ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ROLLS ROYCE PHANTOM II CABRIOLET 1932 UK

ROLLS ROYCE PHANTOM II CABRIOLET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM II CABRIOLET


RIO 39 1/43 138㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m エンジン 変速機: 6気筒OHV 7668cc 約120HP 4段変速
性能: 最高速148km/h  データーベースでロールス ロイス ファントムのミニカー検索

ロールス ロイス ファントム II カブリオレ イギリス 1932年

 

 1929年にロールス ロイス ファントム IIが登場しました。ハイポイドギヤによるリアドライブを採用したリアサスペンションなどが改良された新しいシャーシに、ファントム Iと同じ6気筒エンジンを改良して搭載していました。ノンシンクロの4段変速機はエンジンと一体化され、1935年には2/3/4速にシンクロが設定されました。ホイールベースは約3.66mと約3.81mの2タイプがあり、ロールス ロイス社はシャーシのみを販売し、ボディはコーチビルダーが架装していました。

 

 1931年頃にショートホイールベース仕様でサスペンションのスプリングを強化した、ファントム II コンチネンタルが追加されました。この車は優れた操縦性で当時最高のスポーティ サルーンでした。ファントム Iの欄で記載しましたが、アメリカ向けのファントム Iはアメリカの工場で生産されていました。この工場は1931年に閉鎖されましたので、アメリカ向けのファントム IIはイギリス本国で生産されました。1935年に後継車ファントム IIIが登場し、1936年に生産中止となりました。総生産台数は約1700台(コンチネンタル 約300台)でした。

 

 

 ミニカーはリオ製で1976年に発売されました。ロングホイールベースの豪華な2シーターカブリオレをモデル化していますが、この車はアメリカのコーチビルダー ブリュースター(BREWSTER)社が架装していました。アメリカ仕様の左ハンドルで当時のパッカードなどとよく似たアメリカ車的なデザインとなっています。実車画像と見比べると、V字に折れ曲がったフロントウィンドーとそこに付いたバックミラー、RRロゴの付いた前後バンパーなど実車がリアルに再現されていて、とても良く出来ています。ドア開閉、リアの補助シーツ開閉、ボンネット脱着のギミック付きです。このようなロールス ロイスの2シーターカブリオレのミニカーは珍しいです。ファントム IIのミニカーは最近までこのリオとウエスタンモデル(ホワイトメタル製)しかありませんでしたが、最近になってMATRIX、NEOなどのレジン製で10数種類がモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE PHANTOM II 1
ROLLS ROYCE PHANTOM II 2

 以下はボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの補助シートの開閉画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM II 3
ROLLS ROYCE PHANTOM II 4

 以下は上記のバリエーションで幌を閉じたロールス ロイス ファントム II カブリオレ (1/43 型番40)の画像です。幌の状態以外は上記と同じで、基本的には色違いです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE PHANTOM II 5
ROLLS ROYCE PHANTOM II 6

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FORD AA TRUCK ’CARLS BERG’ 1932 USA

FORD AA TRUCK ’CARLS BERG’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD AA TRUCK ’CARLS BERG’


MATCHBOX YGB05 1/46 108㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 3.3L 40HP 3段変速
性能: 最高速40km/h?  データーベースでフォード AA型のミニカー検索

フォード AA型 トラック ’カールスバーグ’ アメリカ 1932年

 

 フォード T型の商用車(トラック)仕様としてTT型がありましたが、T型をモデルチェンジしたA型にも商用車仕様のAA型がありました。なお商用車仕様としてはA型の商用バンもありました。4気筒3.3Lエンジンなどの主要パーツはA型と共通でしたが、ホイールベースは大幅に延長され3.3mと4mの2タイプがありました。リアサスペンションは強化され、後輪駆動力を上げる為ギヤ比が変更されていたので、最高速はかなり遅くなっていました。ピックアップ、ダンプトラック、メールトラック、パネルトラック、救急車、消防車など様々なタイプのカスタムボディが架装されました。1932年にA型がB型にモデルチェンジし、AA型もBB型にモデルチェンジしました。

