ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

GAZ 3102 VOLGA 1982 RUSSIA

GAZ 3102 VOLGA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 3102 VOLGA


USSR 型番不明 1/43 118㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.95m 全幅約1.82m エンジン 変速機: 4気筒 2.5L 105HP 5段変速
性能: 最高速145km/h  データーベースでガズのミニカー検索

ガズ 3102 ボルガ ロシア 1982年

 

 前述したガズ 2401 ボルガの後継車としてプロトタイプのガズ 3101が開発され、1982年にガズ 3102 ボルガが登場しました。基本的な構造はガズ 2401を踏襲していましたが、エンジンは改良されてパワーアップし、変速機も5段になって性能が向上しました。ガズ 3102は高級車でしたので、主にKGBを始めとする官公庁の公用車として使われました。外観は旧共産圏の政府公用車に共通した威圧的なごつい感じのデザインでした。1991年にソビエト連邦が崩壊しガズ社は民営化されましたが、ガズ 3102は多少の改良が行われて2010年頃まで生産されました。現在のガズ社はミニバン、トラック、バスなどを生産するロシア最大の商用車メーカーです。

 

 近年になってわかったことですが、前述したソ連の自動車会社アフトヴァース(Avto VAZ)社は1970年代にロータリーエンジンを製造していました。ガズ社もこのロータリーエンジンの供給を受けていて、ガズ 3102や高級官僚向けリムジンのチャイカに3ローターのロータリーエンジンが使われていたとのことです。3ローターを市販車に採用したのはマツダのユーノス コスモだけだと思っていましたから、これには驚きました。(ただしエンジンの耐久性には問題があったそうです) ロータリーエンジンの特許使用料を支払っていなかったので、この事実は伏せられ最近まで知られていませんでした。

 

 

 ミニカーは2005年頃にWEBオークションで入手したソ連製です。前述したガズ 2401のソ連製ミニカーと同じような箱に入っていましたので、同じメーカーが1980年代に製造したものと思われます。プラスチックのメッキパーツが使われるなど見た目は多少目新しくなっていますが、中身はガズ 2401と同じようなややレトロな出来ばえで、1980年代のミニカーとしては良く出来ていました。フロントグリルが違っていますが、キャビン部分はガズ 2401と同じであることがミニカーからも伺えます。ボンネット/4ドア/トランクが開閉するフルギミックとなっています。これ以外のガズ 3102のミニカーはイクソ系列のIST MODELSがモデル化しています。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GAZ 3102 1
GAZ 3102 2

 以下は4ドア開閉ギミックの画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GAZ 3102 3
GAZ 3102 4

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ZIL 115 (41047) 1985 RUSSIA

ZIL 115 (41047)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ZIL 115 (41047)


USSR A25 1/43 146㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6.4m 全幅約2.1m エンジン 変速機: V型8気筒 7.7L 315HP 3段自動変速
性能: 最高速200km/h  データーベースでジルのミニカー検索

ジル 115 (41047) ロシア 1985年

 

 ジル社はロシアのトラックや重機のメーカーでした。ジル社は1916年にモスクワ自動車として設立され、トラック、バス、装甲車などを製造していました。1931年に当時の指導者スターリンにちなんで第2スターリン記念工場(Zavod Imeni Stalina:略称ZIS(ジス))と改名しました。ZISはソ連政府要人向けにアメリカ製高級車をお手本にした高級車を生産してきました。1936年にアメリカのキャディラック フリートウッド 75をコピーした8気筒5.8Lエンジンを搭載した7座リムジンのZIS 101を生産しました。1946年にはアメリカの高級車パッカードの旧型ボディのプレス型が譲渡され、パッカードのボディで8気筒6Lエンジンを搭載する高級車ZIS 110を生産しました。

 

 スターリンの失脚後1950年代にZISは先代の工場長リハチョフにちなんで「リハチェフ記念工場(Zavod Imeni Likhacheva)と改名され、略称がジル(ZIL)となりました。1958年にソ連が初めてオリジナルで設計したジル 111が登場しました。ジル 111はパッカードに似たデザインの全長約6.2mの大型リムジンで、8気筒6L(200HP)エンジンを搭載し2段自動変速機で最高速170km/hの性能でした。ジル 111の後継車として1967年にジル 114が登場しました。ジル 114はクライスラー インペリアルに似た直線的なデザインの全長約6.2mの大型リムジンで、8気筒7L(300HP)エンジンを搭載し2段自動変速機で最高速200km/hの性能でした。1971年に派生車として全長約5.7mのセダン ジル 117が追加されました。(実車画像→ ジル 114)

