ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

CITROEN DS 19 1957 FRANCE

CITROEN DS 19
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19


VITESSE 691 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 1.9L 75HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでシトロエン DS/ID 19のミニカー検索

シトロエン DS 19 フランス 1957年

 

 シトロエン 2CV同様その独特のスタイルと独創的な技術で知られるシトロエン DSシリーズは1955年に発表されました。シトロエン 2CVは発表会で人々を唖然とさせましたが、DSはその未来的なデザインで人々を圧倒しました。当時宇宙船と称されたボディのデザインは2CVをデザインしたシトロエン社のフラミニオ ベルトーニのデザインでした。グリルのない低く尖ったフロントや後ろにいくほど低く狭まったリアの流線型の造形は当時としては最も進んだ空力設計でした。

 

 シトロエン DSの最大の技術的特徴は油圧と窒素ガスを使ったサスペンション機構を中心としたハイドロニューマチック システム(Hydropneumatic System)でした。このシステムは従来の金属ばねの代わりにエア(窒素ガス)を使ったエアサスペンションで、ダンパー/車高調整を油圧で制御するものでした。このシステムはサスペンションだけではなく、ブレーキとパワステも油圧で制御していました。コンピューターなどなかった時代なので、すべての動作を機械的な油圧で制御していたこのシステムは画期的な物でした。(複雑なシステムでしたので初期故障もあったようですが)

 

 

 1957年にはシトロエン DSの仕様を簡素化したシトロエン IDが登場しました。IDはサスペンション以外の油圧制御を外し、エンジンがディチューンされていました。シトロエン DS/IDの実車写真を見ると、屋根がボディと異なる色になっている物が多いですが、DS/IDの屋根は薄い色がついたFRP製でした。したがって屋根の色がボディと異なるのは標準仕様だったようです。(ルーフ後端の赤丸は方向指示器です) この種の進歩し過ぎたデザインの車はそのほとんどが商業的には失敗してしますが、DSは発表当日に1万台以上を受注して大成功しています。2CVの成功もそうですが、これはフランスならではのことだと思います。

 シトロエンは私の好きな自動車メーカーです。(現在のシトロエンはDSやCXが健在だった頃に比べると、際立った個性がなくなりましたが、これは時代の流れで仕方ないことです) シトロエンのなかでもDSは特に好きな車ですので、ミニカーも結構たくさん持っています。このビテス初期のDSのミニカーは1992年に発売された物なので最近の物ほどリアルではないですが、個人的には好きなミニカーです。プロポーションが良く、灯火類などの細かいところも良く出来ています。室内は1本スポークのステアリングホイールとその奥にあるシフトレバー、インパネから生えているバックミラーが再現されています。(60年以上も昔の車をモデル化したミニカーが、あまりリアル過ぎるのは個人的には少し違和感を感じますので、これぐらいのリアルさがちょうど良いのです) これ以外にもビテスはDS/IDを30種類ほどモデル化しています。DS 19の当時物ミニカーとしては、ディンキー、コーギー、ノレブ、JRD、ポリトーイ、ジクなどがありました。当時の主要なミニカーメーカーのほとんどでモデル化されていますので、DS 19の人気が高かったことが分かります。当時物以外ではノレブの1/43と1/18、ビテス、リオ、ソリド、ブッシュの1/87、イクソ、オックスフォードの1/76などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN DS 19 1
CITROEN DS 19 2

以下は俯瞰/床下の画像です。。床下の画像ではボディ前半に比べて後半の車幅が狭くなっていることが分かります。トレッドも前輪と後輪では大幅な違いがあります。前輪駆動車なので、このような構造にできるのでしょう。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 4

 以下は1957年に発売されたコーギー製の当時物 シトロエン DS 19(型番210 1/47)の画像です。約60年ほど前に作られたビンテージミニカーですので素朴な作りです。このミニカーはセルロイド系の樹脂で室内を再現していますが、これはコーギーが他社に先駆けて始めた物でした。縮尺が1/47ですので、他社の1/43より少し小さなサイズですが、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 5
CITROEN DS 19 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 5
CITROEN DS 19 6

