ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MATRA SIMCA BAGHEERA 1973 FRANCE

MATRA SIMCA BAGHEERA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SIMCA BAGHEERA


SOLIDO 21 1/43 92㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.01m 全幅約1.74m エンジン 変速機: 4気筒 1.3L 84HP 4段変速
性能: 最高速180km/h  データーベースでマトラ バゲーラのミニカー検索

マトラ シムカ バゲーラ フランス 1973年

 

 マトラは1969年にクライスラー傘下のシムカと提携しました。そこでマトラ M530にフォード製エンジンを使い続けることが難しくなり、後継車のバゲーラが1973年に登場しました。エンジンをミッドシップ搭載したシャーシにFRP製ボディという基本スタイルを踏襲し、デザインは当時のミッドシップスポーツカーの標準的なスタイルとなりました。エンジンはシムカ 1100用の1.3L(84HP)に変わり、4段変速で最高速度180km/hの性能でした。

 

 一般的な2+2座の代わりに3人掛けフロントシートという変わった室内レイアウトを採用していたので、当時としては車幅が広い車でした。(左端のシートがドライバー用) 1975年に1.4L(90HP)エンジンを搭載したバゲーラ Sが追加されました。1976年にフロントグリル、前後バンパー、テールライトなどの意匠が大きく変更されII型となりました。1978年にシムカがクライスラーからプジョー傘下に変わりシムカをタルボに改名した為、車名がタルボ マトラ バゲーラとなりました。1980年に後継車のムレーナが登場し、生産中止となりました。総生産台数は約47000台でした。(実車画像→ タルボ マトラ ムレーナ 1980)

 

 

 ミニカーは1973年に発売されたソリド製の当時物です。1970年代のソリドのミニカーは当時の一級品でほとんどが素晴らしい出来ばえでした。このバゲーラもプロポーションが正確で、室内などの細部の仕上げもリアルでとても良く出来ていました。ドアとハッチバックが開閉するギミック付きでさらに特徴的なリトラクタブルヘッドライトが可動し、3人掛けフロントシートも再現されています。 これ以外のバゲーラのミニカーはソリドの別ブランドのべレム製、ノレブの当時物、オートピレンの当時物、オートピレンと同じ型を使ったディンキー スペイン製の当時物、最近の物ではデルプラドの世界の名車シリーズ、ノレブの新製品、ホワイトボックス(イクソ系)などがあります。以下はフロント(ヘッドライト開閉)/リアの拡大画像とハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MATRA SIMCA BAGHEERA 1
MATRA SIMCA BAGHEERA 2

 以下は1977年頃に発売されたオートピレン製の当時物 マトラ シムカ バゲーラ (1/43 型番206)の画像です。1974年から数年間スペインのオートピレンはディンキー(仏)のミニカーの一部を製作しており、それはスペイン ディンキーと呼ばれています。そのスペイン ディンキーの型番1454にマトラ シムカ バゲーラがあり、これはそれのオートピレン版です。スペイン ディンキー版との違いはホイールで、こちらはリアルなホイールですが、スペイン ディンキーは車軸が貫通した簡素なホイールでした。本家のディンキー(仏)と同じような作風で、実車の雰囲気がうまく再現され、上記ソリド製と同等の良い出来ばえでした。ドア開閉ギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SIMCA BAGHEERA 3
MATRA SIMCA BAGHEERA 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SIMCA BAGHEERA 5
MATRA SIMCA BAGHEERA 6

 以下は1973年に発売されたノレブ製の当時物 マトラ シムカ バゲーラ (1/43 型番825)の画像です。ノレブの当時物にはプラスチック製とダイキャスト製がありましたが、これはダイキャスト製です。全体的な造形は上記の2台と同等レベルの良い出来ばえですが、ホイールが安っぽいです。ドア/ハッチバックが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SIMCA BAGHEERA 7
MATRA SIMCA BAGHEERA 8

 以下はフロント/リアの拡大画像とハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SIMCA BAGHEERA 9
MATRA SIMCA BAGHEERA 10

