ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 1950 SWISS

SAURER 3CT1D (C TYPE)  BUS ’BVB’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D (C TYPE)  BUS ’BVB’


VITESSE 221 1/50 全長154㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約7.5m 全幅約2.4m エンジン 変速機: 6気筒 8.7L ディーゼル 130HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでザウラーのミニカー検索

ザウラー 3CT1D (C タイプ) バス ’BVB’ スイス 1950年

 

 スイスのアドルフ ザウラー(Adolph Saurer)社は1853年に設立された歴史のある会社で、最初は織機を生産していました。1897年には自社製の単気筒エンジンを搭載した乗用車を開発し販売しました。1903年からトラックなどの商用車の製造をはじめそれらの評判が良かったので、1910年代にはトラックとバスの製造に特化するようになりました。第1次世界大戦中は航空機のエンジンも製造していました。

 1927年にメルセデス ベンツが世界初のディーゼルエンジンを搭載したトラック 5K3を発売しました。ザウラーも当時ディーゼルエンジンの有効な特許を取得しており、その後も1980年代までディーゼルエンジンに関して豊富な実績を持つ会社でした。1928年に同業のスイスのベルナ(BERNA)社と提携し、ザウラーとベルナの商用車はヨーロッパ中で広く使われるようになりました。"

 

 第2次戦後もザウラーの商用車は好調で、船舶や鉄道用のディーゼルエンジンの製造にも進出しました。戦前から始めたトロリーバスの製造も主要な事業となっていました。また1950年代にイタリアの商用車メーカーのOMとライセンス契約し、OMの小型/中型商用車をスイス国内で販売しました。ザウラーは1980年代に販売不振となり、同業のスイスのFBW社と1982年に合併しNAW社と改名しました。その後NAW社はメルセデス ベンツ傘下となりましたが2003年に清算されて消滅し、現在のザウラー社は繊維機械メーカーとして存続しています。

 

 

 ミニカーは1985年頃に発売されたビテス製の初期物です。スイスのバーゼル市で使われた路線バス(21人?乗り小型バス)のBVB仕様をモデル化しています。BVBとはバーゼル市交通局のことで、ボディ側面のロゴはBVBのロゴです。ザウラー C タイプのバスは戦前から製造されていましたが、モデル化された実車が明確にわからないので、ここに記載した年式/諸元は正しくないかもしれません。ミニカーの縮尺は1/50で結構リアルなフロント造形やそこそこ良く再現された内装など、当時のミニカーとしては良く出来ていました。ルーフの前端についている角のようなものは行き先表示板や旗を付けるポールのようです。なおこのミニカーの箱の台座は本物の木製で、プラスチック製の台座より高級な梱包箱となっていました。(当時の値段は5000円と高価でした) ビテスはバリエーション展開でトラック/タンカー/消防車など約20種類を作っていました。ザウラー バスのミニカーとしてはスイスのTEK-HOBBYがこれとよく似たバス/トラックを数種類発売していますが、それはこのビテス製をベースにしているようです。それ以外ではシュコーやブレキナのザウラー バスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 1
SAURER 3CT1D (C TYPE) BUS ’BVB’ 2

 以下は上記と同じビテス製のバリエーションで ザウラー S4C 幌付トラック 'ザウラー ディーゼル' 1952 (1/50 型番211)の画像です。バリエーションといってもバスとトラックですから、ボンネットキャブが同じだけで、それ以外は大幅に変更されていました。これも当時のミニカーとしては良く出来ていました。このトラックも戦前から製造されていたモデルなので、ビテスの箱に表示されている1952年という年式は正しくないかもしれません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 1
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。幌の左側にはドイツ語でSAURERのロゴと「Sieger im wirtschattichen Wettbewerb」(英訳するとWinner in the economic Competition)と表示されていますが、ザウラーのディーゼルエンジンが経済的に一番優れているという意味でしょう。幌の右側はフランス語のようで、今一つ意味が分かりませんが、「ザウラーのトラックが一番優れている」という意味合いのようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 3
SAURER 3CT1D S4C TRUCK 4

