Sorry Japanese Only
パンサー ベルトーネ イタリア 1968年
パンサー ベルトーネは1968年のジュネーブ ショーで公開されたコンセプトカーでした。イタリアのレーシングチーム ブレッチア(SCUDERIA BRESCIA CORSE)の依頼で、グループ6のレーシングカーをベルトーネがデザインしました。ベルトーネらしい空力的に洗練されたデザインでしたが、当時のグループ6のレーシングカーとしては 例えばフェラーリ 312Pなどと同様で格別に変わったデザインではありませんでした。ただボディ中央の高い位置にある油圧で角度を変えられる大きなスポイラーは、グループ6のレーシングカーとしては目新しいもので、この車の最大の特徴でした。(このような高い位置のスポイラーは1969年に禁止されましたが)
この車には調整可能なダンパーを備えたサスペンション、チューブレスタイヤ、24V電装システムなどに先進的なアイデアも盛り込まれていたようです。当初はBRMのV型8気筒3Lエンジンが使われる予定でしたが、後にマセラティの3Lエンジンが使われることになりました。ただし、ブレッチアはグループ6のレースに参戦する準備が整わず、結局この車がレースに出場することはなかったとのことです。
ミニカーは1969年に発売されたポリトーイ製の当時物です。廉価版として作られたエクスポート(EXPORT)シリーズの物なので細部の仕上げは簡素ですが、プロポーションはまずまずで、初期型なのでリアルなメタル製ホイールが付いていました。(初期型以外は見た目の良くないフリーホイールがついていました) またドアが可動するギミックが付いています。これ以外のパンサー ベルトーネの当時物ミニカーはマーキュリー、マーキュリーをコピーしたナコラル、マジョレー(1/65)の物がありました。なお実車がほとんど知られていないので、最近のミニカーはないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1835
オースチン ミニ クーパー S ポリス イギリス 1968年
イギリスでは1960年代に高速道路網の整備が進み、高速道路を巡回する警察車両が必要となりました。当初はジャガー E タイプ、サンビーム タイガー、ディムラー SP250などのスポーツカーが使われたそうです。それらの車は性能的には問題なかったのですが、警察業務に必要な機材を収納する点で問題がありました。そこで、1963年に登場した高性能で経済的な小型車であるミニ クーパー Sが1966年頃から正式に採用されました。
モンテ カルロ ラリーで3度優勝しているミニ クーパー Sの動力性能は、逃走車と高速道路でカーチェイスするのにも十分だったようです。ボディカラーは目立たないように、白一色だったそうです。(屋根に回転灯が付いているので、すぐわかりますが) 1971年には大型車のローバー V8などに代替されたとのことなので、ミニ クーパー S ポリスはそんなに多くは使われなかったようです。
ミニカーは1968年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。型番183のモーリス ミニ マイナーをベースにしています。リアに'AUSTIN COOPER S'のロゴが表示され、実車同様にアンテナ(実車のアンテナはこんな形状ではありませんが)と青色回転灯が追加されています。ディンキーはミニ クラブマンのポリス仕様もモデル化していました。これ以外ではエリゴールやビテス、最近ではオックスフォード、京商(1/18)などがミニ クーパー ポリスをモデル化しています。またミニ バンのポリスはコーギーやブレキナの物があります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1858
ヒルマン ハンター MK II ロンドン-シドニー ラリー イギリス 1968年
1966年にヒルマン ミンクスは新型にモデルチェンジしました。ミンクスの上級車として1961年に設定されていたスーパー ミンクスがハンターという名前になり、ハンターの廉価版はミンクスとして名前が残りました。(1970年からはハンターに統一された) ハンターは日産 ブルバード 510型のようなスタイルをしたごくオーソドックスな大衆車で、4気筒1.7L(61HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速135km/hの性能でした。(ブルバード 510型は1967年に登場していますので、当時の流行りのスタイルだったといえます) ハンターの姉妹車としてシンガー ガゼル、ハンバー セプターがありました。ハンターは1968年に行われた長距離ラリー 「ロンドン-シドニー マラソン」で大方の予想を裏切って幸運な優勝を遂げました。(このラリーには98チームが参戦していました。メーベトイ製の当時物ミニカーでポルシェ 911の参戦車がモデル化されていました)
ルーツ グループは1960年代にアメリカのクライスラーの子会社となり、同時期に子会社化されたシムカと合併して、クライスラー ヨーロッパとなりました。ルーツ グループの車は1970年に登場したアヴェンジャーが最後となり、1977年に生産中止となりました。(実車画像→ ヒルマン アヴェンジャー) そのクライスラー ヨーロッパも1978年にPSAグループ(プジョー/シトロエン)に買収され、タルボ ブランドでアルパイン、オリゾンなどが登場しましたが、1980年代にそのタルボも消滅しました。
