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ベンツ 3輪車 (パテント モーターワーゲン) ドイツ 1886年
このベンツ 3輪車はカール ベンツ(Karl Benz)がドイツで特許を取得した世界初の実用的なガソリン自動車で、それゆえパテント モーターワーゲン(PATENT:特許)とも呼ばれます。コイル点火方式の4サイクル単気筒984cc 0.9HP/400rpmのガソリンエンジンを後輪の上に搭載しています。エンジンはベルトを介してシートの下にある後輪駆動軸を駆動し、その後輪駆動軸がチェーンで後輪を駆動します。小さな円形のハンドルは自転車のような前輪を操舵し、最高速は約15km/hでした。約25台が製造されました。
ミニカーは1978年に発売されたドイツのカーソル(CURSOR)製で、材質はプラスチックです。ダイムラー社の特注品でベンツ100周年記念品として作られたようです。1986年式となっていますが、向かい合わせのシート配置、カバーされたエンジン部、木製スポークホイールなどが最初に作られたモデルとは少し異なっているので、1987-88年頃の改良型をモデル化しているようです。自転車を発展させたような3輪車構造、初期の自動車によく見られる向かい合わせのシート配置、シート後部についたエンジン回転を安定させる大きなフライホイール、自転車のような簡単なブレーキ(後輪の前に付いたペダル状の物)などの特徴がうまく再現されてます。
以下はカーソルのベンツ 3輪車のフロント/リアの拡大画像とシート配列/底板部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ダイムラー 1号車 ドイツ 1886年
ダイムラー 1号車は前述したベンツ 3輪車と同時期にゴットリーブ ダイムラー(Gottlieb Daimler)が完成させた4輪車でした。4サイクル 単気筒460cc(1.1HP 600rpm)エンジンを搭載し、後輪駆動軸をベルトで駆動し、その後輪駆動軸が後輪をギヤで駆動する構造でした。最高速は約16km/hで、ステアリングは前車軸全体をステアする馬車方式です。前述したベンツ パテント モーターワーゲンは自動車として認められましたが、このダイムラー 1号車は購入した馬車を改良していたので、馬車の改良といった扱いだったようです。
ミニカーは前述したベンツ 3輪車と同じカーソル(CURSOR)製で、1978年に発売されました。ベンツ 3輪車と同様にダイムラー社の特注品でベンツ 100周年記念品として作られたようです。前部シートの側面につけた灯火(ランタン)、後部シート手前に搭載されたエンジン、後部シート背後のラジエータ、底板部分の後輪駆動用のプーリ-などがうまく再現されています。これ以外のダイムラー 1号車のミニカーは、ノレブの1/18、ネオの1/43(レジン製)があります。ノレブの1/18はメカ部分が精密に再現されていて素晴らしい出来ばえです。
以下はフロント/リアの拡大画像とシート配列/底板部分の画像です。底板部分を見ると、エンジンが中央に搭載され、そのエンジン下のプーリーが後輪駆動軸のプーリーを駆動し、その後輪駆動軸がギヤで後輪を駆動するといった構造がわかります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ダイムラー 最初の消防ポンプ付 消防車 ドイツ 1890年
1880年代に実用的なガソリンエンジンを開発したゴットリーブ ダイムラーは、その技術を様々な分野に活用しました。1988年にダイムラーはガソリンエンジンで駆動する消防用ポンプの特許を出願しました。当時は蒸気エンジンで駆動するポンプが一般的で、蒸気エンジンは稼働させるのに約1時間の加熱が必要ですぐに使えないという問題がありました。素早く稼働させることが可能なガソリンエンジンはこの問題を解決するものでした。消防ポンプメーカーと協力して開発した最初のポンプは単気筒(1HP)エンジンを使っていましたが、このポンプはパワー不足でした。
その後エンジンは2気筒(4HP)に改良され、数年後には10HPまでパワーアップされました。画像の消防車は1890年式ということで、2気筒3L(7HP)エンジンで駆動する消防ポンプを搭載していました。この消防ポンプは540L/minの放水能力があるとのことです。(最近のポンプ車は1000L/min以上です) なおこれには自走装置は付いていないので馬で引いて移動しました。後ろの四角い箱は消火用の水タンクでその下に見えるのクランクが付いた部分がポンプ、床下にあるのはエンジンだと思われます。後方に伸びているステップ部分は備品や消防士を載せる台のようです。座席の前のステッキのような棒は手動ブレーキでしょうか? 関連ページ 同時期の蒸気ポンプを搭載した消防車 → クリスティ 消防車
