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アルファ ロメオ ジュリア SS イタリア 1963年
アルファ ロメオ ジュリエッタ シリーズの高性能版として、SZ(スプリント ザガート)とSS(スプリント スペチアーレ)がありました。SZはスプリントのレース仕様、SSはスプリントの特別仕様の2シータークーペで1957年に追加されました。ベルトーネがデザインした、古典的な美しさと優れた空力特性を持つ流線形ボディが特徴でした。エンジンはSZと同じDOHC4気筒1.3L(100HP)で、軽量で空力に優れたボディのせいもあって、最高速は200km/hでした。
1962年にジュリエッタがジュリアにモデルチェンジし、1963年にジュリエッタ SSはボディはそのままでジュリアの1.6Lエンジンを112HPにパワーアップして搭載し、名前がジュリア SSに変わりました。(内装は豪華に変更されたようです) ジュリア SSはジュリア シリーズではTZの次に高価なモデルで、1966年まで生産されました。ジュリエッタ SSとジュリア SSはどちらも約1400台が生産されました。
ミニカーは1965年に発売されたポリトーイ製の当時物です。ジュリア SSをモデル化しています。フェンダーの膨らみ具合などがポリトーイ流でややオーバーにデフォルメされていますが、美しい曲面で構成されたボディスタイルをうまく再現していました。スケールモデル的な観点では少しやりすぎのデフォルメですが、このポリトーイ流のセンスが好きなので、このジュリア SSはポリトーイのMシリーズの中で一番好きなモデルです。(もう1台 金色の色違いも持っています) ジュリア SSの当時物ミニカーは同じポリトーイのペニー(1/66)とポリトーイをコピーしたスペインのジョアル(JOAL)の物しかありません。最近の物では、M4、テクノモデル(1/18 レジン製)、ルックスマート(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランチア フルビア イタリア 1963年
小型車ランチア アッピアの後継として、1963年に登場したのがフルビアでした。この時代のランチアは下位モデルからフルビア、フラビア、フラミニアがありました。フラビア同様の前輪駆動方式で、エンジンはランチア独自のV型4気筒エンジンをDOHC化した1.1L(58HP)、全輪ディスクブレーキの採用などこの車も進歩的な設計でした。ボディは上級車フラビアと同じような四角い箱型のセダンで、フロント周りもフラビアの後期型とほとんど同じでした。1965年にホイールベースを短縮したクーペが追加されました。エンジンは1.2L、1.3Lと排気量を拡大し、1972年まで生産されました。セダンの総生産台数は約19万台で、後継車はベータでした。
ザガートがデザインしたアルミニウム製の2シーターボディを載せたスポーツ(スポルト) ザガートが1967年に追加されました。角形ヘッドライトを組み込んだザガートらしいフロントグリルを持つ個性的なデザインの車でしたが、このクラスの車にもアルミニウム製ボディを採用したのは当時のランチアらしいところでした。V型4気筒1.2L(90HP)エンジンを搭載し最高速170km/hの性能でした。高価なアルミニウム製ボディは最初の700台だけで、すぐにスチール製に切り替わりました。セダン同様にエンジン排気量を1.3L、1.6Lと拡大し、1972年まで生産されました。総生産台数は約7000台でした。(実車画像→ ランチア フルビア スポーツ ザガート)
ミニカーは1964年に発売されたマーキュリー製の当時物です。マーキュリーは実車パーツ製作が本業でしたが、1960-1970年代にはミニカーも手掛けていて、当時としてはレベルの高いミニカーを作っていました。このフルビアもフロント周りの造形や角ばったボディがうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。ドアが開閉するギミック付きです。これ以外のフルビア セダンの当時物ミニカーはポリトーイの初期物(プラスチック製)がありました。当時物以外ではスターラインがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 1500 イタリア 1964年
1961年にフィアット 1100の後継車としてフィアット 1300/1500が登場しました。フィアット 1300/1500は全長約4mの中型ボディに、上級車の1800/2100の6気筒から2気筒分を取り去ったような設計の4気筒1.3L(65HP)/1.5L(72HP)エンジンを搭載した中級車でした。ヘッドライトの上にひさしのような飾りがついたデザインは、当時のシボレー コルベアに端を発する流行だったそうです。(シトロエン アミ 6も同じようなデザインです) 実用車ながらイタリア車らしい軽快なデザインで結構魅力的でした。
1300/1500には4ドアセダン、5ドアワゴン(ファミリアーレ)がありました。同じ4気筒1.5Lエンジンを搭載したモデルとしてはフィアット 1100 カブリオレをベースにしたピニンファリーナ デザインの1500 クーペ/カブリオレと上級車1800の廉価版(主にタクシー用途)の1500Lがありました。1964年に1500のホイールベースを延長しボディを大きく(4.03m→4.13m)して外観を小変更した上級仕様の1500Cが追加されました。1300/1500は1967年まで生産され、後継車は124/125でした。派生車としてエンジン チューナーのシアタ(SIATA)社が製造したミケロッティ デザインのクーペ ボディに94HPにチューンしたエンジンを搭載したシアタ 1500 クーペがありました。(実車画像→ フィアット 1500 カブリオレ) (実車画像→ シアタ 1500 クーペ)