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズのマトラ シムカ バゲーラ (1/43 No.72)の画像です。1976年の意匠変更後のII型をモデル化していますので、フロントグリル、独立したバンパー、ロゴ付のリアエンドパネルなどが上述の3台とは異なっています。開閉ギミックはありませんが全体的な出来ばえは上述したものと同等レベルで、世界の名車シリーズのなかでは良い出来ばえでした。スペインのミニカー付雑誌でこれと同じようなミニカーがあるので、メーカーはアルタヤ(イクソ系)だと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SIMCA BAGHEERA 11
MATRA SIMCA BAGHEERA 12

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA SIMCA BAGHEERA 13
MATRA SIMCA BAGHEERA 14

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FERRARI 365 GT/4 BB 1973 ITALY

FERRARI 365 GT/4 BB
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 365 GT/4 BB


SOLIDO 44 1/43 101㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.37m 全幅約1.8m エンジン 変速機: DOHC 180°V型 12気筒 4.4L 380HP 5段変速
性能: 最高速302km/h  データーベースでフェラーリ BBのミニカー検索

フェラーリ 365 GT4 BB イタリア 1973年

 

 フェラーリ初(ディノは除く)のミドシップ エンジン搭載市販車として1973年に登場したのがフェラーリ 365 GT4 BBでした。BBとはベルリネッタ ボクサーの略で、ベルリネッタはクーペの意でボクサーとは水平対向エンジン(左右のピストンの動きがボクシングのグローブの打合い動作に似ている)の意でした。ただし365 BBのエンジンはV型エンジンのVバンク角を180度まで倒したDOHC 180°V型12気筒4.4L(380HP)エンジンで、正確にいうと水平対向エンジンではありません。このエンジンの下に5段変速機を配置したミドシップ配置で、ライバルのランボルギーニ カウンタックをわずかに上回る最高速302km/hの性能でした。 独特の平べったいボディはピニンファリーナのデザインで、1968年の空力実験車P6がベースとなっていました。(実車画像→ フェラーリ P6 1968)

 

 1975年に排ガス規制対応でエンジンを5L(360HP)に拡大した512 BBに改良されました。512 BBはフロントにチンスポイラー、リアフェンダーに冷却用のNASAダクトが追加され、テールライトが6連丸型から4連丸形に変更されました。1981年にボッシュの機械式燃料噴射システムを採用した 512 BBiに変更されました。512 BBiは1984年まで生産され、後継車はテスタロッサでした。365/512 BBシリーズの総生産台数は約2300台でした。512 BBをベースにしてピニンファリーナ社の風洞実験でボディの空力特性を最適化したレース仕様車512 BB LMは1979年からルマンに参戦しましたが、1981年に5位となった以外はあまり良い成績を残していません。

 

 

 ミニカーは1976年に発売されたソリド製の当時物です。このミニカーは当時として最高レベルの出来ばえで、入手したときにはそのかっこよさに感激したものでした。今見てもプロポーションは素晴らしいのですが、昔のミニカーですからワイパーは少し目立ち過ぎでテールライトの表現はやや簡素です。リアカウルが開閉するギミック付きで12気筒エンジンが再現されています。ソリドはこれのテールライトなどを変更した512 BBや別ブランドのべレムでスパイダーなどもモデル化していました。当時の日本はいわゆるスーパーカーブームの最中で、365 BBのミニカーをダイヤペット、サクラ(ソリドのコピー)、バンダイなどが発売していました。一方海外ではまともなミニカーがあまり作られなかった時期でしたので、365 GT4 BBの当時物ミニカーはBブラーゴの1/43と1/24ぐらいしかありませんでした。当時物以外ではベスト モデルの512 BB、ブルムの 512 BB LM、京商の1/43、1/18、1/64、イクソ、アイドロン(レジン製)、トミカ リミッテドの365/512 1/64などがあります。 以下はフロントの拡大画像とリア/リアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 365 GT/4 BB 1
FERRARI 365 GT/4 BB 2