ミニカーは1978年頃に発売されたドイツのカーソル(CURSOR)製です。元々はダイムラー ベンツ社の100周年記念プロモーション モデルとしてディーラー向けに12種類セットで製作されたものでしたが、後に一般向けにも単品で販売されました。材質がプラスチックなので、車体下回りのスプリングサスペンションなどの細部まで再現されていて、1970年代のミニカーとしては抜群に良く出来ていました。(軽くて壊れやすいので取り扱い注意ですが) この消防ポンプ車はメルセデス ベンツ博物館が所蔵する実車を忠実に再現しているのですが、実車はこのミニカーのような鮮やかな赤色でなかったようです。(参照WEBサイト→メルセデス ベンツ博物館所蔵の消防ポンプ車) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ベンツ ビクトリア (ヴィザヴィ) ドイツ 1893年
前述した3輪車に次いで、カール ベンツは4輪車 ビクトリアを1893年に完成させました。4輪化するにあたりベンツは現在の車と同じキングピン式の前輪操舵方式を考案しました。(この方式はベンツが特許を取得しました) 単気筒1730cc(3HP)エンジンを車体後部の箱に搭載し、ベルトとプーリーによる2段変速機とデフを介して後輪をチェーン駆動し、最高速は18km/hの性能でした。(この駆動方式は3輪車と同じです) また画像からも分かりますが、前後輪ともに板バネ式のスプリングが付いています。
1894年にビクトリアより一回りサイズの小さい単気筒1Lエンジンを搭載したベロ(VELO)が追加されました。ビクトリアのエンジン排気量は2L、2.7L、3L(6HP)と拡大されていきました。1896年にはリバースギアを備える3段ギアボックスが採用されました。ビクトリアは対面式の補助席が追加可能な2人乗りのフェートン(オープンカー)でしたが、本格的な対面式シートを持つ4人乗りのヴィザヴィ(VIS A VIS)、運転席後部に4人分の対面式シートを付けたドサド(DOS A DOS)、後部を幌で開閉する密閉した客室を持つランドレーなどのボディ バリエーションがありました。これらのビクトリア系の車は1900年までかなりの数(数百台レベル)が生産され、当時のドイツでは最もポピュラーなガソリン自動車でした。なお「ヴィクトリア(VICTORIA)」とは「勝利」を意味する女性名でベンツが名付けたとのことです。
ミニカーは1970年代に発売されたイタリアのクラシックカー専門メーカーだったドゥグー(DUGU)製です。ドゥグーのミニカーとしては廉価版のMUSEOシリーズの1台で、対面式補助席付のビクトリアをモデル化しています。フェンダーやランタンなどの細かなパーツも金属製なので、全体的に実車よりも骨太な感じに仕上がっています。それでも丸ハンドル部分にホーンや操作レバー(たぶんアクセルとギヤシフト)が付いていることなど細部を結構リアルに仕上げてあり、当時のミニカーとしては良く出来ていました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ベンツ 最初のバス ドイツ 1895年
1880年代に世界初の実用的なガソリンエンジン自動車を開発したカール ベンツは、その技術をバスに活用すべく開発にあたりました。最初のバスはドイツのノルトライン-ヴェストファーレン州にあった「Netphener Omnibus-Gesellschaft(ネットフェン バス会社)」に納入されて1895年に運行されました。このバスは馬車バスを改造して単気筒(5HP)エンジンを車体後部に搭載したもので、平均速度は約11㎞/hの性能でした。乗車定員は8人で運転席にも2人乗れました。後部と屋根には荷物の収納スペースがあります。その後ベンツは2気筒(15HP)エンジンを搭載した馬車ベースの12人乗りバスを1898年に開発しています。
同時期に当時のライバルのダイムラー社もバスを開発していました。1898年にダイムラー社は馬車ベースではない本格的なバスを登場させました。このバスは2気筒(10HP)エンジンを搭載した10人乗りで最高速度は約20km/hの性能でした。また同年にダイムラーは2階建てバスを開発しイギリスの会社に納入しました。(参照画像→ ダイムラー 2階建てバス 1898) このバスは2気筒(12HP)エンジンを運転席下に搭載し、16人乗り(1階8人+2階8人)で、最高速18km/hの性能でした。このバスは成功しダイムラーのバスはドイツやイギリスに展開されていきました。1926年にダイムラーとベンツが合併しダイムラー ベンツ社が設立され、同社は現在もバスを製造しています。
ミニカーは1978年頃に発売されたドイツのカーソル(CURSOR)製です。元々はダイムラー ベンツ社の100周年記念プロモーション モデルとしてディーラー向けに12種類セットで製作されたミニカーでしたが、後に一般向けにも単品で販売されました。材質がプラスチックなので、灯火や操作レバーなどの細部が繊細に再現されていて、1970年代のミニカーとしては抜群に良く出来ていました。(ただし細かいパーツが壊れやすいので取り扱い注意です) 実車が忠実に再現されているので、ボディや車体構造が馬車そのままであったことが良くわかります。車体後部の箱の中にエンジンを搭載し、後輪をチェン駆動していました。屋根に表示された「Siegen-Netphen-Deuz」はジーゲンからネットフェン経由でドゥーズに至るドイツの国内路線であることを表示しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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