ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

NISSAN (DATSUN) TYPE 70 1937 JAPAN

NISSAN (DATSUN) TYPE 70
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN (DATSUN) TYPE 70


REEN REPLICA 3 1/43 111mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.75m 全幅約1.72m エンジン 変速機: 6気筒 3670㏄ 85HP 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースで初期の国産車のミニカー検索

日産 (ダットサン) 70型 日本 1937年

 

 1923年(大正12年)9月に関東大震災が発生し、当時の主要な輸送手段であった鉄道が壊滅的な被害を受けました。その為震災の復興では自動車(主にトラック)が活躍しました。この自動車需要の急増に対応したのはアメリカの自動車メーカーでした。その状況で今後も日本での需要が伸びることを予想したアメリカの自動車メーカーは、1925年にフォード日本、1927年に日本GMを設立し日本でライセンス生産を開始しました。(フォードは横浜、GMは大阪に組立工場がありました) 日本の自動車製造はまだ緒に就いたばかりでしたので、自動車の国内市場(トラック/大型車)はこの2社で独占されることになりました。

 

 この状況に対応して、外資系のメーカーを排除して国産自動車を育成する為に1936年に「自動車製造事業法」が制定されました。この法律に後押しされて、日産がアメリカのグラハム ペイジ(Graham-Paige)社と提携し同社の生産設備を導入して製造したのが日産 70型でした。日産 70型は6気筒3.7Lエンジンを搭載する大型車でした。グラハム ペイジの図面で製造したので、外観はグラハム ペイジそのままでした。セダン以外にフェートン(幌付きのオープンカー 主に軍用)があり、約5500台が生産され国産初の量産大型車となりました。(実車画像→ グラハム ペイジ 1936)

 

 

 ミニカーは1976年に発売されたリーンレプリカ製です。リーンレプリカは個人コレクターが起ち上げたブランドで、ホワイトメタル製の1/43で初期の国産車を6車種ほどモデル化していました。個人が製作していたのでコストがかけられず、ウィンドーや室内の造形が省略された簡素な作りになっています。素朴な作りですが、プロポーションが良く実車の雰囲気をうまく再現していました。カラーリングも当時の車らしい感じになっていました。日産 70型はこれしかミニカーがないので、初期の日本車のミニカーとして非常に貴重な存在です。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DATSUN (NISSAN) TYPE 70 1
DATSUN (NISSAN) TYPE 70 2

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MERCEDES-BENZ 770K SERIES II (W150) 1938 GERMANY

MERCEDES-BENZ 770K SERIES II (W150)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K SERIES II (W150)


RIO 21 1/43 145mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2.07m エンジン 変速機: 8気筒 7.66L 155HP(過給時230HP) オーバードライブ付4段変速
性能: 最高速170km/h  データーベースでメルセデス ベンツ 770のミニカー検索

メルセデス ベンツ 770K シリーズ II (W150) ドイツ 1938年

 

 メルセデス ベンツの最上級車メルセデス ベンツ 770K (W07)は1938年にシリーズ II(W150)にモデルチェンジしました。シャーシが全面的に新設計され、コイルスプリングによる全輪独立懸架が採用されました。V型8気筒エンジンは同じでしたが全モデルが過給機付となり230HPにパワーアップされ、5段変速で最高速は170km/hになりました。リムジンとカブリオレF(オープンツアラーとも呼ぶようです)/カブリオレDがあり、どちらにも特注の装甲仕様がありました。装甲仕様は車重が3.6tから4.8tに増加したことで、最高速は80km/hだったそうです。

 

 770K (W150)は1943年まで生産され総生産台数は88台でした。そのほとんどはナチス政権の公用車/軍用車で個人が購入したのは数台でした。ナチス政権の上級士官がパレードに使ったのは装甲仕様がされていたと思われるカブリオレFでした。カブリオレFとは運転席と後席との間に仕切りがあるリムジーン形式の7人乗りカブリオレで、2列目シートが補助席となっていてパレードなどに使いやすいタイプを示すようです。カブリオレDも同じ形式ですが2列目シートがない5人乗りです。派生車として後輪を2軸にしたオフロード仕様のG4 (W31)がありました。