 以下は1992年に発売されたソリド製の当時物 フェラーリ 512 BB (1/43 型番1802)の画像です。上記の365 BBをベースにして、フロント周り/テールライト/排気管が変更されていますが、側面のNASAダクトは再現されていません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 BB 1
FERRARI 512 BB 2

 以下は1977年に発売されたサクラ製のフェラーリ 365 BB (1/43  スーパーカーシリーズ No.3)の画像です。全体的な造形は上記のソリド製をコピーしていますが、単なるコピーではなくリトラクタブルヘッドライトとドアの開閉ギミックを追加しています。お手本としたソリド製の出来が良いので、これも当時のミニカーとしては良い出来ばえになっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 365 GT/4 BB 3
FERRARI 365 GT/4 BB 4

 以下はフロント(ヘッドライト開閉)/リア(リアパネルを開いたエンジンルーム)の画像です。この個体はフロント部分でボディ上面と下面の接続部に隙間ができています。また塗装も劣化が目立ちますので、ミニカーの製造品質はあまり良くなかったようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 365 GT/4 BB 5
FERRARI 365 GT/4 BB 6

 以下は2004年に発売されたベスト モデル製のフェラーリ 512 BB (1/43 型番9258)の画像です。ベスト モデルは主にイタリアのスポーツカーをモデル化していましたが、いずれも当時のミニカーとしてはかなりレベルの高い出来ばえでした。これは512 BBをモデル化していますが、プロポーションが良く実車の雰囲気が実にうまく再現されています。チンスポイラー、NASAダクト、4連丸形テールライトなど512 BBの特徴もきちんと再現されています。室内もインパネのメーターなどかなりリアルに再現されていますので、512 BBの1/43量産ミニカーとしては2022年現在でもベストの出来ばえだと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 BB 3
FERRARI 512 BB 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。フロントグリル/テールガーニッシュの細部がリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 BB 5
FERRARI 512 BB 6

 以下は1991年に発売されたブルム製のフェラーリ 512 BB LM プロトタイプ (1/43 型番R210)の画像です。ルマン レース仕様の512 BB LMのプロトタイプをモデル化しています。ルマン対応で大幅に変更された空力的なボディ(フロントノーズ、リアスポイラーなど)がうまく再現されています。ブルムは型番R213で1981年ルマンで5位入賞した 512 BB LM #47もモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 BB LM 1
FERRARI 512 BB LM 2

 以下は2006年に発売されたブルム製のジオラマ フェラーリ 512 BB LM ピニンファリーナ風洞試験 (1/43 型番AS36)の画像です。上述したように512 BB LMはピニンファリーナ社の風洞で空力的な検討を行ったのですが、その風洞試験車をジオラマ仕立てでモデル化しています。試験車の前方にある円筒形部分に風洞の送風ファンがイラストで表現されていて、試験車は向きを変える為のターンテーブルらしき台の上に載っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 BB LM WIND TUNNEL DIORAM 1
FERRARI 512 BB LM WIND TUNNEL DIORA 2

 以下は風洞試験車の画像です。試験車の左側には空気の流れを可視化する糸(気流糸)が貼ってあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 512 BB LM WIND TUNNEL DIORAM 3
FERRARI 512 BB LM WIND TUNNEL DIORA 4

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FERRARI (DINO) 308 GT4 2+2 1973 ITALY

FERRARI (DINO) 308 GT4 2+2
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FERRARI (DINO) 308 GT4 2+2


POLITOYS EL58 1/43 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.3m 全幅約1.71m エンジン 変速機: DOHC V型 8気筒 3L 250HP 5段変速
性能: 最高速251km/h  データーベースでフェラーリ 208/308 GT4のミニカー検索

フェラーリ (ディノ) 308 GT4 2+2 イタリア 1973年

 