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HOLDEN FJ 1953 AUSTRALIA

HOLDEN FJ
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HOLDEN FJ


TRAX 8001 1/43 全長102㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.41m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 2.2L 60HP 3段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでホールデンのミニカー検索

ホールデン FJ オーストラリア 1953年

 

 ホールデン社はオーストラリア唯一の自動車メーカーで、J.A.ホールデンが1856年に馬具製造会社として設立し、1926年から自動車の製造を始めました。主にアメリカのGM シボレーのノックダウン生産を行い、1931年にGM傘下のGM ホールデン社となりました。GM傘下ながらオーストラリアの過酷な風土に合わせてアメリカ車より小柄で頑丈な独自の中型車を開発し、オーストラリアの自動車市場をほとんど独占してきました。

 

 1948年に登場したホールデン FXは、1949年型シボレーとして企画されながら小さすぎるとして却下された車をベースにしていました。6気筒2.2L(52HP)エンジンを搭載したこの車はシンプルな設計ゆえ頑丈で、手頃な価格と適度な性能(3段変速で最高速130km/h)で、オーストラリアで一番売れた車となりました。デザイン的には同時期のアメリカ車そのものでしたが、サイズ的には全長4.37mと一回りほど小さかったです。(実車画像→ ホールデン FX 1948)

 

 

 FXの後継車として1953年にFJが登場しました。FXがベースでデザイン的にはフロントグリルが少しだけ新しくなっていましたが、ほとんど同じでやや古くさい感じでした。エンジンも6気筒2.2L(60HP)とほぼ同じで、性能も同等でした。4ドアセダン、2ドアピックアップ、2ドアパネルバンのバリエーションがあり、商業的に大成功しました。1958年までに約17万台が生産されました。

 ミニカーはオーストラリアのTRAX(トラックス)というブランド製で1987年頃に購入しました。TRAXは1986年に設立されたオーストラリアの現存するブランドで、主にホールデンを1/43サイズでモデル化しています。輸入されていないので最近の物はわかりませんが、1980年代のミニカーとしては並みの出来ばえで、初期の物は香港製でした。このホールデン FJはプロポーションが良く、特別に凝ったところはありませんが、そこそこの良い出来ばえでした。ただし実車は道路事情を反映して最低地上高がかなり高かったとのことですので、このミニカーは車高が下がりすぎです。(経年変化で車軸を支えるスプリングがへたっているようです) これ以外のホールデンのミニカーはディンキー(英)が1963年式をモデル化していますが、1950-1970年代のホールデン車のミニカーはこのTRAXぐらいしかモデル化していませんので、車種的には貴重なミニカーでした。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HOLDEN FJ 1
HOLDEN FJ 2

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PEGASO Z102 COUPE 1955 SPAIN

PEGASO Z102 COUPE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEGASO Z102 COUPE


NEO 45590 1/43 全長 
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.1m 全幅約1.6m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2.5L 170HP 5段変速
性能: 最高速193km/h   データーベースでペガソのミニカー検索

ペガソ Z102 クーペ スペイン 1955年

 

 スペインの高級車メーカーイスパノ スイザは航空機エンジン製造に専念する為に自動車生産から撤退し、その設備を1946年にトラックのメーカーであったENASA(エナサ)社に売却しました。またイスパノ スイザが1940年にスペインの企業グループと共同で設立したSIAT社が現在のフォルクスワーゲン傘下(1980年まではフィアット系列)の自動車会社SEAT(セアト)社の前身となりました。

 

 ENASA社はアルファ ロメオの技術者であったウィルフレード リカルトが設計を担当し、ペガソの名前でスポーツカーを生産しました。1951年に登場したペガソ Z102は、DOHC V型8気筒2.5L(170HP)エンジンを搭載する豪華なスポーツカーでした。ボディは有名なコーチビルダーのソーチックやツーリングが架装し、クーペとスパイダーがありました。3.2L(360HP)エンジンを搭載する高性能版は最高速249km/hと当時最速の量産車(?)でした。その後Z102B、Z102SS、Z103などが登場しましたが、1958年に生産中止となりました。総生産台数は100数十台だったそうです。現在のENASA社はフィアットの商用車部門IVEO(イベコ)傘下になっています。