 

 

 ミニカーは1960年代に発売されたリオ製です。770K(W150)のカブリオレFをモデル化しています。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて、初期のリオ製ミニカーを代表的する傑作です。ボディ後方の畳んだ幌が目立ちますが、ドイツは寒いお国柄故に幌が分厚いので畳んでもこのように大きくかさばるのです。ボンネットを外すと8気筒エンジンが再現されていて、床下部分のシャーシも実際にコイルで吊った独立懸架サスペンションを再現しているなどかなり凝ったつくりとなっています。これ以外にもリオはフィギュアを付けたナチス政権時代の公用車など約20種類の770Kのバリエーションをモデル化しています。(参照ページ→ VIPCAR ドイツのVIPCAR) 770K(W150)のミニカーといえば以前は戦前のメルクリンの超レア物とこのリオ製とフランクリン ミントの1/43ぐらいしかありませんでしたが、最近になってヤトミンのシグネチャー シリーズの1/18でもモデル化されました。(770K W150はナチス政権の車というイメージがあるので、あまりモデル化されないのです) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ 770K 1
MERCEDES-BENZ 770K 2

 以下はボンネットを取り外したエンジンルームの画像と床下部分の画像です。サスペンションの車軸は実車同様にコイルスプリングで吊られています。実車とは構造が少し違いますがサスペンションは実際に可動します。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K 3
MERCEDES-BENZ 770K 4

 以下は2005年に発売されたリオ製のメルセデス ベンツ 770K カブリオレ (1/43 型番4021)の画像です。リオは2004年頃にM4社のブランドとなったのですが、これはM4のブランドとなった後で上記の型番21の細部をリファインして2005年に発売したものです。基本的な部分は型番21と同じなのですが、フロントグリルのベンツのマスコットがエッチングパーツに変えられ、サイドのモールディングが追加され、室内のインパネのメータが再現されるなどして旧モデルよりも仕上げレベルが上がりました。ただしその分ミニカーのお値段もしっかりレベルが上がりました。(リオはまだイタリアで国内生産していますので人件費が高いということもありますが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K 5
MERCEDES-BENZ 770K 6

 以下は1960年代に発売されたリオ製のグロッサー メルセデス 770K カブリオレ (1/43 型番22) の画像です。これは上記型番21の幌を閉じたバリエーションです。幌とカラーリング以外は上記型番21と同じものですが、幌を閉じるとかなりイメージが違って見えます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K 7
MERCEDES-BENZ 770K 8

 以下は2005年に発売されたリオ製のグロッサー メルセデス 770K カブリオレ (1/43 型番4022) の画像です。これもリオがM4ブランドになってから発売された上記型番22の仕上げレベルを上げたリファイン版です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K 9
MERCEDES-BENZ 770K 10

 以下は1987年に発売されたリオ製のメルセデス ベンツ 770K リムジン (1/43 型番85)の画像です。これは上記型番21/22のバリエーションでハードトップ仕様のプルマン リムジーンをモデル化しています。カブリオレのボディにハードトップを固定した実車同様の作りになっています。このハードトップの中央部分に段が付いているのが気になりますが、実車の写真にもこのような段が付いています。たぶんこの段が付いた部分はパレードなどの際には取り外すことができるのだと思います。(開口部分が運転席の上にもあるのが少し気になりますが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K 11
MERCEDES-BENZ 770K 12

 以下は1996年頃に発売されたフランクリン ミント製のメルセデス ベンツ 770K カブリオレ (1/43 型番PW43) の画像です。1920-1930年代の高級車を1/43でモデル化したフランクリン ミントの「World`s Great Classic Cars」シリーズの1台で、770KのカブリオレFをモデル化しています。当時のミニカーとしては金属製パーツの多い少しレトロな作風ですが、フランクリン ミント製らしい凝ったつくりで良く出来ています。ボンネット取外し/4ドアの開閉ギミック付で、床下部分のシャーシやサスペンションはリオ以上にリアルな造形になっています。(ただしリオのように本物のコイルスプリングではないのでサスペンションが可動するわけではありませんが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K 13
MERCEDES-BENZ 770K 14