 以下は1959年に発売されたディンキー(仏)製のシトロエン DS 19 (型番522 1/43)の画像です。なおこれは後期型で最初は型番24Cで1956年に発売されています。これも約60年ほど前に作られたもので、上記のコーギー製と同じような素朴な出来ばえです。プロポーションが良いディンキー(仏)らしい造形で、1950年代のミニカーとしてとても良く出来ていました。室内はがらんどうで、シートなどは再現されていません。タイヤに白いゴム(カーボンブラックを配合していない天然ゴム)を使用しているのは、1950年代に製作された古いミニカーの特徴です。このミニカーは1970年代にミニカー専門店で入手しました。この種類のタイヤは長期間並べておくと自重でタイヤが変形することがありますが、これは先に購入した方の保管状態が良かったようでほとんど変形していません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 7
CITROEN DS 19 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 7
CITROEN DS 19 8

 以下は1993年頃に発売されたリオ製のシトロエン DS 19 (型番115 1/43)の画像です。1955年のパリ サロンで発表されたショーカーをモデル化しています。(ナンバープレートが「1956 DS 19」となっていますのは実車に即してます) キャビンが少し大きめにデフォルメされていますが、DSの特徴がうまく再現されていて良く出来ています。実車同様に屋根をプラスチック製の別パーツとしているなど凝った作りで灯火類もリアルに仕上げてあります。ドアが開閉するギミック付きです。リオはバリエーションでブレークやカブリオレなどDS/IDを約100種類ほどモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 9
CITROEN DS 19 10

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 9
CITROEN DS 19 10

 以下は2000年頃に発売されたリオ製のシトロエン ID 19 パリ警視庁 (1/43 型番SL067)の画像です。これはDSではなく廉価版のIDで、パリ警視庁の公用車をモデル化しています。当時のフランスの政府系公用車のほとんどはDS/IDだったようで、これは一般的なポリスカーではなく要人警護用などに使われた公用車だと思います。フロントに補助灯と屋根に青の回転灯が追加されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 11
CITROEN ID 19 12

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RENAULT FLORIDE COUPE 1958 FRANCE

RENAULT FLORIDE COUPE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FLORIDE COUPE


CORGI 222 1/46 92㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.26m 全幅約1.57m エンジン 変速機: 4気筒 845㏄ 37HP 4段変速
性能: 最高速137km/h  データーベースでルノー フロリード/カラベルのミニカー検索

ルノー フロリード クーペ フランス 1958年

 

 ルノー フロリードはドーフィンをベースにした2+2座のスポーティーカーで、1958年に発表されました。クーペとカブリオレの2タイプがあり、イタリアのピエトロ フルアがデザインした小粋なスタイルで人気がありました。フロリードという名前はアメリカのフロリダ州にちなんだものでしたが、北米とイギリスではカラベル(CARAVELLE)という名前で発売されました。リアに搭載したエンジンはドーフィンのゴルディーニ仕様(37HP)と同じで、走行性能はドーフィンより少しだけスポーティでしたが見た目重視の車でした。

 

 1962年にエンジンがルノー 8用の4気筒1L(48HP)に変更され4輪ディスクブレーキが採用されました。1962年以降は全市場で名前がカラベルに統一されました。1964年にエンジンが1.1L(55HP)に拡大されて最高速が158km/hに向上し、性能的にもスポーツカーらしくなりました。しかし1960年代後半になると見た目的にも時代遅れになり、1968年に生産中止となりました。総生産台数は約12万台でした。

 

 

 ミニカーは1959年に発売されたコーギーの当時物です。1950年代後半のミニカーですのでヘッドライトやバンパーは塗装処理の素朴な作りです。縮尺1/46と1/43より少し小さめに作られていますが、プロポーションが良く実車の雰囲気がしっかり再現されています。なおこのミニカーは室内の造形がされていてスプリング サスペンションのギミックが付いていましたが、当時のミニカーにはまだ室内の造形がないがらんどうの物もありました。これ以外でもソリド、CIJ、ノレブ、ディンキー、スポットオン、ガマなど当時の老舗ブランドが揃ってモデル化していましたので、実車の人気が高かったことが分かります。最近の物ではノレブの1/18と1/43があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT FLORIDE 1
RENAULT FLORIDE 2

 以下は1960年に発売されたディンキー(英)製の当時物 ルノー フロリード クーペ (1/43 No.543)の画像です。上記のコーギーと同じビンテージ物のミニカーで1977年にミニカー専門店で絶版品として入手した物ですが、これもプロポーションはしっかりしていて1960年代のミニカーとしては良い出来ばえでした。こちらは室内の造形がなく白いゴム(天然ゴム系)のタイヤを履いているなどかなり初期のミニカーですが、これにもスプリング サスペンションのギミックは付いていました。またリアタイヤをよく見てもらうと変形しているのが分かりますが、このタイプの白いゴムタイヤは派手に変形しているものが多いです。(参照ページ→ ミニカーの材質と経年変化 タイヤの変形) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FLORIDE 3
RENAULT FLORIDE 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FLORIDE 5
RENAULT FLORIDE 6