ミニカーは1969年に発売されたコーギー製の当時物です。このミニカーは1968年に開催されたロンドンからシドニー(オーストラリア)までの1.7万㎞の長距離ラリー「ロンドン-シドニー マラソン」での優勝を記念して作られました。ストーンガード、補助灯、ルーフ上のスぺタイヤなどが付いた実車のラリー仕様をそこそこ忠実に再現してありました。頑丈なストーンガードは野生動物(オーストラリアですからカンガルーなど)と衝突した際のダメージを防ぐものでした。コーギー最盛期のミニカーでしたので、当時としては素晴らしい出来ばえでした。コーギーお得意の良く出来たカンガルーのフィギュアが付いているのも楽しいおまけでした。さらにこのミニカーには当時コーギーが「GOLDEN JACKS」と称していたタイヤ交換ギミックまで付いていました。(参照ページ→ 「GOLDEN JACKS」ギミックの紹介ページ) なおヒルマン ハンターにはこれ以外のミニカーはなく、ラリーの優勝が無ければモデル化されなかったことでしょう。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=833
スキャメル ハンディマン III セミトレーラー イギリス 1968年
スキャメル(又はスカメル)はイギリスの商用車メーカーで、特殊な軍用トラクターや大型トラックを製造していました。1896年から車輪の製造を始め、1921年にSCAMMELL LORRIES社として創業し大型のトラクターの製造を始めました。従来の馬車による物資運搬を代替するメカニカル ホース(機械の?)と呼ばれる3輪トラクターを1934年に発売しました。3輪なので小回りが効くことが特長で、1.1L/2Lガソリンエンジンを搭載し接続するトレーラーの積載量は3t/6tでした。この車は1948年にはディーゼルエンジンが追加されて、角の丸くなったデザインのスカラブ(SCARAB)に変わりました。(実車画像→ スキャメル メカニカル ホース、スキャメル スカラブ )
第2次大戦中は砲兵用トラクターや戦車運搬車などの軍?車の?産を行いました。戦後の1955年にレイランド グループの一員となり、軍用車やトラックの生産を行いました。戦前のスカラブは1967年にタウンスマン(TOWNSMAN)に変わりましたが、翌年には生産中止となりました。代表的な商用トラックでは、ボンネット式のハイウェイマンやキャブオーバー式のハンディマンなどがありました。レイランドのトラック部門は1987年にオランダのDAFと合併してレイランド DAFとなり、スキャメル ブランドは1988年に消滅しました。
ミニカーは1969年に発売されたコーギー製の当時物です。スキャメル ハンディマン III セミトレーラ フェリー マスター仕様をモデル化しています。(FERREYMASTERSはイギリスの運送業者です) ハンディマン IIIのトラクターキャブはカーデザイナー ミケロッティがデザインしたグラスファイバー製で、当時の同クラスのトラックに比べると前後長が短くスマートでした。このミニカーはそのスマートなキャブがうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。トレーラーとの連結部は当時のコーギーのトラックに共通の頑丈ながら扱いやすい構造となっていました。トレーラーの幌はプラスチック製で脱着できます。コーギーは同じトラクターキャブを使って、カートランスポーターやレッカー車もモデル化していました。以下はトラクターキャブの拡大画像とトレーラーの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1902
フォード エスコート MK I イギリス 1968年
1968年にフォード アングリアの後継車のエスコートが登場しました。個性的なフロント グリルを持ち、フェンダーラインに少し抑揚のついたスポーティなスタイルでした。2ドアセダンと3ドアワゴン(バン)の構成で、標準仕様はヘッドライトが丸型でそれ以外は角型でした。オーソドックスな構造の後輪駆動車で、当初は4気筒1.1L(40HP)/1.3L(52HP)エンジンを搭載し、4段変速(3段AT)で最高速137km/hの性能でした。1967年にヨーロッパ フォードが設立されたので、1969年からエスコートの左ハンドルがドイツでも生産されました。
1970年に4ドアが追加され、64HPにパワーアップした1300GT、ロータス製DOHC 4気筒1.6L(105HP)エンジンを搭載した高性能版のツインカムが設定されました。1970年にツインカムがコスワース製DOHC 4気筒1.6L(120HP)エンジンを搭載するRS1600に変わり、コルチナ用の1.6L(86HP)エンジンを搭載したメキシコが追加されました。1972年にSOHC 4気筒2L(100HP)エンジンを搭載するRS2000(ドイツ向け)が追加されました。それらの高性能版はラリーで大活躍し、エスコートのスポーツイメージを高めました。1974年までイギリス/ドイツ合わせて約200万台が生産され大ヒットしました。1975年にエスコート 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは1968年に発売されたディンキー(英)製です。角型ヘッドライトの上級仕様車をモデル化しています。ディンキー(英)の少し厳つい作風のせいで、曲面的な実車のイメージから少し外れた出来ばえになっています。ただしこれは現代のスケールモデル的な観点からの評価で、作風がミニカーメーカーの個性であった時代のミニカーとしては良く出来ていました。(最近の中国製ミニカーはどれも同じ出来ばえで、ブランドの個性というものはないですが) ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーとしてはポリトーイ、メーベトイ、シュコーの1/66などがありました。当時物以外ではラリー仕様車が多いですが、トロフュー、バンガーズ、ミニチャンプスの1/43と1/18、イクソなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)