ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MG 1100 1966 UK

MG 1100
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MG 1100


VITESSE VCC99068 1/43 90㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.73m 全幅約1.53m エンジン 変速機: 4気筒 1.1L 56HP 4段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースでMG 1100/1300のミニカー検索

MG 1100 イギリス 1966年

 

 前述したBMCのADO16シリーズの2番手はMG 1100で、MG マグネットの後継車として1962年に登場しました。スポーツカーメーカーのMGブランドに合わせて、1.1Lエンジンはツイン キャブレターで50HPから56HPにパワーアップされ、最高速も135km/hと少し速くなっていました。

 

 1967年にエンジンが1.3L(58HP)に拡大され、ADO16シリーズはMK IIとなりました。1968年にBMCはローバーグループと合併しBLMCになり、モーリス/オースチン/MG/ウーズレー/ライレー/バンデン プラの6ブランドの統合が始まりました。1969年にMGブランドのADO16はエンジンを70HPまでパワーアップした1300 MK IIだけとなり、その際にボディが2ドアのみになりました。1971年にはモーリス マリーナが登場し、モーリス 1100/1300が生産中止となり、MG 1300 MK IIも生産中止となりました。

 

 

 ミニカーは2000年頃に発売されビテス製です。ビテスはモーリス、オースチン、MGなどADO16シリーズを20種類ほどモデル化しています。ビテスのADO16シリーズはプロポーションが良く、グリルやホイールなど各ブランドの違いをきちんと作り分けてあるので、集めると楽しいシリーズでした。当サイトではモーリスオースチン、MG、バンデン プラを紹介しています。これはMG 1100でMG マグネットと同じようなイメージのフロントグリルが付いています。フロントのウインカーが丸型に変えてあるのもスポーティさを表現したものでしょう。当時物ミニカーではスポットオンやテクノがモーリス 1100に加えてMG 1100もモデル化していますので、ADO16シリーズの中でもMG 1100は特に人気があったのだと思われます。当時物以外では新生ビテスがMG 1300もモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MG 1100 1
MG 1100 2

 以下は1963年頃に発売されたデンマークのテクノ製の当時物 MG 1100(1/43 型番832)の画像です。テクノらしい金属パーツを主体としたがっちりした出来ばえで、実車の雰囲気がうまく再現されていて当時のミニカーとして良く出来ていました。ボンネットが開閉するギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MG 1100 3
MG 1100 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MG 1100 5
MG 1100 6

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JENSEN FF 1966 UK

JENSEN FF
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JENSEN FF


DINK(UK) 153 1/40 120㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.85m 全幅約1.75m エンジン 変速機: V型8気筒 6.3L 335HP 3段自動変速 フルタイム4WD
性能: 最高速210km/h  データーベースでジェンセンのミニカー検索

ジェンセン FF イギリス 1966年

 

 アランとリチャードのジェンセン兄弟が1934年に設立したジェンセン モーターズ社は、当初はモーリスなどの大衆車向けに特注のボディを製造していました。アメリカの映画俳優クラーク ゲーブルの注文で製作したフォード V8のスペシャル ボディが評判となり、その車をベースにした車に自社の名前を付けて1935年に発売しました。当時のジェンセン社への注文は商用車(トラック、バス)が多く、1939年には「JNSN」という商用車ブランドを起ち上げ、第2次戦争中は軍用車の製造を行っていました。(実車画像→ クラーク ゲーブルのフォード V8 スペシャル ボディ)

 

 戦後の1950年にインターセプターという名前の高級スポーツカーを発表しました。この車はオースチン シアーライン(SHEERLINE)をベースにした車で6気筒4L(130HP)エンジンを搭載し、最高速164km/hの性能でした。(実車画像→ オースチン シアーライン) 1953年にはFRP製のクーペボディを持つ541が登場し、1962年にC-V8に切り替わりました。C-V8はクライスラー製のV型8気筒6L(150HP)エンジンを搭載し、最高速は190km/hと高性能でした。 (実車画像→ ジェンセン インターセプター 1952) (実車画像→ ジェンセン C-V8 1962)