 以下は1962年に発売されたスポットオン製の当時物 ルノー フロリード カブリオレ (1/42 型番166)の画像です。これも1960年代のビンテージ物のミニカーですが、メッキしたプラスチックパーツが使われているなど、内容的には新しいものでした。スポットオンはバスなどの大型車も含めて縮尺を全て1/42で統一していたことで有名なブランドで、マニア向けのミニカーで出来ばえが良いものが多かったです。このフロリードもリアフェンダーのダクトやリアグリルの処理が巧みで当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FLORIDE CABRIOLET 1
RENAULT FLORIDE CABRIOLET 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。ヘッドライト/ウインカーとバンパーを一体成型していますが、あまり違和感がない簡素化です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FLORIDE CABRIOLET 3
RENAULT FLORIDE CABRIOLET 4

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CITROEN ID 19 BREAK 1958 FRANCE

CITROEN ID 19 BREAK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 BREAK


RIO 99 1/43 117㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.99m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 1.9L 75HP 4段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースでシトロエン DS/ID ブレークのミニカー検索

シトロエン ID 19 ブレーク (ワゴン) フランス 1958年

 

 シトロエン DSの最大の技術的特徴は空気と油を使ったハイドロニューマチック システムによる高度なサスペンション制御でした。これは密封した窒素ガスを使うエア サスペンションにオイルポンプ油圧による車高調整を加えたサスペンション システムで、この油圧はパワー ステアリング、トランスミッション、ブレーキの制御にも使われていました。この複雑なシステムはコンピュータなどない時代ですから、全て機械式のメカ(バルブなど)で制御されていました。優れた設計でしたが、複雑な構造でしたので、油圧系の故障が付き物だったようです。

 

 1956年にシトロエン DSの廉価版としてIDが設定されました。IDはエンジン出力がDSよりやや小さく、クラッチとステアリングの油圧アシストが付いていませんでした。1958年にワゴン形式のブレークが追加されました。(アメリカではワゴン、イギリスではサファリ又はエステートと称した) ブレークのリアゲートは上下2分割式で標準仕様は商用バンでしたが、乗用車仕様で3列シートを持つファミリアーレもありました。またブレークのルーフはルーフラックを取り付けるので強度アップの為、FRP製からスチール製に変更されていました。

 

 

 ミニカーは1993年に発売されたリオ製で、ルーフラックの付いた ID 19 ブレークをモデル化しています。やや複雑な造形のルーフやテールエンドがリアルに再現されていて、ID ブレークのミニカーとしてはかなり良い出来ばえです。ドアが開閉するギミック付きで、室内も一本スポークのステアリングホイールなどそこそこ再現されています。リオはこれ以外にも消防車、救急車、霊柩車など30数種類のID/DS ブレークをモデル化しています。ID/DS ブレークの当時物ミニカーはディンキー、ノレブ、コーギーなどがありました。当時物以外ではノレブ、ソリド、ブレキナなどがID/DS ブレークをたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN ID 19 BREAK 1
CITROEN ID 19 BREAK 2

 以下は1962年に発売されたディンキー(仏)製の当時物 シトロエン ID 19 ブレーク 救急車の画像です。60年前に作られたビンテージミニカーですから素朴な作りですが、ディンキー(仏)らしい正確なプロポーションで実車がうまく再現され、当時のミニカーとしては良く出来ていました。上下2分割式のテールゲートが実車同様に開閉する、当時としては凝ったギミック付きです。ボディ側面に表示された「AMBULANCE MUNICIPALE」はフランス語で市営救急車という意味です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 BREAK 3
CITROEN ID 19 BREAK 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 BREAK 5
CITROEN ID 19 BREAK 6

 以下は1998年に発売された上記のリオ製のバリエーションで シトロエン ID 19 ブレーク ラジオ ルクセンブルグ (1/43 型番SL044)の画像です。ヨーロッパのラジオ局 ラジオ ルクセンブルグの報道用無線中継車をモデル化しているようで、室内には放送用機器らしきものが搭載されています。この型番にSLが付けられたシリーズは、限定品の扱いで1993年頃から発売されていて、既存品のバリエーションを新しいシリーズとして独立させたものでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 BREAK 1
CITROEN ID 19 BREAK 2

