様の1100Rをモデル化しています。メーベトイは少し丸みを付けたデフォルメをしますがリアルな造形が特徴で、この1100Rも実車のイメージが良く再現されています。ヘッドライト周辺の茶色の汚れは、ラインストーン製ヘッドライトを接着した接着剤が経年変化で変色したもので、初期のメーベトイ製ミニカーに良く見られる経年変化です。ボンネット/ドアの開閉ギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 1100R  1
FIAT 1100 R 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 1100R 3
FIAT 1100 R 4

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FIAT 500 NORMALE 1957 ITALY

FIAT 500 NORMALE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500 NORMALE


BRUMM R343 1/43 69㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.97m 全幅約1.32m エンジン 変速機: 空冷2気筒 479cc 15HP 4段変速
性能: 最高速85km/h  データーベースでフィアット 500のミニカー検索

フィアット 500 ノルマーレ イタリア 1957年

 

 第2次大戦で敗戦したイタリアは1950年代になっても経済はまだ完全に回復しておらず、前述したフィアット 600も発売当初は売れ行きが芳しくありませんでした。そこで600をさらに一回り小さくした廉価版として500が開発され1957年に登場しました。この500は戦前型の500と区別してNUOVA(ヌォーヴァ:NEWの意) 500とも呼ばれました。モノコックボディ、リアエンジン、サスペンションなど基本設計は600と同じでしたが、エンジンは空冷2気筒479cc(15HP)となっていました。

 

 NUOVA 500は全長3m程ながらも4人乗りで車重は約500kg、4段変速で最高速度85km/hとまずまずの性能でした。ボディはキャンバストップがエンジンカバーのすぐ上まで開く初期型と屋根の半分だけが開く後期型(1960年以降)の2タイプがあり、開口部のない全閉式の仕様はありませんでした。これは空冷2気筒エンジンの騒音が大きいので、完全な密閉式に出来なかったとのことです。1959年にエンジン排気量を499㏄(22HP)にパワーアップしたスポーツ仕様のスポルトが追加されました。NUOVA 500は戦前型500を超える大ヒットとなり、これ以後の小型車のお手本になりました。発表後10年以上経った1970年にも年間40万台以上生産されていたのですから、その人気は推して知るべしでした。(1960年以降の後期型についてはフィアット 500Dを参照してください。)

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたブルム製です。これは初期型(500a)のノルマーレ(標準仕様)でキャンバストップを閉じたタイプをモデル化しています。ブルム製のNUOVA 500は全体的な雰囲気がうまく再現されていて、室内などの細部も良く仕上げてありとても良く出来ています。(ただかなり大量に生産しているので、出来上がりのばらつきが多少ありますが) また色違いやバリエーションを非常にたくさん揃えているところに、NUOVA 500に対するブルムのこだわりを感じることができます。(イタリアでNUOVA 500の人気が高いことも分かります) ブルム以外のNUOVA 500 初期型の当時物ミニカーはマーキュリーのビンテージ物がありました。当時物以外ではビテス、ソリド、WELLYの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 500a 1
FIAT 500a 2

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット NUOVA 500 エコノミカ 1957 (1/43 型番R341)の画像です。上記のブルム製のバリエーションで、エコノミカのキャンバストップを閉じたタイプをモデル化しています。発売当初の仕様はエコノミカ(低価格仕様)で、それを少し豪華にしたのが上記のノルマーレ(標準仕様)でエンジンも少しパワーアップしていたそうです。ブルムのミニカーはこの仕様の違いをきちんと再現してあり、どちらにも6色の色違いがあります。このような500の細かな仕様違いをモデル化しているのはブルムだけです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 3
FIAT 500a 4

 以下は上記のノルマーレとエコノミカを比較のために並べたみた画像です。向かって右側手前にあるのがノルマーレです。ノルマーレとエコノミカの外観上の違いは3点あります。1点目はホイールキャップのメッキの有無、2点目はボディ側面のクロームモールの有無、3点目はよく見ないと分かりませんがヘッドライトのひさし(マツゲ)の有無です。なお室内も良く見るとリアシートの色が変えてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 5
FIAT 500a 6

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット NUOVA 500 ノルマーレ (1/43 型番R342)の画像です。上記型番R343のキャンバストップを開いたバリエーションです。開いたルーフから室内の造形が良く見えます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 7
FIAT 500a 8

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット 500 スポルト 1959 (1/43 型番R347)の画像です。エンジン排気量を499㏄(22HP)にパワーアップして最高速を95km/hに向上させたスポーツ仕様のスポルトをモデル化しています。ボディ側面の赤いストライプと赤く塗装されたホイールは実車どおりです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a SPORT 1
FIAT 500a SPORT 2

 以下は2002年に発売されたブルム製のフィアット 500 ピンク 'ブルム 30周年記念' (1/43 型番S72/02)の画像です。ブルムの創立30周年記念として発売された限定生産品で、屋根に貯金箱のようなコインの投入口があります。おまけとして1ユーロセント(約2円)の銅貨が付いています。実際に貯金箱としてコインを貯めるのは出来ないのでお遊びで作られた物ですが、ピンク色のかわいらしいミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a PINK 1
FIAT 500a PINKT 2

 以下は1990年頃に発売されたビテス製 フィアット 500 ベスパ付 (1/43 型番501)の画像です。フィアット 500 初期型と1950-1960年代当時のスクーター ベスパを組合わせた遊び心のある楽しいセット物でした。この組合わせは1953年公開の映画「ローマの休日」の1シーン(王女がスクーターを走らせ、フィアット 500が追いかけるシーン)を思い起こさせるものです。(ただし映画のフィアット 500は戦前型でしたが) 実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。またベスパも小さいながらも結構良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 11
FIAT 500a 12

 以下はフロント/リアの拡大画像とフィアット 500とベスパが台座にセットされている画像とベスパの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 13
FIAT 500a 14

 以下は2000年に発売されたソリド製のフィアット 500 1957 (1/43 型番4560)の画像です。ボディ側面にクロームモールが付いているので、ノルマーレをモデル化しているようです。ソリドの型番45**のシリーズは1950-1970年代の車をモデル化していて、安価ながらも良い出来の物が多いです。この500はプロポーションは悪くないのですが、タイヤが少し大き目なので実車の雰囲気から少し外れた感じがして出来ばえは今一つです。またキャンバストップの開き方が後期型となっていますので、初期型と後期型の仕様がごちゃ混ぜになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500a 15
FIAT 500a 16

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