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ランチア リブラ イタリア 1999年
1989年にランチア デルタのセダンタイプであるプリズマの後継車としてデドラ(DEDRA)が登場しました。テーマと同じような雰囲気のデザインで、4ドアセダンと5ドアステーションワゴンがありました。フィアット グループのアルファ ロメオ 155とシャーシを共有する横置きエンジン前輪駆動車で、エンジンは4気筒1.6L、DOHC 4気筒1.8L/1.8Lターボ、4気筒1.9Lディーゼルがありました。1999年まで生産されました。(実車画像→ ランチア デドラ 1989)
デドラの後継車として1999年にリブラが登場しました。1998年に発表されたノスタルジックな雰囲気のコンセプトカー ディアロゴスを下敷きにした独特のデザインでした。シャーシは大ヒットしたアルファ ロメオ 156を流用していましたが、サスペンションは専用設計の4輪独立でした。内装などは高級車ランチアのブランドイメージに沿った上品なものだったようです。ボディは4ドアセダンと5ドアステーションワゴン エンジンはDOHC4気筒1.6L(103HP)/1.8L、5気筒2L、4気筒1.9L/5気筒2.4L(134HP)ターボディーゼルなどがありました。 2000年にDOHC 5気筒2.4L(170HP)エンジンを搭載した高性能版プロテクタが追加されました。リブラはランチアの自信作だったようですが、期待したほどは売れなかったようです。2005年に生産中止となり一代限りの車でした。
ミニカーは2000年に発売されたソリド製の当時物です。この時期のソリドの型番1500番台のミニカーは手ごろな値段(定価約2000円)ながら、レベルの高い出来ばえの物が多かったです。このリブラもその1台で、プロポーションが良く室内などの細部も値段以上のリアルな仕上がりでかなり良く出来ていました。これ以外のリブラのミニカーは出来ばえが今一つのように思われるマジョレットの1/43ぐらいしかないので、ソリドのリブラは車種的に貴重でした。なおこの時期のイタリア車はミニカー化されている車種が少なく、ランチア デドラのミニカーは2014年頃になってミニカー付雑誌「LANCIA COLLECTION」の No.27でワゴンがモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 360 モデナ イタリア 1999年
1999年にフェラーリ F355の後継車として360 モデナが登場しました。ホイールベースがF355より長くなり、全長も大きくなっていました。伝統のピニンファリーナのデザインながら、従来よりダイナミックな抑揚のあるデザインでした。ボディはスペースフレーム構造ながら従来の鋼管からアルミ押出材が使われていました。エンジンはF355の排気量を拡大したDOHC V型8気筒3.6L(400HP)で、F355同様に縦置きでミドシップ搭載していました。
F355の6段変速機は縦置きに変わり、F1と同じステアリング上のパドルで変速を行う「F1マチック」を搭載したモデルにはF1という名前が付いていました。2000年にロールバーを装備したオープンの360 スパイダーが追加されました。F355の後継として360 モデナはGTレースに参戦しており、レース仕様としてはワンメイクレース用の360 チャレンジ(公道用のストラダーレもある)、それをベースにした360N-GT、さらに高性能な360 GT/GTCなどがありました。F355同様に360 モデナも成功をおさめ、2005年に後継車のF430にモデルチェンジしました。
ミニカーは2000年に発売されたマテル製です。プロポーション的には悪くはないのですが、全体的にやや丸みが付き過ぎていて、雰囲気が実車と少し違う気がします。(個人的な好みですが) またサイド下部のインテークが抜けていない点は今一つです。リアウィンドーの下に見えるエンジンや室内のインパネの造形は良く再現されています。マテルの主流は1/18の大スケールでクーペとスパイダーがありますが、そちらのほうはもう少し上手く出来ているようです。マテル以外では、イクソのクーペ/スパイダー、ブラーゴの1/43と1/18、京商の1/43と1/64、レッドライン(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー S タイプ イギリス 1999年
