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GM ポンティアック GTO ”ザ ジャッジ” アメリカ 1969年
1968年にポンティアック GTO 2代目が登場しました。2ドアクーペ/コンバーチブルがあり、2ドアとなったことでボディはやや小さくなりました。外観は先代のGTOよりスタイリッシュなセミファーストバックとなりました。先代後期型の特徴であった縦2列ヘッドライトはグリル内に格納される横4灯式ヘッドライト(格納式はオプション設定)となりました。また低速の衝突では変形しないボディ同色の衝撃吸収バンパー(世界初)が採用されました。V型8気筒6.6L(350HP)エンジンが搭載され、4段変速/3段自動変速で最高速196km/hの性能でした。
1969年に三角窓が廃止されフロント/リアの意匠が小変更されました。GMは1968年に登場してベストセラーとなったクライスラーのプリマス ロードランナーに対抗する為に、GTOに高性能なジャッジ パッケージ(オプション設定)を1969年に追加しました。ジャッジはV型8気筒6.6L(366-370HP)エンジンを搭載し高性能タイヤを履きリアスポイラーが追加されていました。標準装備を簡素化したことで、安価ながら見ばえのするマッスルカー(高性能車)となっていました。1970年にV型8気筒7.5L(360HP)エンジンが追加されました。1970年代になるとマッスルカーの人気は低迷し、1971年にジャッジの設定がなくなりました。1973年にポンティアック GTOは3代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ GM ポンティアック GTO 1973)
ミニカーは2022年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションの1台です。ポンティアック GTO ジャッジをモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) 実車の画像と見比べるとプロポーションが良く、オレンジのカラーリング、黒のピンストライプ、前フェンダー先端のジャッジのロゴ(THE JUDGE)など実車が忠実に再現されていることが分かります。さらにリアのスポイラー、ボンネット上のフードマウントタコメータ(運転席手前のボンネット上にタコメーターを装備するオプション)、ナンバープレートが再現され、室内もそこそこリアルに出来ていました。定価が2000円ほどの安価なミニカーにここまでレベルの高い仕上げができるのは、本国アメリカではこのミニカーが大量に売れているからだと思います。(日本ではあまり売れないと思いますが、アメリカでは人気のある車種ですから) これ以外のGTO ジャッジのミニカーはフランクリン ミントの1/24と1/43、ダンバリー ミントの1/24、アーテルの1/18、グリーンライトの1/64、M2マシンの1/64などたくさんあります。 以下はフロント(フェンダー部分拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー コルベア モンザ コンバーチブル アメリカ 1969年
GMの小型車として大成功したコルベアは1965年に2代目にモデルチェンジしました。初代のイメージを残しながら、よりスポーティで洗練されたスタイルとなりました。リアに搭載するエンジンは初代と同じ空冷水平対向6気筒2.7L(95-110-140HP)で、ターボチャージャー付(180HP)高性能版もオプション設定されました。先代にあったピックアップとステーションワゴンは設定されませんでした。180HPエンジンを搭載した高性能版コルサは4段変速で最高速184km/hの性能でした。(実車画像→ コルベア 4ドア セダン 1965)
このような高出力エンジンをリアに搭載する車は操縦安定性の確保が難しいのですが、コルベアもオーバーステアでコントロールを失い横転する事故が初代から発生していました。1965年にこの問題を消費者運動家のラルフ ネーダー氏が危険な欠陥車として糾弾し、当時大きな社会問題となりました。(ただしこの問題の主な原因であるリアサスペンションは1964年に設計変更されていましたが) そんなことがあって人気が落ちて売れなくなったコルベアは1969年に生産中止となってしまいました。この件で当時の小型車ブームも下火となりました。