 

 

 ペガソ Z102の量産ミニカーは最近までありませんでした。画像は最近になってモデル化されたネオ(NEO)製で材質はレジン製です。(ネオは量産ミニカーとは言えないレベルしか生産してませんが) このミニカーの画像はNEOのWEB SHOPから借用しました。 Z102のボディはコーチビルダーによって異なるのですが、これはツーリング製をモデル化しているようです。これ以外のペガソのミニカーはデアゴスチーニが「DeAgostini Supercars」というミニカー付雑誌(イクソ製)のNo.73でZ102をモデル化しています。

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HOLDEN EJ 1962 AUSTRALIA

HOLDEN EJ
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HOLDEN EJ


TRAX TRS39 1/43 全長108㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.72m エンジン 変速機: 6気筒 2.3L 65HP 3段変速 3段自動変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでホールデンのミニカー検索

ホールデン EJ オーストラリア 1962年

 

 前述したようにホールデン社はオーストラリア唯一の自動車メーカーでした。(2017年に自動車生産を終了しました) 1953年に中型車 ホールデン FJが登場しました。ホールデン FJは2代目(1956-1960)のFE/FC、3代目(1960-1962)のFB/EK、4代目(1962-1965)のEJ/EH、5代目(1965-1968)のHD/HRとモデルチェンジしていきました。1960年代前半までのホールデンには、この中型車とそのピックアップとバンしかありませんでした。1960年代後半になると小型車トラナ(TORANA)やスポーティな2ドアクーペなどが追加されました。

 

 1962年に登場したEJはそれまでのデザインを一新し、シボレー インパラをコンパクトにしたような斬新なスタイルを採用していました。6気筒2.3L(65HP)エンジンを搭載し、3段変速/3段自動変速で最高速140km/hという性能でした。セダンとバンにスタンダードとスペシャルの2タイプがあり、セダンには豪華版のプレミアがありました。EJは約15万台が生産されました。当時のオーストラリアではこのEJとその派生車(ワゴン/バン/ピックアップなど)が圧倒的なシェアを持っていたようです。1965年に5代目のHD/HRにモデルチェンジし、1968年に登場したHK/HT/HGではサイズが大きくなり、ベルモント、キングスウッド、プレミア、ブロアム、モナロという名前が付けられました。(実車画像→ ホールデン HT キングスウッド 1968)

 

 

 ミニカーはオーストラリアのTRAX(トラックス)製で2002年頃に購入しました。TRAXは1986年に設立されたオーストラリアの現存するブランドで、主にオーストラリアの車を1/43サイズでモデル化しています。このミニカーはホールデン EJの40周年記念モデルとして発売されたセット物で、2台のホールデン EJ(銀Mと薄金M)が専用の梱包箱に収められていました。実車の雰囲気が良く再現されていて、なかなか味のある良い出来ばえでした。ホールデンのロゴなどの細部も丁寧に仕上げてありました。40周年記念モデルが出る程なので、EJはオーストラリア国内で昔懐かしい車として人気があるのでしょう。TRAXはこの記念モデル以外に単品でEJのセダンとワゴンもモデル化しています。これ以外のホールデン EJのミニカーはディンキー(英)の当時物がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HOLDEN EJ 1
HOLDEN EJ 2

 以下は上記の40周年記念セットのもう1台の画像とセット物の梱包箱の画像です。2台のEJのミニカーは単純な色違いで細部の違いは無いようです。梱包箱は上蓋が左右に開くようになっている凝った紙箱でした。(最近のプラスチック製のディスプレイケースは無機質で味気ないですが、こんな感じの紙製の梱包箱はいいですね) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HOLDEN EJ 3
HOLDEN EJ 4