 

 A型とAA型はアルゼンチン、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、日本など世界中のフォードの工場で生産されました。また当時のソ連の国営企業GAZとの合弁会社でもライセンス生産されました。ソ連版のA型はGAZ-A、AA型はGAZ-AA(後期型はGAZ-MM)と呼ばれ、軍用車などの派生車がたくさん作られました。

 

 

 ミニカーは1993年に発売されたマッチボックス製のフォード AA型 トラック 'カールスバーグ'の画像です。この型番Y****のシリーズは1990年代に発売されたマニア向けのYシリーズで、クラシックな商用車などがモデル化されていました。このAA型はフロントグリルの中央に縦バーが付いていますが、これはイギリスで製造したAA型に特有な形状だそうですので、欧州仕様のAA型をモデル化しています。全長5mほどの中型ボックストラックで、実車画像と見比べると実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。なおサイドに表示された「CARLS BERG PILSNER (カールスバーグ ピルスナー)」はデンマークの有名なビール会社です。この類の商用車ミニカーは鮮やかなカラーリングや車体に表示された商品ロゴが楽しいのですが、マニア向けですのでその辺は抜かりなく綺麗に仕上げてあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD AA TRUCK 'CARLS BERG' 1
FORD AA TRUCK 'CARLS BERG' 2

 フォード A型の商用車もマッチボックスが様々なバリエーションをたくさん発売していました。以下は1993年に発売されたマッチボックス製のフォード A型 バン CASTLEMAINE (1/40 型番YGB01)の画像です。サイドに表示された「CASTLEMAINE(カッスルメーン) XXXX(フォーエックス)」とはオーストラリアのラガービールの代表的なブランドだそうです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD A PANELVAN 1
FORD A PANELVAN 2

 以下は1983年に発売されたマッチボックス製のフォード A型 トレイズマン (TRADESMAN) ウッディ ワゴン (1/40 型番Y21)の画像です。フォードのカタログモデルとして実車が存在した木製ボディの商用車です。木製ボディに似せた塗装で実車の雰囲気がうまく再現されています。サイドに表示された「A & J GENERAL STORE」とは「A & J 雑貨店」という意味で個人商店の名前でしょうか? (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD A PANELVAN 3
FORD A PANELVAN 4

 以下は1985年に発売されたマッチボックス製のフォード A型 レッカー車 (1/40 型番Y07)の画像です。ピックアップの荷台に牽引用クレーンを搭載したレッカー車をモデル化しています。サイドに「BARLOW MOTOR SALE QUALITY CARS」と表示されていますので、中古車販売店のサービスカーのようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD A TOW TRUCK 1
FORD A TOW TRUCK 2

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MERCEDES-BENZ SS (W06) 1933 GERMANY

MERCEDES-BENZ SS (W06)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ SS (W06)


ALTAYA VOITURES CLASSIQUES (IXO) 30 1/43 120㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 7L 170/225HP 4段変速
性能: 最高速185km/h  データーベースでメルセデス ベンツ SSのミニカー検索

メルセデス ベンツ SS (W06) ドイツ 1933年

 

 1926年にダイムラー社とベンツ社が合併して、ダイムラー ベンツ社となりました。合併前にダイムラーの技術部長であったF.ポルシェ博士は、スーパーチャージャー付4気筒エンジンのレースカータルガ フロリオを開発し、この車をベースとして6気筒6Lエンジン搭載の高性能なツーリングカー メルセデス ベンツ 24/100/140HP(課税馬力/実馬力/過給馬力)が登場しました。(実車画像→ メルセデス 24/100/140HP)

 

 この車のホイールベースを短縮し、エンジンを強化したスポーツカー メルセデス ベンツ 24/110/160HPは「Kヴァーゲン」と呼ばれました。(KはKurz:短いの意) それをさらに発展させたのが「Sヴァーゲン」(SはSportの意)で、後のメルセデス ベンツ Sシリーズの最初のモデルとなりました。代表的なモデルは1926年の6気筒6.8L(120HP/過給時180HP)エンジンを搭載したSやその後継の1928年のSS(Super Sportの略)がありました。SSは当時最強のスポーツカーで、実車は100台ほどしか生産されていません。 6気筒7L(170HP/過給時225HP)の高性能エンジンを搭載し、最高速185km/hの性能でした。