ミニカーは2007年頃に発売されたヤトミン製のロードシグネチャーシリーズです。上級仕様モンザのコンバーチブルをモデル化しています。定価1400円の安価なミニカーでしたので、灯火類や室内などの細部は簡素な仕上げですが、コルベアの美しいデザインはうまく再現されていました。ヤトミンは1/18でもコルベア モンザをモデル化していました。これ以外のコルベア 2代目のミニカーはサンスターのクーペ 1/18、ガムダ クールのクーペなどがあります。「欠陥車」問題で人気がなくなったことが原因なのか、コルベア 2代目はあまりモデル化されていません。特に4ドアセダンは実に美しいスタイルをしているのですが、ミニカーが無くて残念です。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マーキュリー マローダー X100 アメリカ 1969年
1960年代のマーキュリーのラインアップは下位からコンパクトカーのコメット、中級車のメテオ、フルサイズカーのモントレー、モンテクレア、パークレーン、S-55、ワゴンのコロニーパークなどがありました。S-55は1962年から1963年と1966年から1967年の各2年間だけ生産された特別仕様の高性能車でした。1963年にフルサイズカーの高性能仕様としてマローダーが設定されました。1969年にマローダーはS-55の後継車として独立したブラントとなりました。(実車画像→ マーキュリー S-55 1966)
マローダーはV型8気筒6.4L/7L(360HP)エンジンを搭載したマッスルカーで、3段変速で最高速210km/h(7L)と高性能でした。デザイン的には同時期の高級車リンカーンとよく似たフロントなど見た目は上品な豪華車でした。ただ1970年頃ののアメリカのフルサイズカーはこのような感じのデザインばかりでしたが。1970年代になるとこの類のマッスルカーの需要がなくなり1970年に生産中止となりました。2003年にDOHC V型8気筒6.4Lエンジンを搭載した高性能車でマローダーの名前が復活しましたが、販売は芳しくなく2004年に生産中止となりました。(実車画像→ マーキュリーマローダー 2003)
ミニカーは2004年に発売されたミニチャンプス製で、高性能版のX-100をモデル化しています。このミニカーは2004年に発売された12台セットのフォード100周年記念セットの1台としてモデル化されたもの(茶色)で、この型番400082120は色違いで単品販売されたものです。100周年記念に選択された車ですので、マローダーはフォードの歴史上重要なモデルなのでしょう。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえで、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。X-100に装備されたリアフェンダーに追加されたスカートと室内のセンターコンソール部の自動変速機のU字型シフトレバー、床下部分のサスペンションなどの細部も再現されています。シンプルな外観の大型車のミニカーは大雑把な感じになりやすいのですが、このミニカーは細部まできちんと再現されているのでリアリティがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード サンダーバード アメリカ 1969年
フォード サンダーバード 5代目が1967年に登場しました。ボディは大きくなり、フロント全面をグリルにしてヘッドライトをグリル内に格納するといった独創的なデザインが採用されました。テールライトも先代譲りの大きな物が使われました。1968-70年には格納式ヘッドライトを採用してフロント全面をグリルにするデザインの車がたくさん出ているのですが、このサンダーバードはその代表的な車でした。(実車画像→ヘッドライト開閉の動画)
1964年に登場したマスタングとの差別化を計るため、観音開きの4ドアセダン仕様が設定され高級車として内装も豪華になっていきました。ボディが大型化されたことで、サンダーバード 5代目(4ドアセダン)は上級車のリンカーン コンチネンタル MK IIIとボディを共通化するようになりました。標準のエンジンはV型8気筒6.4L(315HP)、1968年にV型8気筒7L(360HP)が追加されました。1970年に大幅なデザインの変更がされ、特にフロントグリルは中央部が大きく突き出したデザインに変わりました。(実車画像→サンダーバード 1970年式)1972年に7代目にモデルチェンジし、サンダーバードとしては最大のサイズ(全長5.73m)となりました。(実車画像→サンダーバード 1972年式)
