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フォード ギャラクシー 500 アメリカ 1966年
1960年代のフォードのフルサイズカーにはフェアレーンとギャラクシーがありました。エンジンは6気筒3.7L(138HP)からV型8気筒7L(410HP)まで非常に幅広いバリエーションがありましたので、お得なファミリーセダンから高性能なマッスルカーまで揃っていました。初代ギャラクシーは1959年にフェアレーンより車格の高い上級車として登場しました。フェアレーンとはほぼ同じ外観でしたが、電動格納式ハードトップを備えたスカイライナーなど豪華な仕様になっていました。翌1960年にはフェアレーンのフルモデルチェンジでギャラクシーは2代目となりました。2代目も外観はフェアレーンとほぼ同じでした。(実車画像→ フォード ギャラクシ サンライナー 1960 )
1965年にギャラクシー3代目が登場しました。フェアレーンがコンパクト化されたことでギャラクシーはフェアレーンより大きくなり、当時の高級車で流行りであった縦型4灯式ヘッドライトを採用していました。エンジンは新型の6気筒3.9LとV型8気筒4.9L/5.8L/6.4Lで、1966年に高性能なV型8気筒7Lが追加されました。ギャラクシーの上級グレードには500と500XLがあり1965年にはLTD(リミッテド)が追加され、1966年以降の上級グレードはギャラクシーの名前が外れて単にXL、LTDになりました。1968年に縦型ヘッドライトが一般的な横型4灯式に変更されました。1969年にギャラクシー4代目にモデルチェンジしました。なお似た名前でギャラクシー(GALAXY)という車がありますが、これはヨーロッパ フォードの現存するMPVです。(実車画像→ フォード ギャラクシー 1970)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(仏)製の当時物で上級グレードの500をモデル化しています。4枚のドア、ボンネット、トランクが開閉するフルギミックながら、プロポーションに破綻が無く直線的なデザインの実車の雰囲気が良く再現されています。このディンキー(仏)が採用したドアウィンドーが閉まった状態の4ドア開閉ギミックは見た目のリアリティが高いものでした。ドアを開くのが面倒になるのでこの方式はほとんど採用されないのですが、実車のドアウィンドーは閉じているのが普通ですからその点でリアルに見えるのです。当時の定価は1200円で通常のディンキー(仏)の約1.5倍と高価でしたが、その値段に見合ったディンキー(仏)の絶頂期の傑作ミニカーでした。また1960年代のアメリカ車のフルサイズセダンのミニカーとして車種的に貴重でもあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード サンダーバード コンバーチブル アメリカ 1966年
1964年にサンダーバードは第4世代に変わりました。先代に比べるとおとなしいデザインでより乗用車的になりました。同時期に発表されたマスタングとコンセプトが似ていたので、マスタングの兄貴分といった位置づけになりました。V型8気筒6.4L(315HP)エンジンが標準で、1966年にはオプションでV型8気筒7L(345HP)エンジンが追加されました。先代同様に年間販売台数が7万台ほどと、好調な売れ行きでした。
先代同様ハードトップ クーペとコンバーチブルの2タイプがあり、2シーターのスポーツ ロードスター仕様もありました。ダミーのランドージョイント(幌の折畳み金具)がついたフォーマルな雰囲気を持つハードトップは、ランドーからタウン ランドーに名前が変わりましたが、この仕様が一番人気がありました。1966年のマイナーチェンジで、フロントグリルと一体化されていたバンパーが一般的なバンパーに代わり、フロントグリルがシンプルになり、テールライトは横幅いっぱいまで広がった横長の物に代わりました。(このテールライト かっこいいです)
ミニカーはヤトミン製で、2007年頃に発売されました。1950-1970年代のアメリカ車を1/43でモデル化したコレクターズ エディションというシリーズの1台です。このシリーズは定価が1500円ほどで廉価版ミニカーの類ですが、結構きちんと作ってあり価格以上の良い出来ばえに仕上がっています。4代目サンダーバード 後期型をモデル化していますが、特徴的なフロント/リアのイメージが良く再現されています。なおヘッドライトの2灯が一体成型されてるので変形2灯風に見えますが、実際は独立した丸形4灯式です。4代目サンダーバードのミニカーは、これ以外ではビンテージ物の香港ディンキーとNEW RAYの物ぐらいしか無いので、車種的に貴重なモデルです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 2000 TILUX ドイツ 1966年
BMW 1500はBMW社内でNeue Klasse(ノイエ クラッセ:新しいクラス)と呼ばれていたシリーズの第1弾で、その後このシリーズには1963年に1.8Lエンジン搭載の1800、1964年に1.6Lエンジン搭載の1600、1966年に2Lエンジン搭載の2000が追加されました。2000はまずクーペの2000C/CSが登場し、すぐにセダンも追加されました。2000セダンは2000C/CS クーペと同じ横長角形ヘッドライトを採用した特徴的なフロントデザインと横長テールライトで上級車として差別化されていました。エンジンは2000Cと同じ4気筒2L(100HP)でした。
2000セダンには2000CSと同じツインキャブレターで120HPにパワーアップしたエンジンを持つ高性能版の2000TIと、それにウッドパネルや本革シートなどを装備した豪華仕様の2000TILUXがありました。1969年にはBMW初の機械式燃料噴射を採用して130HPにパワーアップした2000TIIが追加されました。ノイエ クラッセ シリーズは1966年に1500が1968年に1600が生産中止となりましたが、1800/2000は1972年まで生産されました。このシリーズの2Lクラスの後継車は5シリーズ(E21)でした。