 

 

 1966年にC-V8の後継車としてインターセプター 2代目が登場しました。カロッツェリア トゥーリングがデザインしたハッチバッククーペボディーにV型8気筒6.3L(283HP)エンジンを搭載し、最高速は222km/hの性能でした。インターセプターをベースにしてファーガソン製フルタイム4WDシステム(量産乗用車用としては世界初)と世界初のダンロップ製アンチロック ブレーキ システム(ABS)を採用した画期的なGTカーのインターセプター FF(Ferguson Formulaの意)も同時に発売されました。インターセプターは1974年にコンバーチブル仕様も追加されました。1970年代の石油危機による需要低迷でジェンセン社は1976年に倒産しました。インターセプターは約6500台(FFは約300台)が生産されました。1988年に倒産前と同じボディにクライスラー製のV型8気筒5.9L(243HP)エンジンを搭載したインターセプターの生産が再開され1993年まで少量生産されました。

 ミニカーは1968年に発売されたディンキー(英)製の当時物で、ジェンセン FFをモデル化しています。縮尺が1/40で通常の1/43サイズよりやや大きめに出来ていました。プロポーションが良くディンキー流のややごつい作風がこの車にマッチしていて、当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえでした。ジェンセン FFの当時物ミニカーはこれとポリトーイのエクスポートシリーズしかなかったので車種的にも貴重で、ディンキー最盛期の傑作ミニカーのひとつでした。ボンネットとドアが開閉するギミック付きです。これ以外のジェンセンのミニカーはスポットオンの当時物 541、ポリトーイの当時物 FF、オックスフォードのインターセプター 1/43と541 1/76、ネオ(レジン製)のインターセプターなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

JENSEN FF 1
JENSEN FF 2

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COOPER T81 MASERATI F1 1966 UK

COOPER T81 MASERATI F1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
COOPER T81 MASERATI F1


CORGI GS6 1/43? 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.8m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC 12気筒 3L 360HP 5段自動変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでクーパーのミニカー検索

クーパー T81 マセラティ F1 イギリス 1966年

 

 1965年にクーパー社はチップステッド モーター グループ(外車輸入会社)の傘下となりましたが、レース活動は続けていました。1966年にF1の排気量が3L(過給1.5L)に変わり、マクラーレンの3Lエンジンを搭載したクーパー T81が登場しました。T81は当時主流であったモノコック構造をクーパーとして初めて採用しましたが、あまり熟成されていない設計でした。それでも1966年メキシコGPでの優勝(ドライバー J.サーティース)や、1967年南アフリカGPでの優勝(ドライバー P.ロドリゲス)でやや往年の勢いを盛り返しました。ただこの勢いは続かず結局1968年限りでレース活動から撤退しました。

 

 クーパーの名前が今も残されているBMC ミニ クーパーは、BMCとクーパーの協力で1961年に登場しました。優れた操縦性のミニ クーパーは、モンテ カルロ ラリーで1964/1965/1967年に優勝しています。またクーパーはJ.ブラマム、B.マクラーレン、S.モスなど優れたドライバーを輩出しています。ミドシップエンジン搭載方式の確立、小さな町工場がレーシングカーを製作する「バックヤードビルダー」というスタイルの確立、ブラバムやマクラーレンといったイギリスのコンストラクターを生み出したことなど、クーパーは1960年代のF1に多大な功績を残しました。

 

 

