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GM ポンティアック フィエロ スポーツ アメリカ 1984年
1970年代の石油危機によるガソリン価格の上昇で、燃費の良い車の需要が高まりました。(当時燃費が良く安価な日本車が売れました) その需要に対応して燃費の良いスポーティな通勤用の車としてポンティアック フィエロが1984年に登場しました。フィエロは4気筒2.5L(92HP)エンジンをミドシップ搭載した2人乗りのスポーティな小型車で、戦後のポンティアックとしては初めての2人乗り車でした。ミドシップレイアウトを採用したのは車両重量を低減して燃費を向上する為でした。フィエロの標準モデルの市街地燃費は31mpg(13.2km/L)で、これは当時の2.5Lクラスとしては優れていたようです。ただコストダウンでサスペンションなどのプラットフォームは他のGM車のものを流用していたので、スポーツカーとしての性能は一般的なスポーツクーペと同等でした。
リトラクタブルヘッドライトを採用したかっこの良いフィエロの発売当初の販売は好調で、当時の2ドア車として一番良く売れたそうです。1980年代半ばに石油危機が緩和されると、見た目に応じた性能向上が求められるようになりました。そこでV型6気筒2.8L(140HP)エンジンを搭載しサスペンションをチューンした高性能版のGTモデルが1985年に追加されました。1986年にはファーストバックスタイルのフィエロが追加されました。1988年にはサスペンションが再設計されるなど改良されましたが、販売が低迷し生産中止となりました。総生産台数は約37万台でした。(実車画像→ GM ポンティアック フィエロ GT ファーストバック 1986)
ミニカーは2024年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションです。フィエロ初期の高性能版 スポーツをモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されとても良く出来ています。定価が2200円ほどの安価なミニカーながら、室内はシートが彩色されインパネも良く再現されています。これ以外のフィエロのミニカーはヤトミンの 1/18とBOS MODELS(レジン製)の1/43しかないようなので、このアメリカンカー コレクションのフィエロは1/43ダイキャスト製ミニカーとしてうれしいモデル化です。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォルクスワーゲン ジェッタ II (A2) ドイツ 1984年
1984年にフォルクスワーゲン ゴルフ IIのノッチバックセダン ジェッタ 2代目が登場しました。初代同様ヘッドライトは角形を採用していました。デザイン的にはトランクを後付けしたことが明らかでやや不格好ですが、トランク容量はクラス最大でした。2ドアと4ドアがありゴルフと同じエンジンが使われていました。4気筒1.8L(90HP)エンジン搭載車は、5段/3段自動変速 最高速178km/hの性能でした。
ゴルフ IIと同様に1986年にはフルタイム 4WDのシンクロが設定されました。1988年のマイナーチェンジで後期型となり、DOHCエンジンが追加されバンパーが大型化されました。北米市場ではジェッタはゴルフより上級な車とされ、1991年にはアメリカで一番多く売れたヨーロッパ車となりました。初代以上に大ヒットし南米や中国など世界各国で1992年まで生産され、総生産台数は約170万台でした。1992年にモデルチェンジし、北米以外では名前がジェッタからヴェントに変更されました。
ミニカーは1984年に発売されたシャバック製の当時物です。前述したゴルフ IIと同じシャバック製で、実車同様のバリエーションとして良く出来ていました。追加されたトランクは建て付けの良い開閉ギミックで再現されていました。バリエーションとしてポリス仕様とチューニング仕様がありました。ジェッタ IIの当時物ミニカーはこれしかないようです。当時物以外ではイクソ、OTTO MOBILE(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オペル カデット E ハッチバック GLS ドイツ 1984年
オペル カデットの6代目カデット Eが1984年に登場しました。ライバルのフォルクスワーゲン ゴルフなどに倣って空力を考慮した思いっきり角の丸まったスタイルに変わりました。その為空気抵抗係数(Cd値 0.32)は他社より優れていたのですが、室内が狭く感じられたようです。ボディタイプは3/5ドアハッチバック、4ドア3ボックスセダンと3/5ドアワゴン(キャラバン)でした。内容的には先代同様で、エンジンも先代の4気筒1.2L/1.3L/1.6Lと4気筒1.6Lディーゼルが搭載されました。1985年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。
1986年には4気筒1.8L(115HP)エンジン搭載の高性能版(最高速203km/h)のGSiが追加され、1988年にはオペル初の量産DOHC 4気筒2L(156HP)エンジン搭載のGSi 16Vも追加されました。1987年にはイタリアのベルトーネが製作する2ドアカブリオレも追加されました。1989年のマイナーチェンジでフロントグリル部分が小さくなり、エンジンが1.4L/1.8L/2Lに拡大されました。1991年のモデルチェンジで車名がアストラに変更され、カデットの名前は消滅しました。カデット Eの総生産台数は約370万台でした。