 

 

 ミニカーはフランスのミニカー付雑誌「VOITURES CLASSIQUESシリーズ」のNo.30で、オークションで入手しました。メーカーはイクソでモデル化した実車がはっきりしないのですが、1933年式なのでSSの最終型と思われます。ミニカーの出来ばえはこのシリーズの標準的なもので、室内などの細部もある程度再現され良く出来ています。銀と黒のツートンカラーもこの車に良く似合っています。同じものがイクソのカタログモデル(型番MUS044)でも発売されていますが、そちらは地味な灰色でいまいちのカラーリングです。メルセデス ベンツ SSのミニカーはソリド(VEREMも含む)とマッチボックスの古いものしかありませんでしたので、このイクソのSSはうれしいモデル化でした。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ SS (W06) 1
MERCEDES-BENZ SS (W06) 2

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BUGATTI T41 ROYALE No.41131 LIMOUSINE PARKWARD 1933 FRANCE

BUGATTI T41 ROYALE No.41131 LIMOUSINE PARKWARD
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T41 ROYALE No.41131 LIMOUSINE PARKWARD


IXO (ALTAYA )  1/43 
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約2m 車重約3t エンジン 変速機: 8気筒 12.7L 290HP 4段変速
性能: 最高速180km/h?  データーベースでブガッティ T41のミニカー検索

ブガッティ T41 ロワイヤル No.41131 リムジン パークウォード (4号車) フランス 1933年

 

 ブガッティ T41 4号車はイギリス人のカスバート W フォスター (Cuthbert W. Foster)大佐が1933年に購入しました。イギリスのコーチビルダー パークワード(Park Ward)社がイギリス的な落ち着いた雰囲気のリムジーンボディを架装しましたので、フォスターカー又はパークウォード リムジンと呼ばれています。実車の写真ではフロントグリル上にブガッティ T41のシンボルである象のマスコットが付いていますが、フォスター大佐は以前に所有してお気に入りであったロールス ロイスと同じフライイング レディのマスコットを付けていたとも言われています。

 

 1946年にイギリスのブガッティのディーラー ジャック レモン バートン(Jack Lemon Burton)に売却されました。その後1956年にアメリカのブガッティ コレクターであるジョン シェイクスピア(John Shakespeare)に売却され、彼のブガッティ コレクションの1台となりました。その後財政難に直面したシェイクスピアは、1963年に彼の車のコレクションを同じブガッティ コレクターであるフリッツ シュルンプ(Fritz Schlumpf)に売却しました。現在は「シュルンプ コレクション」としてフランス国立自動車博物館に1号車 クーペ ナポレオンと一緒に展示されているそうです。

 

 

 この車は最近まではミニカーがありませんでしたが、2008年ごろにフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」シリーズのNo.48でモデル化されました。画像はその「VOITURES CLASSIQUES」のWEBサイトから拝借しました。メーカーはイクソで、同社のクラシックカーはいずれも良い出来ばえでしたので、このブガッティ T41 4号車のミニカーもかなり良い出来ばえであるはずです。実物を入手したいのでイクソのカタログモデルが発売されるのを待っているのですが、2020年現在でまだ発売されていないようです。(2023年現在でもカタログモデル化されていないので、たぶんもう発売されないでしょう)

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BUGATTI T59 1933 FRANCE

BUGATTI T59
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BUGATTI T59


BRUMM R042 1/43 101mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m? 全幅約1.63m? エンジン 変速機: DOHC 8気筒 2.9L スーパーチャージャー 250HP 4段変速
性能: 最高速240km/h?  データーベースでブガッティ T51/T54/T59のミニカー検索

ブガッティ T59 フランス 1933年

 