 ミニカーは1967年に発売されたコーギー製の当時物です。これはフォルクスワーゲン T1とセット販売された物でしたが、単品(型番156)で販売されたものと基本的には同じ物です。1966年のメキシコGPでJ.サーティスがドライブして優勝した#7をモデル化しています。50年以上も昔のミニカーとしては良く出来ていました。このミニカーにリアスポイラーとステアリング操作ギミックを付けた仕様変更品が1969年に販売されました。これ以外のクーパー マセラティのミニカーは当時物ではT81かどうかは怪しいですが、ポリトーイ(PENNY)やガマがありました。当時物以外ではスパークがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

COOPER T81 MASERATI F1 1
COOPER T81 MASERATI F1 2

 以下は1969年に発売された同じコーギー製のクーパー マセラティ F1 (1/43 型番159)の画像です。これは型番156のT81にフロントスポイラーとリアウィングを追加して、さらにステアリング操作ギミックを付けたものでした。このリアウィングは1968年頃からF1マシンに採用されるようになったエアロパーツで、クーパー 最後のF1マシン T86にも採用されていたようですので、このミニカーはそのT86をモデル化しているようです。ミニカーのリアウィングは傾斜角度を変えることができるようになっていました。ステアリング操作ギミックの詳細についてはギミックのページをご覧ください。参照ページ→ クーパー マセラティのギミック紹介ページ (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
COOPER T81 MASERATI F1 3
COOPER T81 MASERATI F1 4

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VOLVO 144 1966 SWEDEN

VOLVO 144
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VOLVO 144


TEKNO 835 1/43 107㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.64m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 1.8L 68HP 4段変速
性能: 最高速143km/h  データーベースでボルボ 140シリーズのミニカー検索

ボルボ 144 スウェーデン 1966年

 

 ボルボ P120シリーズ(アマゾン)の後継車として140シリーズが1966年に登場しました。信頼性が高く頑丈と言った基本的な構造はP120シリーズを踏襲し、ボディはオーソドックな3ボックスセダンスタイルの近代的なデザインになりました。前後にクラッシャブルゾーンを設けたボディ、側面衝突を考慮した分厚いドア、衝撃吸収式ステアリングコラム、2系統式の4輪ディスクブレーキなどボルボ流で安全性が強化されました。4気筒1.8L(68HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速143km/hの性能でした。

 

 当初は4ドアセダンの144とその高性能版の144Sだけでしたが、1967年に5ドアワゴン(コンビ)の145、1968年に2ドアの142が追加されました。(ボルボの型式名の末尾はドア枚数を示しています) 1968年にフロント部分を拡張して6気筒3Lエンジンを搭載し、フロントデザインを重厚にした上級車のボルボ 164が登場しました。1970年のマイナーチェンジでフロントグリルが黒に変更されエンジンが2L(82HP)に拡大されました。1973年の最終モデルには米国安全基準に対応した大型の衝撃吸収バンパーが付き、1974年に後継車の240/260シリーズにモデルチェンジしました。総生産台数は約120万台でした。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたテクノ製の当時物です。140シリーズの4ドアセダン初期型をモデル化しています。プロポーションが正確で、実車の雰囲気がうまく再現されていました。1960年代のミニカーですのでフロントグリルやバンパーがまだ金属パーツで作られていて、塗装が厚く丈夫な作りになっていました。(テクノは当時のミニカーの中でも高品質で、それ故に少し高価でした) ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。ドアには半開のサイドウィンドーとドア内張も再現されています。さらにこの頃のテクノ製のミニカーは前輪操舵ギミックも付いていて、前輪には直進状態に戻すセンタリング機能と実車同様のキャスター角が付いているといった凝った構造になっていました。これ以外のボルボ 140シリーズのミニカーはナコラルの当時物でセダンとワゴン、イクソ(ホワイトボックス、トリプル9、プレミアムX)のセダンとワゴン、ブレキナのセダンとワゴン 1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。トランク内にはスペアタイヤがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLVO 144 1
VOLVO 144 2