 ディノ 246 GTの後継車としてV型8気筒エンジンを搭載したディノ 308 GT4が1973年に登場しました。12気筒以外はフェラーリと呼ばないという方針から、当初はフェラーリの名前は付いていませんでした。しかし1976年からはフェラーリ 308 GT4と改名されました。ディノとほぼ同じシャーシに新設計したV型8気筒3L(250HP)DOHCエンジンをミッドシップ搭載し、最高速250km/hの性能でした。

 

 2+2と4シーター化されているため、ホイールベースは246 GTより長くなっています。またフェラーリでは初めてベルトーネがデザインを担当したので、あまりフェラーリらしくない直線的なスタイルとなっています。(フェラーリというよりはランボルギーニ的なデザインです)1975年にはイタリア国内向けに2L(170HP)エンジンを搭載した208 GT4が追加されています。

 

 

 名車ディノ の後継としてはベルトーネのボディ デザインや性能などが物足らず、この車はあまり人気がでませんでした。名前にフェラーリを追加したのも人気を挽回する為だったのかもしれませんが、結局人気のないまま1979年に生産中止となりました。総生産台数は約2800台でした。

 ミニカーはポリスティル(ポリトーイ)の当時物で、1976年頃に発売されました。実車の不人気を反映して当時物のミニカーはこれぐらいしかありません。ELシリーズは廉価版ミニカーで、プロポーションは悪くないのですが、タイヤ/ホイールがどうしようもなくしょぼいです。最近の物では京商の1/64、マテルの1/18があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI (DINO) 308 GT4 2+2 1
FERRARI (DINO) 308 GT4 2+2 2

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BLMC MINISSIMA 1973 UK

BLMC MINISSIMA
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BLMC MINISSIMA


CORGI 288 1/36 63㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.29m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 848cc 34HP 4段自動変速
性能: 最高速 不詳  

BLMC ミニッシマ イギリス 1973年

 

 シティカーのコンセプトカー ミニッシマは1973年のロンドン モーターショーで公開されました。アストンマーチン ラゴンダを設計したことで有名なカーデザイナーのウイリアム タウンズ(William Towns)の設計で、ミニをベースにしていました。全長はミニより75cm短い2.3mで歩道上に直角に駐車できるように設計されていました。サイズは小さいですが4人乗りで、後席の2座は向かい合わせの対面シートになっていて、乗り降りはリアのドアから行います。この車のデザインは現在でも魅力的で、こんなスタイルの小型の電気自動車があれば欲しいです。

 

 この車は数年後に、車椅子利用者がリアドアからスロープを使って乗り降りする障害者用プロトタイプとして再度発表されました。その際に通常のドアを追加するなどの設計変更がされました。このデザインは自転車メーカー エルスウィック社(ELSWICK)が権利を購入し、エルスウィック エンボイ(ENVOY)として1981年から1987年まで少数が販売されました。(実車画像→ エルスウィック エンボイ)

 

 

 ミニカーは1975年に発売されたコーギー製の当時物です。縮尺が中途半端な1/36で「Whizzwheels」と称する良く回ることが取り柄の安っぽいフリーホイールがやや目障りですが、それ以外はかなりリアルにモデル化されていました。リアドアが開閉し、室内もある程度再現されています。ビンテージ物のコーギーとしては後期のミニカーで、あまり人気がなかったようですが、それでも約16万台が売れました。なおミニッシマのミニカーはこれしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアドア開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BLMC MINISSIMA 1
BLMC MINISSIMA 2

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NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 1973 JAPAN

NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110)


KYOSHO 03116W 1/43 103mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.46m 全幅約1.69m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 2L 160HP 5段変速
性能: 最高速180km/h  データーベースで日産 スカイライン C110のミニカー検索

日産 スカイライン 2000 GT-R KPGC110型 日本 1973年

 