ミニカーは1968年に発売されたディンキー(英)の当時物です。あまりプラスチック製パーツを使わないディンキー(英)らしい頑丈な作りで、プロポーション的にはやや腰高な感じがします。単4乾電池と豆電球を使ってボディの4隅のウインカー部分を点灯させるギミックが付いています。なおミニカーを走行させると、後輪に付いたカムが点灯回路を断続させてウインカーが点滅する構造になっています。なお車体を分解して内部構造をさらに調べてみると、前輪が操舵できるようになっていて、その操舵した方向のウィンカーだけが点灯する仕掛けにもなっていました。ただしこの仕掛けはあまりに雑すぎてきちんと動作しないので、実際にはハザード的な点灯しかできません。したがってミニカーに付属する説明書にウィンカーの点灯が前輪と関連する旨の表示などはありません。この仕掛けに必要な電池ボックス、点灯回路、ウインカーまでの導光板などの内部メカを収納する為に、ミニカーは全長122㎜とかなり大柄になっています。(腰高なのも内部構造によるものでしょう) 以下はフロント/リアの拡大画像(ウインカーが点滅します)です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW グラース 3000 V8 ドイツ 1966年
ドイツの老舗農機具メー カーであったグラース(GLAS)社はスクーターを開発し成功しました。その後4輪車市場にも進出しましたが、高級車路線が失敗して経営が破綻し、1966年にBMWに吸収合併されました。破綻の原因となった高級車グラース 2600 V8は、既存の4気筒1.3Lエンジンを2つ組み合わせたV型8気筒2.6L(150HP)エンジンを搭載し、油圧式車高制御サスペンションなどシャーシも凝った設計でした。ボディはイタリアのピエトロ フルアのデザインで、同じデザイナーによるマセラティ クワトロポルテによく似た重厚な感じの車でした。
BMWはこのV型8気筒エンジンを開発済であった3Lに変更し、BMW グラース 3000 V8として1967年に発売しました。後述したBMW グラース 1600GTと違いこの車にはデザインが合わない為、BMWのキドニーグリルは付いていませんでした。ただこの車は短命で、約400台を生産しただけで、翌年に登場したBMW 2800CSと交代で生産中止となりました。その後BMWのV型8気筒エンジン搭載車は、1992年に740i(E32)が登場するまで途絶えました。
ミニカーは1970年頃に米澤玩具(ダイヤペット)が代理店として輸入したベルギーのサブロン製です。サブロンのミニカーはホイールが合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤で溶けることで知られています。(参照ページ→ ミニカーの材質と劣化) この3000 V8もオリジナルのホイールが溶けたので、ホイールとタイヤを別の物に交換しています。このホイールの問題はありましたが、サブロンのミニカーは当時としては出来の良いミニカーでした。この3000 V8もプロポーションが良く、そこそこの良い出来ばえで、ボンネット/ドア/トランクが開閉できます。このミニカーを購入したときはBMWとグラースの関係を知らなかったので、これがBMW?と思ったものでした。当時物ミニカーとしてはメルクリンもありました。当時物以外ではノレブの2600 V8(1/87)と3000 V8(1/43)があります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 1600-2 ドイツ 1966年
BMWの新型車1500はヒットし1600、1800、2000と大型車に発展していきました。BMWは北米市場でのスポーティな2ドア車の要望に対応して、新しい小型車の1600-2を1966年に登場させました。1600-2は1500のスタイルを踏襲しつつ、ホイールベースを短縮して一回り小さい2ドア車となっていました。デザイン的にはリアのテールライトが丸型の物に変わり軽快な感じがしました。エンジンは1600の4気筒1573cc(85HP)を流用し、 940kgの軽量ボディで最高速は160km/h でした。
1967年にはバウア社が架装するフルオープン4シーターの1600-2 カブリオレ(限定生産)と、エンジンを105HPにパワーアップした高性能版の1600-2 Tiが追加されました。1600-2は1971年に1602と名前が変更され、これがいわゆるBMW 02系の始まりになりました。1971年に3ドアハッチバックの1602 ツーリングが追加されました。1968年には4気筒2Lエンジン(100HP)を搭載した2002が登場しました。2002 Tiはその高性能版で、エンジンが120HPに強化されていました。1971年には機械式燃料噴射装置で130HPに強化した2002 Tiiも追加され、この車は最高速190km/hと高性能でした。
2002 Ti/Tiiはツーリングカーレースで活躍し、BMWのブランドイメージを確立していきました。1971年に1600-2は1602と名前が変更され、これがいわゆるBMW 02系の始まりとなりました。1971年に3ドアハッチバックの1602 ツーリングが追加されました。1975年に1972年に登場した5シリーズ(E12)とデザインを統一した3シリーズ(E21)にモデルチェンジされました。
ミニカーは1994年に発売された初期のミニチャンプス製です。ミニチャンプスとしては初期物ですので最盛期の物ほどではないですが、ミニチャンプスらしい細部をリアルに再現した良い出来ばえです。なお当時の定価は3300円で、これは当時の国産ミニカーの約2倍と高価でした。ミニチャンプスはカブリオレ(1/18)やツーリング(BMW特注品)もモデル化しています。ミニチャンプス以外では、サブロンの当時物、トロフュー、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)