 以下は2000年に発売された上記のリオ製のバリエーションで シトロエン ID 救急車 (1/43 型番SL076)の画像です。これは救急車なので、室内後部が見えないようリアウィンドーに目隠しがされています。ボディ側面に表示された「CROIX ROUGE FRANCAISE」はフランス語でフランス 赤十字という意味です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID AMBULANCE 7
CITROEN ID AMBULANCE 8

 以下は1993年代に発売された上記のリオ製のバリエーションで シトロエン ID 救急車 (1/43 型番116)の画像です。これも救急車で、上記とほぼ同じ仕様ですが、屋根の上の回転灯が青色で一般的に使われた救急車のようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID AMBULANCE 9
CITROEN ID AMBULANCE 10

 以下は1994年に発売された上記のリオ製のバリエーションで シトロエン ID 救急消防車 (1/43 型番117)の画像です。これは消防署が使用する救急車です。ボディ側面に表示された「SAPEURS POMPIERS VILLE DE CAVALAIRE」とはキャヴァレール(地名)の消防署という意味のようです。これはフロントに補助灯が追加されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID AMBULANCE 11
CITROEN ID AMBULANCE 128

 以下は1993年に発売された1993年に発売された上記のリオ製のバリエーションで シトロエン ID 消防車 (1/43 型番111)の画像です。これは消防車なのでリアウィンドーが素通しになっていて、これには補助灯が付いていません。ボディ側面に表示された「SAPEURS POMPIERS VILLE DE MAISONS LAFFITTE」とはメゾン ラフィット(地名)の消防署という意味のようです。リオの多彩なバリエーションの一部を紹介しましたが、DS/IDのブレークはこれ以外にも30種類以上のバリエーションがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 21 FIRE BRIGADE 1
CITROEN DS 21 FIRE BRIGADE 2

シトロエン DS/IDのミニカー→ データーベースでシトロエン DS/IDのミニカー検索

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CITROEN ID 19 HEARSE 1958 FRANCE

CITROEN ID 19 HEARSE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 HEARSE


RIO SL023 1/43 117㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.99m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 1.9L 75HP 4段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースで霊柩車のミニカー検索

シトロエン ID 19 霊柩車 フランス 1958年

 

 昔の話ですが、イギリス人は誰でも一生に一度はロールス ロイスに乗ると言われていました。この一度乗る車とはロールス ロイスの霊柩車のことです。ロールス ロイスはシャーシが長持ちするので、イギリスの霊柩車は古いロールス ロイスを改装したものが多かったとのことです。(実車画像→ ロールス ロイスの霊柩車) 霊柩車はメルセデス ベンツやキャディラックなどの高級車やそのステーションワゴンを改造したものが多いです。日本の霊柩車も同様ですが、日本には神社や寺院を模した棺室を有する日本独自の宮型霊柩車があります。

 

 一般的に日本では霊柩車は縁起が悪いというイメージがあり、霊柩車の国産ミニカーはダイヤペットが作った宮型霊柩車の1台しかありません。しかし海外では霊柩車にそういったこだわりがあまりないようで、海外のミニカーメーカーは霊柩車のミニカーを結構作っています。このミニカーはリオ製のID 19 ブレークの霊柩車で、1996年に発売されました。リアウインドーに花輪が添えられていて、いかにもそれらしいミニカーに仕上がっています。リオはこのモデルのバリエーションを数種類と、DSの特別な霊柩車、メルセデス ベンツ 300D 霊柩車、フィアット 519の霊柩車など10数種類をモデル化しています。

 

 

 リオ以外では、ソリドの別ブランドのベレム製のGM キャディラック 霊柩車、オックスフォードのディムラー DS420 霊柩車、ミニチャンプスやシュコーのフォルクスワーゲン T1 霊柩車、NEO(レジン製)のキャディラック 霊柩車などがあります。ダイアペットとベレムの霊柩車は1980年代に作られましたが、それ以外のほとんどは1990年以降にモデル化されたものです。1990年以前のミニカーはほとんどが子供向けのおもちゃだったので、おもちゃとして霊柩車は相応しくなかったわけです。以下はフロント/リアの拡大画像と後部の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN ID 19 HEARSE 1
CITROEN ID 19 HEARSE 2

 以下は2007年に発売されたリオ製のシトロエン DS 霊柩車(1/43 型番4193)の画像です。この車はイタリアの聖人 ピオ神父の葬儀用として1968年に製作された特別仕様車で、後部が大幅に改造されています。リアに表示された「Casa Sollievo della Sofferenza」とはピオ神父によって設立されバチカン市国によって運営されている私立の科学研究病院とのことです。型番4229でフィギュアが付いたバリエーションもあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS HEARSE 1
CITROEN DS HEARSE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS HEARSE 3
CITROEN DS HEARSE 4