 以下は1963年に発売されたディンキー(英)製の当時物 ホールデン EJ スペシャル セダン(1/43 型番196)の画像です。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。ヘッドライトとテールライトにラインストーンを使っているのは当時の流行りで、少し高級な仕上げでした。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きです。なお上記のTRAX製ミニカーと見比べるとスケールモデル的な観点では見劣りします。ただしこのディンキー(英)製は60年以上も昔に製作されたビンテージミニカーで、当時の技術や時代背景の下で作られたビンテージミニカーには最近のミニカーとは違う魅力があります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HOLDEN EJ SPECIALE 1
HOLDEN EJ SPECIAL 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。ラインストーン製のライトがキラリと光るのはビンテージミニカーの魅力の一つです。本来はトランク内にスーツケースが入っているのですが欠品しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HOLDEN EJ SPECIALE 3
HOLDEN EJ SPECIAL 4

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WARTBURG 312 CABRIOLET 1962 GDR

WARTBURG 312 CABRIOLET
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WARTBURG 312 CABRIOLET


MINICHAMPS 430015934 1/43 全長100mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.3m 全幅約1.57m エンジン 変速機: 2サイクル3気筒 1L 52HP 4段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでワルトブルグのミニカー検索

ワルトブルグ (ヴァルトブルク) 312 カブリオレ 東ドイツ (現ドイツ) 1962年

 

 ワルトブルグ(ヴァルトブルク)は旧東ドイツの小型車のブランドで、東ドイツの国営企業のアイゼナハー社(Eisenacher Motorenwerk 略してEMW社)が生産していました。アイゼナハー社は第2次大戦前はBMWのアイゼナハー工場でした。ワルトブルグ車は第2次大戦前のDKW車をベースにしていて、最初のモデル 311は1956年に登場しました。311は2サイクル水冷3気筒900cc(40HP)エンジンを縦置きに搭載した前輪駆動の4人乗り小型車で、4段変速で最高速は115km/hでした。なおワルトブルグという名前は工場所在地であるアイゼナハーにあるワルトブルグ城に由来していました。

 

 ワルトブルグ車には戦前のBMWアウトウニオン(DKW)の技術が生かされていたので、同時代の西側諸国の車に比べても見劣りしない性能の車でした。1962年にはエンジン排気量を1L(52HP)にアップしシャーシを改良した312が追加されました。クーペ、カブリオレ、ロードスター、ワゴンなどが追加され、1960年代には西ドイツやアメリカなどに輸出されました。1966年頃までに約25万台が生産されました。1966年に後継車の353が登場しました。1990年に東西ドイツが統一され、ワルトブルグの工場はオペルに買収されました。(実車画像→ ワルトブルグ 353 1966)

 

 

 ミニカーは2003年に発売されたミニチャンプス製です。ワルトブルグ 311の改良型である312のカブリオレをモデル化しているようです。なおこのミニカーの紙箱には1958年と表示されていましたが、ミニカーの底板には1962-1966と表示されていたので1962年式と判断しました。(ただし実車の年式は資料によって違いがあるので、正確なところは不明ですが) ミニチャンプスらしいそつのない造形で、実車の雰囲気がうまく再現されていました。フロントグリルの形状や室内などの細部までリアルに再現されていました。(ただしフロントグリルの形状はこれと異なる実車画像がありますが) 昔のドイツ車のカブリオレなので、寒冷地対応の分厚い幌が畳んだ状態でも大きくかさばっています。この車は今見ると単に古臭いスタイルですが、1960年代当時としてはかなりかっこいい車だったのでしょう。ミニチャンプスは4ドアセダンと2ドアクーペもモデル化しています。これ以外のワルトブルグ 311/312のミニカーは、ブレキナのセダンとクーペとワゴン 1/87、イスト モデルのセダンとクーペとワゴン、ホワイトボックスのワゴンなどたくさんモデル化されていて、実車の人気が高かったことを反映しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

WARTBURG 312 CABRIOLET 1
WARTBURG 312 CABRIOLET 2

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