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クライスラー ダッジ コロネット スーパー ビー アメリカ 1970年
クライスラーグループで戦後のダッジは高級車デソートと大衆車プリムスの間を埋めるブランドでした。1960年代後半のダッジのラインナップにはコンパクトカーのダート、中型車のコロネット、フルサイズのポラーラとモナコがありました。 1965年にコロネットの5代目が中型車として登場しました。2/4ドアセダン、2ドアクーペ/ハードトップ/コンバーチブル、4ドアワゴンがありました。搭載するエンジンは6気筒3.7LからV型8気筒4.5L/5.2L/5.9L/6.3L/7L(ヘミ)/7.2L(マグナム)とバリエーションが豊富で、ダッジ ブランドとして人気のあるモデルでした。(実車画像→ クライスラー ダッジ コロネット 1966)
コロネットの2ドアクーペをベースにして、高性能なスポーツ仕様(マッスルカー)としてスーパービーが1968年に登場しました。スーパービーはV型8気筒6.3L(標準)/7L(ヘミ 425HP)/7.2L(395HP 6パック)エンジンを搭載し、サスペンションが強化され高性能タイヤを履いていました。4段変速で最高速度220km/h(7L)と高性能でした、なおスーパービーという名前は当時のクライスラーの中型車のボディがBボディと呼ばれていたことに由来しています。1970年にフロントグリルの意匠が変更されました。1970年代になるとマッスルカーの人気が低迷するようになり、スーパービーは1970年に生産中止となりました。ダッジ コロネットは1971年に6代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ クライスラー ダッジ コロネット 1971)
ミニカーは2022年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションの1台です。フロントグリルが変更された1970年式で、ボンネットのパワーバルジに440というロゴがありますので、440cuiの7.2Lエンジン搭載車をモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、特徴のあるフロントの顔付、7.2Lエンジン用のパワーバルジ、ホイールなど実車がリアルに再現されています。実車に忠実なカラーリングとナンバープレートも良く出来ています。このシリーズの別のミニカーの解説に書きましたが、定価が2000円ほどの安価なミニカーにここまでレベルの高い仕上げができるのは、本国アメリカではこのミニカーが大量に売れているからだと思います。(日本ではあまり売れないと思いますが、アメリカでは人気のある車種ですから) これ以外のコロネット スーパービーのミニカーはアーテルの1/18、ジョニーライトニングの1/64、レーシングチャンピオンの1/64、ホットホイールの1/64などがあります。 以下はフロント(パワーバルジ部拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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AMC ジャベリン SST アメリカ 1970年
AMC(アメリカンモータース社)が、BIG3(GM/フォード/クライスラー)に対抗するには、中型/小型車に特化するしかありませんでした。1960年代になるとBIG3もコンパクトカーを発表したことで、AMCの売上げは低下しました。1950年代には数モデルあったAMCのフルサイズカーは1960年代にはアンバサダーだけとなり、その下位にはコンパクトカー(小型車)のランブラー アメリカン、ミッドサイズカー(中型車)のクラシック、マリーンがありました。1970年代になるとランブラーという名前は消滅し、その代わりに小型車マタドール、サブコンパクトのホーネット、ジャベリンなどが登場しました。
スポーティカーとして成功したフォード マスタングと同じようなコンセプトの車として、AMCでは1968年にジャベリンが登場しました。同時期にAMCのイメージリーダーカーとしてジャベリンの上級車で高性能なスポーツカー AMXも登場しました。AMXはV型8気筒4.8L-6.4L(325HP)エンジンを搭載する2ドアクーペで、高性能版はGM シボレー コルベット並みの高性能でした。ジャベリンは同じようなスタイルでしたが少しサイズが大きく、6気筒3.8L/V型8気筒4.8L-6.4L(325HP)エンジンを搭載していました。ジャベリンはマスタングやシボレー カマロより大きかったので室内が広くデザインもシンプルでしたので人気があり、AMCの車としてよく知られています。AMXは1970年まで、ジャベリンは1971年に2代目が登場し1974年まで生産されました。(実車画像→ AMC AMX 1968、AMC ジャベリン 1971)