以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と床下部分の画像、リオ製とフランクリン ミント製を並べてみた画像です。サイドウィンドーを全て上げた状態でモデル化しているリオ製に比べると、フランクリン ミント製はウィンドーを下げた状態になっているので見た目のイメージが違って見えますが、両車を並べてみるとプロポーションなどはほとんど同じなのが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 770K 15
MERCEDES-BENZ 770K 16

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MERCEDES-BENZ W154 1938 GERMANY

MERCEDES-BENZ W154
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W154


SPARK S1032 1/43 ㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC V型12気筒 3L スーパーチャージャー 483HP
 5段変速
性能: 最高速309km/h  データーベースでメルセデス ベンツ W154のミニカー検索

メルセデス ベンツ W154 ドイツ 1938年

 

 1938年に新しい3Lフォーミュラ(過給3L 無過給4.5L 排気量に応じて最低重量400-850㎏)が施行され、それに対応したメルセデス ベンツ W154が開発されました。W125をベースにしてサスペンションを改良し、エンジンが小さくなった分ボディが低くなり空力的に改善されました。W125同様にW154も圧倒的に強く1938年の主要な6レースで勝利しています。1939年は戦前最後のグランプリシーズンとなり、W154はスーパーチャージャーを2ステージ化してパワーアップし、フロントグリルの形状などを変更したボディが載せられました。この1939年式のW154をW163と呼ぶこともあるようですが、これは厳密には正しくないようです。W154は1939年に5勝しています。

 

 ドイツと同じようにムッソリーニ政権下のイタリアでもグランプリレースを国威発揚に利用していました。ドイツ勢に対抗すべくイタリアは1939年5月のトリポリ GPを自国に有利な1.5Lフォーミュラで行うことを1938年8月に決定します。これに対してメルセデス ベンツは8ヶ月ほどでW165を開発しました。W165はW154のミニチュア版で、ホイールベースが短く、V型8気筒1.5Lエンジン(278HP)を搭載していました。W165はトリポリ GPで1-2フィニッシュし、イタリアの思い通りにはなりませんでした。

 

 

 ミニカーは2009年に発売されたスパーク製です。画像はスパークのWEBサイトから借用しました。1938年のトリポリ GPで優勝したW154(ドライバー H.ラング)をモデル化しています。スパークはメルセデス ベンツの特注品としてW25、W125、W154、W154(1939)、W165をモデル化していて、このW154はそれを一般市販したものです。これ以外のW154のミニカーは、かなり昔のビンテージ物のメルクリンとマーキュリー、最近のブルムなどがあります。

 以下は1981年に発売されたブルム製のメルセデス ベンツ W154 1939 (1/43 型番R037)の画像です。1939年のドイツ GPで優勝したW154 #12 (ドライバー R.カラツィオラ)をモデル化しているようです。ただしミニカーの全長が88㎜程なので1/43換算で計算すると全長が3.7mとなり、W154の寸法と合いません。このサイズはW154の小型版W165の全長3.7mと一致します。ブルムは型番R037と同じ型を使った型番R037Bで1939年のトリポリ GPで優勝したW165をモデル化していますので、この型番R037はW154ではなく正しくはW165をモデル化したようです。ブルム初期のミニカーにはこんな具合に実車考証が適当なものがありました。(ただしこれが分かったのも最近のことで、それまでは全然気がつきませんでしたが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ W154 1
MERCEDES-BENZ W154 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W154 3
MERCEDES-BENZ W154 4