 日産 スカイライン 4代目は「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチコピーで1972年に登場しました。先代の特徴であったボディサイドのサーフィンラインを継承しつつ、直線的なデザインになりました。4ドアセダン、2ドアハードトップ、ワゴン(バン)の車種構成で、ハードトップの太いリアピラーにJの字で立ち上げるJラインは当時の日産車に共通するスタイルでした。シャーシは先代を踏襲していましたが、4/6気筒エンジン搭載車で異なっていたホイールベースは一本化されました。エンジンはG型4気筒1.6L(100HP)、1.8L(105HP)、L型6気筒2L(115-125HP)の3種類で、3段AT/5/4段MT変速で最高速175Km/h(2L)の性能でした。

 

 1973年にハードトップにS20型 DOHC 6気筒2L(160HP)エンジンを搭載した高性能版の2000 GT-R 2代目(KPGC110)が追加されました。S20型エンジンが昭和48年度(1973年)排出ガス規制に適合できなくなったので、3カ月間にわずか197台だけが生産されただけでした。GT-Rは専用のラジエータグリルで、前後オーバーフェンダーとリアスポイラーが追加されました。先代はレースで活躍しましたが、2代目はレース仕様のコンセプトカーが公開されただけでレースに参戦することはありませんでした。16年後の1989年にGT-R 3代目が登場しました。

 

 

 以下は2003年に発売された京商製の日産 スカイライン 2000 GT-R (KPGC110) (1/43 型番K03116W)の画像です。ワイドホイール仕様をモデル化していますので、かなり太いタイヤを履いています。追加されたオーバーフェンダー、フロントグリル/灯火類がリアルで実車の雰囲気が良く再現され、とてもよく出来ています。室内も良く仕上げられていて、さらにボンネット開閉ギミック付きでエンジンルーム内には1/43としてはかなりリアルにS20型エンジンが再現されています。これ以外のGT-R 2代目(KPGC110)のミニカーはダイヤペットの当時物でGT-X 1/40をGT-R風に変更した物と1/30、トミカ ダンディの当時物、トミカ リミッテドの1/64、オートアートの1/18、アオシマ DISM、エブロ、京商の1/12(レジン製)と1/18と1/64、イグニッションモデル(レジン製)の1/43と1/18、MARK43(レジン製)などたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 1
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 2

 以下は1974年頃に発売されたダイヤペット製の当時物 日産 スカイライン GT-X (GC110) (1/40 型番1116(D16))です。この型番1116は既にスカイライン セダンの欄に掲載済みですが、これはそれをGT-R風に変更した改良版です。オーバーフェンダーとリアスポイラーを追加してGT-R風に変更していますが、箱の表記はGT-Xのままでした。改良前のGT-Xはフロントグリルなどを簡素化してコスト削減をはかった廉価版的なミニカーであまり出来が良くありません。それに多少手を加えたGT-R風改良版ですので、オーバーフェンダーなどの変更部分は悪くないですが、やはりあまり良い出来ばえとはいえません。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 3
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 4

 以下は1976年に発売されたダイヤペット製の日産 スカイライン 2000 GT-R (KPGC110) (1/30 型番G50)の画像です。当時のダイヤペットが縮尺1/30で乗用車を20車種ほどモデル化していた1/30シリーズの1台です。この1/30シリーズは出来ばえのばらつきが大きいのですが、このGT-Rはかなり大胆にデフォルメ?されたフロントグリルがひどすぎて、その出来ばえを云々する以前の物になっています。フロントグリル以外はまずまずの出来ばえなので、フロントグリルが改造されたGT-Rをモデル化したということで納得しておきたいと思います。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 5
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 6

