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フィアット アバルト 1000 (モノミッレ) イタリア 1962年
アバルトは量販車のチューニングやパーツ開発を行っていた会社で、フィアット車のチューニングで有名でした。1971年にフィアットに買収され、現在はフィアットグループの一員となっています。フィアット 600をベースにしてアバルト製のオリジナル ボディを持つ車には
排気量 747㏄ アバルト 750 クーペ
排気量 696-850㏄ アバルト 700/750/850 ビアルベーロ レコルト モンザ
排気量 982㏄ アバルト 1000 ビアルベーロ/モノミッレ
などがありました。ビアルベーロ(BIALBERO)とはイタリア語でツインカム(DOHC)の意味で、そのDOHCエンジン搭載車がモンザ(モンツァ) サーキットで速度記録を達成したことを記念してレコルト モンザという名前がつけられました。
最初(1956年)に登場したのは排気量を747ccに拡大し42HPまでパワーアップしたエンジンを、ザガート製のクーペ ボディに搭載したアバルト 750 クーペでした。この車はルーフが低くヘッドスペースを確保するためにルーフ左右にこぶ状の膨らみがあったのでダブル バブルと呼ばれました。次にこのエンジンをDOHC化し、ザガート製の新しいクーペ ボディに搭載したのが「レコルト モンザ」シリーズで、1958年に登場しました。このシリーズには排気量が異なる700/750/850のバリエーションがありました。(実車画像→ アバルト 750 クーペ)
1960年に登場した1000 ビアルベーロも750 ビアルベーロと同じようなボディデザインでしたが、1963年にリアのデザインを丸っこいものから少し後に伸ばして上に反ったコードトロンカ式に変更しています。(このデザインはスコルピオーネとも呼ぶようです) 5段変速が採用され、982cc(97HP)ながら最高速は210㎞/hで1Lクラスでは世界最速でした。また1000にはモノミッレという名前でDOHCではないエンジンを搭載した乗用GT仕様がありました。(実車画像→ アバルト 1000 ビアルベーロ)
ミニカーは1962年に発売されたソリド製の当時物です。ビアルベーロではなくGT仕様のモノミッレをモデル化しているようです。実車の丸っこい感じが良く再現されています。リアが少し長く見えるのは、リアオーバーハングが長くなった後期型をモデル化しているからでしょう。これ以外の当時物としてはマーキュリーの1000 ビアルベーロがありました。当時物以外では、ベストモデル、スターラインなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 600 ギア ジョリー (ビーチカー) イタリア 1963年
地中海やアメリカ西海岸カリフォルニアなどの高級な避暑地で、ビーチ周辺の移動に使用する水着で乗れる遊び車がビーチカー(Beach Car)です。基本的にドアがない開放的なオープンカーで、市販小型車を改造したものが多いです。ビーチカーとしては誰もが使えるタクシー的なものから、セレブと呼ばれる方々が使うカロツェリアに特注した専用車まで様々な車があります。
フィアット 600 ギア ジョリーはフィアット 600をベースにして、カロツェリア ギアが仕立てた高級なビーチカーでした。当時の大富豪アリストテレス ソクラテスやフィアットの会長ジャンニ アニエリなどが使用したとのことで、当時のビーチカーとしては有名な車でした。フィット 500やムルティプラをベースにした一般向けのビーチカー 500 ジョリーもありました。フィアット以外でも、ルノー 4CV、フォルクスワーゲン ビートルをベースにしたビーチカーのジョリーもありました。(実車画像→ フィット 500 ジョリー)
ミニカーは1963年に発売されたコーギー製の当時物です。600の後期型600Dをベースにしたギア ジョリーをモデル化しています。(大富豪が使ったとされるギア ジョリーとは側面のデザインなどが少し違っています) フリルのついた屋根とサイドのメッキされた飾りパイプにコーギー得意のフィギュアを付けて、いかにもそれらしい雰囲気に仕上げています。型番242で屋根がなくコーギー犬を乗せたバリエーションもありました。600 ギア ジョリーの当時物ミニカーはこれだけですが、最近になってイクソ、モンドモータス、スパークなどがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 2300S カブリオレ イタリア 1963年
前述した6気筒エンジン搭載の高級車フィアット 2100をベースにして、ギヤがデザインした2+2座クーペのコンセプトカーが1960年のトリノショーで発表されました。この車はその美しいスタイルが好評で、翌年にフィアット 2100S クーペとして登場しました。ボディの製造はギアがボディ量産を行うために設立したコーチビルダーのOSI(Officine Stampaggi Industriali)社が行いました。2100の6気筒2.1Lエンジンは105HPに強化され、4段変速で最高速は175km/hと高性能で4輪ディスクブレーキを備えていました。
1961年にベースの2100が2300に変更されたので、2100S クーペも2.3Lエンジン搭載の2300S クーペとなりました。エンジンは136HPにパワーアップされ、最高速は195km/hに向上しました。2300S クーペは当時は珍しかったパワーウィンドーを装備するなど豪華な内装で、かなり高価な車だったようです。1968年まで生産され総生産台数は約7000台でした。2300S クーペのカブリオレ仕様が1962年に発表されましたが、量産化はされなかったようです。(実車画像→ フィアット 2300S クーペ)