ミニカーは1969年に発売されたディンキー(仏)製で、2ドアクーペ(ランドー)をモデル化しています。大柄なアメリカ車を1/43でモデル化しているので、全長121㎜と大きなサイズになっています。当時最盛期であったディンキー(仏)はリアルな造形が特徴でしたので、このサンダーバードも当時としてはかなり良い出来ばえでした。(ランドージョイントを付けてあれば、さらにリアルになったのですが) 単4電池を使用してボディを下に押し下げると、テールライトが点灯するギミックがついていました。当時のアメリカ車はあまりミニカーになっていないので、このサンダーバードは当時物ミニカーとして貴重です。これ以外のサンダーバード 5代目のミニカーはナコラルの当時物、最近ではJOHNNY LIGHTNINGの1/64やNEO(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。リアの拡大画像はテールライトが点灯します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード GT40 (MK I) アメリカ 1969年
フォード社は自社のイメージを上げる為に、耐久レース(ルマン、デイトナ、セブリングなど)に参戦することを計画しました。その手っ取り早い方法としてイタリアのフェラーリを買収する交渉を始めましたが、この交渉は失敗しました。そこでイギリスのローラ社と提携し、フォードのエンジンを搭載するローラ MK VI GTをベースにしたレーシングカーの自社開発に乗り出しました。(実車画像→ ローラ MK VI GT 1963)
1964年にフォード GT (MK I)が完成しました。鋼鉄製モノコックシャーシにFRP製ボディを載せる構造で、エンジンはインディカー用に開発されたV型8気筒4.7L(350HP)をミドシップ搭載していました。 この車は公開時に車高が40インチ(1016mm)であることに驚いた記者がつけたGT40という通称で呼ばれるようになりました。(正式な名前はGTで、GT40とは厳密にはスポーツカークラスに認証された市販レーシングカーを示すようですが、当サイトでは全て通称のGT40で統一しています)
1964年のデビュー戦はニュルブルクリングでリタイア、ルマンでもリタイアといった結果でした。1965年にはキャロル シェルビーがレースを統括することになり、デイトナで初めて勝利しましたが、あとは散々な結果でした。この経験を踏まえて、エンジンを7L(472HP)にパワーアップしたMK IIが1966年に登場しました。1966年ルマンでMK IIは1-2-3フィニッシュで優勝し、これはルマンでのアメリカ車の初優勝でした。
1967年にJカーという名前で新規開発した車がMK IVとして登場し、ルマンとセブリングに出場しどちらも優勝しました。(実車画像→ フォード Jカー) 1968年のレギュレーション変更で5Lを超える大排気量エンジンが使えなくなったので、フォードは1967年限りでワークス活動を中止しました。その後もフォード系列のレーシングチームがMK I(5Lエンジン搭載)で1968年と1969年に優勝し、ルマン4連覇を達成しました。なおスポーツカークラスの認証用に生産されたMK Iの市販仕様がMK IIIで、ヘッドライトが丸形4灯になり、内装などが変更されていました。2005年にフォード100周年を記念して、GT40をリメイクしたGTが限定生産されました。(実車画像→ フォード MK III 1966) (実車画像→ フォード GT 2005)
ミニカーは1992年頃に発売されたジョエフ製で、細部まで精密に再現したことを売り物にして数種類だけ製作されたシリーズの1台です。 GT40(MK I) 1969年ルマン優勝車(GULFカラー)をモデル化しています。ドアや前後パネルが開閉し、1/43サイズながらエンジンやシャーシなどがかなりリアルに再現されていました。プロポーション的にはややダイナミックさが物足りない感じも少しありますが、メカ部分の精密な再現は非常に高く評価できます。ルーフと一体化されたドアがスムーズに開閉し、室内もインパネが良く再現されています。フロントパネルの下にはスぺタイヤやエアダクトが再現されています。リアカウルを開くとエンジンと複雑な形状の排気管、ギヤボックス、リアサスペンションのコイルスプリングなどが実にリアルに再現されています。以下は/フロント/フロントパネルを開いた画像と/リア/リアカウルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)