ミニカーは1972年頃に発売されたスペインのオートピレン製の当時物です。フロントグリルとテールライトのデザインから1970年式のジャベリンで豪華な内装のSST仕様をモデル化しています。オートピレンのミニカーは他社をコピーした物が多かったのですが、同社オリジナルのミニカーもありました。このジャベリンは他社が手掛けていないので、同社のオリジナルのようです。プロポーションが良くシャープな造形で実車がうまく再現され当時のミニカーとしてレベルの高い出来ばえでした。ホイールは質感の良い金属製パーツで、ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。またエンジンルーム内や室内などの細部も良く再現してあります。これ以外のAMX/ジャベリンのミニカーはナコラルの当時物のAMX、マッチボックスの当時物 ジャベリン、アーテルのAMX 1/18、ジョニーライトニングのAMX 1/64、グリーンライトのジャベリン 1/64などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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AMC グレムリン アメリカ 1970年
1970年代のAMCのモデルラインアップは、サブコンパクトカーのグレムリン、コンパクトカーのホーネットとペーサー、ミッドサイズのマタドール、フルサイズカーのアンバサダーがありました。1970年に登場したグレムリンは上級車のホーネット(3ボックスセダン)のホイールベース短縮版でした。ホーネットのテールエンドを斜めに切り落としたようなデザインは当時としては極めて斬新なハッチバック車でした。リアサイドウィンドーが固定された2人乗りクーペと、ウィンドーが開く4人乗りハッチバックがありました。名前のグレムリンとは機械の中に住み着いて悪さをする小悪魔のことで、ビッグ3に対抗する厄介者というような意味があるようです。 (実車画像→ AMC ホーネット 1971)
エンジンは4気筒2L、6気筒3.3L/3.8/4.2L、V型8気筒5Lなどがあり、3段自動変速で最高速166km/h(6気筒3.3L)の性能でした。1972年に2人乗り仕様が廃止され、1973年に衝撃吸収バンパーが採用され、1976年にフロントグリルの意匠が変更されました。1977年にもフロント/リアの意匠が大きく変更されました。1979年にグレムリンをベースにして外観を大きく変更したスピリットにモデルチェンジしました。(実車画像→ AMC スピリット 1979)
グレムリンのデザイン コンセプトをさらに発展させてボディを大型化したぺーサーが1975年に登場しました。1970年にAMCはジープの製造元であるカイザー ウィリス社を買収しました。1979年にAMCはフランスのルノー社の傘下になり、1987年にはクライスラー社に買収されて消滅しました。AMCが買収していたカイザー ウィリス社のジープはクライスラー(現在はステランティス N.V.)社の有力なブランドとして今も残っています。
ミニカーは1976年頃に発売されたポリトーイ(ポリスティル)製の当時物です。型番EL**のELシリーズは現在の感覚では廉価版的なミニカーで、安っぽいフリーホイールが付いていてあまり良い出来ばえではありませんでした。ただグレムリンの特徴的なボディはそれなりにうまく再現されていました。ドアが開閉するギミック付きです。グレムリンの当時物ミニカーはこれしかありませんでしたのでその点では貴重でした。これ以外のグレムリンのミニカーはジョニーライトニングの1/64、MOTORMAXの1/24などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ C111 2代目 ドイツ 1970年
NSU社がロータリーエンジン開発に成功し、1964年に世界初のロータリーエンジン搭載車NSU スパイダーが登場しました。その後多くの自動車メーカーがロータリーエンジン開発に取り組みました。メルセデス ベンツもロータリーエンジンの開発を行っており、1969年のフランクフルト モーターショーで公開されたC111 初代はその実験車でした。 ガルウイング式のドアを持つFRP製のボディに、燃料噴射式3ローター ロータリーエンジン(3X600cc 280HP)をミッドシップ搭載し、最高速は260km/hでした。(実車画像→ メルセデス ベンツ C111 1969) 数ヵ月後の1970年のジュネーブ モーターショーでC111 2代目が公開されました。初代とはフロントのボンネット部分の黒いグリル形状が異なりますが、ほぼ同じデザインのボディに4ローター ロータリーエンジン(350HP)が搭載され、最高速300km/hの性能でした。