ジャガーは1989年にフォードに買収され、フォードグループの高級車ブランドとなりました。1998年に登場したジャガー S タイプはフォード傘下となって初のニューモデルで、S タイプという名前は1963年発売のMK IIの発展型で使われていました。S タイプはフォード リンカーン LS(1999年)をベースにした後輪駆動車で、ジャガーのエントリーモデルに位置づけられました。(フォード ヨーロッパの最上級車でもありました) 外観はS タイプ 初代をモチーフにしたと思われるレトロなデザインでした。4ドアセダンのみで、エンジンはV型6気筒2.5L/3L、V型8気筒4L(298HP)がありました。(実車画像→ フォード リンカーン LS)
2002年のマイナーチェンジで、内装の品質向上などジャガーらしさを高め、8気筒が4.2Lに変更されました。さらにスーパーチャージャー付のV型8気筒4.2L(298HP)エンジンを搭載し、リアスポイラーなどの空力パーツを追加した高性能版のS タイプ Rが追加されました。2007年に生産中止となり、後継車のXFシリーズ(X250)にモデルチェンジしました。S タイプはジャガーとしては安い値段(それでも当時500万円以上)ゆえにヒットしました。 ちなみにもっと安いX タイプ(4/6気筒エンジン搭載)が2001年に登場していますが、こちらはそれほど売れなかったようです。(実車画像→ ジャガー XFシリーズ(X250)) (実車画像→ ジャガー X タイプ)
ミニカーは2001年に発売されたシュコー製のジュニア シリーズです。ジュニア シリーズは廉価版ミニカーの類で、同じ型を流用したホンウェル(カララマ)ブランドの物もありました。当時の定価が1500円と安価ながら、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。室内などの細部も値段以上に良く仕上げてありました。ドアが開閉するギミック付きです。シュコーはV8 スター シリーズ(ツーリングカーレース)に参戦していたS タイプ RのV8 スター レース仕様車も1/87と1/43で多数モデル化しています。これ以外のS タイプのミニカーはヤトミンのS タイプ R(1/72)、ホンウェル(シュコー ジュニア)の1/72があり、1/43では他社が手掛けていない車種を得意にしているネオ(レジン製少量生産)が2015年にモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ローバー 75 イギリス 1999年
品質が低下し販売が低迷していたローバーは1979年にホンダと資本提携しました。1980年代にはホンダ車をベースにした車がローバーグループから発売されました。バラードをベースとしたトライアンフ アクレイム(後継は200シリーズ)、シビックをベースにした400シリーズ、アコードをベースにした600シリーズ、レジェンドをベースとした800シリーズ(北米仕様はスターリング)などがありました。ローバーを有するブリティッシュ レイランドは1986年にローバー グループに改名され、1988年にはブリティッシュ エアロスペース(航空会社)に売却されました。
その後1994年にブリティッシュ エアロスペースはローバーをBMWに売却しました。(ホンダとの提携は解消) BMWはローバーグループを解体し、ミニとトライアンフのブランドを自社で保有し、ランドローバーは米国フォードに売却し、残りのMGなどのブランドは英国の投資家グループ フェニックス コンソーシアムに売却されました。そのフェニックス コンソーシアムが2000年に立ち上げたMG ローバー グループも経営不振で2005年に倒産しました。現在ランドローバー ブランドはインドのタタ自動車が保有しています。
600と800の後継車としてBMW傘下で新規に設計された75が1998年に登場しました。75という名前は1950年代の75 P4の名前を復活させたもので、デザイン的にも丸型4灯式ヘッドライトなどレトロな雰囲気に仕上げていました。横置きエンジンの前輪駆動車で、当初はセダンのみで2001年にワゴン(ツアラー)が追加されました。エンジンはDOHC 4気筒1.8L(120HP)、DOHC V型6気筒2L/2.5L(177HP)、4気筒2L(116HP)ターボディーゼルなどがありました。
2001年にエンジンやサスペンションをチューンしたスポーツ仕様の姉妹車が、MGブランドのMG ZT(ツアラーはZT-T)として登場しました。ZTにはフォード製 V型8気筒4.6Lエンジンを搭載したZT Xパワーなどの高性能版が設定されました。(実車画像→ MG ZT) 2004年のマイナーチェンジで、ローバー 75/MG ZTはヘッドライトが変更されてスポーティなイメージのフロントに変わりました。ローバー 75は多くが政府公用車として使われストレッチリムジンも設定されるなど、保守的な層には評判が良かったようです。2005年のMG ローバー グループの倒産で生産が終了しました。(ローバー 75の総生産台数は約21万台でした)