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SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 1958 FRANCE

SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD


SOLIDO 4561 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.75m 全幅約1.48m エンジン 変速機: V型8気筒 2.4L 84HP 3段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでシムカ シャンボール関係のミニカー検索

シムカ (ベデット) シャンボール フランス 1958年

 

 前述したようにフォードSAF(フォード フランス)はフランスでの独自路線をあきらめて、1954年にフランス工場をシムカに売却しました。フォードが開発を進めていた新型のフォード ベデットはシムカ ブランドで1954年に登場しました。この車はV型8気筒2.3L(80HP)エンジンを搭載する4ドセダンで、当時の先進技術であったマクファーソン ストラット式前輪独立懸架サスペンションが採用されていました。車名は標準仕様がトリアノン(TRIANON)、その上がヴェルサイユ(VERSAILLES)、最上級がレジェンス(REGENCE)でした。1956年には5ドアワゴンのマーリー(MARLY)が追加されました。1957年に4気筒1.3Lエンジンを搭載する廉価版のアリアーヌ(ARIANE)が追加され、V型8気筒エンジン搭載のトリアノンはアリアーヌ 8に名前が変わりました。(実車画像→ シムカ トリアノン 1954)

 

 1958年に大きなテールフィンが付いたアメリカ車的なデザインに変更され、エンジンが84HPにパワーアップしました。その際にヴェルサイユはビューロー(BEAULIEU)、レジェンスはシャンボール(CHAMBORD)に名前が変わりました。1959年にコーチビルダーのアンリ シャプロンが製作する特注仕様のシャンボール プレジデンス(PRESIDENCE)が追加されました。この車はヨーロッパ初の自動車電話を備え、リアにスペアタイヤを搭載するコンチネンタルスタイルとなっていました。シャンボール プレジデンスは、フランス大統領専用車に採用されました。このシムカ版のベデットのシリーズは1961年までに約17万台が生産されました。

 

 

 ミニカーは2000年に発売されたソリド製です。1958年式のシャンボールをモデル化しています。全体的な雰囲気は同時代の米フォードのフェアレーンとよく似ていて、まさに小さなアメリカ車といった感じの車でした。ソリドの型番45**のシリーズは主に1950/1960年代のクラシックカーをモデル化していて、当時の定価約2000円と比較的安価ながら、結構良い出来ばえに仕上がっていました。このシャンボールも特徴的なテールフィンや大きなフロントグリルなど実車の雰囲気がうまく再現され、良く出来ていました。テールフィン部分にはCHAMBORDのロゴが付いています。ソリドは同じ型を使ったバリエーションでプレジデンスもモデル化していました。これ以外のシャンボール関係のミニカーはノレブ初期のプラスチック製の当時物でトリアノン/ヴェルサイユ/ビューロ/シャンボールとそれをリファインした2000年以降の物、ディンキー(仏)の当時物でシャンボール/ヴェルサイユ/アリアーヌ、ビテスのヴェルサイユ、エリゴールのマーリー、イクソのシャンボール/アリアーヌなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 1
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 2

 以下は2002年に発売されたソリド製のシムカ シャンボール プレジデンス 1959 (1/43 型番4570)の画像です。上記のバリエーションで、リアエンドにスペアタイヤを積み屋根がサンルーフ仕様となっています。テールフィン部分の塗分けはなくそこにはPRESIDENCEのロゴが追加されています。バリエーションとしては結構大掛かりな変更がされていてこれも良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD PRESIDENCE 1
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD PRESIDENCE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD PRESIDENCE 3
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD PRESIDENCE 4

 以下は1991年に発売されたノレブ製のシムカ シャンボール 1958 (1/43 型番5742022)の画像です。これはシムカ シャンボールとシムカ シャンボール プレジデンス 大統領専用車の2台をセットにしたセット物で販売されたもので、シャンボール プレジデンス 大統領専用車は当方のフランス大統領専用車のページに掲載しています。ノレブはシャンボールをプラスチック製当時物ミニカーとして1959年に発売していますが、これはその型を流用しクロームモールなどの細部を少しリファインしてダイキャスト製で再生産したものです。1990年代のミニカーですが、上述したソリド製とほとんど同じような良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 3
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 5
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 6

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