ミニカーは1964年に発売されたソリドの当時物です。2300S クーペではなく幌を立てたカブリオレをモデル化しています。このカブリオレはプロトタイプが数台作られただけで、量産化はされなかったようです。何故ソリドがこのプロトタイプをモデル化したのかは分かりませんが、クーペよりも希少でかっこいい車であったからでしょう。1960年代当時のソリドのミニカーは一級品でしたから、この2300S カブリオレも実車のデザインがうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。ドアが開閉するギミック付です。これ以外の2300S クーペの当時物ミニカーはマーキュリー、ノレブ初期のプラスチック製、ポリトーイ初期のプラスチック製がありました。当時物以外ではブレキナの1/87、スターラインのクーペとカブリオレなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 1500 イタリア 1964年
1961年にフィアット 1100の後継車としてフィアット 1300/1500が登場しました。フィアット 1300/1500は全長約4mの中型ボディに、上級車の1800/2100の6気筒から2気筒分を取り去ったような設計の4気筒1.3L(65HP)/1.5L(72HP)エンジンを搭載した中級車でした。ヘッドライトの上にひさしのような飾りがついたデザインは、当時のシボレー コルベアに端を発する流行だったそうです。(シトロエン アミ 6も同じようなデザインです) 実用車ながらイタリア車らしい軽快なデザインで結構魅力的でした。
1300/1500には4ドアセダン、5ドアワゴン(ファミリアーレ)がありました。同じ4気筒1.5Lエンジンを搭載したモデルとしてはフィアット 1100 カブリオレをベースにしたピニンファリーナ デザインの1500 クーペ/カブリオレと上級車1800の廉価版(主にタクシー用途)の1500Lがありました。1964年に1500のホイールベースを延長しボディを大きく(4.03m→4.13m)して外観を小変更した上級仕様の1500Cが追加されました。1300/1500は1967年まで生産され、後継車は124/125でした。派生車としてエンジン チューナーのシアタ(SIATA)社が製造したミケロッティ デザインのクーペ ボディに94HPにチューンしたエンジンを搭載したシアタ 1500 クーペがありました。(実車画像→ フィアット 1500 カブリオレ) (実車画像→ シアタ 1500 クーペ)
ミニカーは1966年に発売されたメーベトイ初期の当時物です。1966年に発売されていることとリアライトの造形から上級仕様の1500Cをモデル化しているようです。(縮尺1/42から全長を逆算してみると4.1mとなるので全長も1500Cに合っています)メーベトイ特有の柔らかい味付けのデフォルメがされ、実車のイメージがうまく再現されています。ドア開閉ギミック付きです。これ以外の1300/1500の当時物ミニカーはノレブ初期のプラスチック製でセダンとカブリオレ、マーキュリー、マッチボックス、エコー、エディルトイなどたくさんありますので、実車の人気が高かったことがうかがえます。当時物以外ではスターライン、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 850 イタリア 1964年
フィアット 600と1100の間を埋める車として、1964年にフィアット 850が登場しました。外観はモダンな3ボックスセダンでしたが、中身は600の部品を流用したリアエンジン車でした。拡大されたボディは主にリアのエンジンスペースに充てられ室内は広くなりました。4気筒843cc(34HP)エンジンを搭載し、37HPにパワーアップした上級仕様のスーパーは4段変速で最高速126km/hの性能でした。1968年には後述するクーペと同じ903㏄(47HP)エンジンを搭載したさらに上級なスペチアーレ(最高速135km/h)も追加されました。派生車として600 ムルティプラの後継車で1ボックスボディで3列シート7人乗りの850 ファミリアーレもありました。(実車画像→ フィアット 850 ファミリアーレ)
フィアットには昔からどの車種にもスポーティなモデルがありました。850にも自社デザインのクーペが1965年に追加されました。エンジンは42HPに少しチューンされていて、見た目だけでなく性能的にも少しスポーティでした。クーペと同時にカロッツェリア ベルトーネ製のオープンカーの850 スパイダーも追加されました。1968年にクーペとスパイダーは排気量が903cc(52HP)に拡大され最高速が150km/hに向上しました。同時に名前が850 スポルト クーペ/スパイダーに変わりました。セダンは1972年、クーペは1971年、スパイダーは1973年まで生産されました。850 シリーズは600Dの後継車として大成功しシリーズ全体で約230万台が生産されました。後継車はセダンは127、クーペは128のクーペ、スパイダーはX1/9でした。(実車画像→ フィアット 850 スパイダー 1965)
ミニカーは1965年に発売されたポリトーイ製の当時物です。ポリトーイとしては初期のもので、ポリトーイはこのような実用車もまめにモデル化していました。大き目のヘッドライトをラインストーンで表現して当時のフィアットの小型車全体に共通する愛嬌のあるデザインがうまく再現されています。フロントフード/ドア開閉ギミック付です。ポリトーイはクーペ、初期のプラスチック製(1/41)でセダン/クーペ、PENNYシリーズ(1/66)でクーペもモデル化していました。これ以外の850シリーズの当時物ミニカーはマーキュリーのセダン/クーペ/スパイダー、メーベトイのセダン、ディンキー(仏)のセダン、ガマのクーペ、ダイヤペットのスパイダー、オートピレンのスパイダーなどがありました。当時物以外ではソリド、プロゲットKのクーペ/バン/ファミリアーレ、ノレブのセダン/スパイダー、国産名車コレクション(イクソ)、ミニチャンプスのスパイダーなどがあります。 以下はフロント/フロントフード開閉とリアの拡大画像です。フロントのトランクにはスペアタイヤとバッテリーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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