C111は実験車ながら、レザートリムの内装、エアコン付きなど豪華な装備となっていて当初は市販が予定されていました。しかし1973年の中東戦争でオイルショックが起こり、燃費の悪いロータリーエンジンの開発は中止となり、この車が市販されることはありませんでした。その後エンジンを5気筒3Lターボディーゼル(190HP)に変更したC111 3代目が1976年に公表され、さらに1979年に登場したC111 4代目はボディを変更しV型8気筒4.8Lツインターボエンジン(500HP)を搭載して最高速400㎞/hの速度記録車に発展しました。(実車画像→ メルセデス ベンツ C111 4代目)
ミニカーは1970年に発売されたソリド製の当時物で、C111 2代目をモデル化しています。ソリドらしいシャープな造形で、リアルな太いタイヤ/ダイキャスト製ホイールなど良くできています。(ただフロントノーズ周りの造形がいまひとつですが) リアカウルを開くと、コンパクトなロータリーエンジンが再現されています。世間の注目を集めたC111は当時物ミニカーが非常にたくさんありました。ディンキー、コーギー、ノレブ(JET CAR)、メルクリン、ガマ、マーキュリー、マテルメーベ、ポリトーイなど当時の主なミニカーメーカーがモデル化していました。その中でディンキーとマーキュリーとポリトーイがC111 初代で、あとはすべてC111 2代目をモデル化していました。最近ではミニチャンプス、ノレブがC111 2代目をモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアカウルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォルクスワーゲン ビートル 1302 ドイツ 1970年
フォルクスワーゲン ビートルは基本設計を変更しないまま改良および変更が加えられました。1960年代後半のラインナップは1200(1192㏄ 34HP)と1300(1285㏄ 40HP)の2モデルでした。1970年には上級グレードの1302と1.6L(1584㏄ 50HP)エンジン搭載の高性能版1302Sが登場しました。1973年には1302Sの発展型1303が登場しました。1974年には1200もテールライトが1303と同じ大型のものとなり、フロントフェンダー上にあったウィンカーがバンバーに移されました。1974年には生産台数が1800万台に達しました。1970年代に日本国内ではビートルの人気が高まり1200系に1.6Lエンジンを搭載した1200LS、その電子式燃料噴射仕様の1200LSE/LEなどが輸入されました。
ビートルの後継車として1961年には1500が、1968年には411が登場しましたが、その両車とも真の後継車にはなれませんでした。その後1973年にパサートが登場し、シロッコ、ゴルフ、ポロといった新世代の前輪駆動車が揃ったところで、ビートルは役目を終え1978年にドイツ本国での生産が終了しました。しかしその生産設備はブラジルやメキシコ工場に移管され、メキシコでは2003年まで生産が続けられました。さらにビートルのオマージュとして1998年にニュー ビートルが登場しました。
フォルクスワーゲン ビートルのミニカーはたくさんあります。当サイトのデーターベースには約1500件がリストアップされています。(ビートルのミニカーは年式が明確にわからない物が多いので4割ぐらいは年式未記載です) 私はビートルのミニカーを約50台保有していますので、それらを年代別に分けて紹介します。ここでは1970年代以降のビートルを紹介します。
最初のミニカーは2004年に発売されたミニチャンプス製です。 1970年式の1302をモデルしています。前述したミニチャンプス製の1951年式初期型と見比べると前後のバンパー、ボンネット形状、フェンダー形状、灯火類、室内のインパネ、ステアリング形状などの変更が正確に反映されています。 ここまで徹底して年式別にモデル化されるのもビートルなればこそですし、またそれを実現しているミニチャンプスも自国の名車ですから精力的にモデル化しているのだと思います。同じドイツのシュコーもビートルを精力的にモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)