 以下は1989年に発売されたブルム製のメルセデス ベンツ W154 #46 インディアナポリス 1947 (1/43 型番R175)の画像です。年式が1947年となっていますが、これは戦後になって発見された車でアメリカのレーシングカーチームのオーナーのドン リー(Don Lee)が購入したものでした。そのW154は1947年のインディアナポリスに参戦しましたが、このミニカーはその車をモデル化しています。(ただしこれもW165のサイズになっていますので実車とは少し外観が違っていますが) ボディにはオーナーの名前「Don Lee」が表示されています。なおレースの結果はエンジン破損でリタイヤでした。(実車画像→ メルセデス ベンツ W154 1947 ) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ W154 5
MERCEDES-BENZ W154 6

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AUTO UNION TYPE D 1938 GERMANY

AUTO UNION TYPE D
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUTO UNION TYPE D


BRUMM R109 1/43 99㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m 全幅約1.66m エンジン 変速機: 12気筒 3L スーパーチャージャー 420HP 5段変速
性能: 最高速330km/h  データーベースでアウトウニオン タイプ A-Dのミニカー検索

アウトウニオン タイプ D ドイツ 1938年

 

 1938年にGPカー(F1)の新しい3Lフォーミュラ(排気量上限 過給3L 無過給4.5L 排気量に応じて最低重量400-850㎏)が施行され、それに対応したアウトウニオン タイプ Dが開発されました。タイプ Cをベースにしていましたが、エンジンがV型16気筒6LからV型12気筒3L(420HP)に変更されてサイズが小さくなったのでコクピットが後ろに移動して一般的なGPカーのスタイルに近くなりました。1939年にはスーパーチャージャーが2ステージ化され、485HPにパワーアップされました。

 

 タイプ Dの主な戦歴としては1937年にチームに加入したイタリア人ドライバーのT.ヌヴォラーリがドライブしてイタリア GPとイギリス(ドニントン) GPなどで優勝しましたが、あまり芳しい成績は残せませんでした。1939年のフランス GPではドライバー H.ミュラーで優勝しました。アウトウニオンのミッドシップレイアウトは操縦性に問題が多い(運転が難しい)レイアウトでしたが、第2次世界大戦後のレーシングカー設計に多大な影響を与えました。大戦後の1947年にクーパーがF3でミッドシップレイアウトを採用し、その後1960年代になるとミッドシップがF1の標準レイアウトになりました。

 

 

 ミニカーはブルム製で1984年頃に発売されました。1938年のイギリス GPの優勝車をモデル化しています。実車の雰囲気がうまく再現されていて、1980年代のミニカーとしては良く出来ていました。ただこれも前述した同じブルム製のタイプ Cと同様にデカールが経年劣化しています。ブルムは ドライバー T.ヌヴォラーリのフィギュア付でイタリア GP 優勝車もモデル化しています。これ以外のタイプ Dのミニカーは戦前のメルクリンの超レアな当時物、マーキュリーの古い当時物、ミニチャンプスのイギリス GPとイタリア GP仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AUTO UNION TYPE D 1
AUTO UNION TYPE D 2

 以下は2004年に発売されたブルム製のアウトウニオン タイプ D #22 イタリア GP 優勝 (1/43 型番S061)の画像です。1938年のイタリア GPの優勝車にドライバー T.ヌヴォラーリ(Tazio Nuvolari)のフィギュアを付けた限定生産品です。 T.ヌヴォラーリは1937年にスクーデリア フェラーリ(アルファ ロメオのワークスチーム)からアウトウニオンに移籍し、1938年のイタリア GPなどで優勝しました。彼は黄色のシャツを着てレースに臨んでいたそうですが、フィギュアはその服装や風貌などがうまく再現されています。当時はこのような軽装でF1レースをしていたのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUTO UNION TYPE D 3
AUTO UNION TYPE D 4

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HORCH 853A SPORT CABRIOLET 1938 GERMANY

HORCH 853A SPORT CABRIOLET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HORCH 853A SPORT CABRIOLET


MINICHAMPS AUDI特注品 1/43 128㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.5m エンジン 変速機: 8気筒 5L 120HP 4段変速 オーバードライブ付
性能: 最高速140km/h  データーベースでホルヒのミニカー検索

ホルヒ 853A スポーツ カブリオレ ドイツ 1938年

 