ミニカーは2001年に発売されたシュコー製です。シュコーらしいそつのない造形でプロポーションが良く、細部もリアルに再現された良い出来ばえでした。この時期のシュコーとしては珍しいイギリス車ですが、ローバーの親会社BMWの意向でプロモーション用として作られたのではないかと思います。これ以外の75のミニカーはバンガーズがモデル化しています。1980年代後半から1990年代前半のローバー車(200、400、600、800など)はミニカーがほとんどありません。ミニカーがあまり作られなかった時期なのですが、実車も人気がなかったようです。最高級車のローバー 800はコーギーの1/36、ウエスタンモデルの1/43でモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アストン マーチン DB7 ヴァンテージ イギリス 1999年
DB(デヴィッド ブラウン)グループからアストン マーチンの経営権を買い取った会社の経営が悪化し、経営権が別の会社に移りました。1975年に新会社「アストン マーチン ラゴンダ」が設立され、その後業績は回復しました。1990年代になって今度はフォードがアストン マーチンの株を買い占めて、アストン マーチン社はフォード傘下となりました。この時代に経営者だったデヴィッド ブラウンが役員として復帰したことで、また車名のDBが復活しました。
20年間生産され時代遅れとなったV8は1989年にヴィラージュ V8にモデルチェンジしました。(実車画像→ ヴィラージュ V8) ヴィラージュは外観は新しくなったものの、その実態はコストダウンで他社製パーツを流用したオリジナル性に乏しいものでした。またエンジンとシャーシは以前としてV8そのままでした。スーパーチャージャーで550HPにパワーアップした高性能版ヴィラージュ ヴァンテージが1993年に登場しましたが、この車はヴィラージュという名前が省かれるようになり、その後1996年からは通常仕様からもヴィラージュの名前が省かれて単にV8と呼ばれるようになりました。ヴィラージュ V8は2000年まで生産されました。
1993年にDB7が登場しました。フォード傘下でTWR(トム ウォーキンショー レーシング)が開発を担当し、フォード傘下のジャガーのシャーシやエンジンを流用することでコストダウンしていました。ボディの雰囲気がジャガー XK8に似ているのはこの為ですが、それでもアストン マーチンらしさが感じられるデザインになっていました。(ヴィラージュより魅力的でした) 従来はアルミ製だったボディがスチール製に変わり、スーパーチャージャー付 DOHC 6気筒3.2L(330HP)エンジンを搭載し、4輪独立サスペンションで、最高速265km/hの性能でした。
なお6気筒エンジンのDB7は8気筒のヴィラージュより車格は下でした。1996年にコンバーチブルのボランテが追加され、1999年のマイナーチェンジで6気筒エンジンから、DOHC V型12気筒5.9L(420HP)エンジンに切り替わり、名前にも高性能版を意味するヴァンテージが追加されました。DB7は約7000台(アストン マーチンとしては最多)が生産され、2003年にDB9にモデルチェンジしました。(DB8はV8と紛らわしいので避けたようです) (実車画像→ アストン マーチン DB9)
ミニカーは2001年に発売されたオートアート製です。DB7 ヴァンテージの北米輸出仕様(左ハンドル)をモデル化しています。フロント周りの造形が巧みで実車がうまく再現されていて、非常に良い出来ばえでした。オートアートは1998年の創業でミニチャンプスの1/18を製造していた「UT モデル」が前身でしたから、作風がミニチャンプス的です。またオートアートの主力は内部のメカを再現している1/18サイズなので、1/43サイズでもサスペンションなどのメカ部分がリアルに仕上げられていて、前輪がステアするギミックが付けられていました。(最近の物には前輪ステアギミックはついていませんが) これ以外のDB7のミニカーはビテスのクーペとボランテ、シュコー ジュニアのクーペとボランテなどがあります。 以下はフロント/前輪操舵ギミック動作の画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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