 1920年代の傑作レーシングカー ブガッティ T35の後継車として、T51が1931年に登場しました。T51のエンジンはT35BのOHC 3バルブ8気筒2.3Lスーパーチャージャー(138HP)エンジンをDOHC 2バルブに変えて160-180HPにパワーアップしたものでした。外観的には、T51はT35とほぼ同じでした。1931年に排気量を4.9L(250HP以上)に拡大し、ホイールベースを延長したT54が登場しました。なおT51/T54は単座ではなく助手席の付いた2座のマシンでした。

 

 1934年から始まった750㎏フォーミュラー(現在のF1)に向けて、ブガッティ最後のグランプリカーとなったT59が開発されました。T59は改良したT54のシャーシにDOHC 8気筒2.9Lスーパーチャージャー エンジンを搭載していました。1933年のスペイン GPに参戦し結果は4位とリタイアでした。1934年には排気量を3.2L(250HP)に拡大し、フランスGPで4位となっています。T59は美しいデザインのマシンでしたが、メルセデス ベンツ GPなどの強いドイツ勢に対して総合的な競争力で劣っていました。

 

 

 そこで単座化などでシャーシを軽量化し、T50用の8気筒5Lエンジンをベースとする4.7L(402HP)/4.4L/3L(275HP)エンジンを搭載した改良型T59/50Bが1936年に開発されました。(外観も大幅に変わっていました) ただ基本設計が古いシャーシでは、このハイパワーを生かすことができませんでした。当時のブガッティは財政的に困窮しており、レースの予算は主にT57G(タンク)を有するスポーツカーレースに向けられてました。その為T59はこれ以上改良されることはなく、あまり活躍できませんでした。(実車画像→ ブガッティ T59/50B)

 ミニカーは1981年頃に発売されたブルム製で、T59をモデル化しています。このミニカーがどのレースの参戦車をモデル化しているのかは明確ではないのですが、1933年式となっているのでたぶんスペイン GPに出場した車をモデル化しているのだと思われます。この型番R042は再生産された際には1934年 フランスGP #14(これも実車不明)に変更されました。ブルムの初期のミニカーは時代考証が適当なものが多いです。時代考証は今一つですが、ホイールやインパネのリアルな造形などは1981年当時のミニカーとして良くできていました。ブルムは10種類ほどのバリエーションを作っています。これ以外のT59のミニカーはBブラーゴの1/18などがあります。T51のミニカーはマッチボックスの1/35があり、T54はミニチャンプスのロードスターがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T59 1
BUGATTI T59 2

 以下は1981年に発売されたブルム製のブガッティ T59 1933 (1/43 型番R041)の画像です。上記のバリエーションで、これはおそらく1933年のフランスGPでリタイアした#4をモデル化しているのだと思われます。上記R042との違いは助手席がカバーされていてホイールがスポークホイールに変えられています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T59 3
BUGATTI T59 4

 以下は1989年に発売されたブルム製のブガッティ T59 1933 (1/43 型番R173)の画像です。これも上記のバリエーションで、リアタイヤがダブルタイヤとなっています。これも実車が不明ですが、たぶんT59を開発していた際のテスト用の車だと思われます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T59 5
BUGATTI T59 6

 以下は1979年に発売されたBブラーゴ製のブガッティ T59 1934 (1/18 型番3005) の画像です。ヘッドライトやフェンダーを装備したストリート仕様をモデル化しています。1/18なので全長約250㎜の大きなサイズのミニカーで、Bブラーゴ製の1/18は大スケールミニカーの先駆けとなったものでした。エンジン/サスペンションやコクピットなどがかなり正確に再現されていて、当時のミニカーとしてはかなりレベルの高い出来ばえでした。(ただ当時の価格は6800円で、高価なミニカーでしたが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T59 7
BUGATTI T59 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T59 9
BUGATTI T59 10

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリア/前輪操舵ギミックの画像です。ボンネットを固定するベルトは軟質プラスチック製で本物のベルトのように固定できます。前輪操舵ギミックはステアリングホイールと連動しています。なお実車ではボンネット右下にあるロッドが前輪を操舵するのですが、さすがにそこまでリアルには再現されていません。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T59 9
BUGATTI T59 10

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