ミニカーは1966年に発売されたメーベトイ初期の当時物です。1966年に発売されていることとリアライトの造形から上級仕様の1500Cをモデル化しているようです。(縮尺1/42から全長を逆算してみると4.1mとなるので全長も1500Cに合っています)メーベトイ特有の柔らかい味付けのデフォルメがされ、実車のイメージがうまく再現されています。ドア開閉ギミック付きです。これ以外の1300/1500の当時物ミニカーはノレブ初期のプラスチック製でセダンとカブリオレ、マーキュリー、マッチボックス、エコー、エディルトイなどたくさんありますので、実車の人気が高かったことがうかがえます。当時物以外ではスターライン、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 850 イタリア 1964年
フィアット 600と1100の間を埋める車として、1964年にフィアット 850が登場しました。外観はモダンな3ボックスセダンでしたが、中身は600の部品を流用したリアエンジン車でした。拡大されたボディは主にリアのエンジンスペースに充てられ室内は広くなりました。4気筒843cc(34HP)エンジンを搭載し、37HPにパワーアップした上級仕様のスーパーは4段変速で最高速126km/hの性能でした。1968年には後述するクーペと同じ903㏄(47HP)エンジンを搭載したさらに上級なスペチアーレ(最高速135km/h)も追加されました。派生車として600 ムルティプラの後継車で1ボックスボディで3列シート7人乗りの850 ファミリアーレもありました。(実車画像→ フィアット 850 ファミリアーレ)
フィアットには昔からどの車種にもスポーティなモデルがありました。850にも自社デザインのクーペが1965年に追加されました。エンジンは42HPに少しチューンされていて、見た目だけでなく性能的にも少しスポーティでした。クーペと同時にカロッツェリア ベルトーネ製のオープンカーの850 スパイダーも追加されました。1968年にクーペとスパイダーは排気量が903cc(52HP)に拡大され最高速が150km/hに向上しました。同時に名前が850 スポルト クーペ/スパイダーに変わりました。セダンは1972年、クーペは1971年、スパイダーは1973年まで生産されました。850 シリーズは600Dの後継車として大成功しシリーズ全体で約230万台が生産されました。後継車はセダンは127、クーペは128のクーペ、スパイダーはX1/9でした。(実車画像→ フィアット 850 スパイダー 1965)
ミニカーは1965年に発売されたポリトーイ製の当時物です。ポリトーイとしては初期のもので、ポリトーイはこのような実用車もまめにモデル化していました。大き目のヘッドライトをラインストーンで表現して当時のフィアットの小型車全体に共通する愛嬌のあるデザインがうまく再現されています。フロントフード/ドア開閉ギミック付です。ポリトーイはクーペ、初期のプラスチック製(1/41)でセダン/クーペ、PENNYシリーズ(1/66)でクーペもモデル化していました。これ以外の850シリーズの当時物ミニカーはマーキュリーのセダン/クーペ/スパイダー、メーベトイのセダン、ディンキー(仏)のセダン、ガマのクーペ、ダイヤペットのスパイダー、オートピレンのスパイダーなどがありました。当時物以外ではソリド、プロゲットKのクーペ/バン/ファミリアーレ、ノレブのセダン/スパイダー、国産名車コレクション(イクソ)、ミニチャンプスのスパイダーなどがあります。 以下はフロント/フロントフード開閉とリアの拡大画像です。フロントのトランクにはスペアタイヤとバッテリーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アウトビアンキ プリムラ イタリア 1964年
1964年にアウトビアンキ ビアンキーナの後継車としてプリムラが登場しました。当時のフィアット車は全てが後輪駆動車で、前輪駆動方式を採用するにあたり、プリムラがその市場実験車に選ばれました。フィアットはイギリスのBMC ミニが採用したイシゴニス方式(エンジンの下にギヤボックスを配置)の前輪駆動車のサービス性が悪いなどの問題点を解決する為に、同社の技術者ダンテ ジアコーサが開発したダンテ ジアコーサ方式(エンジンの横にギヤボックスを配置)の全輪駆動方式を採用しました。なお現在の前輪駆動車はダンテ ジアコーサ方式が一般的です。
プリムラは4気筒1.2L(59HP)エンジンを横置き搭載し、4段変速で最高速135km/hの性能でした。ボディは2/4ドアセダンと3/5ドアハッチバックで、フィアットよりもスポーティでしゃれた感じでした。1965年によりスポーティなクーペも追加されました。プリムラは好評で1970年まで生産され、総生産台数は約7.5万台でした。フィアットは前輪駆動車が市場に受けいれられることが確認できたので、1969年に前輪駆動車アウトビアンキ A111とアウトビアンキ A112、1970年にフィアット 128を登場させました。なおトヨタ自動車も前輪駆動方式を採用するにあたり、1978年に発売したコルサ/ターセル(縦置きエンジンの前輪駆動車)で市場の反応を確認していました。(実車画像→ トヨタ ターセル 1978)
ミニカーは1964年に発売されたポリトーイ製の当時物です。プリムラ 3ドアハッチバックをモデル化しています。ポリトーイとしては初期のモデルで、ポリトーイ流デフォルメは控えめのリアルな造形で実車の雰囲気がうまく再現され、当時のミニカーとしては良く出来ていました。ボンネット/ドア/テールゲートが開閉するギミック付きです。また室内全体に赤い起毛仕上げが施されていて、豪華な感じに仕上げられていました。ポリトーイは廉価版のエキスポート(EXPORT)シリーズでプリムラ クーペもモデル化していますので、プリムラは当時人気があったようです。これ以外のプリムラの量産ミニカーはメーベトイの当時物がありましたが、当時物以外では2020年現在でもモデル化されていないようです。(フランスのレジン製少量生産品でクーペがあるようですが) 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/テールゲート開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)