 ベテラン期にベンツ社の工場長を務めていた技術者アウグスト ホルヒ(August Horch)は、1899年に独立してホルヒ社を設立し1901年から自動車製造を始めました。ホルヒ社は先進的で高品質な小型/中型車を生産していました。1909年にアウグスト ホルヒは技術/品質にこだわって出資者の経営陣と対立して自分が設立した会社を去りました。彼はホルヒという名前の別会社を設立しましたが、元のホルヒ社からクレームが付き、1910年に名前をアウディ社に変更しました。なおホルヒとはドイツ語の「聞く」という意味の「horchen」に由来し、アウディ「audi」もラテン語の「聞く」という意味だそうです。

 

 創業者が去った当時のホルヒは4気筒2.6Lエンジンを搭載した中型車10/30などを製造していましたが、次第に高級な大型車を製造するようになりました。1926年に直列8気筒3.1Lエンジンを搭載した303が登場し、1930年には直列8気筒4L/5Lエンジンを搭載した400/500が登場しました。1933年にドイツ初のV型8気筒エンジンを搭載した830が登場し、その後1935年に850、それをベースにした853、951が登場しました。1939年には流線形ボディを採用した930が登場しましたが、第2次大戦の勃発で量産化はされませんでした。ホルヒは同じジャンルの高級車メルセデス ベンツより安かったことで好評だったようです。なおアウグスト ホルヒが設立したアウディ社も高性能な高級車を製造していて、モータースポーツで活躍していました。(実車画像→ ホルヒ 830)

 

 

 1932年にホルヒ社はアウディ社、DKW社、ヴァンダラー社の民族系3社と協同でアウトウニオン社を結成しました。ホルヒはアウトウニオン社の最上級モデルを担当し、ポルシェ博士が設計したアウトウニオンのGPカー Pヴァーゲン(タイプA B C)もホルヒが製作しました。ホルヒは第2次大戦中は軍用車の生産に専念し、戦後はアウトウニオン社が解体されてホルヒの名前は消えました。

 ミニカーは2003年頃に発売されたミニチャンプス製でアウディ特注品です。1937年に登場した8気筒5Lエンジンを搭載した853Aのカブリオレをモデル化しています。同じ型の一般市販品(型番436012030 赤茶色の内装)とは内装の色を変えて特注品としています。アウディ社が特注しているということはホルヒ車はアウディ社の歴史の一部といった扱いなのでしょう。ミニカーはミニチャンプスらしいそつのないとても良い出来ばえです。特に豪華な室内はかなりリアルに再現されています。またフロントグリルのアウトウニオンの4輪ロゴ、グリル上のマスコット(翼の付いた矢)、灯火類などの細部も良く再現してあります。ミニチャンプスは853Aのカラーバリエーション数種類と855 ロードスター数種類もモデル化しています。これ以外のホルヒのミニカーはメルクリンの戦前の当時物(とんでもないレア物です)、RICKOの851と930V 1/87、ブッシュの853 カブリオレ 1/87、イクソ(ホワイトボックス)の 853A カブリオレ、サンスターの855 ロードスター 1/18などがあります。  以下はフロント(フロントグリル拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HORCH 853A SPORT CABRIOLET 1
HORCH 853A SPORT CABRIOLET 2

 以下は床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HORCH 853A SPORT CABRIOLET 2

 以下は2005年に発売されたミニチャンプス製のホルヒ 855 スペシャル ロードスター 1938 (1/43 型番436014200)の画像です。855は上記853Aのロードスター仕様で、エンジンは同じ8気筒5Lエンジンですが、2シーターでスポーティなボディとなっていました。このミニカーもミニチャンプスらしいそつのないとても良い出来ばえです。赤茶/銀のツートンのカラーリングが綺麗で、このカラーに合わせた赤い豪華な内装もリアルに再現されています。この855もカラーバリエーションが数種類あります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HORCH 855 SPECIAL ROADSTER 1
HORCH 855 SPECIAL ROADSTER 2

 以下は以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HORCH 855 SPECIAL ROADSTER 3
HORCH 855 SPECIAL ROADSTER 4

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