 

 

 1978年にジル 114の後継車としてジル 115(後に4104に改名)が登場しました。ジル 115は全長6.4mの政府要人向けのリムジーンで、V型8気筒7.7L(315HP)エンジンを搭載し2段自動変速で最高速200km/hの性能でした。(エンジン排気量は当時世界最大でした) シャーシと動力系は114とほとんど同じで、外観も114同様の直線的なデザインでした。年に数十台しか生産しないハンドメイドの特注車で、派生車として装甲仕様の4105やシュートホイールベースのコンバーチブルの41044などがありました。1983年にフロントの車幅灯をヘッドライト下に配置して外観を変更した41045が登場しました。外観の変更のみで内部構造はそのままでした。(実車画像→ ジル 115) (実車画像→ ジル 41045)

 1985年に丸形4灯式を角型4灯式ヘッドライトに変更し車幅灯をヘッドライト横に配置して外観を変更したジル 41047(リムジン)/41041(セダン)が登場しました。(外観変更はソ連の共産党書記長が変わる度に行われたようです) この41047も基本的な構造は先代と同じながら、やっと3段自動変速機が採用されました。1991年にソビエト連邦が崩壊しジルは民営化されましたが、41047は2002年まで生産されました。民営化されたジルはトラックやバスを生産していましたが、西側諸国の最新の車両には対抗できず2012年頃に車両生産を終了しているようです。(実車画像→ ジル 41047)

 ミニカーは1989年頃に発売されたソ連製です。ミニカーの箱にはジル 115と表示されていますが、正確には角型ヘッドライトを採用したジル 41047 リムジン(通称ではジル 115と呼ぶようですが)をモデル化しています。実車がウナギの寝床のように長大なので、ミニカーも全長146㎜と迫力のある大きなサイズになっています。前述した同じロシア製のチャイカに比べると、ミニカーの完成度はかなり向上しています。威圧感のある角ばったデザインが良く再現されていて、当時のミニカーとしてはよく出来ていました。ボンネット/4ドア/トランクが開閉するフルギミックで、4ドアの開閉ギミックの建付けはかなり良くなっていて、室内もそこそこ良く再現されています。ボンネット上のマスコットはロシア語のЗиЛ(ZIL)の文字を紋章化した物で、大きめで金属製なので触っても壊れない配慮がされています。同じソ連製でジル 117もモデル化されています。これ以外のジルのミニカーはIST MODELSのジル 111G、4104、41047、41042があります。またデアゴスチーニのミニカー付き雑誌「AUTO LEGENDS USSR」シリーズで、ジル 111、114、117、4104、41047がモデル化されています。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ZIL 115 1
ZIL 115 2

 以下はドアを開いた室内の拡大画像と俯瞰/床下部分の画像です。床下部分にはドライブシャフトやサスペンションが簡単ですが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ZIL 115 3
ZIL 115 4

 以下は1985年頃に発売された同じソ連製のジル 117 (1/43 型番A26)の画像です。ジル 117はジル 114のショートホイールベース版のセダンで、政府要人車の車列に参列する警護用車両でした。上記の41047の後に発売されたので、さらに出来ばえが向上していて当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。これもボンネット/4ドア/トランクが開閉するフルギミックで、4ドアにはウィンドーが付いていて4ドア開閉ギミックとしてはレベルが向上しています。またアンテナとボンネット上のマスコットが金属製なので簡単に壊れないのも個人的には高評価です。最近のミニカーでこのような部分が簡単に壊れるのをさんざん経験していますが、スケールモデルではないミニカーでは壊れないように設計するべきなのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ZIL 117 1
ZIL 117 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。ヘッドライトの枠は角型ですが、ヘッドライト自体は丸形です。エンジンルーム内の造形もそこそこリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ZIL 117 3
ZIL 117 4

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