ミニカーは1984年に発売されたガマ製の当時物です。角が丸められた空力ボディがうまく再現され、樹脂製バンパーが実車同様にリアルに仕上げられていました。ウィンドーなどの透明プラスチックが薄い青色に着色されているのは当時のガマの特徴でした。ドア/ハッチバックが開閉するギミック付きです。ガマは3ボックスセダン、キャラバン、グリルが変更された後期型の3ドアハッチバック GSi、GSI コンバーチブルをモデル化していました。このようなバリエーション展開もこの当時のミニカーならではのことでした。当時物ミニカー以外では、ミニチャンプスの3ドアハッチバック、キャラバン、カブリオレ、ヘルパの5ドアハッチバックなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー シュペール 5 (サンク) フランス 1984年
大ヒットしたルノー 5の後継車シュペール(SUPER) 5が1984年に登場しました。正式の名称にはシュペールが付きませんので名前はそのままで見た目も非常に良く似ていたのでマイナーチェンジのように見えましたが、中身は全くの別物でした。3/5ドアハッチバックのボディは少し大きくなり、縦置き搭載だったエンジンは横置きになっていました。デザインはマルチェロ ガンディーニによるもので、先代のイメージを残しつつ目新しくしていました。当初のエンジンは4気筒0.9L/1.1L(47HP)/1.4Lの3タイプで、5段変速で最高速158km/hの性能でした。
当初は3ドアだけでしたが、1985年にホイールベースを延長して後部座席を広げた5ドアが追加されました。1985年に4気筒1.6L(55HP)ディーゼルエンジンが追加され、1987年のマイナーチェンジで外観が変更され、4気筒1.7L(89HP)エンジンの追加や本革シートなどが装備された豪華仕様バカラが設定されました。1985年に1.6Lターボ(115HP)エンジンを搭載し、最高速200km/hの高性能版GT ターボが設定されました。先代同様にベストセラーカーとなり、1990年に後継車のクリオが登場した後も1996年まで生産されました。総生産台数は約344万台でした。
ミニカーは1987年に発売されたソリドの当時物です。実車同様にミニカーでもソリドの型番10のルノー 5と同じように見えますが、サイズはほんの少しだけ(1㎜ほど)大きくなっていてフロントグリルも変更されています。ただそのフロントグリルの出来が良くないので、あまり実車に似ていません。さらに当時のソリドはコストダウンした廉価版ミニカーがメインでしたので、このシュペール 5も安っぽいホイールが付いているなど細部の仕上げもよくありません。ただ当時物ミニカーはこれしか作られていないので、車種的には貴重なミニカーでした。(1980年代後半の量産ミニカーのほとんどは廉価版で出来の悪かったので、この時期は「ミニカー冬の時代」でした) 当時物以外ではノレブの1/43と1/18、イクソ、ユニバーサルホビーなどがありますが、ほとんどがGT ターボです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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プジョー 205 GTI フランス 1984年
1983年にプジョー 104の後継車として205が登場しました。プジョーとピニンファリーナが合作したデザインは先代より丸みを帯びた物になっていました。104と同じ変速機の上にエンジンを横置き搭載するイシゴニス方式の前輪駆動車でした。当初は5ドアのみで、エンジンは4気筒1L/1.1L/1.4L(60HP)の3タイプでした。1985年には当時のこのクラスとしては高級な4段自動変速機を備える1.6L(80HP)エンジンや1.8L(60HP)ディーゼルエンジンが追加されました。
1984年に3ドアが追加され、同時に1.6L(105HP)エンジンを搭載しサスペンションを固めた高性能版のGTIが設定されました。GTIのエンジンは1987年には1.9L(120HP)にパワーアップしました。1986年にピニンファリーナがデザインと製造を担当するロールバーが付いたカブリオレ CTIが追加されました。205は世界中で大ヒットし南米やアジアでも生産されました。大幅な外観変更がないまま1998年まで約15年間生産され、後継車の206が登場し生産中止となりました。総生産台数は約530万台でした。(実車画像→ プジョー 205カブリオレ CTI)
グループBのラリー選手権に参戦するために、DOHC 4気筒1.8L(200HP)ターボエンジンをミッドシップ搭載し四輪駆動化した205 ターボ 16が開発され、1984年にホモロゲーション用に200台が市販されました。205 ターボ 16は見た目は205ですが、中身は全くの別物のレース専用車でした。実際のワークスカーは400HP以上のハイパワーで、ラリーで圧倒的な戦闘力がありました。1987年以降はグループBでのラリーがなくなったので、205 ターボ 16はパリーダカールラリーに参戦し、1987年と1988年に2連勝しています。このラリー車の大活躍でプジョー車のスポーツイメージが高められました。
ミニカーは1988年に発売されたソリド製の当時物です。老舗ソリドのミニカーとしてはやや物足りないレベルの出来ばえでした。これの前に1986年に発売された型番1349の205は廉価版ミニカーで安っぽいフリーホイールが付いていましたが、後から発売されたこのHI-FIシリーズの型番1508はまともなホイールに変更されていました。GTIということでフロントバンパー下の補助灯は再現されていますが、ボディサイドを一周するサイドモールはなく中途半端な仕上げレベルでした。これ以外の205の当時物ミニカーはブラーゴ(1/25、1/43)やビテスの205 ターボ 16やそのラリー仕様などがあります。当時物以外ではソリドの1/18、ノレブの1/43と1/18、ミニチャンプス、イクソ、バンガーズなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)