 以下は前輪操舵ギミックと床下部分の画像です。ボディを左右どちらかに押し付けて傾けることで前輪を操舵できます。前輪操舵部の構造は金属製のかなり本格的なもので、多少乱暴に扱っても壊れるようなことはまずありません。(この辺りの設計にはボルボ実車に通じる北欧製造業のポリシーを感じます) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO 144 4

 以下は上記と同時期に発売されたバリエーションで ボルボ 144 ポリス (1/43 型番835)の画像です。青色の回転灯とサーチライトが屋根に追加され、スウェーデンのポリスですのでPOLISと表示されています。警察官のフィギュアが2体付いていますが、このフィギュアは当時のテクノ製のポリスで共通に使われていたものでした。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLVO 144 POLIS 1
VOLVO 144 POLIS 2

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DAF OSI CITY CAR 1966 NETHERLAND

DAF OSI CITY CAR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DAF OSI CITY CAR


CORGI 283 1/43? 72㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.1m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 750cc 26HP 無段変速機
性能: 最高速 不詳  データーベースでDAFのミニカー検索

DAF OSI シティカー オランダ 1966年

 

 DAF OSI シティカーは1966年のトリノショーで公開された、シティカーのプロトタイプでした。オランダのDAFがイタリアの自動車雑誌「QUATTRORUTE」との共同企画で開発し、イタリアのカロッツェリア OSI(Officine Stampaggi Industri)のセルジオ サルトレッリがデザインしていました。DAF 32をベースにしていたので、操作が簡単なベルトとプーリーによる無段変速機「バリオマチック」が使われていました。第2次大戦後にはBMW イセッタゴッゴモビルなどの超小型車が登場し、1950年代後半にはフィアット 500BMC ミニといった新世代の小型車が登場し、この車もその流れを受けて開発されたようです。

 

 この車の最大の特徴はドアで、運転席の左側はスライドドア、右側はセンターピラーのない観音開きドア、さらに荷物用のハッチバックもついていました。このようなドア構成になっているのは、狭い場所に駐車した場合に乗り降りし易いからでしょう。(タクシーとして使うことも想定していたようです) 現在の軽自動車でもセンターピラーのないスライドドア仕様が増えていますから、この車はそれを先取りしていたと言えるでしょう。都市の駐車スペースの問題を解決できる小型のシティカーはたびたび提案されています。(1973年のミニッシマなど) ただ実際に個人が所有する車は様々な用途で使われるので、用途限定のシティカーが製品化されて成功したことはなく、このDAF シティカーも製品化されませんでした。(良く似た車が商用バンのDAF KALMARとして製品化されていましたが)

 

 

 ミニカーはコーギー製の当時物で、1971年に発売されました。コーギーはこのミニカーの縮尺を公表していませんが、実車の全長が約3.1mなので1/43だと思います。ただし実車の画像と見比べてみると、実車よりも全長が短めにデフォルメされているようです。コーギーは親しみ易いスタイルにデフォルメすることがありますが、それはコーギーのミニカーの個性でもありました。(昔のミニカーはスケールモデルではなく、子供向けの玩具でしたから) 外形はデフォルメしていますが、この車の最大の特徴であるドア構成についてはお得意のギミックで巧みに再現していました。

 このサイズのミニカーにドア/ボンネット/バックドア開閉などのフルギミックを採用している物は他にもありました。ただこのDAF シティカーのように建付けが良くスムーズに動作する物は少なく、コーギーの技術力が優れていたことを示しています。ただコーギーでも技術的にかなり難しかったようで、コストも高いものについたようです。なお屋根が黒の結晶塗装になっていますが、これはルーフ左端のスライドドアのレールを目立たなくする為に敢えて採用しているのだと思います。DAF シティカーのミニカーはこれしかありません。このミニカーは約47万台が売れ、当時のコーギーとしても標準以上の販売台数だったようです。(その為、実車よりミニカーの方が良く知られています) 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/バックドア開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DAF OSI CITY CAR 1
DAF OSI CITY CAR 2

 以下は右側ドアの開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
daf citycar door1

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