 以下は2021年に発売されたアシェット 国産名車プレミアムコレクション製の日産 スカイライン GT-R (KPGC110) (1/43 No.1) の画像です。2021年末に刊行された国産名車プレミアムコレクションの創刊号のミニカーで、1/43のダイキャスト製国産車ミニカーは当方の好きなジャンルですので購入しました。プレミアムという名前に相応しいレベルの物であることを期待していたのですが、結論を先にいうと従来の雑誌付きミニカーよりはレベルの高い出来ばえとなっていました。GT-R(KPGC110)の1/43ミニカーは前述したように出来の良いミニカーが既にいくつか存在します。したがってこのミニカーがそれらを参考にしていることは想像に難くなく、プロポーションなど基本的なところの出来ばえが既存の出来の良いミニカーと同等レベルなのは同然のことでしょう。この観点からみるとこのミニカーは前述した京商のミニカーの出来ばえに良く似ています。このミニカーが既存のミニカーより優れている点は、製作時期が新しいことによるタンポ印刷技術などの向上がもたらした室内造形の仕上げレベルのリアルさで、このミニカーのインパネの出来ばえはレベルが高いです。今回の創刊号は定価が1499円ですから、この価格でこのレベルの出来ばえは出血大サービスといえるでしょう。(ただし3号以下は定価3999円になりますのでその値段なら価格相応となります) なおワイパーもリアルに再現されているので拡大画像を追加しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 7
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。この拡大画像を前述の京商製のフロント/リアの拡大画像と見比べてください。フロントグリルとリアパネルについているGT-Rのロゴの大きさが違うことが明確ですが、どちらが好ましいですか? 京商製は少し大きめに出来ていて良く目立ちます。ミニカーは実車のイメージを再現するものですから、このような印象的なパーツは少し大きめに作るのが良いのです。このようなセンスの良いデフォルメはミニカーでは重要な要素で、杓子定規的な対応を良しとするスケールモデルとは異なるものです。この点ではこのプレミアムコレクションより老舗の京商のミニカーの方がセンスが良いと思います。同様の考えから京商のミニカーはオーバーフェンダーの固定ネジが目立ちますが、これもセンスの良いデフォルメだと私は思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 9
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KGC110) 10

 以下はディスプレイケースの画像と底板部分の画像です。ディスプレイケースは高価なレジン製ミニカーによく使われているような立派なものです。これはプレミアムという名前に相応しいものだと思いますが、個人的はもう少しコンパクトな方が好ましいです。(数点しか集めない方はこれでもよいでしょうが、たくさん集めるとその収容スペースが馬鹿になりません) 雑誌付きミニカーはメーカーを明記していない物がほとんどですが、このミニカーは底板部分にメーカー名が表示されています。以下の拡大画像で「ARBOX ALLMOSTREAL SUMS MODEL」と表示されているのがわかります。SUMS MODELは中国のミニカーメーカーで、ALLMOSTREALはそのブランド名です。ALLMOSTREALブランドのミニカーは以前からミニチャンプスのミニカーとして販売されていて、レベルの高いダイキャスト製ミニカーを製作しています。国産名車プレミアムコレクションはこのSUMS MODELが受注しているようですので、今後もこのシリーズはレベルの高い出来ばえとなることが期待できます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KPGC110) 11
NISSAN SKYLINE 2000 GT-R (KGC110) 12

 以下は国産名車プレミアムコレクションの定期購読の特典として提供された日産 スカイライン GT-R (KPGC110) レーシング コンセプト (1/43 No.GiftA)の画像です。1972年 東京モーターショウーで公表されたレーシング コンセプトをモデル化しています。緑ボディ/金ラインのカラーリング、改造されたフロントグリル、太いレース用タイヤとそれに合わせてより大きくなったオーバーフェンダーなど実車を忠実にモデル化しています。室内もインパネ/ステアリングホイールが変更され、リアシートが外され消火器が装備されているなど大幅に変更されています。なおこのミニカーは後になって国産名車プレミアムコレクション 増刊号としても発売されました。(たぶん在庫整理の為でしょう) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE GT-R (KPGC110) RACING CONCEPT 1
NISSAN SKYLINE GT-R (KGC110) RACING CONCEPT 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。左後輪手前に排気管が出ていますが、この排気管は底板部分の排気管のモールドを変更して新しくモールドし直すといったかなり凝った作りとなっています。このように台座から外さなければ見えない底板部分もきちんと仕上げてあることから、このミニカーメーカーの本気度が分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN SKYLINE GT-R (KPGC110) RACING CONCEPT 3
NISSAN SKYLINE GT-R (KGC110) RACING CONCEPT 4

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